2020/04/10 のログ
■フィル > 「少し運がよくなるとかは…わかりづらいですよね…」
ちょっとした効果や、ちょっとした呪いといっても、様々である。
幾つか少年としてもよさそうなものを想像してみたりしているようだが、そう都合のいい度合いのアイテムなどは簡単に見つかるわけもないのだ。
だからこそ、店主への持ち込みというのをメインに、魔道具をお店では扱っているわけであり。
まだまだ未熟な少年に早々魔道具の扱いが、店主から言い渡されるわけではないのである。
そもそも、そんなささやかなわかりづらい効果のものでは、あったとしてももめ事になりそうなわけでもあるのだが。
少しぼんやりとしたまま、少年は思案を巡らせ続けていたが、特にいい案が浮かぶこともなかったようであり。
「とりあえず…季節に合いそうな雑貨でも…増やしてみようかな」
一つ両手を天井に向かって伸ばして、伸びをすればそんな当たり障りのない結論にたどり着いたようである。
露店を巡っても、ちょうどいい魔道具などは早々転がっていないのだから、仕方がないといえば仕方がないかもしれないのだが。
気が付けば少しずつ迫ってくる眠気を覚ますように、少年は椅子から立ち上がり。
一旦店の奥へと入るように姿を消していくが。
多少席を外していても、人通りのない場所にある雑貨店なのだから、問題ないと思っているのだろう。
特に出入り口に鍵をかけたりすることもなく。
直ぐに戻ってくるつもりなのか、そのまま裏へといってしまったようだが。
■フィル > 「ふぅ…」
しばらくすれば奥から少年は戻ってきたようである。
ふんわりと漂う香りから、鼻がいいものであれば、紅茶でも飲んできたのがわかるかもしれず。
眠気覚ましに奥で紅茶を入れてそのまま飲んで、一息入れていたという所のようだ。
良くも悪くも、やはり人気のない路地に立つ雑貨店には誰かが入ってくることはなく。
何かを取られたりといったことはなかったようである。
もっとも、お客さんであれば店員がいないことに疑問を持ち、店員を呼んだりとするだろうが。
戻ってきた少年はそのまま椅子へと腰を下ろし直したりはせず、窓へと向かえばカチャリと音を立てて鍵を掛け。
そのままいつでも帰れるようにと、帰り支度を始めていくようだ。
「やっぱり、露店とかでも見て回って…何か掘り出し物の一つでも探したほうがいいかも…ですね」
売り上げ等を気にするのは店主の仕事である。
とはいえ、いくら魔道具などを見るために、店員となった少年もあまりにも普通のお客が来ないと気にはなるのだろう。
だからこそ、日々変化を使ってバレないように宣伝したり、配達に積極的に出向いたりとしているわけであるが。
来客者という意味では、あまり芳しくなければお店番としても静かすぎるというのもあるようだ。
ポツポツとまた思案を巡らせながら、少年は正面出入口以外の戸締りをきっちりと終えていき。
あとは扉から出て外から鍵をかけるだけとなり。
やがて少ししてから少年は、賭け看板を裏返してしっかりと出入り口のカギを閉め、帰路へとついていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にアルヴィンさんが現れました。
■アルヴィン > このギルドの厩は随分と広く作られている。王都を訪れ、騎士は随分とこの厩には世話になった。愛馬を預けて冒険に出向くこともでき、その間しっかりと飼い葉を与えてくれるところが見つかったのはありがたい。
ただ、騎士以外の者は容易には近づけず懐かぬ悍馬であったので、ブラシ掛けはやはり騎士がやってやらねばならなかった。
飼い葉桶を見れば、穀物や野菜など、しっかりとこの雄偉な馬体を維持できるような餌が与えられていることがよくわかる。
「よしよし、今かけてやるから…」
飼い葉桶を確かめていた騎士の軍装の裾を、軍馬が急かすように咥えてくる。苦笑しつつ騎士は、ブラシを手にして軍馬の柵の中へと歩を進めた。
いくら人に懐かぬ馬とはいえ、掃除だけはさせるらしい。それは馬自身も心地よいのがよいに決まっていると、騎士は苦笑し、ゆっくりとその身体にブラシをあててゆく。
艶々とした黒鹿毛だ。
雄偉な馬体とあいまって、軍馬の精悍さをなお、際立たせる。その色つやを騎士もまた愛でていた。
なにくれとなく、小声で軍馬に囁きかけながら、薄暗い厩の中で、騎士は丁寧に愛馬にブラシをかけてゆく…。
■アルヴィン > ブラシをかけてもらっている間、軍馬はそれはそれは心地よさそうにしていた。常の気性の荒さなど、まったく毛ほども見せはせず、時折満ち足りたようにブルルル、と鼻を鳴らすのみ。
そんな様子を騎士もまた、愛おしそうにみやりつつ、丁寧に丁寧に、ブラシ掛けを進めてゆく。
「よし、これでよかろう」
艶やかに、薄暗い厩の中で軍馬の黒鹿毛の毛並みがランタンの灯を照り返す。
その様子に、騎士もまた満ち足りたように頷いて、額の汗を拭ったのだった。
■アルヴィン > 「…おまえにブラッシングしてやったら、おれも随分と腹が減ったなあ…」
甘えて擦り付けてくる軍馬の鼻先を掻いてやりつつ、騎士はそんなことをのたもうた。その言葉通りに、それはそれは盛大な腹の虫が鳴り立てて、馬番にまでつい、笑われてしまう始末。
やれやれと、騎士はその口の端に苦笑を刷いて、最後にもう一度だけ軍馬の鬣を撫でてやる。
そして、今度は自分の腹の虫を慰撫するために、ギルドの酒場へ歩を向けて…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」にピングさんが現れました。
■ピング > 相変わらず今日も暇な雑貨店。
店内の整理をするでもなく、今日も今日とてやりたいことをやっている。
一応は、商品に関する作業ではあるけれど。
その内容は、写真の仕分けだ。
それは商品説明に用いる所謂『モデル』のものであったり。
この方から使用感を頂きましたという『証明』のものであったりと多種多様。
一応は、許可を得た人の物しか掲載はしないし、基本は顔も名前も――これも許可如何に因るが――判らぬ様に細工はする。
しかして今、カウンターの上に広がる写真群は無修正。
自身のコレクションとしての側面もあり、一枚一枚を懐かしみ、その行為を思い出す様に頬を緩ませながらより分けていた。
その面と言ったら、控えめに言ってもだらしのない助平面だ。