2020/06/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にサチさんが現れました。
サチ > 平民地区の郊外、歓楽街は程遠く宅地もまばら。人気も少なく、建物も少ない代わり用水路沿いに草葉が多く茂っていた。籐で編まれた籠を一つ下げて徐に道端に屈みこむと。ぷちぷちと雑草を摘み始め。
「んー……少し硬くなってきてますかねー? でもまだまだ食べごろ……」
食用にできる雑草をせっせと摘む貧乏人が一人。
「これは先の方だけ……こっちは根まで……おっと食べれる雑草の優等生タンポポ発見…!
花も葉も根っこもイケル憎い奴……。
久し振りにタンポポコーヒー飲みましょ」
るんるんしながら雑草狩りに余念がない。一見ただの除草中……だがその実は食料採取である。

サチ > めちゃくちゃ惨めったらしい一コマだが、当人はお花摘みにでも来ている様ににこにこと上機嫌な笑みを刻んで、調理法を模索しながら食べられる物とそうでないものを選んで摘み取っていた。道端に屈んでごそごそやってる背中はちょっとした不審者だったかも知れないが。
今日のおかず~と楽し気に口ずさみながら籠を満たしてゆき。
「こっちはお茶に……こっちは衣をつけて揚げると美味しいんよね……でも油ないなぁ……灰汁を取って小麦粉で練って焼いたらええかなー」
思わず零れる方言。気を抜くとたまに飛び出る訛り。活き活きと茂る雑草を摘み取りながら、ふと顔を輝かせ。
「あー。蛇苺! ラッキー。ちょっと酸っぱくて青臭いけど……これもまた美味。一杯あればジャムにできるんやけどなー」
赤く実った草の実を採取していきながら、一つ味見と口に入れて、
「酸っぱぁー」
目をきゅ、と細くする。実におめでたい貧乏人だった。

サチ > 「さーて、沢山採れましたー。これでしばらく持つ」
お手軽にタダで採取出来て栄養満点、ただし不味い。そんな食用雑草を籠一杯にたんまりと詰めて立ち上がり軽やかな足取りで去ってゆく。その後には籠から落ちたタンポポの花が一輪残されてその内誰かに踏まれ道と同化していった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からサチさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトリーシアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトリーシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトリーシアさんが現れました。
トリーシア > すっかりと日も落ちた平民地区の川沿いの道。
そこに近い冒険者ギルドから大荷物を抱えて後にして道を歩く。
外套の薄暗い灯りで照らされる中をゆっくりとした足どりで歩いては時折に荷物を抱え直して。

「すっかりと遅くなりましたね。早く帰らないと」

そうは口にしても荷物の大きさで走る事も出来ずに動きはゆっくり。
人通りの少ない道を歩いていって。

トリーシア > 「後少しですね。疲れましたよ」

そうして小さな足音を立て歩き、いくつかの角を曲がって歩き。
やがて見えてくるのは本当に小さな店舗。
その前で足を止めれば器用にカギを開けて中にと入って…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトリーシアさんが去りました。