2020/01/19 のログ
ご案内:「王都の中の花畑」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の富裕地区と平民地区の住宅街や市場をつなぐ通りに、自然公園のように木々と草が茂る横道が一つ。

最短で通りを横切ろうとすればなかなか気づけない、散策や森林浴に絶好のスポットをしばらくすすむと、小高い丘の上に行き着く。

一面の空と、一面の花畑しか見えない場所が広がっていて、
赤白黄色、様々な彩りの花の中、ぴょこんと立ち上がっては、ぴょこんと沈む小さな薬師の姿。
小さな花かごに、薬用に使用できる花を適切な分量だけ選別し、
器用に目当ての花を探し出しては優しく手折って籠へ採取していく。

「…っふうっ…っ こんな良いところが、あるなんて…」

スクワットのような上下運動と、目当ての甘ったるい花弁や蜜の匂いに含まれる、
強壮と僅かな媚薬の薬効のために額に滲んだ汗を手の甲で拭って、
改めて絶景と呼べる花畑に圧倒され、見回して…。

タン・フィール > 「ふーっ…ちょっと休憩… 
…そうだっ! ここで、お花のお茶、ためしてみようっ!」

心身が休憩の用意を初め、喉の乾きを感じた頃に浮かんだワンアイディア。
花かごに摘んだものの中から毒性がなく、香りと薬効の高いものを選別して、
お茶として楽しむ実験をしてみようと思いたつ。

花かごから、熱を発する市販の魔法陣の描かれた布を取り出して敷き、耐熱の水筒とカップをその上に乗せてお湯に沸かせる。

そのお湯の中に、紫と桃色、白の花弁を散らして入れれば、
柑橘類とベリーと蜂蜜を煮込んだような、甘い香りが花畑に混じって漂っていく。

「…~~~♪ いいにおいっ… この花のお茶、大成功の予感っ」

花畑の上でうつ伏せになり、徐々にお湯に花の色が移っていくのを観察しながら、出来上がりをたのしみに脚をパタパタさせる。

花畑を訪れた他の誰かが小高い丘を見れば、細い脚が花々から昇ったり下りたりを繰り返す光景が見えるだろう。

ご案内:「王都の中の花畑」にトルテさんが現れました。
トルテ > 真冬においても春先の如く色鮮やかな花々を咲かす小高い丘を通りがかったのは、いつもとは違ったルートで九頭龍温泉に行ってみようというお嬢様の気まぐれな冒険心の賜物だった。
雲ひとつ無い快晴がうららかな日差しを降り注がせる心地よさの中、のんびりとした歩調で周囲の景色を楽しみながら進んでいたお嬢様の双眸がとある一点でピタリと止まって黒瞳を丸くした。
身を乗り出す様にして確認する事しばし。花畑の中央付近で見え隠れする細脚の主が、どうやら己の数少ない友人の一人であると気付いたならば

「――――ふふっ♪」

口元にそっと手のひらを当てて忍び笑いを漏らし、こっそりと彼女に近付いていく。運動神経という物が存在しない鈍くさいお嬢様の忍び足であるのだから、もう見るだに危なっかしい。気配を隠していないだとか、風向きを考えていないだとか、そもそもそんなレベルにも達していない。
なんで何も無い所でそろりそろりと足を運びながら転びそうになるのか。

それでもどうにかこうにかうつ伏せの小躯の間近にまで接近することが出来、更には彼女(実際には少年なのだが、もう女の子にしか見えないのでトルテは彼の事を女の子扱いするのだ)が未だに気付いていないようならば、そ~…っと、その上大胆不敵に華奢な背筋にのしかかろうとする。
たっぷりと駄肉を湛えた重量感は、コート越しにでもむっちりふにゅふにゅの柔らかさと、そのうちに内包した暖かさを、桃の果汁めいた体臭と共に伝える事になるだろう。
そしてそんな不意打ちが成功したなら

「ご機嫌よう、タンちゃん。駄目ですよ、いい天気ではありますけどまだ冬なんですから、そんな薄着で外を出歩いては」

なんてお姉さんぶった言葉を笑顔と共に彼女に向けよう。
不意打ちが無様に失敗したならば……まぁ、その時はアドリブである。

タン・フィール > 「ふふーっ…♪ いいにおい、してきたっ…! そろそろかな…
…あれ?…このにおいっ…」

と、呑気に脚をぱたぱたさせながら、変化していく花の茶の匂いが、
徐々にどこか嗅ぎ慣れた甘い香りが混じっていくことに気づいて…
そういえば、どことなく、花のゆらめきと風以外の気配を感じる、と思った矢先に、
幼い背筋にのしかかる柔らかさと体格差の重み。

「―――わぅっ!? …ん、ぁっ…っ! トルテ、おねえちゃ…っん!?」

ぶみゅ、と肉に押しつぶされる声は、苦しさではなく驚きと不意打ちを食らった間の抜けた声。
相手の姿を確認せずとも、とっさに口をついて出てきた名前は、
その体臭や柔肌の感触だけで分かってしまうほどに、相手のことを知っているから。

ひんやりとした華奢な肢体に、相手のぬくもりがじんわりと伝わってきて…
ささやかな淑女の悪戯は成功とみえる

「…♪…びっくり、したぁ… ♪ ふふっ、じゃあ、どっかで…あったかくなる?」

と、甘えるような、いたずらされて驚いたあとで懐く子猫のように、ころんと彼女の下で仰向けに転がって、
きゅっとトルテの手のひらに指を絡めて…

トルテ > 彼女の背中にのしかかる寸前、きっと少女が獣娘であればぴくんっと耳を立てただろう風情でこちらの気配に気付かれた物の、それでもこちらの行動が一歩早く狙い通りの不意打ちを成功させる事が出来た。
驚きの声音は相も変わらず声変わりさえしていない女の子の様に可愛らしい物。
そんな少女の驚きをさも嬉しそうなくすくす笑いで受け止めて、着衣越しに伝わる体温の低さにぷくりと頬を膨らませ

「もう、こんなに冷えてしまっているじゃないですか。全く、タンちゃんは仕方のない子ですね」

言いながら少女の頬に頬を擦り寄せ、己の体温を分け与える様に染み込ませていく。もともとは体温高めの子供の事。冷え切っていた身体も程なくぽかぽかと暖かなものへと変化して、いつしかトルテの方が懐炉代わりに華奢な小躯を抱きしめているような形になっていた。
そんな彼女の身じろぎを感じ取れば、もったりと伸し掛かっていた体躯を少し浮かせてその身体が反転するのを助け、改めて彼女に密着する。互いの指先をきゅっと絡めた恋人つなぎ。メロン大の豊乳を思い切り拉げさせ、花畑の寝台に少女を押し倒したようなその様は、もうどこからどう見ても百合娘の秘め事。
その光景を見る者があれば、あれこれと如何わしい想像をしてしまうだろうけれど、それが別に間違った物で無い事は屈託の無い表情で放たれた少女の誘いに対してお嬢様が浮かべた逡巡――――白皙の頬にじんわりと羞恥のピンクを広げ、人目をはばかるようにちらちらと黒瞳をさまよわせた後、己の浅ましさに対する自虐と、それでも少女との爛れた時間を期待するいやらしさを内包したなんとも言い難い表情にてうなずく様を見れば明らかだった。

「―――――でしたら、いつもの様に九頭龍の水浴び場で……ね……?♡」

周囲に人影は見当たらなくとも、それでも誰にも聞かれぬ様にと寄せた顔が、ぽってりとした唇で耳朶を擽る様なウィスパーボイスで少女に答えると、密着していた柔らかな重みをどかして彼女と共に立ち上がり、もともとの目的地であった温泉宿へと向かおうと。

タン・フィール > 「あはは…―――お花、摘むのに夢中だったから」

彼女のウィスパーボイスに囁かれた、お姉さまの甘い戒めの言葉と、
水浴び場への誘いのことばに、ぶるりと小さな身体を愉悦に震わせて…
なにやら暗喩めいた様子で、ここで何をしていたかを吐露し

「ぅんっ…じゃ、この新作のお茶、飲みながらいっしょにいこ?
…効能によっては…オフロでいろいろ、楽しいことできるかもしれないし…♪」

その後、手早くお茶を水筒に封じると、淑女と手をつないで花畑を後にして…

様々な花の薬効をきかせた、甘く危険なお茶は、どのような水浴び場でのひとときをもたらすのかは、
二人のみが知るところ。

ご案内:「王都の中の花畑」からトルテさんが去りました。
ご案内:「王都の中の花畑」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にガルディさんが現れました。
ガルディ > 今日も昼は女衒の仕事ではなく、半分趣味の鍛冶仕事。
趣味と言ってもそれなり以上に出来は良く、中級までの冒険者にはお値段以上。
駆け出しから下級冒険者にとっては、かなりの掘り出し物という具合。

利率は半ば度外視でそんな値段設定になっているのは、まあ趣味と実益をかねて。
ベテランの冒険者よりも駆け出しの冒険者の方が色々と『商品』価値が高いということだ。

勿論、冒険者以外にも本業絡みの人間やらも顔を出しにやってくる。