2020/07/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」にフィルさんが現れました。
フィル > 蒸し暑くなったと思えば、突然涼しい風が吹き抜ける夜になったり。
晴れたり、突然雨粒が降り注いだりと、今一天候が安定しない日々が続いているようである。
少々蒸し暑い程度であれば、夜が更け始めるころには、涼しさを求めて酒場などは賑わい。
喧騒が零れているのが、平民地区の大通りから続く通りでは珍しくないわけであり。
少々涼しい風が吹きぬける今宵も、いつも通りならそれなりに賑わっていただろう。
日が沈んでも降り続いていた雨のせいか、雨が上がった今も人通りは少なく。
いつもの通りと比べれば、大分閑散とした様子となっているようだ。

「通りを間違えたのかなって位、静かですね…」

ところどころ残っている水溜まりに気を付ける様に、少年は人通りの少ない通りへと足を進めながらぽつりとそんなことを零していく。
点在する酒場の中からは、僅かに賑わいが感じ取れ。
人気も感じられるものの、普段に比べれば静かすぎるくらいであれば、明け方の時間に来たようにも感じられるのだろう。
いつも目深にかぶっているフードをかぶることもなく。
当たりの様子を伺う様に視線を向けては、また道の先へと足を進めていくことになり。

「この様子だと…露店とかはあまりなさそうかな…」

酒場に宿屋、雑貨屋に娼館などの客引きもチラホラと見受けられ、ちゃんとどのお店も開いていいることは感じられるのである。
けれども、どこもまだ地面は濡れていることもあり。
夜になってもそこそこ残っているような露店は、いつも以上に引っ込んでしまっているのだろう。
時折、お店を開けている雑貨屋や服屋を、軽くのぞき込んではまた次へと少年は足を進めてと繰り返し。
特にコレといった目的がなさそうな足取りなのは、面白いお店や露店を探す散策半分といった所のようであり。
時折、路地裏ものぞき込んだりとしては、まだ人気の戻り切っていない通りを、いささか無防備な足取りで進み続けていくようだが。

フィル > 「やっぱり…雨上がり後は失敗だったかな…」

雨上がりの人の少ない時だからこそ、普段はないようなものを扱ってる露店やお店があったりしないか、と思っていたようである。
もっとも、そんな都合よく穴場のようなお店などは簡単に見つかることはなく。
殆ど夜更けの散歩みたいな状態になってしまっているようだ。
平民地区とはいえ安全かといえば、そうでないのだが。
路地裏や、死角が多い場所なので、手ぐすね引いているような輩もあまりいなさそうなのは、やはりそういう人々もびしょぬれになるのは嫌というところだろうか。

「天気悪い時に開いてるお店…は流石にないですよね…」

ある意味ないと思ったようなものでも、あるのがこの街でもある。
お店が並ぶ通りも、大分奥まで進んだものの、良くも悪くも特に何か大きな出来事に出会うこともなく。
客引きにもそこそこしか、少年は捕まることがなかったようであり。
安全だったからこそか、少しずつその足を道の奥深くへと進める様になっていけば、だんだんと進む道は路地裏よりへと変わり始めていき。
ちょっとした冒険心か、変化でいざとなったら色々逃げの一手だけは打てるからだろうか。
通りから少しだけ入り込んだ、完全に路地裏のルートを歩み始めることになっていくことになり。

フィル > 「こっちにいくと…通りにつながるはずだから…」

路地裏へと進み道を移してからしばらく歩き続けても、特に変わったお店に出会うことはなかったようである。
余りにも不規則に動いて迷子、なんてことになっても情けのない話だろう。
ある程度は歩いてきた道を確認するように、少年は時折振り向いては、確認するようにぽつりとこぼししていく。
表通りの終わり辺りに再び路地裏から合流しようとしているのだろう。
変わったお店どころか、そこかしこに水溜まりは残り。
パシャリと水音すら響く程に静まり返った、人気のない路地をそのまま進んでいくことになったようだ。

「…あれは、お店…?」

そろそろ路地裏も終わりに近づくころになって、少し建物から零れる灯りが目に入ったようである。
変わったお店どころか、お店ですらないのかもしれないのだが。
折角の散策だからこそ、無収穫すぎるのは少々味気ないという感覚もあるのだろう。
裏路地から表通りにつながる辺りの、建物から零れる灯りに引き寄せられるように少年は足を進めていこうとするが。
たどり着いてみれば、角のお店から強く零れていた灯りだったようであり。
気を取り直して少年は、そのまましばらく散策してから帰路についていったか―

ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」からフィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区、住宅地の隅にある小さな公園
長ベンチがいくつか置かれたその、長ベンチに、一人の少年が寝転んでる。
目つきの悪い、睨むような目で曇天を見上げる、空気の悪い少年だ。雰囲気は冷たい、というよりは鋭い。隙を見せれば噛み付いてきそうなそんな感じ
だが、その寝転んだ胸には、どっしりと、重そうなでっぷりした黒猫が鎮座してる。グルグルと喉を鳴らして満足そうに丸まってる

「重えよ、どけよ」

少年はつぶやく。言うだけで手で払い除けはしない
猫は耳をちょいっと向けただけで、気にもしない様子。少年は舌打ちしながら再び曇天に視線を向けて

グラスシエル > にゃあ
黒猫が鳴いた、少年になにかを言いたげに
少年は鬱陶しそうな顔を向けて、しかし、黒猫をぽむぽむと撫でる。黒猫は満足そうに目を細めて

「てか、重いんだよ。さっさとどけよ」

同じセリフを吐きながらも、ぽむぽむ
黒猫は少年の性格がわかってるのか、動くわけでもなく丸まってる

グラスシエル > いつの間にか、寝息をたてて、眠る少年
起きるまで、黒猫は付き添う
そうして、いつもどおりの朝を迎えるのだ

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。