2020/08/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にクリスタルさんが現れました。
■クリスタル > 「……混んでるな――わかった。自分で席を探すよ」
(平民地区に女の自宅があって、彼女は自炊をするほうだが、今日は気分転換。外で食事を取ることにした。
――しかし、混雑するタイミングに来てしまった。冒険者ギルドの他に、酒場や宿を兼ねている場所でもあるから。
一応、想定はしていたのだが。店員も忙しそうで、申し訳なさそうな顔をしながら「相席を許してくれる相手を探してくれ」と。)
「………」
(女は目を細め、周囲を見渡す。どこの席もだいたいは盛り上がっていて、よそ者の自分が入っていくのが憚れる。
複数が既に座しているテーブルは避けたいところ。誰かひとりで、自分を受け入れてくれそうな者はいないか――、)
「なあ。……少し忙しそうな所すまないが、相席いいか?」
(とりあえず、何を悩んでいるのかよくわからないが……唸っている男性冒険者に近づき、話しかける。
それから事情を軽く説明する。空いている席がもうないので、誰かと相席が前提なのだと。
店員も忙しそうで、自分で席を探しているところ、と。)
■イディオ > (このチケットのやり場に困っている、自分で使うというのは無しだ、理由と言うのは、ル・リエーの水浴び場は、レジャー施設である。つまるところ、ご家族や恋人同士で行くスポットであり、そんなところに一人で行けば死んでしまう、精神的に。
それに、ただでさえ、瞳に光ない男は、怪しいと思われることが多く、何もしてないのに憲兵呼ばれたこともある、そんな、人の多い所に行くのは怖いのだ。)
「―――お?……ああ。どうぞ。」
(思考に耽溺して居たらしく、誰かの声に気が付いて男は視線を向けた。そこには、魔術師であろう――恰好をしている女性。
クールビューティーと言った所だろうか、白銀の髪の毛の女性が居た。野性的な髪型でもあるので、魔術師、と断定するべきかどうか悩んだのだ。戦士の可能性もない訳ではなかったから。
冒険者はクラスを間違われるのを嫌うものも多い、基本はわかりやすい格好をしているが。
中には、判りづらい格好をした上で間違えると怒るのもいるので面倒臭い。
失礼にならないように、さらりと返答してから、周囲を見回した。そして、満席なことに気が付いた。)
「少し片づけるよ。」
(一人だから、と男は、テーブルを広く使っていたが、対面に相手が座るなら、と半分になるように集めて見せて、待たせた、と軽く。
一応高級品になるので、チケットは懐に戻し、後で考えることにする。
折角人が来たのだから、彼女が望まないのならともかく、話しはしてみる気。)
■クリスタル > 「ありがとう」
(相手の思索の中断をさせたようで、申し訳なかったが。彼の快い返事には、礼をすぐ伝えた。
目を僅かに細める。笑ったのだ。――しかし、彼の考えている通り、女の見た目は魔術師然しておらず。
一種の引っ掛けのように思われても仕方ないか。寒い時期に纏う外套には、幾何学模様的な『何か』が刺繍されてるので……。
それを見れば、すぐに「そうだ」と思われたかも知れないが。
髪型が野生的なのも否めない。しかし、ナイフで髪を切っているわけではない。切り口自体は髪切り鋏のそれである。綺麗なものだ。
一応、腕のある者がわざとそうして切ったように、見えなくも無い。)
「あ。……そっか。そうなるか。重ね重ね、ありがとう」
(相席の承諾を得られた時点でほっとしていたが、テーブルの上に空間を作っている彼を見て、少しぼんやりしてしまった。
思いのほか、相手に手間を掛けさせた気分になる。ただ、詫びる代わりにまた礼を口にしたが――、
ひとまず、椅子を引いて。彼の向かいに座る。そのタイミングで店員がやってくる。適当に口頭で注文を伝えると、彼に向き直って、)
「気になる人でもいるの?」
(唐突な質問。実は、細長い紙切れ……招待券はそれとなく視界に入っていたのだ。
彼が先程、なんだか悩ましかったのは「気になる人にどうやってお誘いの声を掛けようか」と……そういったところだろうか、と。)
■イディオ > 「はは、どう致しまして。」
(彼女の礼の言葉に、軽く返答を返し、男は手をひらひら、と振って見せた。目の前に座る彼女が笑みを浮かべて腰を下ろす。やって来た店員に何かを注文すると此方を見る、その際に視界に入った外套の模様、それは魔法陣というものに見えたが―――残念ながら知識が少なく。
なんとなく俗吏、としたものを感じる程度のものだった。)
「気にしなさんな、こういう所は譲り合いの精神ってやつさ、それに、美人が対面に座るのは目の保養になるし。」
(からから、と笑って見せて、冗談を一つ彼女に零してから、男はエール酒の入ったジョッキを持ち上げて見せる。に、と笑って見せれば、目の光も相まって、怖い笑顔になるかもしれぬ。
それからの彼女の言葉に、男は目を瞬いた。不思議そうに首を傾いでから、彼女の視線に気が付く。
自分の胸元、今仕舞ったチケットの方に向いているようで。)
「残念ながら。
気になる人がいれば、お誘いに出てるんだけどね、残念ながら。」
(誘って良い相手と言う意味であれば、と男は軽く笑いながら肩をすくめる。とりあえず肉の串を一つ取って齧る。柔らかな肉をガジガジ、と噛んで。
視線を追って、自分の胸元のチケットに言って居る事を確認してから、今一度取り出して。)
「そういう相手が居ないから、持て余してるんだ。」
(そういいながら、彼女に見せるようにチケットを差し出す。ル・リエーの水遊場の招待券。ペアチケットだ。)
■クリスタル > (女が着ている、薄手の男物のジャケットに、そういえば何か刺繍が入っていたかも知れない。
残念ながら、それは魔法円ではないし、既製品のそれに元々入っていた飾り模様だろう。
それにしても……相手は目ざとい人物のようだ。女性の服装や髪型が変わったら、早々に気づくタイプなのかも知れない。
クリスタル自身は、自分の小さな変化に相手が気づいてくれなくても、機嫌を損ねるようなタイプではないのだが。)
「……その割には、目が死んでるように見えるのは。俺の気のせいかな。
――だけど、視えているよな?」
(顎の下に手の甲を添えて、首を傾げる。彼が精神異常を起こしているようには見えないし、盲目でもなさそう。
瞳がオッドアイだとか。何かの模様が入っているだとか。そういった変わった目は、過去に見たことがあったけれど。
彼の場合、そういうのとは事情が違いそうだった。……ただ、まぁ。彼が自ら詳しく話さない以上、こちらも聞かないが。)
「……こういうのって、同性同士は駄目なのかい。
俺もあなたが異性を誘う前提で話をしてしまったけれど――同性の友人でも、いいのでは」
(ペアチケットに、特に細かい指定さえなければ。それもアリだろうと今更ながら思った。
ただ、彼からすれば、男同士で水遊場に行っても楽しくないかも知れないが。
そう話しているところで、女の注文したものがやってくる。それらに適当に手をつけながら、)
「……ひょっとして、俺を誘っているの?」
(いったん、食事の手を止めて。薄い笑みで彼を見る。それから、件のチケットに視線を落として。)
「俺、男とどこかに行くなら。……二人きりになれるほうが嬉しいんだけど」
(女は、人混みでごった返すル・リエーの水遊場を思い描いている。時間帯や水遊場のどこで待ち合わせするかにも因るだろうが。)
■イディオ > 「目が死んでいるように見えるのは―――まあ、気にしないでくれ。これがデフォルトなんだ。
大丈夫、ちゃんと見えてるし認識できてる、だから、寧ろ今は困ってるとも言えるんだけど。」
(目の前の女性が、そもそも、魔術師なのかどうかが判らない、その刺繍に意味があるのか、とかそう言った具合のもので、彼女が悪いわけではない―――筈。
しかし、ちゃんと目は見えていると伝えておこう。目が死んでいるような状態、ハイライトさんが居なくなっている状態なのは、これが基本なのだ。
理由はわからない、着にしたら負けなのである、と、自分も気にしたら負けかもしれないと思って居る。それで生活できているし。
それよりも、彼女の一言に、男はショックを受けた。)
「その手があった……か!」
(確かに、レジャー施設なのだ、それを考えれば女の子同士で遊びに来る可能性もある。なら、男友達を誘い、ナンパを――――と。そこまで考えて、ハイライトさんの消えた目は沈む。
理由は簡単で単純なものだ。
誘う様な男友達も、居ないし、そういう場所に行くのならばと、冒険者男連中は多分群がるだろうことが容易に想像できたのだ。)
「………は……へ?」
(彼女の同性の友人の可能性を吟味していたところにさらに畳みかけるような言葉、余りにも以外であり、そして、変化球過ぎる言葉が飛んできたので、理解しきれなかった。
食事を開始する彼女の方を見て、ポカンとしてしまった。思考の埒外過ぎるお言葉)
「美人をお誘いするのは在りだけど、流石に初対面の女性をいきなり誘うのは、個人的には失礼だと思うんだ。
そういう積りじゃなくて、チケットに気が付いてたみたいだから、見せた方がいいか、と思っただけなんだ。」
(彼女が嫌だとかそういう風には思わないが、初対面の相手を何の脈絡もなく、そういう場所に誘う程破廉恥なつもりもない。
彼女が興味があり、行きたいというなら譲るまである。
薄い笑みは、彼女の美貌と、男性的な所作、も相まって、どきりとするような魅力もあった。)
「はは。それはそれは。勘違いしてしまう様な、殺し文句にも聞こえるよ。
二人きり、か。貴族の使うような場所なら、それもできるだろうね。
行きたい相手が居るなら、譲るよ?」
(チケットをよく見れば、貴族用の場所など、ル・リエーの何処でも使えるチケットだった。庶民に解放されている場所だけではない。
とは言え、先ほども言ったが、初対面の相手をいきなり誘うのは、男の趣味ではないから。
譲る、と言う選択肢を作り出した。)
■クリスタル > 「デフォルト。……つまり、常時? ――へぇぇ。
……俺は一応、魔術師だよ。服装が地味でラフなことが多いから。
冒険者どころか一般人に見えるかも知れないけど」
(興味深そうに数秒、まるで彼の瞳を覗き込むように。テーブル越しにそこへ視線を注ぐが……すぐやめる。
考えてもわからなそうだったし。本人にも詳細不明のようだし。
それからやがて、自分から正体を明かす。……とは言っても、表向きの自分を明かしただけなのだが。)
「なんか。……結局、俺の代案は没になったみたいだね」
(小さく笑いながら、女はそう言った。目は死んでいる割に、目の前の相手は表情豊かなのだ。
さすがに詳細はわからないけれど、自分の案が不採用の流れになったっぽいのはわかった。彼、嘘を吐けないタイプなのかも。
そう思うと薄く笑みを深める。――自分は、まぁ、便宜上ではあるけれど。嘘を吐くほうだから。無意味な嘘は控えるけども。)
「あれ。違うの?」
(相手の顔を内心、「見ていて飽きないなー」と思いながら。普通にそう、聞き返した。)
「……あぁ。話題の中心だったものね、それが。そういうことか」
(己の早合点だったと理解すると、微妙に女の表情が崩れる。それは気まずそうにも見えるし、どこか残念そうにも見える。
淡い表情の内面は不透明だ。喜怒哀楽をはっきり示すほうではないらしい。)
「そう? どうせプライベートで異性とどこか行くなら、俺は落ち着けるほうが好きってだけ。
周りに人がいると、気を遣うから。……それに、二人きりのほうが。個人的な話もしやすい。
――いないなぁ……男友達はいるけどさ。あいつらと水着姿になって、語らうことなんてないしな」
(時折、食事を挟みながら。相手と会話を続けている。自分からすれば、大したことを言ったつもりはなかった。
……それにしても、彼はチケットを譲ってくれるらしい。しかし、女は小さく首を横に振る。
彼の気前の良さには気持ちいいものを感じるが、残念なことに。「自分も相手がいない」と。)
■イディオ > 「ああ、常時これなんだ、まあ……この目に関しては申し訳ないけど慣れてくれ、としか。
魔術師、か、地味と言う程のものじゃないというか、目を引くと思うけどな、美人だからなおさら。
冒険者と一般人の違いなんて、服装ぐらいだし、仕方のない事じゃないかな、魔術師は基本軽装を好むから。
俺は前衛、だよ。剣も弓も盾も使うしファイターと言うのがいいかな。」
(自分の目をまじまじと覗き込む彼女、口調や所作は兎も角、美人が自分の目を覗き込むというのは慣れないというか気恥ずかしい。ハイライトの無い目は、落ち着きなくきょろきょろりと、視線を逃がすかのようにあちらこちらへ。
彼女は、魔術師だと自分のクラスを明かしてくれるので、ならば、と自分もクラスは明かしておこう、と言うか、男自身クラスと言う縛りで考えたことはあまりなかったが。)
「はは、済まない。確かに、君の案はいい感じだったんだけれど、残念ながら、俺に、男の、友人―――そもそも、友人が。」
(居ないのであった、友達少ない系ボッチ、あれ、色々と危ないんじゃないだろうか、気が付くと涙が零れそうに。泣くのは我慢する、だって男の子だもの。
友達作らねば、と心に誓う25歳児。
とは言え、とはいえ。なんか、こう―――見守るような感じの笑みが浮かび、男はちょっと、居住まいを正す。気恥ずかしい。)
「はは、初対面の美人をいきなり、水着全開の場所に誘う勇気は在庫在りません、そういう勇気は、勇者様にお願いします。
まあ、勘違いさせてしまったのなら申し訳ない。」
(残念そうな雰囲気なのか、それとも別の何なのか、自分とは違って凄く、ミステリアスな彼女だ、精一杯おどけて見せる。彼女が悪いわけではないのだ、と。
チケットは元々運が良かっただけ、手に入れることで使い切ったのなら、後は、有効利用できる相手に渡すのがいいと思うのだが。
相手も、居ないと言う。)
「―――チケットはまだ有効期限もあるし、もう少し使い道などを考えてみるよ。
折角うまい飯と酒があるんだし、冒険者が二人。ならさ。」
(とりあえず今は、美味い飯と酒に乾杯だ。男は軽く笑って、ジョッキを掲げて。
新たな出会いで、小さな酒宴を開くのだ、酒場の日常に溶け込んで、楽しく食事をする冒険者たちが、其処に有る―――。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からクリスタルさんが去りました。
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