2020/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > ギルドが混みあう時刻にはまだ早い。夕刻から宵の口にかけてが、やはり最も混みあう時間帯と言ってよい。
そのギルドの前へと、ゆっくりと馬を進めてくる騎影がひとつ。長閑ですらある蹄の音が街路の喧騒に混じるが、その蹄を鳴らしている軍馬はもっと速く走りたいという不満を、かろうじて抑えているらしい。そんな愛馬の鬣を撫でて宥めつつ、騎士はギルドの馬番に常のように愛馬を預けた。
そして、代金には十二分な硬貨を馬番へと渡す。
「飼い葉をたっぷりと頼む。美味いものをぜひ」
軍馬はただ、飼い葉だけを食べるわけではない。その雄偉な体格を維持し、戦意横溢たる性質を養うには、人参などの野菜だけでなく、穀物などもたっぷりと必要とした。騎士は、己の食事以上に愛馬の食事を気にするのが常であった。
飼い葉の代には十二分な硬貨は、もちろん馬番へのこころづけ、でもある。
そうして愛馬を預けた後に。騎士はゆっくりとギルドの窓口へと向かった。果たしてきた依頼の報告と、報酬の受け取りのために…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にシュネーさんが現れました。
シュネー > ギルドの混みあう時間を敢えて避けてふらりと立ち寄る商人?の女。
冒険者ギルドに定期的というか時折依頼を貼り付けて護衛を引き受ける冒険者を集い、
報酬の金を振り込みに使いではなく本人がくるという律義な?女商人。
肩さげカバンは重そうに見えないがその中に詰め込まれた中身は数多の報酬を待つ冒険者用に揃えた硬貨たち。

ばむ、と扉を開けてギルド内に入れば冒険者用の窓口ではなくその横の依頼者用の窓口へと足を進めていく。
「や。来たわ、報酬の金揃えてきたわ。」
言葉をその窓口の受付とでぼそぼそと会話をし始めたし、
カバンからみちみちに入った硬貨の入った袋をどんと受付に出す…

アルヴィン > 騎士が受けた依頼は、魔物の討伐だった。
学び修めた剣術武術は、何も人のみを相手取るものではない。その成果を確かめるための武者修行の旅の途次だ。こうしてギルドの依頼を受けるのは、騎士には路銀稼ぎだけでなく、貴重な鍛錬の機会なのだった。
「ありがとう」
渡された報酬に騎士は律義に礼を返す。ちょうど、その折であったろうか。隣の窓口…依頼の請負や報酬の受け取りのための窓口とは別、騎士には無縁の窓口で響いた音に、騎士はぱちくりと瞳瞬かせ、つい、その様子に眺め入る。
窓口で受け付けていたギルドの職員の眼の前に、じゃらりざらりと溢れる硬貨。銀貨もあれば金貨もある。
…よほどに重たい筈のそれを、軽々と乗せた人物とはよほどの剛力かと見れば、なんとも嫋やかに見える一人の女性であることに、騎士の夏空のような蒼い瞳は、再び驚きにぱちくりと瞬くこととなる。

シュネー > 薬の売買を主に生業とする職業持ちの女は、逐一振り込むより定期的に纏めて振り込む事にしている。
自身より商会にいる魔法使いなりに魔術で圧縮し重量軽減をして貰い持ってくるのだ。

袋の中身はざっとだが十数人分、ランク別にしても相当あるし銅貨から銀貨金貨じゃらじゃら。
此方も数を数えてきた筈だが改めて数を数えてくれる受付の職員を尻目に……視線を感じる!
「……なんなん?そこの鎧の何か用ぉ?」
すぐ視線の主は隣だったのもあってすぐに気付いた、ざっくりと
その風貌と帯剣している姿に騎士なのか冒険者なのか判断に迷う。
冒険者ギルドといっても騎士風貌から冒険者とかいるので一目見ただけでは分からず、
何か用なのかと言葉を投げかけて様子を窺おう。

アルヴィン > 「…これは、失礼した。随分と重い筈の荷物をあまりにも軽々と扱っておられるゆえ…」
驚いたのだ、と。騎士はなんとも素直に告げた後に、まじまじと見つめてしまっていた己の非礼に、これまた素直に頭を下げた。
「申し訳ない。大変失礼であった。お許しいただきたい」
随分とまた、古めかしいというか格式ばった口調であるのは、騎士であるから、というだけではないらしい。
その言葉の端々に響く独特の訛りは、騎士が異なる大陸の出身者であることを匂わせた。どうやら、この国の言葉にまだ不慣れであるらしいのだと、商いに慣れた女にはわかることだろう。

シュネー > その白い鎧の年若い殿方はどうやら生真面目なご様子。現役の騎士なのか元騎士が冒険者になったのか
謎が憶測過ぎて尽きないがこれは致し方ない、様々な理由で冒険者になるのもいるので本人が語るまでは質問も控えようと思案。
「あーうん。報酬金の袋に纏めて魔法使いに圧縮魔法をかけて小さくして、
 それから重量軽減の魔法を付与してもらったの。受付に出したらそこで全部解除したらあれ。」
あれ、とくぃっと指さしたのは数え終わってそこそこ綺麗な紙に書かれた振り込まれた報酬金の金額。
「大丈夫大丈夫、気にせんで。言葉遣いがここらの人じゃないね、
 元騎士さんか?訛りがここらへんじゃないから気になったの。」
受付から『終わりました 振り分けは此方で…』と聞いてから紙を受け取り其れをカバンに突っ込んでから、
騎士さんに酒場で一杯奢るから飲まへん?とにこやかーに誘ってみようと。

アルヴィン > 「なるほど。道理で…」
これまた素直に騎士は頷く。随分と人が好いように見えるが、こうして一人でわざわざ別の大陸まで旅をしてくるくらいである。それなりに世故には長けているはずだが、果たして万人にそのように見てもらえるかはまた別の問題だ。
騎士は、なつっこく告げられた誘いの言葉にまた、ぱちくりと瞳瞬かせた後に、自らもまたゆっくりとその口許に笑みを刷いた。
「アルヴィン…アルヴィン・アルヴァーハードという。見知りおきいただければ幸甚」
自らの名を名乗り、出自の国の名を告げた。そのあまり常人であれば耳慣れぬ国名はやはり、セレネルの海を遥か南に渡った大陸にある国の名だった。
「…では、酒のあてはおれにて何か馳走させていただきたい」
奢る、という言葉に特段に遠慮もせず素直に頷きつつ、騎士が告げたのはそんな言葉だ。
一杯の酒杯から始まる縁というものを、それなりに経験もし、そして大事に思ってもいるのだろう。騎士は女の言葉に酒場のテーブルのひとつへと向かう。そして、そのテーブルの椅子を引くと、さも当然とそこに腰かけてくれるのを待つ様子…。

シュネー > ものっそい素直な騎士さんやなと女商人は思ったとか。言葉の訛りから此処近辺にいるだろう
冒険者ではないのは朧気ながら思っていたが出自の国名を聞くと
え、マジ?とぱちくりと瞬きをして戸惑った。かなりの距離がある別大陸名にある国だからだ。
「うち、家名はないんや、シュネーっていうもんで。
 総本部が港湾都市にあって王都にも支部あるサンクトゥス薬事財団っていう商いしとるの。
 お薬売買から栽培までしてる。採取もちょっとあるかな?冒険者ギルドにはお世話になっちゅう。」
この身の名を名乗り 商いの屋号を告げる。そこそこの規模を持つ商いであるのは明白だった。
誘ってそれを受けて貰えればじゃあ一杯やろか、とテーブルの向かいの椅子を引き女は腰を下ろす。
エールのジョッキを二つ注文をし、程なくして運ばれてきたエールを一つは騎士さんに、一つはこの身に置いてもらって。

アルヴィン > 騎士が引いた椅子ではなく、自ら椅子を引いて腰かける様子を見ると、騎士はその椅子へと己の腰を下ろした。
故国では当然であった礼儀も、大陸を異にすれば当然ではないのかもしれぬと、むしろ何やら感慨深げだ。
「なるほど、それでギルドに。採取の依頼というのは受けたことがなかった…」
そう言いつつ、騎士の視線はなんとはなしに依頼のたくさん貼り付けられた掲示板のあたりを彷徨った。魔物討伐の依頼ばかりを受けていたが、採取といったような依頼を受けることで何か、身になることもあるだろうかと、やはり生来生真面目な風のあるこの騎士は、きっと考えているのだろう。
やがて、二人の前にエールの満たされた冷たいジョッキが運ばれてくる。
すると騎士は…。
「ベーコンとソーセージの盛り合わせも頼みたい。それから…」
どうぞお好きなものを、と。向かいに座る女へと。
苦みがすっきりとした冷たいエール。それに合うのはやはり、少しばかり脂っぽくとも味のしっかりとした肉に尽きる。
女の注文が終わったなら、注文を受けた女給には、マスタードもたっぷりと、などと声をかけているあたり、若い身体はやはり随分な健啖家でもあるようで。

シュネー > 身で出来る事は身で行うのが女がいたとある大陸での作法だった。
であるならば報酬はなるたけ冒険者に前金は払うし報酬金は流石に
ギルド経由だったので仕方なしにギルドに託すのもそれだった。
ギルドを挟まないで依頼を発注するのもなくもないが補償問題でこじれるのが怖いのもあって、
最近はギルド経由の指名制度を使って冒険者グループなどを選び依頼を受けて貰っている。
昔は掲示板に張ってもらったが今は無い筈。頼むとしても商品輸送か採取位。
海を跨いで、何日かかかっての都市間の輸送だからそこそこ腕が立たないと護衛任務はならない。
あとは、新規の冒険者と接点と言えば 冒険者側からこれが出来るという売り込みがあれば考えなくもないという具合。

採取に関しては腕がいいと未発見の薬草とか見つけると
そこそこランクが上がったり指名制度のランク入りしたり名は売れるだろう。
何より報酬金額がかなり懐に入るということもなんて…。

騎士さんが注文をしている間、乾杯をするならジョッキを合わせたりしただろう。
それからぐびっと飲むなりしたりして。ひんやりと冷えたエールののど越しの良さを感じつつ、
女は「こちらの騎士さんと同じものでいいわ、あ、サラダは頂戴。」と注文を。
ただしマスタードは頼まなかったしサラダは普通盛を注文。

アルヴィン > 掲げられた杯を合わせると、陶器のジョッキ同士が奏でるカツン、という音が響く。まだ、酒場に喧騒は満ちていない。そんな素朴な音がよく響き、いやおうにも冷たいエールの心地よい喉越しへの期待が高まるというものだ。
「…………くぅ、美味い!」
口許、白く泡をつけて騎士はそう言った。
早くもほんのりと頬のあたりの血色が豊かだ。どうやら、あまり酒に強くはないらしい。
「…この大陸は初めてだが…エールの味は変わらぬな、美味い」
強くはないがこの騎士様、随分と酒が好きではあるようだ。見れば、ジョッキの半ばまでがもうすでに空いている。
エールはやはり、こうして勢いよく飲むのがよいのだなどと、強くもないのに思っているのかもしれず…。

シュネー > 「採取は専門性あるからね、昔はあったけど今はあそこの掲示板に出したことないよ。
 あと、うちの商いは殆ど高ランクの指名制度かな。
 騎士さんのランクなんなん?ご新規さんにも腕が立てばーうちが受付してもええかな。
 無論ギルド経由で契約書作るから安心はしてほしいけど。」

暫く考えてはいた、採取の依頼は今は出していない。冒険者単体で頼むとか考えられない。
高ランク冒険者よりもパーティ単位での依頼の様な気がするし、
場所次第では断崖絶壁とかあるからそれこそしょっちゅうが頼めない。
乾杯をしてから女はこくこくと飲む。酒豪らしく肌色が全く地黒なので目立ちにくいが変わっていない。
「出自が違うと戸惑うやろ、エールは大まかに変わらんと思う。
 材料の違いはあると思うけどあんまり細かくは違わないな」
騎士さんのジョッキが空く前にさりげなく騎士さんの分を注文する女。
飲みながら、肉の盛り合わせとサラダを片手でつまみながらぼりぼりと咀嚼。

アルヴィン > 「…おれは剣と武術の修行を兼ねて、魔物の討伐ばかりを専らとしていたのだが…。なるほど、それはやはりパーティでの受理でなくばいろいろと便が悪そうな…」
やはり、パーティが必要かもしれぬなあ、と。騎士がぽつりと零したのを女は耳にしたかもしれぬ。けれど騎士は、問われた言葉に応えることに気が向いているのだろう。何やらごそごそと、ベルトのポーチあたりをまさぐると、ギルドから発給されている登録証らしきものを取り出した。それを、そのまま女へと手渡してみせ…。
「ランク…というものはよくはわからんのだが…時折、そんな依頼を受けて大丈夫なのかとは、よく言われるのだ」
などと困ったように言う騎士から手渡されたそれ。
そこにあるのは、この騎士がこれまでこの街のギルドで果たした依頼の概要が書かれているのだが…キマイラ討伐や、主戦場からあふれ出した不死者達の討伐など、やはり魔物討伐ばかりの履歴となっていることが知れる。
そこそこの履歴であると、慣れた女にはよくわかるが、特筆すべきところがあるとすれば、先刻の騎士の呟きから知れる通り、その全てが単騎での依頼達成であるということだろう。
一方騎士は、呑気なことに女の言葉に嬉し気に笑みつつ杯を干す。
「戸惑うことは…そうだな、いろいろと多い。特にこの国は、その、なんというか…」
随分と、『おおらか』なようだ、と。騎士は告げた。
その頬の血色がさらに豊かになっているのは、性に奔放に過ぎるこの街の様子に、やはり随分と戸惑っていると察せられよう。

シュネー > 「修行で世界回ってるん?魔物討伐だけ…?まぁ 前衛と中衛と後衛が揃ったパーティ編成なら割と普通に。
 あとは冒険者ギルドで申し込んだらそこそこ経験積んだパーティ紹介とかあるさね。
 とびっきり腕の立つ冒険者ならパーティいらねえとかありそう。でも自己責任になっちゃうやろね。」
パーティに入るか否かはそれぞれの冒険者次第。必要かも、と耳にはしたが女は
この目の前の騎士がそんなことをしそうな人か?と思ったり。腕一本で何でもできそうな予感もある。
目の前に差し出されたギルド発行の登録証を受け取るとまじまじと見た。
(新米冒険者じゃない、中堅クラスの冒険者だ、でもソロだ…。討伐履歴が凄まじいけど。)
「みせてくれてあんがと」
まじまじと見ていた登録証を丁重に騎士さんにお返しする。
時折ぼりぼりとサラダとか肉の盛り合わせを食べながらジョッキでエールを飲む。
「おおらかな性の奔放さ溢れる国、国民性やろね。そのうち慣れるよ。
 ってか、うち薄着なのに平気なん?」
上衣を羽織ったとはいえ胸の谷間があるそれこそ水着みたいな格好だ。
にっこりと笑いかけるが何をしてもたゆゆんと揺れる谷間。

アルヴィン > 然様、と騎士は女の問いに頷いた。そこへと折よく運ばれてきた御代りに、騎士はさも嬉し気に手を伸ばす。
時折肉を口に運び、それをエールで美味そうに流し込みつつ、女の紡ぐ言葉に耳を傾ける様は、戦歴はともかくとして、何事にも素直かつ貪欲に耳を傾ける新人冒険者そのもの、という風情。
そして、女から手渡された登録証を受け取った騎士は、瞳瞬かせると、困ったように頬を染めて口許を掻く。
「…意識せぬようにしていたのだ、これでも」
言われてしまったから、意識してしまっではないか、と。騎士は困ったように視線を反らし、ぐびりとまたエールを一口流し込む。
「…貴女ばかりではなく、肌を露わにされた女性が街を歩いていると、どうにも目のやり場に困る…。
 …が、貴女を見ていて思った。この国の女性は皆、自立しているのだろうな」
そう、騎士は言葉を紡ぐ。最前の辞儀に対し、自ら椅子を引いて腰かけた女から、己のことは己でと、そういう気風を感じ取ったものらしい。
が、しかし。性への奔放さはやはり、慣れるものではないらしい。故国ではこのようなことはなかったからなおさらだ、と。そう告げる口調はどこか憤慨しているようにも聞こえるが、どうやら純粋に照れてもいるようで…。

シュネー > 流石に女のジョッキの中身たるエールが切れた。すかさず女は次に注文したのは濁り酒みたいな酒だった。
徳利とお猪口が運ばれてきて徳利を傾けてお猪口に濁り酒を注ぐ。くぃっと女は濁り酒に舌包みを打つ。
「んーんまい。うちは高いよぉ?って冗談や」
意識したような騎士の顔色のほてりに二ヨリと艶やかに微笑む。冗談の様な違うような言葉を嘆けて、
さりげに投げキッスとウィンクも忘れないが、くすくすと笑い。
「いや、ここまで薄着な女の子は娼婦位やと思う。うちは単に暑がりで薄着なだけ。」
フツーはきちんと身なりの女性が多いよと付け加えて、様々な種族がいるこの国ならではの事情もこそり。
ぼりぼりと肉の盛り合わせを食べ終え、お猪口とサラダを交互に食べてる女。
テーブルにもたれかかれば胸がたゆゆんと乗ったり。

アルヴィン > 「な…っ!?」
女の言葉に対する騎士の反応たるや。
反らしていた筈の視線をまじまじと女へと向けると、その金色の瞳を真面目腐って見つめてくる。夏空のような蒼い瞳は、ややも気おされつつも言うべきことは言わねばならぬとでも思っているよう。
こほん、とひとつ咳払いが挟まれたのは、やはり幾分気構えを正したものだろう。
「シュネー殿。…あ、貴女はおれが、御身を金で買うとでも…っ」
思われたのか、と、言いかけて。冗談や、とのなんとも軽ぅいその一言に、むぐぐぐ、と言葉に詰まってしまうという有様。
「…おからかいになるな、お人が悪いぞ」
憮然、という様子で片肘をテーブルに乗せると、頬杖をついてそっぽを向いた。
そのままぐびりと酒杯を傾ける騎士だが、やはりその頬の血色は豊かになってゆくばかり。
意地でもそちらに視線は向けるまい、としているあたり、己の魅力を十全に理解した上での女のからかいに、相当戸惑っているのがよく知れよう。

シュネー > 「ふふふ」
女はどこまで冗談でどこから嘘偽りのない言葉なのか不明な言葉を投げかけて
騎士さんの態度を試すかのような態度を取っている。金色の瞳はによによと愉悦をあらわしているかのようなもの。
捕食者の様な獰猛極まりない瞳ではないまだ。気構えを整えたかのような咳払いに
愉悦の表情だったが女はちょっとだけ引き締めて ふむ、と考え込んだかと思うと。
「飲む打つ買う。どこぞの大陸の言葉であったな、一夜の夢を提供するのもあるん。
 骨抜き根こそぎ腰砕けるまでご奉仕しはっても…失敬。なぁなぁ、酒強うないんじゃないか?
 肌色ごっつ豊かになってくで?…うちがぁ、介抱してってもええんやえ。な?」
椅子から立ち上がり少し移動をして彼の座る椅子近くというかすぐ横に改めて腰かける。
視線を向けないようにしている騎士さんに寄りかかる様に?その身を摺り寄せて腕とかにしな垂れて、
酔い過ぎたらうちが介抱してもええんやで、と耳元に蕩けた声を囁こうとする―
もはやからかいを超えた真意が不明な誘いの様な―?

アルヴィン > 「…お師様もよく言っておられた。飲む打つ買うは男の甲斐性だと。酒も強ければ博打もそれはお強い方であった。…もっとも、女性を金で買っているところは見たことはないが…」
不思議と水商売の女性に好かれる方なのだ。…そろそろ七十にならんというお方なのに、と。騎士はぽつぽつと自らの師のことを語られもせずに語り出した。女の見立て通り、間違いなく酔っているのだろう。
そっぽを向いたその瞳が、少しばかり懐かし気に細められる。その一瞬が間違いなく、騎士にとって油断であったに違いない。
「…なっ!?ま、ままま、まだ酔ってなど…っ!!」
酔っ払いの酔ってないが最も信用ならぬのは、どの大陸でも同じだろう。
片肘ついて頬杖をついていた騎士は、その問答無用かつ容赦無用な至近距離に、椅子をガタガタ鳴らしてのけぞる始末。
「あ、あた、当たってる…っ、当たってるぞシュネー殿っ!?」
冒険帰りの白い鎧は身に着けたままだというのに。
その接近そのものに取り乱し、まるで女のそのしなやかな肉体を感じてしまっているかのような狼狽えぶりは、これは少し意識しすぎというものだろう。
これはもう、到底女を知っているとは思えぬと、女でなくとも筒抜けであった。
随分と粋人らしい騎士の師この姿をが見たら、一体なんというだろうか?

シュネー > このよく喋って聞いていないのに己の身の丈話―師の事を告げてくる男の様変わり様は確実に
酔っているとしか言いようがない、まだ本能を理性が抑えているような気がするがどこまで制御しているのやら。
「そのお師匠はん、豪勢やね?弟子にあからさまに女を銭で買うのは見せたくないし悟らせないでしょう?
 もう肌色が豊かになっているのとお喋り好きでもないのに口がお達者で。
 酔っぱらいの酔ってないは信用ないわぁ…ふふふ当てているのよん♪」
容赦無用に距離を詰めまくってのけぞる騎士さんの慌てようも諸共せずに
しなやかな肢体と胸の谷間をぐいぐいと見せつけるように迫っていく。
狼狽しすぎの意識しすぎ、肌色の良さとそのちぐはぐな対応。
あ。これ、女を知らぬ殿方かも、と内心邪な思いが過った女は筒抜け過ぎてもうちょと押してみよう。
座ってても至近距離ながら身を寄せて上目づかいに艶やかな振る舞いをし。
「ね、アルヴィンさぁん? シュネーと二人っきりにならない??」
なぁんてとんでもないお誘いの言葉を彼の耳元に囁いてみた―

アルヴィン > 「なっ!?」
ぱくぱくと、まるで陸に上げられた魚のように騎士は眼を白黒させつつ口を開けたり閉じたりと忙しない。
いや、確かにお師様は豪放磊落なお方であったけれど。その真似というのはまだまだこの若輩には…などというどこにもゆかない思考はやはり…酔っている。そう、盛大に。
それはもうテキパキと支払いを済ませて席を立つ女に引っ張られて、どこぞへ連れ出された騎士は…はたしてどんな夜を迎えたものだろう…???

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からシュネーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 少し風が強くなってきた平民地区の一角、住宅街と商店街をつなぐ路地に、ぽつんと開けた空き地が一つ。

すっかり工事で慣らされて草一本生えていない殺風景なそこに、一生懸命にテントを張る準備をする小さな影がひとつ。
このテントを普段の住まいとし、薬屋の店舗ともしている少年薬師が、
冷たい強風と格闘しながらなんとかテントの骨組みを仕上げ、ペグを地面に打ち込み、ロープを張ろうとしていて…

「わわっ!っく、 ぅう~~~っ! このっ…!
あとちょっと、あとちょっと~~~っ!」

手付きそのものは不慣れではないが、いかんせん強風を布地が受け、手も冷風でかじかんでうまくいかない。

日頃は1分ですむ作業に10分かかってしまうペースに悪戦苦闘しながら、
テントが雨風をしのげる状態までもう一息…。

ひとまず、テントの形だけでもできあがったら、中で火をおこし、温かいものをこしらえて一休みしようと、
目前の休息のために小さな体を奮い立たせて、ぎりぎりとロープを引き、テントがもちあがっていく。

タン・フィール > 「ふう、っふ… ふーっ…」

そうして、なんとかテントがいつもの6畳間ほどの広さと形になるまで更に数十分。
ようやくテントが外界の強風にも冷気にもビクともしない、住まいとしての体裁が整ってくれば、
外に出していた荷物を順番にテントの中にひとまず押し込んで自分もテントの中に避難する。

「ふう、つかれたぁ…! ちゃんとしたお店にするのは、明日からでもいいかな… なんか、あったかいもの、飲もう!」

と、様々な薬品をしまい込んだ袋から、薬用だけでなく、調味料や飲料にもなる薬草や甘味料を選別して、
手際よくテントの中に焚き火と、暖かな明かりのランプを設置し、鍋に火をかけ、お湯とミルクを混ぜてそこに粉末を投入する。
その香りはテントの外へと、湯気と甘い香気をまとって流れていくだろう。

「んーーーっ、いい香り……ふふ、めいっぱい甘くして飲んじゃお。」

冷えた身体を温めて疲労を取り去らう、ココアに似た甘い香りのお茶。
それが煮えるのを楽しみにしながら、ひとまず売っション類やシーツ類を無造作に取り出し、敷き詰める。

遊牧民族の寝床かくつろぎ場のような、だらりと寝転んで甘味を貪り、温かい茶を飲める空間にしたてていく。