2019/12/10 のログ
■シムニ > (確かこれは……
……あの茸と調合すれば、強い媚薬に……)
ほんの……ほんの興味本位で、淫魔の精液が入った小瓶に手を伸ばす。
それを会計に出そうと、振り返った瞬間。
「………!!」
同じ年ごろの少年と、目が合ってしまう。
「えっ、あっ、いや!!
……ま、間違えちゃったなぁ~……!!」
一人で勝手に慌てて弁明しながら小瓶を棚に戻すものだから、余計に怪しく見えてしまうのであった。
■クレティアン・ド・ベロー > (あれは、媚薬の関連だよなあ…。
授業で使うのかな?)
魔術は本来専門外の少年だが、貴族の端くれとして当然のように知っていた。
(あ…。 目があっちゃった。)
少年は思わず顔が赤くなり、体温が高まっていく。
襟元に手を伸ばし、冬だと言うのに暑そうに風を送っていた。
「あ、そうなんだ。
じゃあ、僕が購入するね。」
少年は可愛らしい少女と仲良くなれるチャンスかも知れないと考え、
彼女が戻したばかりの小瓶を手にすべく、棚へと向かう。
少女の真横で手を伸ばし、小瓶を手に取って。
「君、魔術学校の生徒だよね?
僕の所は半分もあれば大丈夫だからさ、
良かったら後で分けようか?」
強力な素材である為に、もともと高価な品である。
使い切らない場合などの為に学生同士でお金を分け合って購入することはそれほど珍しくない。
少年は小瓶を手にしたまま、少女に笑みを浮かべる。
■シムニ > 「あ、はい……どうぞ……。」
少年に小瓶を渡し……
(え、何に使う気だろうこの人……。
……やっぱ媚薬作って……女の子に試す気だろうか……。)
訝し気に、少年の顔をまじまじと見てしまう。
「ほえっ!?は、半分……??
い、いや、僕は必要ないんですけど、まぁそこまで言うなら貰って上げますよ!?」
少年からの意外な申し出に動揺しまくりの少女。
自分でも何言ってるのかよく分からないまま、貰ってしまう流れに。
■クレティアン・ド・ベロー > (なんだか、流れで買うことになったけど…。)
少女から露骨に視線を向けられ体が硬くなっている。
考えてみれば、媚薬なのである。
それを堂々と買うと言えば、変態扱いされても可笑しくはない。
「じゃあ、決まりだね。」
少年は媚薬の小瓶を手に、先ほど貰った報酬の大半を店主に支払う。
店主は小分け用の瓶にそれぞれ半分ずつ詰め替えた状態で渡してくれて…。
つまり、小瓶が2つになった分けである。
「ほら、こっちが君の分だよ。」
素っ頓狂な少女に小瓶の一つを手渡す少年。
少女の視線もあり、少しばかり手汗を嗅いでいる。
どちらかが受け損ねれば、小瓶を堕としてしまうかも知れない。
■シムニ > 「え、えっと……
あ、ありがとうございます!!」
慌てて小瓶を受け取る少女。
しかし慌てすぎて手元が狂い、小瓶はつるりとその手を離れ……
「ふぇっ!?
……ひゃっ……」
地面に落ちた小瓶ががちゃん、と音を立てて割れる。
中から、どろりとした白濁が生々しく溢れ、つんとした匂いが立ち込め……
「あ、あぁ……ごめんなさい、ごめんなさい!」
少年と店主に謝りながら、慌ててそれを片付け始めた。
■クレティアン・ド・ベロー > 「あ…。」
手元から滑り落ちた小瓶。
気づいた時には床に落ち、ガシャンとガラスが割れる音がする。
高価な品であっただけに効果の程も凄まじかった。
少年はすぐに袖で口と鼻を抑えるが、それでも入り込んだ成分が少年の身体を熱くさせる。
店主はマスクで口元を覆ってから零れた液体を布でふき取り、密閉された袋へと入れる。
「…っ。 こっちは店主に任せて、早く外に出よう。」
片付けが終わるまでの間、何も装備していない少女も当然薬の成分を吸ってしまう。
耐性が無ければ少年の様に欲情に苛まれるだろう。
少年は汗ばんだで手で少女の肩を掴み、店の外へと誘導しようと。
■シムニ > 「ふわ……」
慌てすぎて、もろにその匂いを嗅いでしまった少女。
迂闊に近寄ってはいけない物だとはわかっていたのに。
意識を朦朧とさせながら、少年に手を引かれ店の外へと。
「ごめんらさい……
……僕、あわてちゃって……迷惑かけひゃいまひた……。」
少年に体を預けながら、呂律の回らない声で謝る。
その頬は赤らみ、緑の瞳は焦点も合っていない。
『あー……君……。
……これ、サービスしとくから……。』
店の外へ出た少年に、店主が声をかけてきた。
このあと必要だろうから、と渡されたのは
先ほどのとは違う種類の薬の小瓶。
ラベルを見れば、何のつもりかそれは避妊薬……。
『じゃ、店の中片づけないといけないから、またね。』
そう言うと、店主は扉を閉めてしまった。
■クレティアン・ド・ベロー > 「大丈夫だよ。
あれは僕も渡し損ねちゃったから。」
少年は店の外で少女の顔を気まずそうにちらちらと見てしまう。
互いに薬の影響で欲情してしまう。
そして、少年からすれば少女は好みのタイプであった。
もともと薬の影響がなくともその気になっていた所だが、薬の影響で歯止めが利かくなる。
店主もそれを察したのか、わざわざ避妊薬を渡していく。
「あ、あのさ…。」
少年は暫し頭の中でぐるぐる考えていたが、やがて口を開く。
「このままだとお互い収まらないと思うんだ。
その、近くのホテルで休憩していかない?」
少年の心臓はドクドクと、触れれば分かるほどに鼓動が早くなっていく。
ここで断られればどうなるだろうかと…。
■シムニ > 「いえ、ごめんらさい……
せっかく、高価なモノを……
……何か、お返ししないと……。」
気にすることはない、と少年は言う。
その優しい気遣いが、少女の心を打つ。
……媚薬にやられているので、尚更。
「はい、そうれすね?
貴方におまかせします……。」
頭がぐるぐるとまわり、身体が燃える様に熱い。
下腹の奥が、なぜだか疼いて仕方がない。
少年がホテルで休憩、と言っている。
良い考えだ、どこかで休まないとどうしようも無いから。
まともな判断力が失われた少女は、少年の言われるがままに着いていく事だろう。
■クレティアン・ド・ベロー > 連れだって店を出た時から、少女の香りが少年の嗅覚を刺激する。
年ごろの少女が放つ香りは少年の中に眠る雄を呼び覚まして。
「お返しは…大丈夫だけど。」
元々気前がいい処のある少年であり、対価に拘ることはなかった。
だが、媚薬に思考が支配された今では”お返し”の言葉がひどく淫らに感じ取れる。
幸いにして、店の近くにホテルがあった。
どちらも同級生や顔見知りなどに遭遇することなくホテルへと入り込む。
受付で部屋の鍵を受け取れば、階段を上がってすぐの2階の部屋へと。
扉を閉めれば、共にベッドへと腰を落ち着けて。
このホテルは平民地区内でも格安な方であった。
部屋もホテルと浴室がある程度の質素な部屋。
そして、浴室はと言えばガラス張りであり丸見えと言う如何にもな作り。
「僕はクレティアン・ド・ベロー。
君の名前を教えてもらってもいいかな。」
避妊薬を受け取っているとはいえ、万が一の可能性もある。
少年は微かに残った理性で自らの名を告げた。
■シムニ > 「僕はシムニ、シムニ=エルフェンヴァイン……。
……よろしく、ね?クレティアン。」
少年に名を名乗る。
その姓はマグメールから遠く離れた国の、王家のもの。
貴族の血を引くクレティアンなら、耳にした事はあるかもしれない。
少し休むと、頭もある程度落ち着いてくる。
ふと見渡せば、見慣れない部屋に少年と二人。
少し暗めの照明に、ガラス張りの浴室、
そして大きなベッドが一つ……。
(あれ、これってもしかして。)
もしかしなくても、連れ込み宿に男女二人である。
「え、えええっ……!?」
なんでこんな状況になったのか。
経緯を整理する、と……
……媚薬を溢した自分のせいであった!
しかも、頭は落ち着いてきてはいるものの、
困ったことに体の疼きはどうしようもなく昂っていて治まりそうもない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシムニさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレティアン・ド・ベローさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。