2020/05/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスバルさんが現れました。
■スバル > 昼間の平民地区は、どこもかしこも誰もかれも、楽しそうに歩いているのが見えて、道の隅のベンチに、一人の少年が座って、その歩いている人たちを遠巻きに眺めている。
少年の格好は、この町の普通の子供が来ているのと大差のない、一般的な洋服であり、特にみるべきところはなく、髪の毛は、東洋の血を引いているのか、黒い色で、ヘルメットのような長さ、前髪は顔半分を覆い隠し、少年の目が見えないぐらいにはなっていた。
誰かを待っているという訳ではなく、むしろ居心地が悪そうな様子だ。
別に誰かにいじめられている、とかそういった様子ではなくて、ただただ、極度の人見知りというだけの事だが、知り合いでもない人がそれを知るのは難しい。
人に近づかないこともあり、誰も遠巻きに通り過ぎていくのを、ただただぼんやりと眺めていた。
少年の傍らにはバックパックがあって、そのバックパックには護身用と思われる短刀―――東洋でいう脇差という刀が置いてある。
しかし、少年の体格を見れば、小さな子供であり、非力なのは見て取れる、威嚇用でしかないのと。
少し武をかじったものであれば、その少年が―――全くの素人だという事も見て取れるだろう。
何処までも、非捕食者然としたその少年は、ただただ、道行く人々を眺めているだけ。
ベンチに座っているだけ、の様子だった。
■スバル > 「―――――………。」
少年は、基本的に夜に訓練を行っていて、昼間は家事をしている、今、ここにいる理由は、家の掃除と、家族の服の洗濯が終わった後。
夕飯の買い物に向かう途中なのだけれど―――思った以上に人が多く疲れてしまっていた。
人見知りの強い少年だからこそ、人込みはすごく疲れてしまい、体力も少ないので、休憩しているのだった。
もう少しすれば、おひるごはん時も終わり、人が減るだろう、仕事に戻ったりするから。
そう考えて、ベンチで腰を掛けながら、夕飯のメニューを考える。
今日は、姉は帰ってくるのだろうか、最近全然見かけない、父親は居てもいなくても。
母親も―――音信はない。
とは言っても、帰って来た時にご飯がないとかわいそうだと、家族を含めたメニューを考える。
少し高いけれど、保存庫を買ってあるので、直ぐに食べ物が悪くなるということも無いし、余ったら自分で食べればいい。
少年は少し顎をあげ、今日もきれいな青い空を見上げながら、メニューを静かに考える
■スバル > 「ぁ」
棒っと空を見ていたが、鶏肉の料理とか良さそうだ、それにしようと思い浮かぶ。香草で焼けば、きっと美味しい。
付け合わせには、コーンスープが……いや、オニオンスープにしよう、そして、サラダ。お肉のソースを少し濃いめにして、サラダはさっぱり食べられるものにするがいい。
よし、と、少年は小さく、本当に小さく気合を入れた、作る料理が決まったなら、後は買い物をするだけ。
とは言っても。
「――――。」
髪の毛の下の少年の眼が少し細められる。人が、まだまだ多いのだ。
余り人ごみの中を歩きたくない少年は、もう少しこのまま座って、人の姿が減るのを待つ事にする。
人が減ったら、改めて、買い物をして帰ろう、仕込みの時間はそんなにかからないし、料理もすぐにできる。
うん、と小さくうなずいてから、少年はぼんやりと、人の流れを見る作業に戻るのだった。
■スバル > しばらくの間、人通りを見ていた少年は、人が少しずつ減っていくのがわかった。
それなりに時間が経っていたらしい、空を見ると太陽も動いていた。
歩いても、大丈夫なくらいに減っているようなので、少年はベンチから降りてバックパックを手にする。
「よい、しょ。」
小さく声を零しながら、荷物を背負った少年は、ゆっくりと歩き始める。
目的の買い物に一番いいルートを思い返しながら、後、懐から財布を取り出して、今の残金と予算を確認して。
問題がないことを確認しながら、去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスバルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、文字通り、平民の多くが生活する街は、
王都の中でも最も面積も広く、人口も多い賑やかな場所である。
上下の身分、多種多様な種族が往来する街並みは貧民街に比べれば、
一見すれば治安が良く、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所が存在する平民地区では必然的に街中を警邏する兵士の数も多く、
行き交う人々に彼等が目を光らせている。
だが、それが必ずしも治安維持のために輝いているとは限らない訳で。
「――――其処のアンタ、少し良いか?」
なめし革の胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
道を行き交う女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているかのようであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。