2020/03/06 のログ
イグナス > そのうち、その中の一つに決めたらしい。紙をひっつかんでギルドの方へ――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/ 」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  冒険者ギルドに併設された酒場は今夜も盛況だ。
 依頼を完了して一杯やる者、依頼を受けに来た者、仲間を募集している者、単に飲みに来たという者――さまざまな理由で訪れた冒険者たちが、賑やかしくそれぞれのジョッキやグラスを傾ける。

 そんな中、働く冒険者もいた。
 ぱたぱたとフロアを行き来する忙し気な足音。
 片手に二つ、両手で計四つのジョッキを手にして、いつものヒーラー白衣ではなく給仕用のエプロン姿で、ごとん、と四人テーブルに運び。

「お待たせしました! ごゆっくりどうぞ!」

 にこにこと愛想よくお運びしながら、戻りがけに注文を取ると速やかに奥へ引っ込む。

「串焼き盛り合わせ6人前入りまーす……食器溜まったな……この隙に……」

 汚れた皿が積み重なっていることに気づくと手早く片づけて、またしてもすぐにフロアから注文の声が掛かっていると、急いで向かい。

「はーい! ただいまー」

 ――と、丸っきり酒場の給仕だったが――人手の足りない夜に声を掛けられて手伝っているだけの臨時雇いであり、普段は一応ヒーラーで冒険者の端くれ。時々顔見知りの冒険者に気づかれて「あれ?転職したの?」などと声を掛けられ、微苦笑しながら答えていた。「臨時よ臨時。人手が足りないんだって」

ティアフェル >  ――そして、そこまでは何事もなく各々に酒や食事を楽しんで、賑やかしくも通常の光景であったが――

 ガッシャアァーン!

『なんだとコラ!!』

 不意に響き渡る食器の壊れる音と怒声。何事かと一時酒場中の視線が、発生源に注がれる。中央付近のテーブル席では酒に酔った、生来荒っぽい冒険者の喧嘩が名物のように開催されていた。

「っあっちゃぁ~……まったく、しょおっがないな……」

 給仕の最中だったこちらはあーあ、と額に手を当てて首を振り、カウンターの向こうのマスターに行ってくる、とだけ告げた。止めるような声を背中に聞いて駆けつけ、

「ちょーと、お客さん! 喧嘩なら表でやってくれませんかねぇ!
 他のお客様のご迷惑になりますんで!」

 少々語尾を強くしながら腰に両手を当てて、椅子を蹴倒して揉み合っている大の男二人に向かいつまみ出さんばかりの勢いで。

『はぁん? いいからすっこんでろ!』
『黙って酒でも注いでろ!』

 当然のごとく聞く耳は持たれず。
 一見ただの女性給仕はイラ、と双眸を険悪に細めては。

「あぁん? 叩き出されたいの?! 出禁にされたいの?!」

 速やかにブチ、とキレて、拳を握りなんと臨戦態勢。
 やれやれ騒ぐ連中や、近くにいては巻き込まれる…とそそくさ酒と料理を持って避難する者、やめろと頭を抱えるマスター。

 いつもの光景と云えばそうかも知れなかった。

ティアフェル >  そのまま酔っ払いバーサス給仕……となり。しかし、店の物を壊すわけにいかないので、表出ろ!と連中を引っ連れて店外へ。

 ――無責任な見物人が囲んで囃し立て、乱闘騒ぎ。
 血の気の多い喧嘩屋もいつの間にか混じって大騒動に発展して――その後臨時給仕は、喧嘩の売買禁止!とめっちゃ怒られました。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/ 」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > ギルド内、テーブルの一角を借りて閉め出されるまでのひとり酒。

具合の良さそうな冒険者でもいれば、酒と飯を奢ってやるのも吝かではない。
勿論対価はいただこうというのだけれど。

雪こそ降っていないものの、外はひどく寒い。
幾らか歩いて宿には行かなければならないが、独り歩きをするのはもう面倒でしかない。

「――そらよ、神様の気まぐれに感謝しな」

欠伸混じりに、目の前に腰掛けた冒険者の膝を叩いて早く退くように促す。
あまりに暇を持て余して、包帯をぐるぐる巻きにしていた冒険者の治療をしてやった。
報酬は、酒とつまみのワンセット。