2020/03/12 のログ
ご案内:「平民地区の小さな公園」にグラスシエルさんが現れました。
■グラスシエル > まだ寒さの残る、簡素な公園
夜更けの公園は人気もなく、いるのは少年ただ一人
固そうな軍服を背負った、まだ幼さの残る少年である。表情は、厳しいとか険しいとかではないが――いやに目つきが悪い。睨んでるように見えるのは地である
まずは――腕と右手を魔力強化。いびつに光る魔力のつま先は、爬虫類――まるで竜のつめのよう。
そして、太い樹木をケンカキックの要領で蹴り飛ばす。太い幹が悲鳴を上げるようにきしみ、木の葉をちらして
――それを寸分違わず、爪で射抜く。常人では目に止まらぬ速度で、単純に、木の葉に穴を開けていく。俊敏、かつ精密な作業を、ずっと繰り返して
■グラスシエル > ――ダルい、飽きた、やりたくねえ、ダラダラベッドに引きこもるか、温泉でふやけたい
脳裏を描くのはそんな事ばかりである。集中なんかしていない。集中をせずとも、木の葉をまっすぐに穿つ事―― 一枚とて切り破ることなく、穿つ行為は少年にとっては当たり前である。
センス、才能ではない。この作業はもう数えられないだけやっているのだ。努力というにはあまりに虚しくなるほどの作業。ただただ、相手の急所を貫く精密性を落とさないための機械的な作業であって、向上心すらもない
無論、魔力の蓄積、向上や肉体の鍛錬もする、が、少年にとってはこの精密性が何よりの武器である以上、それを鈍らせることはしない。
欠伸を噛み殺しながら、木の葉が少なくなれば、また幹を蹴り、再び、木の葉を穿つ
■グラスシエル > 風を切る音が、ピタリと止む。
自分の想定の回数をこなした少年は、んぅ、と背を伸ばし
あぁぁダリぃ、死ね
と毒を吐きながら公園を後にする
ご案内:「平民地区の小さな公園」からグラスシエルさんが去りました。