2020/03/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 訓練所」にスバルさんが現れました。
スバル > 平民地区の一角にある訓練所、其処は兵士たちや冒険者などが、己の技量を高めるために作られた場所で一般開放されていて、冒険者を目指す若者たちも通っている場所がある。
大きく広い土地の中、打ち込み用に、鎧の着けられている案山子や、訓練するための、木剣や、木槍なども置いてある。そして、弓矢用の的なども置いて有り、弓矢が暴発してもいいように高くそびえたつ壁もある。
故に、人気の場所と言って良いだろうその場所は、様々な冒険者や兵士などが居るのだ、そして、そんな人が居れば起こるのは喧嘩で、喧嘩を止めるような人はいない。むしろ訓練とばかりに囃し立てるのだった。
流石に、危険だと感じたなら周囲は止めるのかもしれないが……今現状はそんな様子はない。

「――――。」

それを、隅の方で眺めながら少年はぶるり、と震えて此方に来ませんように、と心の中で祈りながら、訓練をするのだ。
少年は別に冒険者を志望しているわけでは無いのだけれども、目的がある。
家族を守れるような男になりたい、という目標、同年代よりも華奢であり、その見た目に添った身体能力しかない少年だ。
父親は普段から家にはいない、母親はたまにしか帰ってこないけれどかなりの確率で酷い状態。
姉も遊び歩いては、ドロドロになって帰って来る。本人は喜んでるけれど。

それではダメなんだ、と子供ながらに想い、少年はこっそりと訓練するのだ。
刀を、弓を。

スバル > 少年は、残念ながら才能があるわけでは無い、刀にしたって、脇差を使うだけで、親には突きの訓練を重点的にするように教わって居る。
弓は……クロスボウで、籠手であるそれだって、我流なのでちゃんとした教えを受けたわけでは無い。
つまり、強くなるために必要な技術が、良く判っていないという事で、基礎的な訓練のみをただただ只管に行う形となる。
筋肉のトレーニングや走り込みなど、そういった事ばかりで、技術的なものは、最初に教えを受けた突きだけ。
それでも、少年はやるしかなかった、其の辺りは、本人は知らなくても、父親と同じ性質なのだろう、愚直に行う。

「――っ、はぁ……はぁ……。」

そして、少年の体格や資質もあって、体力は直ぐに悲鳴を上げる。疲れてしまい、腰を下ろすのだ。
視線を向けて訓練所の中を見れば、まだ喧嘩を行って居るのが見える、何が起きてそんなことになっているのだろう。
物凄い勢いで殴り合って居るのが見えるのだ……と、言っても隙間から軽くという形であって、よくよく見えるわけでは無かった。
取りあえず、もう一度、こっちの方に来ない事を祈りつつ、座り込んでバックパックから水を取り出して、こく、こくと、飲み始める。
火照った体を冷たい水が冷やしてくれて、一息付けた、と息を吐く。

スバル > 「………。」

不足を感じていても、少年は道場や、師を探すという事は出来なかった、理由としては3つ。
一つは、金銭面の問題である、そんな所に習いに行くようなお金を持っていない。
二つ目は、弓は兎も角刀は、母親が習熟していて、それを教えてもらえばいいのだという事、会える時が余り無いのがネックなだけで。
三つ目、これが最大の障害と言って良いだろう、少年自身の気質があり、他人が怖いのである、臆病が過ぎて、人に慣れるまで時間がかかるのだ、そして、強面な人とか、強そうな人、そういった存在への恐怖は、とても強い。

この三つがあるから、少年は誰かに教えを受けるという事がなかなかできない。
それを突破して、仲良くなれるような人であれば、きっととは思うだろうが―――ただ、そんな人物は稀であろう。
少年は、遠くで喧嘩をしている冒険者たちを眺めて、小さくため息をつくのだった。

怖いなぁ。と。

スバル > 暫く喧嘩の様子を見ていたが、何か嫌な予感がする。少年はそそくさと自分の荷物をしまう事にする。
早く帰った方が良い、と少年の危機感知センサーにビンビン来るものが有ったのだ、だから、今日は逃げてしまおう。
手早く荷物をしまっていく少年、そして、大きくなる怒号。
あ、これはやばいと少年は思ったのだ。

だから、荷物を詰め終わったらすぐに少年はリュックサックを背負って、足音小さくするすると逃げるように去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 訓練所」からスバルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテアンさんが現れました。
テアン > 夕食を終え、ゆったりとした調子で帰路を歩いて行く。
周囲を見回してみれば歩いているのは武装した傭兵や冒険者。
もしくは荷を背負った商人や、着飾った商売女、など。
すっかり夜だなぁ、と感じながらトコトコ。

王都のこの時間に歩けばこんな光景はいつもの事。
この時間にストリートを歩き始めた頃は目が回る気持ちではあった。
さて、すっかりそんな光景にも慣れた少年は特に気を取られる事もなく歩いて行く。
いつもの帰り道。
何か気を取られる事があるとすれば、
声をかけられるとか。バタバタと喧嘩だったり急いだりする人を見るとか。
いつもと変わらぬ事ではあるが…?

テアン > 特に何もなかった様子。
普段通りの調子で少年は家へと戻っていく。

家では家で何かあったのかもしれない…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にパティさんが現れました。
パティ > ほとんど足音を立てず、屋根から屋根を軽快に跳び渡っていた小柄な人影。
配達用の鞄を背負った少年は、小さな掛け声をひとつ、路地裏にタッ──と降り立った。
富裕地区が近いとは言っても、路地裏は暗く人影は見当たらない。

「えーっと……この辺りの筈なんだけどなあ?」

懐から取り出した紙片は、配達先を記した地図。
届け先から書面で届けられた住所は悪筆で、大体の住所を推理して表札を探すはめになっていた。
と言っても指定時刻は朝までとなっているので、時間には余裕がある。
紙片に書かれた住所と頭の中の地図を見比べ、ここから向かう方角をどちらにするか悩む……
名前の書かれた表札が目印、とあるがこの辺りは住宅が多い。
何も考えずにウロウロしていると、戻りが遅くなって店主を心配させてしまいかねない。
首を傾げて、うーんと唸ることしばし……

パティ > 「うーん……まあ、いいか!」

難しい表情をしていていたのも、結局はわずかな時間だった。
今考えて分かることは大してないのだから、考えることが時間の浪費なのだ。
まずは行動、この時間だから人通りは少ないけれど、近隣住民と思しき者を見付けたら、
届け先の名前に心当たりが無いか尋ねてみるのもいいだろう。

その場で屈伸をひとつして、よし、と一声。
届け先の住所などが書かれた紙片を片手に路地を歩き出す。
どんな地区でも、時間が時間ともなればそれなりに治安がよろしくないものだが……
配達屋は入り組んだ路地を使いこなしてなんぼ、である。
市街地に張り巡らされた暗い路地を、軽快な足取りで歩み始め。