2020/04/11 のログ
■ピング > こうして選び抜いた写真を加工に回し、後日、店内へと飾る事になる。
満足げに頷くと、さて今日は店じまいだと支度を始めるのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 週末の夜の酒場の雰囲気が好き。
王都の平民地区、大通りを歩けばいくつも目にするありふれた大衆酒場は賑わっていた。
大物相手にからくも勝利を収めたらしい冒険者グループ。その戦士とおぼしき男の人は骨折したらしく片腕に添え木を当てているがその表情は明るく、無事な片腕でエールのジョッキを次々と飲み干している。それを隣でからかう魔法使い。
たまたま今日は吟遊詩人と踊り子が同じ場所に居合わせたらしく、即興の演劇が奥で始まった。
そんな賑わいを、カウンター席で頬杖をつきながら見遣り、褐色肌の冒険者が片手のホットミルクを傾けて笑みを深める。
自分もパーティを組んでの護衛依頼を終えたばかり。
懐もぬくもって、今日は少し夜ふかししたい気分。
カードゲームの始まるテーブルに、壁際ではナイフダーツが盛り上がりを見せていたり。果てには酔っ払い同士のフラフラケンカファイトが開催されるのにくすくす、肩を揺らして。ぼんやりその喧騒を眺め。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に鈴さんが現れました。
■鈴 > 賑わいを見せている酒場。
ゆっくりと扉が開き、新たな客が姿を現わした。
見た目は大人とは言えぬ少女。
ふわりと開いた扉へと流れ込む微風に、ワンピースドレスの裾を小さく靡かせている、一見冒険者とは思えぬ姿。
しかし、冒険者であれば、少し前に駆け出しとして登録された、変わった少女であるのは分かるだろう。
見た目とは裏腹に、狩りと討伐依頼しか受けない幼き少女だからだ。
ふらふらと危なさ気な足取りで入ってこれば、どこか空いてない席がないかと、きょろきょろと見回していた。
「や、やっと到着しましたー…うぅ、ご飯の時間には戻ってくる予定でしたのにー…」
ぽつりと零す呟きと共に、くぅ、と小さくお腹を鳴らす。
酒場の喧騒とかには、そう気にした様子は見せていないようだ。
■タピオカ > 木枠の扉が涼しげに軋む音がわずかに聞こえて、爽やかな夜風が一瞬だけカウンター席にかすめ。
酒場の中央に向けていた顔の向きを、頬杖に当てていた手を下げながら入り口のほうへ向ける。
「あー、鈴!
しばらくぶり!元気してた?
……って、ふふ。その様子だとお仕事終わってお腹ペコペコって感じだね。この席空いてるよー?」
どこから見ても淑やかな街娘にしか見えない彼女とは、少し前に同じパーティを組んだ事のある既知の仲だ。
陶磁器のように透き通る白い肌の少女を見るなりぱぁっと表情明るくし、大きく片手を揺らす。
その手先で自分の隣の空き席を指し示し。
■鈴 > 店内を巡らせていた眼が、声に反応してゆっくりと向けられる。
その動きはやはり機敏な冒険者のそれでなく、素人に近いそれで。
その視界の中に、声の主、見覚えのある姿を見付ければぱっと表情を輝かせた。
「どなたでしょうかと思えば、タピオカ様ではないですかー。
はいっ、お久し振りですね、元気してましたよー?
そうなのですよ、ご飯までに終わるかなって思ってたのですが、道に迷ってこんな時間なのですー」
パーティを組んだ時、きっと様付けなんてしなくて良いと言われた筈だろう。
それでも癖なのか様付けはしてしまっているようで。
そんなお仲間さんに隣の席へのお誘いを頂けば、とてとてと小さな足取りで近付いて来るのだ。
さっきの呟きも、今の言葉も困っているような感じではあるのに、崩れぬ柔らかな笑みを変わらず浮かべながら。
■タピオカ > 危険を冒してお金を稼ぐ生業に気安く声をかけられる同性の存在は大きく、それが彼女のような素直で可愛い少女ならなおさら。様付けはくすぐったいよ、と言ってもマイペースに敬称をつけるあたりがこの少女らしくて。軽く肩を揺らして浮かべる笑顔。
「あは!相変わらずみたいだねー。
でも道に迷ってもちゃんと無事に帰ってこれてよかった!
僕はもうご飯済ませちゃったけどー、乾杯しよ?」
その見た目に不相応なほどの彼女の実力ならきっとどんな危険もくぐり抜けてしまえるだろう。
けれど、そんな強さとは裏腹に年相応な歩き方も愛らしい。
目元を緩めつつもスツールを軽く手で引いて導けば、
食前酒とばかりに店員に2つ、飲みやすい蜂蜜酒を注文し。
「鈴の無事を祝ってー。乾杯!」
自分と相手に間もなく届くグラスを軽く打ち鳴らそうと、それを傾けつつ差し出し。
■鈴 > こちらとしても近い年齢の同業者は少なくて。
どこか気安く触れ合える相手と思えるのはお互い様だろうか。
きっと様付けでちょっと困った様子を見せるのだろうけれど、向けられる笑顔を見詰める。
「そうですね、この前はご飯も無くなっちゃってどうしようかと悩んだものですよー。
それに比べれば、今日は戻れたのでとっても良かったですー。
あ、はいっ、乾杯ですねー?」
自分の場所だと引かれたスツールにまで寄れば、ちょこんと腰を下ろし座り込む。
そうしている間に頼んでくれた蜂蜜酒がもう来ていて、にこっとお礼代わりにまた笑顔を浮かべるのだった。
「ありがとう御座いますっ、乾杯ですよー♪」
差し出されたグラスを包む様に小さな両手で受け取る。
その意図を察すれば、グラスをそっと近付けてかちんっ、と軽く打ち鳴らすのだ。
■タピオカ > 「ふふっ。ご飯も無くなっちゃって、って。
鈴のことだから、きっとお腹をすかせたスラムの子供に保存食をあげちゃって。自分がかわりにお腹すかせちゃったってやつでしょうー?」
まとうワンピースドレスの裾のようにふわふわとした彼女の性格ならやりかねない様子を想像してみせ。
それでもなんとか乗り切るあたり、自分よりも冒険者に適してるのかもしれないと思う。
人当たりの良さと、なんだかんだと運よく危険を過ぎ越せる素質こそ、剣の腕をたよりにする風来坊に求められるものだから。
「~~……っ。……んーっ!
鈴と飲むグラスってなんだか美味しいや!あは!
あー……。ねえ。鈴。もしかしたら、なんだけど……。
帰り道で冒険者ギルドに寄って、報酬は受け取ってきた?
その様子だと、忘れてるんじゃないかって思ってさ……」
小さな祝砲を薄いグラス同士で鳴らせば、自分の蜂蜜酒を少し干して美味しそうに息を零し。再びと笑みを深め。
ふと何かを思うと、やや心配そうな顔つきになる。
きっと帰ってくるのに必死になって、肝心の報酬を受け取るのも忘れて酒場に来てしまったんじゃないかと小首傾げ。
「もし手持ちの路銀無かったら、僕が今晩奢ってあげてもいいよ?」
もしそうだった場合に備えて、自分からひとこと付け加え。
■鈴 > 「お腹が空くのってとっても辛いじゃないですかー?
お料理とか出来ませんし、そうなると持ってるのをあげるしかなくなってしまうものなのですよー」
そして、その帰り道に空腹に倒れて別の冒険者から食べ物を恵んで貰ったまでが一連の流れであったりはするのだが。
そうした彼女の知らない裏では、実はそんな間の抜けた出来事が起こっていたるするのであった。
いつもの事なので、そこまでは説明しなくても良いかなって思って端折りました。
笑顔でそれを語れるのは、きっと今こうしてあるのがあるからで。
グラスを鳴らせば、グラスに唇を付けて傾けゆっくりと蜂蜜酒を味わってゆく。
「ぷはー……ふぅ、お仕事の後もありますが、知ってる人と一緒に飲むのって美味しいですよねー?」
一度グラスから唇を離せば、ふと何か思ったように聞いてくる彼女の言葉に耳を傾ける。
うーん?と小首を傾げて思い出すような仕草をしているのが僅かな間。
ことんとテーブルにグラスを置いてから、ぽんっと手を打った。
「あぁっ、すっかり忘れてましたー。
モンスターを倒してー、村の方に報告をしてー、まではしたのですけどねー?」
こうしたミスは数多く、依頼をし始めた当初から変わっていない。
依頼主にまでは伝えるのだけど、冒険者ギルドに報告しないと報酬が入ってこないとの流れがいまだ身に付いてないのだ。
肩から提げた鞄から財布を確認しようとするのだけど、そんな彼女の提案にまた首を傾げてしまう。
「まったく無いって訳じゃないのですが、心許ないのは確かですねー。
でも、本当に良いのですかー?」
改めてグラスを両手で持ちながら、ちらりと彼女を横から上目使いに見上げて聞いてみる。
■タピオカ > 「うんー!鈴と一緒ならー、なおさら。
鈴と一緒なら僕、リラックスできるっていうか。落ち着くっていうか。ふわふわって、なんだかくつろいだ気分になれるよ。
……街の人とかパーティ組んだ人とかによく言われない?
鈴は癒やしだって」
半ば語尾の上がった乾杯後の彼女の台詞にこくこくと頷いて同意し。卓越した念動力による戦力としての剣呑な彼女と普段の幼気な様子とのギャップがそうさせるのか、天然ヒーリング効果について口にし。やはり人形めいて愛らしい、記憶をたどるような仕草に頬緩ませ。
「あはは。依頼としては完ぺき!
ただ、鈴のお腹のさみしげな鳴き声だけが僕の耳に聞こえちゃいそうで。
――うん!たまには僕に先輩冒険者面、させて?
可愛い後輩の鈴になんでも奢っちゃう!」
モンスターを倒して脅威は去り、困っていた村人には笑顔が戻っただろう。きっとしんみりしてる彼女の胃袋を気遣って。ベテランとまではいかないけれど、いくらかは依頼の数をこなした冒険者として彼女に胸を張ってみたい。
そんな願望口にしつつ、やはり魅力的な上目遣いへとにこやかに笑いかける。
■鈴 > 「そうですか?それは良かったですー。
どうなのでしょう?私がどうなのかな?って聞いたりした事はないですしねー?
私としては、タピオカ様みたいにこうして気楽にお付き合い頂ける御方ってありがたいのですよー?」
本当に天然であろうとも、自分が天然だという自覚はないのだろう。
彼女の言葉にちょっと考え込む様に目線を少し上に上げるのだった。
そうした後に目線を彼女へと戻すと、グラスは傾けながらにそう伝えるのだ。
「聞かれてしまってましたか、それはちょっと恥ずかしいものですねー。
タピオカ様は、ご立派に私の先輩冒険者じゃないですかー?
戦うしか出来ない私に比べたら、色々とこなせちゃうのって憧れてしまいますよー」
彼女の組んでいた時は見せていなかったもの。
戦いや狩りから捌きまでは出来るが、料理をさせれば凄い事になる。
他だって日常や野外等を含めた生活に準ずる技術は壊滅的なのだ。
それ等を普通にこなしていた彼女は、確かに自分にとってはそんな存在の一人であった。
「そうですね、まだここのメニューとかって疎いですし、お任せしてしまって良いでしょうかー?」
後は本気を出すと無限の胃袋ともいえる程の大食らいなのだけど大丈夫かな?なんて事も思考の端に浮かべていたり。
尤も、それに関して分かるのはもうしばらく後の話しになるのだろうけれど。
■タピオカ > 「へへ。先輩冒険者。そう言ってくれると嬉しいな。
ね、鈴。いつか僕とお手合わせ願えないかな。
僕これでも、強い人と戦うのが大好きなんだー。
ギルドに入ったのは僕が先で先輩だとしても、戦いについては鈴のほうが上だと思うから。色々勉強させてほしいな。
そのかわり、僕からは森や草原で1人になっても生き延びる術を教えるよ!まずは地図と星の読み方からー」
彼女の素直な物言いにはにかむ笑顔、片手で銀髪の後ろ髪に触れて。
一対一での正規戦では誰にも負けるつもりはないけれど、この少女を相手に勝てるかどうか。
一度パーティを組んだ時の相手の戦っぷりに舌を巻いた身としては、元々気の荒い遊牧民出自の己としては手合わせ願いたいところであった。
白兵戦を鍛えてもらう見返りとしてはささやかに、そして冗談っぽく。彼女がなりがちな迷子から解消してあげたいと付け加え。
「うんーいいよ!
えーと。じゃあー、……ラム肉って平気かな?ここのお店は臭みをうまくとってくれるから美味しいよ。お肉に香草を詰めたのを生地に包んで蒸し上げたパイとかおすすめだし、こっちの白身魚のムニエルも。あー、あと野菜を練り込んだパスタのカルボナーラも……」
今はそれなりに稼いで、彼女をおなかいっぱいにする事ぐらいはきっと叶うはず。と思った。そして何度も通ったことのあるなじみのこの店の壁に張られたメニューを指し示しながらうきうきと紹介する。
自分も追加でシーザーサラダでも頼みながら。彼女の食べっぷりを笑顔で見守りつつ、再会叶った彼女との雑談は夜遅くまで賑やかに続くものと――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
■鈴 > 先輩冒険者、それだけでも嬉しいと伝える彼女に一瞬不思議そうにするも、すぐに笑顔を戻す。
それだけで嬉しく思えるなんて、ちょっと羨ましいなって思ったところがあったからで。
「うーん、お手合わせですかー……はいっ、分かりましたですー。
お互い様という事ですし、頑張ってみますよー」
以前ちょっとあって、加減をして戦う事の練習を続けていたところだった。
同じ冒険者ならば強いだろうし、試すのも良いかなって思うところもあるからこを受けてみようと。
その見返りが、果たしてしっかりと身に付くかどうかは難しいところではあるのだけれども。
「ふんふん、なるほどー…とっても美味しそうですね、楽しみですー」
彼女に任せたこの酒場のメニュー。
説明も加えて教えてくれる彼女の言葉に耳を傾けながら、期待に目を輝かせるのだった。
カウンター席に並べられた料理に舌鼓を打ちつつの会話は、きっととても楽しいものだったのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から鈴さんが去りました。