2020/03/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にビョルンさんが現れました。
ビョルン > 平民地区の一軒家。
狭小住宅言っていいくらいの建物の中、若い女性が好みそうな調度品がちまちまと並ぶ中、主の生活は荒れ切っていた。

この住宅の主とダイニングテーブルに向かい合うのはまだ少年と呼んでも差し支えない年頃の、金髪の男だった。
家の主は顔を伏せたまま向かい合おうともしないが、気にせず金髪の青年は口を開く。

「今日、ダイラスから報せが入りました。
 奥様が売り上げで、完済されました──元金50万ゴルド、10日で1割5分確かにいただきました。
 こちらにサインを頂ければ、今回のお取引は終わりとします」

機械的に感情のない言葉を刻む。
書類へのサインを促せば、家の主は草臥れ切って震えるような指でペンを掴んだ。
返ってきた書類を確認し、護衛に仕舞わせればひとつ頷く。

「では、こちらから飛ばした伝書が確認され次第、奥様は王都行きの馬車に乗る手筈になっております。
 ああ、そうそう──…」

椅子から立ち上がり際、草臥れ切った男を見下ろす。

「ダイラスの者からの報告によれば──夏ごろには、ご家族が増えるようですね。
 おめでとうございます」

借金を返しきって気が緩んでいたのか、理解するまでの沈黙がややあったようだ。
それから、声にならない苦悶の唸り声が上がる。
この家の夫婦は少なくとも半年以上は顔を合わせてはいなかった。

「またのご利用、よろしくお願いします」

機械的に告げ、コートの襟を整えて家を出る。
雪でも降りそうな夜だ。吐息は白く天へと吸い込まれていく。

ビョルン > 並びの家は、まるで無人であるかというくらいに静かだ。
ただ、窓からささやかな光が漏れているのを見れば以前の取り立て日に弟分や子分を暴れさせたのがよく効いたのだろう。

大通りまで出れば両脇を固める護衛は1人は自分のシノギへ、もう1人は事務所へ戻るのだという。
送りましょう、という申し出には首を振り答える。

「寄り道してヤサへ戻る。
 ──”血の契りに忠実であれ”」

ビョルンとしてはいつ誰が言い始めたものか今更年嵩の者に聞き辛いようなお決まりの挨拶呟いて別れれば1人になる。

まだいける。終わった取り立て分に加えてもう数人、債務者を増やすことは容易だ。
ならばまたカジノにどっぷりハマっている住民をリストアップするか、

「いずれにせよ、」

金のことを考えながら意味のない独り言をしつつ歩道を大股でざくざくと歩いていれば公園通りへと差し掛かったようだ。

ビョルン > 公園を突っ切りながら、ベンチに置き忘れられたと思しき襤褸切れめいたローブを拾う。
戯れに、そんなもの振舞わしながら何処かへ消え。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 冒険者ギルドよりほど近いこの酒場、昼食時——。

「さァ、て。……どー、すッかな。」

いつも通り酒場にて。ただし今日は机一杯に料理は並べられていない。…せいぜいが半分だ。
片側半分に寄せながら、机のもう片半分には、大量に広げられた紙、紙。
大男は大量の昼食をとりながら、どっかと座りこんで、今日の依頼を選んでいるようだった。

「これ、ァ、……ンー、遠い。……こいつは、報酬はまァ、いいか。」

適当な理由でハネたり決めたり。どちらにしても、戦闘系のだいぶ高難易度の依頼が多い。
尤もそれだけ緊急性も高い、案外、依頼を受けて現地に到着したら終わっていたりするのだが。
が、そんなことは気にも留めず。だらだらと依頼を眺めているのだった。