2020/02/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド内」にイディオさんが現れました。
イディオ > (本日も、冒険者や、係員、依頼する人々でにぎわっている冒険者ギルド。冒険者は受付で報告を終わらせて、報酬を受け取った。
その男の格好は何処にでもいる冒険者、という物であった。腰に佩くロングソードに、大きめのバックパック、左手には大楯が括りつけられていて、防具は、全身を覆うコンポジットアーマー。
兜は持っていない様で身に付けておらず、短髪の髪の毛は蒼くぼさっとしている。にこやかに笑って居るのだが、その瞳は―――光が無かった。
見えていないわけではないし、弱視でもない、ただただ、絶望に彩られた色と言えばいいだろう瞳であった。
とは言え、自暴自棄になっている様子はなく、受け取った報酬の金を革袋の財布に入れて、視線を動かす。
その先に有るのは、併設されている酒場であり、其処ではすでに何人もの冒険者が酒盛りをしているのが見えるのである。)

―――さて、先ずは祝杯と言うか、食事、だな。

(少しばかり重くなった財布に満足げに男は笑って、何を飲もうか、何を食べるかね、と軽い足取りで酒場の方へと移動する。
冒険者ギルドで、酒場が併設されているのは、きっと直ぐに食事が出来るというだけではなくて、何かあったときに直ぐに冒険者が捕まるように、という意図なのだろうか。
酒場のマスター……というのは、基本このギルドのマスターなのだが、其れに訊いてみようかな、と好奇心を持ち上げるのだった。)

イディオ > (酒場に移動すれば、既に酒盛りは始まっている、エルフに、ドワーフに、人間に、ミレー族。それに、それ以外の希少種族。冒険者と言うのは人種などは関係がなく、完全に実力の世界である、実力さえあれば……と言う奴だ。
故に、馴染みの冒険者もそれなりに居るのは、一応ベテランの冒険者という証左、と言って良いだろう、先に飲んでる彼らに、軽く手を上げて挨拶をして。
さて、と男は視線を逸らす、彼らの席は一杯だったから混じるわけにもいかないし、と。カウンター席が空いているようだし、丁度男は一人である。
じゃ、あそこにするか、と。カウンター席へと歩みより、腰を下ろすのだ。武器や荷物は足元に纏めておくことにする。)

――マスター、肉料理をがっつりで、後、エールをよろしく頼む。

(何時も通って食べているからこそ、軽く言うだけで伝わってくれる、大盛りの冒険者御用達の味より量な飯が、肉たっぷりで提供されて。その脇にエール酒も併せて置かれる。これこれ、とスパイスたっぷりで肉汁ジューシーなお肉、そして、メインのパン。
先ずは、ナイフで肉を切って、齧り、パンを割って、スープに付けて柔らかくして一口。
もぐもぐとしながら、エールで、飲み下すのだ。喉に滑る灼熱感がたまらない、と男は笑う。)

イディオ > (もっきゅ、もっきゅ、もぐもぐ、もぐんもぐもぐ、もぐもー、もぐもぐ。一人であれば、食事というものに時間は然程かかるものでは無くて、直ぐに其れは終わってしまうものである。
けふ、と軽くげっぷを中空に吐き出してから、男はジョッキを手にすれば、木で出来ている小さな樽のような其れの中にエールは殆ど無くて。
男はジョッキを持ち上げることにする。)

――マスター!お代わり!

(他の冒険者もそうだが、お酒は一杯で終わるはずはない、こういう所だから、値段はリーズナブルなので、其れなりに飲んでも大丈夫、潰れても、治療費差っ引かれて、上の部屋へぽいーと放り込まれるのである。
上手くできてるよなぁ、と、天井を眺める男冒険者、ふは、と、ジョッキに残った其れを一気に干す。
さて、食事も終わったし、と酒盛りをしたいが一人で酒盛りと言うのも味気ない、誰かを巻き込んで、酒盛りとしゃれこみたいところだが。
誰かいないだろうか、と男はカウンターを背にするように座りなおし、酒場の―――ついでに、其処から見えるギルドの受付の方を眺めてみる。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド内」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  普段は冒険者として活動しているヒーラーだったが、今日ギルドに顔を出してみれば、酒場の方で人手が足りないので手伝ってくれないか、と声を掛けられてただいま給仕スタイルで接客中。
 冒険者より向いてるんじゃないか?というくらい、酒場の仕事の捌き方は手際が良かった。

「こちら失礼しまーす。はい、ご注文ですね、お待ちください」

 てきぱきとテーブルの間を回って注文を聞き皿を下げ料理を出し、食器が洗い場に溜まれば隙を見て片し。

 そして、エールの追加注文を行った青髪の冒険者の前に並々と注がれたジョッキを置き。

「お待たせしました! ごゆっくりどうぞー」

 にこにこと愛想を振りまきながら受付の方に目をやっている横顔に声を掛け。

イディオ > (他の冒険者は、皆グループを組んでいるようで、今から乱入して酒盛り―――というのも悪くはないが、品が無いと男は思う。酒を飲みながら、次の冒険の相談をしている、という事も良くあることなので、其処に急に飛び込むのはよほど実力に自信が無ければ無理だろう。
むろん、自分はそんな自信等は、無い。良くも悪くも、中堅レベルなのだ、何処にでもいる程度の、冒険者でしかないのだから。
諦めようか、と思っていた所に、差し出されるエール。)

ああ、有難う――――うぇ?

(差し出されるエール酒、何時ものウエイトレスだと思って受け取ろうとして、眼を瞬いた。
自分にエールを差し出してくれる彼女は、このギルドで見知った顔である、というか、同じ冒険者な筈だ、記憶に間違いが無ければ。
ハイライトさんが旅行に出ている男の青い瞳は、まじまじ、と彼女の事を見やる。
幼い顔と、肉体のアンバランスで、ギルドの冒険者・男限定で、かなり人気のある女冒険者であった。)

えーと?何故に?

(一応人気があるから、実力も知っているが、今までほとんど会話したことの無い相手、だから、男は思わず聞いてしまったのだ。
冒険の方が稼げるはずなのに、という思考で。)

ティアフェル >  この時間の酒場は賑やかだ。飲み明かす気で長っ尻の連中も多くなかなか忙しい。繁盛していて何よりだが、その分人手が追っつかなくなると――暇そうな冒険者に声もかかる。
 飲食系接客業に対して何故かしっくりくるものを感じながらぱたぱたとフロアを行き来していたが、エールを出したところで、彼に視線を向けられて問われ。かくり、と小さく首を傾げ。

「ぇ? 何故にって……バイト? 今日人手が足りないから手伝ってくれって……。
 ってか、わたしのこと知ってるの?
 えー、イディオさん、だっけ?」

 それほど目立つ活動もしてなっていうか、知られているという自覚はない。評判があるとすれば、ヒーラーの癖に中身は特攻野郎のようだ、という悪評のみだと認識している。
 だからもしも彼が知っているとすればそんなどうしようもない内容だろうと微苦笑気味に。
 こちらはベテラン冒険者で常連だとマスターから情報が入ったので名前は憶えておいたので。

イディオ > (自分を見下ろす翠玉の双眸、幼く甘い顔立ちがコトンと横に倒れて、不思議そう。
それから、答えてくれる彼女の言葉は、なるほど納得できた、此処、偶にそんな事をしていたんだな、とほうほう、と感心し、頷くのだ、確かに冒険者であれば冒険者の扱いも慣れているし、綺麗処は多いし、マスターであれば顔見知りで話しやすいのだろう、と。
女の子は……大変なのか、それとも得だな、というべきなのか。男は考えてしまう。この辺りは、本人がどう感じているかで変わって来るし、下手な事は言わない方が良いだろうという結論に。)

成程ね、だから君は――――、と。そう、俺、イディオ。
君の事は、ギルドで見たことあるし、軽く噂程度にはね、数少ないヒーラーで、腕は確か。
それに、自分の身は自分で守れる優良物件、て。
誰に聞いたかは、企業秘密ってことで探らないでくれるとオジサン嬉しい。

(基本的に、ギルドと言うのは色々な冒険者のデータを集めるものである、そうでないと、身の丈以上の依頼を任せて失敗させてしまうというのも有るのだから。
だから、多くのギルドは、冒険者に等級を付けて管理したり、とかそういう事をするのである。
つまり、誰に聞いたかというよりも、ギルドが、彼女に持っている評価というのが正しいだろう、それよりも、だ。)

むしろ、君が俺の名前知ってるって方が、びっくりだよ。凄く光栄だけれども。
ほら、何処にでもいる冒険者A-!?とか、冒険者B??とか。そんな風に思われてる程度なのにさ?
こんな髪型に、こんな顔、何処にでも居るとおもうしね。

(彼女と同じように、男は冒険者としては並みも並み。英雄のような活躍をしたわけでもなく、日課は採取系のお仕事、時々討伐な、冒険をしない冒険者である。
そんな自分が、女の子に名前を憶えられているとは、少し恥ずかしく思い、にか、と歯を見せて笑って見せる。
一寸頬が赤くなったのを隠すのも、ある。)

ティアフェル >  冒険者としては、ソロでは小さな仕事しかできないし、パーティプレイ不向きなポジション無視な性格だしで、仕事にあぶれているのを見破られると、マスターがイイタイミンクで声を掛けてくる。
 説明に納得する様子に、そうか、男性はお声が掛からないから知らないんだなーと暢気に感じ取り。

「わたし、どーにもこういうお仕事って向いてるみたいでねえ。
 結構楽しい。
 ……へ、あ…?
 優良、物件……ゴリラヒーラーじゃなくって??
 噂の出どころは追及しないから、その代わり、協調性があってやりやすい一家に一台なヒーラーですって付け加えといて、欲しいな!」

 そんないい噂あったのか!むしろ優良物件だと云ってもらってるのにパーティの爪弾き者なのか何故だ、世の中オカシイ。と思い切り悩み顔し始めた。
 そして、事実無根な内容のプレゼンも付け加えて置いた。

「うん、マスターに聞いたの。
 中堅だけど、堅実、安心安定……でしょ?
 実際それが一番難しいのよねぇー。その要求通りの活躍ができるってのが」

 信頼の証、無理ない程度に確実に。
 それは自分の技量をよく知っているということだし、こなせる依頼の内容をしっかりと把握できているということで――ベテランに必須な大人の働き方だ。
 まだまだ青臭い冒険者としては、派手な活躍を見せて時には爆散している冒険者よりは見習っていきたい部分で。
 笑みを向けられると親しみを感じてにっこり笑い返し。
 それから、もう上がりの時間を過ぎているとカウンターの向こうから声が掛かれば「はーい」と返事をして、賄いを食べて帰れと云われ。

「マスター、カウンターで食べてっていい?」

 正規の従業員でもないし席も空いているので気安くOKをもらうと、

「お隣いい?」

 このまま隣の席で食事していっていいようならカウンターに並んで座ろうとスツールを少し引きつつ。

イディオ > (男に声がかからない理由は推して知るべしというか、単純に、可愛い女の子とムサイ男、どっちにお酒を貰えるのが、男が喜ぶのか、という話になって来る。
冒険者は、大体が男であり、そうなると、自然と受付嬢とかウエイトレスとかは、女性の方が良くなる、集客力とかそういった、大人の事情というものを込みで。)

はは、器量が良いし手際もいい見たいだし、確かに向いているかもしれないな。
楽しいなら、それに勝ることはないし、おめでとう。

―――?ゴリラ、ヒーラー?
うん、まあ、なんだ。いうのは簡単だけれども、実際にその評価を浸透させるのは、君の努力が一番大事だからね?

(彼女と冒険をしたことないから、実情は解らないので、ポロリと零れた真相らしきものに、ハイライトの無い青い目は瞬いて。
それに追及することなく、本人から見れば無茶振りなのだろう要求を承る、ただ、老婆心的に、一言余計な追加だけはしておく。
彼女の明るさなら、大丈夫だろうという希望的観測も付け加えておくのだ。)

安心安定というのは『冒険』をしてないとも言い換えられるからね、組織としては、大事なのだろう。
でも、君はまだ若い、難しく考える事は無いさ、失敗はしてもいい、生き残って、次を狙えばいい。
何度も失敗しているうちに、大体この程度ならできる、というのが見えてくるもんだしな?
君の年ならまだ。体当たりで失敗を恐れずに行くのもいいさ、もし、組んで動くときはフォローするから。

(基本的に、冒険者と言うのは15……成人になってから飛び込む物が多く、男の年齢は25、つまり、10年のトライアンドエラーの結果という事でもある。
だからこそ、安定する、つまるところ―――挑戦を忘れていると言っても良いのだ。そんな大人は、目指すものでは無い。
気が付いたら、成っている物なのだ、と彼女に言ってあげよう、だから、若い子は全力で、爆発してなさい、とも。)

ああ、可愛い女の子が隣にいてくれるのは大歓迎。
そうだな、お酒行けるかい?無理なら、ジュースでも良いけれど。

(許可には、即答でOKを返した男は、じゃあ、何か飲むかい?と、問いかける。
大人の人に、良いかっこ、させてくれよ?と冗談交じりに片目を瞑って見せるのだ。)

ティアフェル >  男性よりは小回りが利くし、大体は家事能力を元々持っているので仕事にすんなり慣れてくれるという事情もあるが……
 男性冒険者はそもそも給仕などやりたがらない。シンプルに。

「ッふぅー。サービスしたくなるようなコメントをくれますなあ、お客さん。
 あはは、どうもぉー。でもなあ、こっちばっかってのもなあ。

 わたし、ついついつい、モンスター見かけたらカチ込んでいく習性がありましてですね。
 いいよ、一応振りまいといてよ。それから何とかするよ。」

 努力は噂が回ってきた時点でなんとかかんとか対応する、と後先考えてない返答。なるようになる、なんて考えが色々と間違いの元なのだろうが。
 ともかく悪評を払拭することに今は必死であった。
 「よろしくね」と真面目にもっかい推しとく。

 「――っふふ。まあ……確かにもっともだけど。
 なんだか、年不相応な意見をお持ちで。
 えらく落ち着いてる…って話は本当みたいね。
 ま、せっかく先輩から「ガンガン行け」ってアドバイスいただいたことだし、自信を持っていつも心にアタックチャンスでいっきまーす!」

 ヒーラーの癖に、隙あらばカチ込んで行く特攻型。まるで勇気づけられたとでも云わんばかりに宣言した。

「あ、うん、じゃ…仕事も終わったしシードルがいいな。
 イディオさんはイケル口っぽいね。
 ――っはは、ここいら辺の冒険者はみんな男前だなー」

 お酒を注文して冗談交じりの言葉にくすくすと肩を揺らしつつ、給仕用のエプロンを外して椅子の背にかけて隣に座る前に、カウンターの奥へ一度引っ込んでリンゴ酒と賄いのミートパイとポトフを自分で運んできて、ようやく落ち着くと。

「っはー、お互い今日もお疲れ様ー。かんぱーい」

 乾杯に付き合ってもらおうとグラスを掲げて。

イディオ > (確かに、男が喜んで給仕をやるというのは聞かない、貴族連中の所に居るような、しゃれた服装の執事とか家令当たりならば、という感じか。
大体、給仕なんぞ男らしくないという考えが浸透してるものである。)

―――サービスは大歓迎です、お姉さん。ちょっといいお酒とか、オジサン大好物。

まあ、それは戦闘スタイルの問題だし、後衛でも、後ろから攻撃する手段無いなら、自然とそうなるさ。
状況次第では、けが人を直すよりも先に敵を倒して安全を確保するという考えも有りだし。
判った、振りまいておこう。

(後の事は、頑張れ。若さゆえの考えなし、凄く輝かしい物を見させてもらった、眩しくてハイライトさんの居なくなった目では、メガーメガー状態になるので、眼を細めて、微笑もう。
よろしくと、念を押されるので、任されよ、と頷くのだ。)

そうか?25と成れば結構オッサンだけどな。
バトルスタイルはガンガン行って、作戦は、命大事に。死んだら何もならないからな、そっちはちゃんと覚えて置くように。

(そもそも、男の思考で言えば、冒険者の剣士だの戦士、だのは、自分で名乗る称号のような物だ、パーティを組むための目安でしかない。
ヒーラーというのは、回復を得意としているという程度の思考、回復の他に打撃がとくい、大いに結構、だって、やれることが多いという事は、活躍してもらう場面も多くなるのだから。
それに、命のやり取りの戦闘中、ヒーラーだから、と後ろで何もしないで縮こまるぐらいなら、石ころの一つなげてほしいとも思う。
お互いに出来る事を完遂するのが『冒険者』なのだから。)

シードル、か良い酒、だな。
男前?いやいや、可愛い女の子の前に、少しでも得点稼ぎたいだけさ?
ほら、燃える下心とかいうじゃん?
……という事で、マスター、エールと、シードル二つ、両方俺が持つから宜しく。

(からからから、男は、笑って言って見せる、ええかっこしい事して、後につなげたいだけです、なんて暴露っぽく。
男は大体単純だし、そんな感じだぜ?と、隣に腰を下ろす彼女に言うのだ。
むろん、下心有るのは、隠してる積りもないから。
彼女が持って来る黄金色の、しゅわしゅわしているお酒、確かこれからアルコールを抜けば、サイダーだったっけか、と。)

ああ、お疲れさま。乾杯!

(興味があったから、男も自分の分で、シードルを持って、彼女が掲げるグラスに軽く当てるのだ。
涼やかな音が、小さく響くが、酒場の喧騒で直ぐに消えていく。)

ティアフェル > マスターもスカウトする相手は見ると云うことだろう。
もしも女性が多い店だとしたら、男性給仕を積極的に募ったかも知れない。

「マスター! このお兄さんにちょっといい酒ー!
 えっ? わたしの給料から? それはヤダーァ。

 そっかな? みんなそういう、イディオ氏みたいに理解持っててくれりゃあね。苦労はないんだけど。
 よっしゃあ、イイ人だねッ」

 状況を余り見ずに滾るまま突っ込んでいくので基本大問題だが。
 肯定的な意見を貰えば悪い気はしない。むしろ励まされた気分。
 いい噂を撒いといてくれるという答えにわあい、と無邪気に万歳三唱。

「やめてよ~。後6年後のわたし…おばさんって云われるのかと今から憂鬱になるじゃん。
 そこはヒーラーだからね! 命を落とさないようにする人だからね!」

 言わずもがなです、ととん、と胸を叩いて大きく肯いた。いざとなれば結局ヒーラー魂が勝って回復に専念してしまう。ギリギリ入れてくれるパーティがたまにはあるのは、辛うじて仕事するからだった。
 普通のパーティで忌避されているのは、出てこなくてもいいところで特攻していくから陣形が乱れて――シンプルに邪魔という。

「うん、シードル飲みやすくて好き…ってか果実酒とかしか飲めないんだよね。
 おお、どんどん得点稼ぎに来ておくれ。歓迎しまーす。
 すると、ちょっとはかわいげを重視しようとも思うよ。
 ははっ、でーすーよーねー。ま、下心持ってもらえるだけありがたいって思っとくのでー」

 軽く笑って揶揄うような科白には、下心持たれる=女としてアリという光栄な図式だとは認識しておこう。
 乾杯をして、同じシードルを傾けて、仕事終わりの一杯はとても効く。こくこくと喉を鳴らすと、ぷは、と心地よい息を吐き出して。

「っふぅぅー。あーやばーい、この一杯の為に生きてますなあ」

 極薄く淡い色合いの、エールやビールよりも細やかな泡立ちのほんのり甘いリンゴ酒味わって目を細めた。一緒に呑む相手がいるというのも楽しいものでしかも奢り。いいお酒でしかなかった。

イディオ > はははははっ!!ふーらーれーたー。良いお酒は、無しでした!
……まあ、自分の給料となれば、そうか。……気にしなさんな。

とは言え、これは俺の考えだし、一般的な冒険者の思考だと、ヒーラーは前に出るものじゃないからなぁ。
だから、組んでくれる仲間は大事にしとくといいよ。

ああ、良い人さ。
―――と、自分から言う人間を信用してはならんよ?

(つまりは、俺みたいなの、と男は嬉しそうに万歳三唱をする彼女に言って見せる、子供っぽい顔の彼女が、全力で喜ぶ姿を見るのは、妹を見るような温かな気分を感じられてしまう。
自分に妹はいないが、こんな感じなのだろうなぁ、という妄想だが。)

あー……。冒険者としてのという意味だから、な?ほら、冒険者の殆どは前衛、肉体系の仕事だし、そうなってくると、30過ぎると筋肉の維持も難しくなってくる。
余り老齢の冒険者に前衛が居ないのは、そういう意味でもあるんだ、だから、俺はもう、冒険者としてはロートルに入って来る。
女としての物じゃないと、フォローさせてもらうよ?

役割をちゃんと覚えてるなら、俺からは言うことないな。

(25は、女としてはとても脂がのって美しくなっている年齢だろう、小さな小さな子供が無邪気にえぐり込んでくる言葉ではあるけれど、そういう意味じゃないと言っておきたい。
冒険者としての寿命の話なので、混同しない方が良いぞ、と。
彼女の様な性格であれば、きっと、複数名のパーティよりも、コンビやトリオの少数精鋭の方が良い気がしてならない。
若しくは、彼女を上手く使える有能なブレーンのいるところ、とか。
はたまた、いっそ大所帯になれば、彼女が前に出る前にけがとか発生するのではないだろうかという思考が。
唯の推察だが、ハイライトの無い冒険者は、ひとりふむふむ、と彼女の一喜一憂を眺めて思うのだ。)

果実酒は、どれもこれも、飲みやすいと思うよ、甘くてうまいが―――やっぱ、エールに慣れてると、エールが恋しくなる。
エールは、こう……飲んだ!という気がして良いんだ、安いし。……安いし。

そんなこと言うなら、じゃんじゃん、点数稼いじゃうぞ、頑張るぞ。
というか、可愛げと言うのはなんかちょっと違うんじゃないか?君には、君の魅力があると思うし。
無理して出す魅力は違うと俺は、思うのである、うん。

(グラスを掲げ、彼女と一緒にその酒を飲むが――やはり、安く強い酒になれた舌では、高級なお酒は弱く感じてしまう。
でも、美味しいのは美味しいと思うのであった。
その後の動きに、男はくつくつ、笑おうか。)

はは、ははは。
オッサンぽいな、それ。でも、判る、理解が飽和するわ。

(彼女の動きと言葉と、自分も良く言う言葉だからこそ、うんうんと頷いてしまう。
酒は、全身に駆け巡り、このために生きてる、という気分にさせてくれる、素敵な飲み物だよなぁ、と同意を求める位に。)