2019/12/26 のログ
レミィ > 雄弁という言葉には「確かにね」と頷く。
己もきっと、黙って格好をつけているより言葉を尽くしているときの相手の姿が好きだ。

「悲しいことにね、善意だけでは生きるのが超厳しいってのが現実なのよね。
 誰しもそんな世界に適応していくの、踏まれて汚される雪みたいにね」

折しもこんな寒い日ならば、雪がまた街を飾るやもしれない。
相手の言葉には共感したように頷いて返してから。

「お裁縫がそうだったように、何かをモノにしてみたい気持ちはあるのよ──図書館にも、通ってみないとね」

相手からの頼もしい言葉にも無論甘えるつもりで言葉を返してから、思い出したように頷く。

「そう、それで夏には涼しいパジャマを作ろうかなって思っているのだけれどね。裸で眠るより涼しいなら、値打ちはあるわよね」

本当に思いつくままに話が続く。
さながら生来よりの知己であったかのような感覚すらあるようにリラックスした心地で笑い、語り。

「ありがとう、アタシあなたに褒められるのがとても好きよ」

ぎゅっと一瞬で体温伝えてから子供のような笑みを向ける。

「アタシも、一緒に居ると楽しいわよ。
 ──絶対の約束なんてできないでしょうけれど、あなたはアタシの視界から急に消えたりしないでね。
 アタシは冒険はしないけれど、あなたの前途のチャンスに向けては背中を押したいし、あなたの眼前に危機があるときはブレーキでありたいと思うわ。……いつかも言ったかもしれないけれど」

相手が視線を逸らした側の頬へ手を添えて、ぐっと自分の方を向かせる。
暫し視線を交すことができれば満足するだろう。

「たまには、清い関係で日付を超えるのも悪くはないわね。
 ──他のお召し物はお包みしましょうか? それともハンガーに掛けたまま飛ばしちゃう?」

プレゼントとして添えたタイ類は丁寧に包装紙に包んで小ぶりの紙ショップバッグに仕舞って持たせる。
そろそろ、暖炉も薪が尽きそうだ。

セイン=ディバン > 「ま、そんな世の中だからこそ。
 俺ら冒険者にも仕事が生じるわけなんだけど」

雪が汚れたのなら、片付ければいい。
その片付けが、冒険者の仕事だ、とばかりに。男は笑ってみせる。

「あぁ、いいんじゃないか?
 いろんなことができると、それだけ人生の選択肢も増えるからな」

逆に言うと、物を知らないと選択肢を選ぶことすらできないのである。

「……う~ん。売れそうな予感だな。
 そのうち、この店に来れなくなりそうだなぁ」

男としては、あまり人がゴチャゴチャしてる店というのは苦手であり。
もしもこの店が今以上に評判になったのなら、お忍びで来ないとかなぁ、などと呟く。

「……さよけ」

どこまでもまっすぐな言葉に、男はなんと返答していいのか分からず。
言葉短に、そう呟き、相手の頭を撫でるので精一杯だった。

「わかってるって。俺だって、無茶とか無謀が好きなわけじゃない。
 命の張り時、見極められないほど幼くもないしな。
 とりあえずは、だが。そういうんは心配しなくていいよ」

まぁ、状況によっては当然、命を張ることもあるのだが。
今のところは、そんな緊急のことはないよ、と。
相手に丁寧に説明する男。

「おいおい、その言い方だと、俺ぁ夜を共にした相手はこぞって喰ってるみたいじゃねぇか?
 ……そうだな。たまには、手に持って帰るか」

あまり横着ばかりしてても良くないからな、と笑いつつ。
男は、相手のプレゼントを受け取るだろう。
ほどなくして、男は家に帰ることになるが。
次は、どんな依頼をしようか、なんて考えていたとか……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレミィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテアンさんが現れました。
テアン > 「…あれ?」

少年はランタンを掲げ、通りの向こうを見つめた。
…おかしいなー、と軽く首を傾げつつ後ろを向く。
暗くて道を間違えたかな、と思いながら引き返していくだろう。

帰り道。とは言え、酒宴の会場を抜け出してきた所。
普段なら付き合いなどもあるので長々と居座っているのだが、
挨拶周りなども終わり、知り合いなども少なく今日の所は辞してきたという所。
帰ろうが泊まろうが、という所なので別段家は心配していないとは思うのだが。

ともあれ、少々暗く道を違えてしまった様子。
少し引き返して通常の帰路に戻っていくつもりだろう。
さて、そこに出会いなどはあるのやら、という所だが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテアンさんが去りました。