2020/04/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にアルヴィンさんが現れました。
■アルヴィン > ギルドは混みあう時刻となっていた。冒険を終えた者達が集い、喧騒はこれから夜半にかけてなお増してゆくことだろう。
そんな中騎士は、今宵も壁際のテーブルに席をとっていた。
壁を背にして座したなら、酒場とギルドが一望できる。
そういう場所に身を置くということが、もう習い性のようになっているのだ。
この日も騎士は、王都から主戦場近くまで討伐の依頼を果たしに出、そしてその依頼を果たしおおせて帰ってきたばかりだった。
主戦場の屍肉を目当てに集う魔物が、街道を伝い王都郊外の村々に害を及ぼし始めたために、魔物の討伐を依頼したいとそういう依頼があったためだ。
騎士がそうして単騎依頼を受理し、果たして来ることにももう、ギルドの方も慣れたのだろう。
そしてまた、依頼を果たした後にこうして酒場で健啖家ぶりを発揮することももう、酒場の者達には慣れたものとなってきたらしい。
テーブルを通り過ぎる際、今夜もエールかと女給に笑みと共に問われた騎士は、なんとも困ったような顔をした後、じゃあ一杯だけ、そんなことを注げたのだった。
そして今、騎士の眼の前には羊肉の塩茹でと、それはそれはよく冷えたエールがジョッキに並々と注がれてサーヴされたのだった。
■アルヴィン > 酒は飲んでも呑まれるなとはよく言ったもの。
酒も剣も共に強剛無比であった老いた師は、なるほど凄いものであったのだなあと、騎士は妙なところで感心しながら、別れた師父を懐かしむ。
これでおまえは独り立ちだ、後は自分が思うようにやっていってみるがよいと、笑って送り出してくれてから、まだ三月も経っていないというのが信じられぬ。
そんなことを思い巡らせつつ、若い騎士は塩茹での羊肉に齧りついた。
美味い。
ただ塩で茹でただけでなく、何か香草を共に煮込んだのだろう。なんともいえぬ旨味があった。
そしてまた、エールの苦みがしっかりとした肉の味によく合った。
これは…酒も飯も進むなあと、一仕事を終えた喜びに騎士は浸るのだった。