2020/07/16 のログ
ロブーム > 「……ほう?」

頭を掴んだまま、首だけで振り向いて、少女の姿を確認する。
見るからに、力は感じない。無力な少女だ。
例え、ロブームの力は解らずとも、そもそも少女にとっては男性同士の諍いに首を突っ込む事自体、既にリスクだろう。
無謀ではある。蛮勇でさえあるだろう。だが――"その心は、美しい"

「ふム。そうだな、良いだろう。確かめてみるか。
だが、その前に誤解は解いておかねばな」

次の瞬間。男とリムリアを遮断するように、幾本もの触手が"生えた"
触手と触手の間には隙間があるので、お互いの姿は見えるが……その向こう側に行くには、掻き分けて行かなければならないだろう。
そして、男は自らの魔力を解放する。
黒い靄の様なオーラが周囲に漂い、少女の心を圧する。

「さて。つまり、こういう事だ、少女よ。
――これは、喧嘩でも諍いでもない。魔族による、人間への搾取だ」

訥々と語る男。
みしり、と男の頭蓋骨が音を立てる。
殺す気はないが、殺すつもりかも知れないと、少女に思わせるための演出――それを前にして少女がどう応えるか。
それで、男は彼女を図るつもりである。

「さて。それでも尚、君はこの男を救うつもりかね?今なら、君だけは見逃してやろう」

リムリア > さすがに少女自身も、事情も分からないままに首を突っ込んだのは早計だったという自覚はある。
事情が分かっていたからと言って、何が変わるわけでもないのだけれど。
それでももしかしたら、知り合いの冒険者の方が何か仕出かしてしまったのかもしれない。
そんな可能性も否定しきれないわけで。

「――――え? きゃっ!?」

夜の帳よりも、なお黒い魔力が吹き荒れる。
悍ましい触手が、どこからか目の前に呼び出され、獲物を探すように揺らめく。
そんな光景に小さな悲鳴を上げて、一歩後ろへと後ずさり。

「なっ……や、やめてくださいッ!」

一方的な搾取だと言われれば。
相手が魔族―――とても駆け出し冒険者が敵うような相手ではないと分かっても。
目の前で知り合いが苦痛に耐えきれずに呻き声を挙げる様を見せつけられてしまったのなら、身体が勝手に動いてしまう。

咄嗟に腰に差していた小振りな杖を抜き取って、触手の群れへと向ける。
紡ぐ言の葉は、障壁の呪文。
輝く光の壁が生み出されれば、ほんのわずかの間かもしれないけれど、触手を退けられるだろう。
その刹那の間に、その距離を詰めて今にも頭を握りつぶそうとしている男の元へと駆け寄って――

ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にロブームさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にロブームさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 「ほう!この私が魔族と知って尚、恭順でも取引でもなく、まっすぐに向かってくるか!
なるほど、これは思ったよりも芯の強い少女であった様だ」

嬉しそうに笑うロブーム。
掴まれた男は、何も言わない。もし、このまま彼女が男の元へと到達すればどうなるかなど、バカでも解るだろうに。

幸か不幸か、障壁の呪文は触手をいとも簡単に退けてしまった。
この触手は、どうやら魔術的な力は持たないようで。
簡単に、ロブームの所まで辿り着き――

「――どうやら、君を見誤っていた様だ」

次の瞬間。リムリアは、ローブの男に抱き止められるのを感じるだろう。
獣じみた体臭と、不快な脂の混じった汗の臭い。
そして、ローブ一枚越しに感じる、押し付けられた男の肉棒の熱。
張っていた筈の障壁は何時の間にか失われ、どころか、持っていた杖さえも、何時の間にか奪い取られている――

「良かろう。此処で辱めるつもりであったが、気が変わった。
我が城に――『淫堕城』に招待しよう。我が客人よ」

そう云うや否や、少女の意識は落ちるだろう。
そして、少女も触手も、それどころか掴まれていた男さえも霞の様に消え失せ、路地裏は元の昏い平穏を取り戻す――

リムリア > もとより攻撃手段の乏しい少女に、撃退などという考えは露ほどもない。
苦痛に顔を歪める冒険者に治癒の魔法を掛けるのが精一杯だろう。
その後のことなど考えるよりも先に、身体が動いてしまったわけなのだから。

駆け抜けた勢いをそのままに、杖を冒険者へと向ける。
逸る息を落ち着けて紡ぎ出す言の葉が、魔力を形にするよりも先に、少女の耳に男の声が響く。

手の内から杖の感触が抜け落ち、代わりに鼻先に饐えたような臭い。
そして視界が閉ざされる。
分かるのは、男に抱き締められたということくらい。

咄嗟に振り払おうと腕を振ろうとするけれど。
それよりも先に意識は深い闇へと落ちていく。
まるで足元に開いた底なしの穴へと吸い込まれていくかのように。

暗い路地裏には、少女の悲鳴ひとつ残ることなく。
ただただ暗い闇だけが取り残され。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からリムリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区の公園
遊具などはなく、長椅子と石畳、花壇程度の簡素な公園
その木製の長椅子に、一人の少年が寝転んでる
くぁ、と欠伸をしながら、曇天を睨むようにみあげてる
退屈だ
なんて思いながら、しかして、特にやることもなく

グラスシエル > 「んー…まあ、昼寝でいいか」

雨がふったらその時はその時だ
そのまま、目をつぶり昼寝を決め込む

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にファイネアさんが現れました。
ファイネア > 平民地区にある商店の一つ。富裕地区にもほど近い位置。
女性向けのアクセサリーショップ、といった佇まい。
少し背伸びをした平民向けの店、という所だろうか。

「~♪」

鼻歌混じりに棚の間を歩けば、見目に麗しい小物がいくつも並んでいる光景。
平民や冒険者の立場からすれば少々お高い買い物という風情ではあるが…。
しかし、こういうものに心躍るのは女性の性というものだ。
周囲には自分のような者もいるし、貴族の娘というような風体の者もいる。
さすがに上流階級のマダムという人は視界内には見当たらない。いれば目立つだろう。
大体そういう人って店の人呼ぶんじゃないかしらね?と思う事少し。

詮無き事と思考の端に追いやり、物色を続ける。
目に留まったものがあれば買うかどうかを悩むという所で…。
ファイネア自身は実に機嫌よさそうに商品を選び歩いていくのだった。

ファイネア > 「あ、これいいじゃん♪」

小さく声を上げ、アクセサリを手に取る。
試着、試着、と上機嫌な様子で姿見の前に歩いて行くのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からファイネアさんが去りました。