2020/01/23 のログ
■シロナ > 「うーん……必殺技……かぁ。こう、どばーんと。
あ、其れなら……どっか行きたいなぁ。戦場とか、冒険、とか。」
しかし、少女は冒険者ではなくて、兵士でもない、唯の家事手伝いなのである。
姉や母のように、登録をしてるわけでもないので、そういう危険な所に行くのは許してはもらえないだろう。
多分、登録に行けばすぐに登録してもらえるのかもしれない、叔母のラファルでも登録自体は出来るのだから。
それでも、本当にそれで良いのだろうか、冒険者と言う選択は、アリだけれど、冒険者とはいいかえれば決まった職ではなくて、何でも屋のお手伝いのようなものなのである。
自由業と言う奴だろうか、この国が冒険者をどのように扱っているかはなんか良く判らないし。
職業と言うより称号のようなものであるきもするのだ。
別に、冒険者と言うものを悪く言うつもりはないが、判らないというのが少女の感覚だ。
それなら兵士とか戦士の方がまだ身分としてはアリだと思うのである。
思考はそれたなぁ、と首を振る。
「必殺技……。」
こう、戦いに身を投じて、技を作りたいとかぼやきながら、少女は、去っていくのだった。
ご案内:「平民地区 訓練場」からシロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」にフィルさんが現れました。
■フィル > 日も沈み始め、辺りが暗くなり始めれば、大通りを行き交う人々もそれに合わせる様にその姿をへらしていく。
寒さを強めていく風に追われるように、家に帰る者、食事処へと向かう者と、大通りから去った人気は、さらにばらけて街へと散っていくことになるが。
温泉宿が近い場所にある、酒場や宿屋が並ぶ通りには、昼間の大通りのような活気がいつも以上に伺えるのは、その寒さが一役買っているせいかもしれないだろう。
そんな賑わいをこぼす、2階に宿を構え、1階は酒場となっているお店の中で、人々の合間を縫って、小さな人影は歩き回っていく。
「えっと、こちらが…スープセット。
こっちが、それに合わせたお酒です」
動き回る人影はフードをかぶった少年、ではなく。酒場の給仕に似た服を着た少女である。
普段の少年の姿より一回り小さい姿ではあるが、しっかりと体つきは少女となっていれば、その服装に違和感はないかもしれないだろう。
たまたま、普通の雑貨の配達を珍しく頼まれたと思えば、人手不足で手伝いをついでに頼まれることになったわけであるが。
変化の力を知っている、働いている雑貨屋の店主から、女性の状態で行けと言われた理由に気づいたときには、時すでに遅しだったのだ。
接客は接客でも、あまり慣れない方向性だったこともあり。
女性の服装や女性の体躯での活動は、いくつかの出来事を経て大分慣れてきているものの、少々たどたどしい有様となってしまっているようだが。
「わっと…すみません。
あの、これ何時まで…お手伝いすれば…」
注文と届けてカウンターに戻るのにも、人にぶつかりそうになっては頭を下げる有様である。
配達ついでに手伝い、というのは勝手に店主同士で決められてしまっていたのだから、手伝うしかないわけであり。
カウンターに戻れば、一息つきながらもせめてもとばかりに、そんなことをうかがう様にこぼしたようだ。
とりあえず人手が足りるまで、なんて答えが返ってきてしまったわけであれば、聞かないほうがよかったのかもしれず。
2階の宿の部屋への案内や、注文の受け取りなど、店主やお客に呼ばれればまたよたつきながらも、向かうことになりそうであるが。
■フィル > 「はーい、今行きまーす!」
特に誰かの思考や、店の売れ行きを考えて変化したわけではないのである。
そのまま少年が少女になった場合、に近い化けた姿に近いともいえる姿だから、ある程度動きやす部分はあるようだ。
けれども、慣れぬ仕事をこなし、忙しさにもまれていれば、普段より疲弊していく速度が速いのは避けられないかもしれず。
2階の宿への階段近くを通ったりすれば、漂ってくる香りや、店内にあふれるアルコールの香りに触れ続けいれば、疲れ以外にも体をふらつかせるものはあるのだろう。
呼ばれれば走り、注文を受け。注文の品を届けては、またカウンタ―へと戻り。
その状況で孫繰り返しをしていれば徐々に、よたつくより危なっかしい足取りや、注意の散漫差がうかがえるようになり始めることになり。
「あ!
す、すみません、すぐに変わり物をお持ちします、ので!」
次の注文を受け取って運ぶまで、ようやく空いた時間の合間である。
少し急いでカウンターに戻って一休みさせてもらおうとすれば、しっかりと周りを見なかったのだろう。
雑貨屋も閑古鳥ではなく、この半分も人がいればなんて考えを巡らせてしまったのもあり、カウンター近くで歩みだしたお客とぶつかってしまうことになる。
幸い飲みかけであり、お客にも思いきりかかることはなかったものの、ジョッキサイズに入っているお酒は台無しである。
怒鳴るとまでいかずとも、不機嫌そうに声を向けることになるお客へと、慌てて頭を下げては謝罪の言葉を紡ぎ。
お代わりを出すことで矛を収めてもらおうとする様子が、カウンター前に目立つことになるだろうが。
■フィル > 「お待たせしました…」
その後視線は多少集まったものの、お代わりを出すという初めの申し出で収まることになったようである。
飲みかけのお酒の代わりに、丸々一杯新しく注いだお代わりを差し出せば、零れたお酒をそのままふくことになり。
店主から差し出された雑巾を使ってしばらく丁寧に、今度は人に当たらないようにと姿勢を低くしたまま拭き掃除に励み。
しばらくすればようやくきれいになったのだろう。
揮発したアルコールの香りまでは、すぐに消えることがないのは仕方ないかもしれないが。
続く仕事にようやく一区切りつけば、カウンター裏の別口の水場で雑巾を洗って返したところで、安著の息をこぼしていく。
「これでもう、大丈夫ですか?
あ、はい。だったら…少しだけ休んでから帰りますね…」
人の流れも落ち着いてきて、喧騒もだいぶ収まってきたところである。
酔いつぶれた人や、そのまま2階の宿へと上がっていく人たちを除けば、ほかの店に追加で飲みに行ったか、帰路へと着いたといったところだろう。
軽いお礼の言葉とともに、ようやく配達から続いた予想外の仕事が終わりと告げたのを確認すれば、どっと疲れが押し寄せることになり。
相変わらず2階から零れてくる香りや、こぼしたことでさらに揮発したアルコールを吸ったことで、気を抜けばそのままぐったりとしてしまうかもしれず。
店員用の休憩スペースで一休みさせてもらってから帰路へと着く、という申し出が受け入れられればそのままふらふらとした足取りで、足を進め。
変化はまだ解かないものの、私服へとちゃんと着替えてから一休みをして、やがて帰路へとちゃんとついていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」からフィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/中央娼館街」にガルディさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/中央娼館街」にイルルゥさんが現れました。
■ガルディ > 冒険者ギルドからもそう遠くない、娼館街の入り口。
日時計代わりに植えられた大きな木が目立つ広場。
時刻は日暮れを迎え、日時計は役目を終えて別の役目を始めていた。
木の根元には多くの娼婦が立ち並び、しなを作って男の視線を誘っている。
今夜、とある少女を其処に呼び出した。
『依頼から戻り次第、支度を済ませて来い』
『条件を破ったら、言うまでもないと思うが』
そんな一方的な命令を――脅迫をして。
出した条件なんていうのはありきたりなもので。
『どうせ厚いローブを着ているのだから、その中はショーツだけで来い』というもの。
さて、呼び出した少女はきちんと娼婦たちの列に並んでいるだろうか。
傍目から見れば色気もないローブ姿の娼婦に声を掛ける物好きもそうは居まいが。
彼女には、今夜売約済みを示すドッグタグも手渡しておいた。それの装着も条件の内。
一夜の主人を待っているとなれば、幾らかの視線は引けるだろう。
少女が呼び出し場所に顔を出してもすぐには向かわず。暫くの観察の後、悪びれもせず近づいていく。
■イルルゥ > 簡単な採取依頼を終えた、夕刻に差し掛かろうという時間に。
冒険者ギルドで報酬を貰った際に、共に渡された手紙。
フードの内で、受付の人には気づかれていないだろうが。
その手紙の内容に、かぁ、と頬を熱くした。
絶対に行くものか、と思いながら…
『あの』映像が記録されていると知っている彼女は従うしかなかった。
一度、行きつけの宿に戻り…装備を全て脱いで、しなやかな体を露にする。
そこから、黒のショーツだけを履いて、黒いローブを身に纏い…
以前に渡されていた…既に買われている、と示すドッグタグをつけ、再び外へ。
外はまだ寒さが先に立つが…妙に火照った体が、寒さを感じさせなかった。
「―――――――……」
指定された場所は、娼館へ誘う娼婦たちが男達の視線を奪っている場所。
彼女たちにも、縄張りがあるだろう。
眼を付けられない程度に、しかし、娼館街の入口に目線を巡らせればわかる場所に立つ。
胸を強調するような服装が多い娼婦の中で、黒いローブとドッグタグのせいで悪目立ちはするが…
逆に、売約済みの証明のおかげで絡まれることは避けられた。
「………、……さっきから、見てたでしょう。やっぱり下衆ね」
落ち着かなかったからか、視線を敏感に感じており。
観察されていたことに関して、非難するように声を出すも。
その語気は、弱い。
■ガルディ > 映像に知らん顔をしたところで、今度はそれを手にする為に使用した書面が少女を縛る。
少女が来るということを微塵も疑わず、男も昼のうちは仕事に精を出していた。
男がやってくるのは、娼館街の入り口の外ではなくて、内側から。
富裕地区でもないのにきちんと整えられた服装は、その街の運営側であることを匂わせていた。
その場に立つ娼婦たちの何人かが挨拶の声を掛けて、男はそれに小さく仕草と視線だけで応える。
「流石、腕利きのスカウト。
……その下衆に跨るのが大好きな嬢ちゃんは、淫乱、と言うべきか?」
視線を浴びせて羞恥でも煽ろうという目論見は、まあまあ成功か。
衆目を浴びる少女を遠目に眺めていたのを、多分バレているだろう、と察してはいた。
片眼鏡に触れる。
初めて彼女がその単語を口にした場面を思い出せば、返す単語は十人中十人、妥当というだろう。
「ま、そのへんはいいや。それより……答え合わせと行こうか」
少女に、拳一つか二つの距離まで迫って。
手袋を外し、厚手のローブの上から胸元へ触れる。
乳房の下端から、頂に向けて猫の喉を撫でるよう。命令通りならば、下着の無粋な硬さは無いはずで。
続けて視線を下半身に。ローブの裾をたくし上げ、そちらも確かめさせろと言う。
移動を強請られようと譲らず、この場で。逐一、身分の上下を彼女の頭に刻みつけていく。
■イルルゥ > 男が手にするある書面は…直接、少女には関係の無いものだ。
もう少し冷徹になれたのならば、こんな事にはならなかっただろう。
「―――っ、誰、が…そうさせたと思って…っ!」
顔を俯かせながら、非難の声をあげるが。
狩りで言えば既に、喉元を押さえられ、刃を振り下ろすかどうかは狩人次第…そんな状況だ。
そして今の自分は、狩られる獲物に過ぎない。
男が片眼鏡に触れると。
自分の体質への羞恥と後悔が湧いてくる。
世話になっている人の前で、記録されながら目の前の下衆を求めた事実。
雰囲気だけは、反抗的だが。心が付いてきていない。
「こんな、ところで…、正気…っ?、―――っ!、う…、」
非難を呟きながらも。触られるしかない。
ただ、触られたのは、ローブの上からだ。
堪えれば、まだあんな風になるのは耐えられる。
言いつけ通り、厚手のローブの下に感じるのは、指が沈み込むような僅かな膨らみ。
布地の硬さは、ローブの分しか感じられず。
言いつけを、しっかり守っていることがわかるだろう。
「……、ぅ、……わかった、…わかった…から…」
こんな羞恥を前面に出した行為に経験が無い少女は、流石に躊躇うも。
男が撃ち込んだ2つの楔が、少女に逃げることを許さない。
黒のローブの裾を、ゆっくりとたくし上げ。
いつものホットパンツではなく…資金面の問題からか、あまり飾り気のない、黒のショーツを見せる。
いっそ、もう発情して理性を飛ばせてしまえばいいのに。そうすれば、こんな下衆にいい様にされていることなど、感じないのに。
そう思いながら、男が良しと言うまで、たくし上げを続けて。
■ガルディ > もう少し言葉遊びでもして遊びたかったのだが。
彼女が勝手に『あそこまで』になったのではないか――と、言い合うのはまたいつか。
非難の言葉には取り合わず、指先で真っ直ぐに頂を捉える。
ローブの上からでも迷いのなさは、必要以上に身を隠す布地の下を知っているという証明。
伝わってくる恭順の証にほくそ笑み。
頭を擡げろと胸の蕾を爪先で起こす刺激を与える。
厚みのあるローブ越しでは、見てとるのは叶わないだろうが。
「スイッチ踏み切っちまうと、こんなお楽しみは出来ないからなぁ……。
色は似合いでいいんだがねぇ、……今度もっと似合いの買ってやるよ」
よく鍛えられ、すらりと伸びた健康的な脚が露出し始めると男は当然、周りの視線も奪う。
誰かが少女だとは気付いても、フードは剥がさず、少女が身を隠す理由はきちんと秘させておく。
過度に近づきすぎると理性を飛ばしてしまうと知っている男は、あえて腕だけを伸ばし。
無垢にも見える内腿に手の甲を添わせ、硬い指の背中で撫でて。
柔肌を映えさせる黒色は褒めて、内腿から付け根に向かおうとする男の指。
――肝心のショーツを飛び越し、この後愛でてやる予定の臍下にノックだけして、手を退いてしまう。
「よし、もういいぞ。んじゃ……今日の寝床へ行くか」
思いの外あっさりと、露出の中止を許す言葉を投げ。
衆目はそこからさらにエスカレートしていくのを期待していたようで、溜息を漏らし他の娼婦に散っていく。
さあ、掴め。目的地まで少女の意思でついてきてもらおうかと、触れていた手を差し出して。
■イルルゥ > 少女の性質を知っていて、ある書面を盾に接触してきたのは男だ。
けれど、その性質を隠すこともできずに曝け出してしまった自分に腹が立つ。
「ぁ……、ぅ……」
漏れる、微かな吐息。
迷いのない男の手つきに、身体は否応なく刺激をくみ取り。
外からは、視覚でも触覚でもわからないだろうけれど。
確かに、その胸の蕾は僅かに硬さと共に頭を擡げていて。
「っ、…いらない…、そんなの…、っ!」
下着を買ってやると言われ、否定を示して。
身体に直接触れられると、やはりじくじくと胸の内が熱くなってしまう。
ただ、スイッチを押し込まないよう、少女よりも少女の限界をわかっているかのような触れ方に。
拒否感と、被支配欲がせめぎ合う。
臍下…今日もまた嬲られるのであろう、子宮を示すようにノックを受けると、身体がびくりと跳ね。
自分の手でローブを捲り上げながら、ひたすらに耐える。
もしかすると、ギルドにも近いこの場所で…いつも着ている黒いローブを着てきたのは、失敗だったかもしれない。
ただ、そんな後悔は既に遅く。
「―――――――――…」
せめて、正気を保っている時ぐらいは、反抗を示したい。
もういいぞと言われると、すぐにローブを戻して。
男の言葉には、何も反応を示さないまま…ただ、手だけは取るしかない。
いくら、触れているだけで発情が水増しされていくとしても。
打ち込まれた二つの楔が、男の意思一つでその効力を発揮してしまうのだから。
ゆっくりと立ち上がり。素肌で触れた男の手から、発情を煽られながら…手を引かれる童女のように、男の望む場所へと連れていかれる。
■ガルディ > 確かな否定の言葉を受けた時点で、男の中で購入が確定する。
何なら一緒に店に行って選んでみたいものだが、サプライズとどちらが楽しめるか。
そんな事に思案を巡らせながら、指先で少女の体温の移り変わりを楽しみ。
仄かな熱を残して、次の手に移る。
未だ素面に近いだろうに、命令の言葉を与えずも手を取る時点で上々。
手を引かれ一歩後ろを歩く童女が『何』か、首にあるタグがその区域では見るもの全てに身分を証明する。
道中、握った小さな手との握り方を組み替えた。親兄弟、友人のそれから絡み合う男女のそれに。
そのふれあいがなにを招くか、知った上で。
指同士を擦り合わせ、握って離して、手遊びを続け。
「――――ご苦労さん、言ってた部屋借りるぞ」
娼館街の入り口から、奥へ暫く歩いた。
安宿、中堅を通り過ぎて、足を踏み入れたのは一軒の大店。
受付の見目麗しい女に一声掛けるだけで素通り。
少女には知る由も無いだろうが、今宵もう一つ、出来れば二つ。楔を打ち込もうと目論む男。
今夜、如何に周到に手回しをしていたのかが垣間見える。
そうして、そのまた奥まった部屋まで……いくつかの部屋の前を通り過ぎ。防音は魔法も使ってきちんとされている、筈。
だが、視線にすら気付いた彼女の鋭敏な感覚なら。そこかしこで交わっている雰囲気を感じ取れるかも知れない。
行き着いた最奥の扉こそ、目的地。
特に重たげな扉を開き、絡ませた手を引っ立て。
男は後に続いて、扉の鍵を締めた。二人きり。
床に投げ捨てるように乱暴に引きずり込んだ彼女がどんな顔をしているか。見下ろしながら、ネクタイを緩める。
■イルルゥ > 普通であれば、この男から何かを贈られたとしても、受け取ることは無いだろう。
けれど、男が持つ手札は少女を容易に縛る。
あらゆる行動に制限を付け、男の望むままにできるほど。
流石に、命などを要求されれば、抵抗が強いだろうが。
快感という、甘い過程が伴う行為ならば。
楔と共に、その過程は少女を苛むことは間違いない。
「っ、は……は……っ…」
男が、どこを目指しているのか、少女にはわからない。
ただ、手を繋げ、と言外に言われた以上…恋人同士のような手の繋ぎかたになったとしても、抵抗などできず。
その掌から伝わってくる熱が少女の身体に伝播し。
疾走しているかのように、息が明らかに、荒くなっていく。
見目麗しい受付の女など、眼に入らず。
早く、この手を離して欲しいという思いに囚われていく。
既に思考に靄が掛かり始め…何とか、歯を食いしばることで、正気を保っている状態。
だが、そんな状態も…方々の部屋から僅かに聞こえてくる、情事の声や音で乱されていく。
自分の鋭敏な感覚を呪いながら、少女にとっては、いつの間にか最奥の部屋へ着いていた。
「…ぁっ……、く……、ふー……、ふー……っ!」
床はどんな材質か。
冷たい木張りだったとしても、身体は火照っているため気にならないが。
放られるまま、地面に倒れ込み。き、と男を睨みつける。
フードから覗くその顔は、飢えた獣が、必死に食欲を我慢している表情。
少女の身体は震え、我慢の限界に近づいてしまった表情。
外はまだ冷えるにもかかわらず、汗を垂らして…身体が震えた拍子に、ドッグタグがちゃり、と鳴った。
■ガルディ > 受付から、廊下に入るまではコツコツと靴音が響く。
ある一点を越えると足音は柔らかく、衝撃を吸収された音に。
少女の身体を放り投げた床は、シミひとつ無い敷き詰められた絨毯。
此方を睨みつけている少女の背後に広がるのは、高級宿もかくやという一室。
ベッドが一つで異様に大きく、浴室にも仕掛けがあるという点が娼館らしさを演出してはいるが。
「――そんな顔も出来るんじゃないか、ますます気に入っちまう」
跪かせた少女へと、詰め寄る。
ネクタイを緩めた後にはシャツのボタンを外し、これみよがしに胸板を曝け出して。
ご馳走の気配を匂わせるだけ匂わせて、頑なに下半身だけはそのまま、獣の鼻先へと突き出す。
「まだ頭飛ばすなよ……そら、ご主人サマに挨拶。
お前さんの手で取り出して、宜しくお願いしますってキスすんの」
フードの下に触れぬよう気をつけ、摘んで剥がして虎耳まで曝させて、その股座に手招き。
男の股間は張り詰めてこそ居ないが、一日期待を募らせた雄の匂いが籠もっていた。
其処に顔を寄せ、雄を開放する仕事を彼女に与える。命令する。
「……好きなんだろ?キス。ちゃんと出来たら、唇の方でも好きなだけしてやるよ」
べ、と舌を出して挑発。
■イルルゥ > 柔らかな絨毯は、少女の身体を受け止め。
直ぐに身を起こすこともできず、少女は男を睨み続ける。
「下衆に、気に入られても…嬉しく、っ、ない…っ…」
息は全力疾走した後のように上がり。
鋭敏な鼻は、雄の匂いを敏感に感じ取ってしまう。
ただの人間の女にとっては、多少色っぽくしか感じられないであろう、男の胸板。
けれど、獣の因子を持つ彼女にとっては…媚香にも等しき香り。
「―――、は、…誰、が…、頭、なんて…っ、は、ふ、ぅ…っ、あ…、ぁ…」
男の言葉に、また頭の靄に対抗するように気を引き締める。
けれど、どうしても発情は振り切れず。
そのズボンの内にある雄の匂いに、本能が期待を募らせてしまう。
上から見下ろすなら、少女の顔が理性と本能で揺れ動き、表情を変えていく姿が見える。
「すき、じゃない…すき、なんかじゃ、…絶対…、っ、これは、おじいちゃん、と、おばあちゃんの、ため、だから…」
必死に頭を振って、否定しながらも。
いざ視線を男の股座に向ければ、期待は抑えきれない。
免罪符のように、恩人の事を引き合いに出しながら。
緩慢な仕草で、男の陰茎をさらけ出そう。
「―――――っ♡」
解放された匂いに、くら、と頭が揺れつつも。
震える唇で、ちゅ、とまだ膨らみを得ていない陰茎に、キスを。
口づけをするため、膝立ちをしている少女のショーツは既に愛蜜で濡れそぼり、明らかなシミを作っている。
■ガルディ > 上等だろうジャケットは小脇に脱ぎ捨てられ、手袋もその上に捨てられる。
一つ一つ肌を曝してやれば、それに面白いように表情と視線で愉しませる雌。
片眼鏡の中で記録され、男のコレクションが刻一刻と積み重ねられていく。
葛藤を示すこの映像と組み合わせてこそ、この後の映像にもハリが出るというもの。
「……ふぅん?ま、命令だからな……そ、しょーがねぇの」
頭を振っても結局視線がついてくるのが、傍から見ると丸見えで滑稽。
免罪符を求める譫言に、男からも言葉を付け足してやって。
緩慢な動作を急かさず、許し、待った。
ベルトが緩み、ジッパーが降り、下着から零されると解放感に吐息が零れてしまい。
キスを受け止めた陰茎が、ぴくんと震える。
途端に大量の血が送り込まれ、少女の唇によって雄の熱が集まっていくのを伝えている。
「は、――……ん、そしたら続けてちゃんと声に出して、こう言いな。
だいすきなご主人さまの雄ちんぽで、メスガキミレーのおまんこ、気が済むまで使ってください――って、……ほれ、はやく」
キスのひとつでは未だ半勃起にも満たない陰茎だが、とろ、と陰茎が先走りを滲ませ始めた。
言わなければ熱を収めてしまおうと脅しにもならないはずの脅しを嘯いて、少女へと淫語を命じ。
荒い息を寄越す唇から、膝立ちの足元へ視線を移す。
あぁ、と。呟きを落とし、上背を丸め、丸い虎耳に向かって。
「……オナりながらでいいぞ。
ご主人さまが勃ったらすぐハメられるようにしてるとか、ポイント高いから」
こっそり。誰が聞いている訳でも無いというのに、そんな風に囁く。
靴を脱ぎ捨てた爪先を少女の股間に差し込み、濡れそぼったショーツに足の甲を押し当てて。
自慰の道具を与え。むしろ、しろ、と言っている。