2020/06/19 のログ
ソウレン > 男が飲み食いした後の、空の食器を都度都度下げていく。
そんな様子も然程急いだ事もなく、食べる事を急かす事もなく。

「はは。有難い事だけどね、よく食べてくれるのは。」

楽しんだ後の名残り、とも言うような白米と味噌汁。
それにほっとした様子を見せてくれれば、一仕事終わった、と感じる。
それはたまにお茶漬けだったり、食べたりなければ焼き魚がついたりするが。
それはまぁ、その時々。

「満足したようで何より。空いていた腹も気にはならなくなったかな。」

ちらりと外に視線を向ければ、まだしとしとと雨は降り続いている。
食事が終わったからと言って店を出るのを急かすような真似はしない。

自分の分のぐい吞みも取り出し、もう一杯どうかな、と酒を薦める。
今度は自分も一杯だけ付き合うつもりで。

その後男がいつ店を出たかはわからないが、少なくとも時間に追われる事なく酒を呑む事はできただろう。
屋号の通り、普段いる時間から切り取られた別の時間を過ごすような雰囲気で。

セイン=ディバン > 「……ははははは」

なんというか、まるで子ども扱いをされている気分になる男であった。
いや、実際。子供だと思われているのかもしれないが。
男としては、美味い食事の前でまで格好をつけられない性分なので、仕方ない。

「そりゃあもう。大満足です。
 ……あら。まだ止まないですか」

再度、頭を下げ。男は、感謝の意を伝えるが。
雨音に、やれやれとつぶやき、どうしたものか、と考える。
だが、相手にサケを薦められれば。

「是非とも」

その一杯をいただき、男は食後の余韻を味わっていく。

……そうして。雨が止むころ。
男は、実に幸せな心地で、店を後にする。
ほろ酔い、どころか。割と酩酊しながら。
帰り際、店を振り返り。また来よう、と。
男は、この店をお気に入りとして、記憶するのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソウレンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。