2019/12/06 のログ
シュティレ > 「末席を汚している身で恥ずかしいのですが、ね?」

此処の貴族の現状はよく聞いていますし、調べています、血族の堕落したものが共鳴し此処の貴族に取り入るのですから。
とは言え、一部の者が、血族に惑わされてと思って居たのですが……此処の貴族は、大体が堕落しきっているという現状、少しばかり頭が痛く思えました、だからこそ、難航しているともいえるのですが。
自分の当然としての感覚をそんな風に思われてしまうと、少し情けなく思えてしまいます、少なくとも貴族と言うものは、と言いたくもありますが、それは私の感覚であり、この国の感覚ではないので、秘することにしました。

「では、ヒュルフェと、呼ばせていただきましょう。そうですね、……憲兵、考え方的には、それで良いと思います。」

審問官とか、そういう言い方もありますが、彼女の考え方も間違いではないでしょうと、私は首肯します、憲兵は他の国まで追いかけたりはしないですが、それを考えると適当な言い方と言うのが、私も思い浮かばないのでした。
顔を赤くする彼女、かわいらしい初心な反応に、私は思わず、クスリと笑ってしまいます。初々しくていい人です。

「そうですね、私の国の逃亡者は、基本的に貴族に取り入り、贅沢三昧で、優雅と言うものを忘れ去って、只々、怠惰に生きる人が多いです。
遺跡の中とかには、このんではいかないでしょうね、私に見つかり、やむに已まれず、というなら。後、わたしは冒険者では、有りませんよ?」

冒険者と言うのは、未知を求めて色々出かけて、遺跡とかを探るヒトの事のはず、遺跡には、罠があり、そういうのを探したりするのは得意ではありません。
そもそも、そういったモノは領域ですべて無に帰してしまいましょう、しかし、それをすれば、ヒトではないことがばれてしまいますし。
遺跡には、あまり潜りたいとは思いませんが、可能性としてあることを考えれば。行くべきかもしれないですね、と思考の片隅に置きました。

「私は、ワインを好んで飲むので、エールは初めてなのですが。しゅわしゅわもこもこは面白いですが……苦くて少し苦手です。」

ワインの芳醇な香りを楽しむお酒が好きで、特にデザートワインのような甘いワインが好きなのです。子供のような舌なのでそれがバツが悪く、ちろ、と悪戯に舌を出して笑って見せました。

ヒュルフェ > 荒い考えの人達とわいわい騒ぐのも楽しいけれど。
こういう風に、驚きのある会話も楽しい。
謙遜するシュティレに、そんなことないよー、と言って。

仕事についても、その大変さは私には実感できない。
でも、想像するだけで顔に皺が寄りそうだ。

「なるほどー。この街の貴族に紛れてる感じかぁ。
それはほんっとーにめんどくさいなあ…」

ウィンクにどき、としたのは間違いない。
しかし、その逃亡者達の事を聞けば…悪事に関しては口の堅いこの国の貴族のことだ、探すのは難しいだろうという感想を持って。

「それならちょっとお願いしにくいかぁ。私、集団に入る時は斥候なんだけど…やっぱりそういうのって変な目で見られてさー」

先に行ってトラップなどがあるか、危険度はどうか…そういったことを確認することもあるが。
宝を先にガメている、などと言いがかりをつけられたこともある。
自然に話せてはいるが、愚痴が多くなってきていて、いけないいけない、と話題転換。

「綺麗な人がそーいう可愛い仕草は反則―。ワイン、かぁ…富裕地区の方でたまに売ってるのを見るくらいかな。
お酒じゃなくても、こういうのもあるよ。ちょっと飲んでみる?」

とても整った容姿で、凛と佇んでいるようなシュティレが可愛らしい仕草をするとギャップがとても凄まじく、こっちが照れてしまいそうだった。
何故か熱くなる頬を誤魔化すために…酒精は入っていないが、甘いものが好きなら、と。
自分が飲んでいた杯を差し出してみる。

シュティレ > 「本当に、大変でありますわ。逃亡者によって堕落したのか、それともそれがもともとなのか……そこから調べないといけませんしね。」

調べること自体は、さほど難しくはないのです、唯、ばれないように調べるというのはとても難しい。この国にはやはりこの国特有の防衛がありますし、沢山ある騎士団の中には、私のような血族に特化した者もいるのでしょう、其れ故に、私は彼女の言葉に緩くあいまいな笑みを浮かべるのです。
彼女の同調の意見が、少し嬉しかったのがあります。

「―――そうですね、私が暇な時であれば、お手伝い自体は、出来ると思います。声をかけていただければ。」

斥候、其れは重要だと思います、戦争でも、冒険でも重要だからこそ、そういう役割が発生するのでしょう。
彼女の言葉に、私は確かに遺跡の中に入り込む可能性を考えて、其れならば、彼女に斥候してもらえば安全に行けるのではないかと思うのです。
そして、財宝には興味がありませんから、彼女の総取りでも構いませんし、彼女はそれを気にしている模様です。あらぬ疑いをかける方がバツを受けるべきなのでしょうが、彼女がそれを気にするのであれば、私の許で動いてもらえば、気にならないでしょう、と。

「そういう仕草……?」

彼女の言葉に、なんかイケナイ事をしてしまったのでしょうか、判りませんが、少し不安になります、顔が真っ赤なのが見て取れます。
凄くはしたない事をしてしまったのでしょうか……聞いてしまいましょう、知らずに続けてはなりませんし。
そして、差し出される杯。果物の汁……ジュースが入っているそれを見て。

「頂いても?」

興味が有るので、そっと手を伸ばし、杯に、そして、それを持つ彼女の手に触れてしまいましょう

ヒュルフェ > 「…元々腐ってるのが殆どだよ、ほんと。マトモな人はすぐに追いやられるし」

この前も、辺境に行かざるを得なくなった貴族が居たはずだと思い出し。
ただ、そういうことではないのだろう。
私の知らないところで、マトモであった貴族がその逃亡者に誑かされている…ということもあるのだろうし。

「わ、本当?やった。最近は山脈の麓に新しく遺跡が結構な数見つかってさ、その辺がイイと思うんだ」

いつ彼女が暇になるかはわからない。
でも、そういった未来を想像するのはとても楽しい。
中々出会えないけれど、お宝などを二人で見つけられたら最高だなあ、なんて思いつつ。
疎まれるのは慣れた。その分、こうして…暗に肯定してくれるのも、嬉しい。

「そ。…シュティレみたいなきれーな人が、そういう子供っぽい仕草するとさ。
綺麗さと可愛さが合わさって、ちょっとどき、っとする」

率直に聞かれたら、ごまかすのも騙しているみたいで辛い。
ぺちぺちと自分の頬を叩きながら、しっかりと理由を言おう。
うん、これはただ単に形容しがたい衝撃を受けただけだ。大丈夫大丈夫。

「ぅ。……どーぞ。気に入ったらエール残しちゃってそれ頼みなよ。
それくらいでぐちぐち言われたりしないだろうし」

けれどまだ熱が冷めやらぬうちに、手が触れるとやはり緊張する。
何とか声が震えないようにジュースを勧めて。

お酒や料理を作るついでとはいえ。
甘い果実の汁をたっぷりと、少し酸味のある果実の汁を加えたジュースは。
肉の油を爽やかに包んでくれる。

シュティレ > 「―――大丈夫ですよ、ヒトは、それを良しとしておりませんわ。」

腐っているからと、嘆く必要はない、ヒトはそこまで愚かではないことは、私は知っています、そして、愚かなものが集まりすぎたとき、その時の結末は滅亡と言う形になりますが……それは一部の事。
今厳に、ヒトは、私達血族や魔族など、力のある存在の中で、一番繁栄しているのですから。
今は、斜陽でも、又日が昇るのでしょう、そう、ヒトぐらいは信じてあげて欲しいと思い、私は言うのでした。

「ふふ、では、其処に行くときはお声をおかけくださいね?同行できるときを、調整して併せますから。」

山脈、九頭龍山脈と言う所でしたでしょうか、確かに隠れる場所としては数多くありそうです、町に逃げずにそちらに逃げた人もいるでしょう。最近一杯見つかったとなると、チェックしても良いと思いました。
それに、何もなくても、財宝が有れば、彼女が喜ぶのであればそれは無駄足にはならないでしょうから。

「あらあら、それは。――道を踏み外してはいけませんよ?踏み外してしまったら、足を掬ったものとして、責任を取らねばなりませんから?」

訊いてみたところ、はしたない事をしたわけではなさそうでした、私のしぐさが、彼女の琴線に触れてしまっただけ、という事なのでしょう。
だから、ちょっと冗談を交えて言って見せました。血族は―――基本的に性別に拘りはありません。生殖はヒトと違い、【口づけ】ですし、かわいらしい女の子は私は好みに思ってしまいます。
故に、彼女の為に、目を細め、小さく笑って、甘く忠告してしまうのです。

―――誘惑では、有りませんよ?

「それはいけません、エールも、人が人に飲ませるために作ったものです、苦手だから、と残すのは、作った人に対する失礼。しっかり飲み干しますわ。」

残してと言う言葉には、其れは優雅ではありませんと、首を横に。物は大切に、食べ物には感謝を。それが、優雅と言うものです。
其れは其れとして、彼女が差し出してくれた果汁を少し口にしましょう。

「すっきり、してます。」

必要以上に甘くもなく、これは美味しいですね、私は顔をほころばせます。

ヒュルフェ > 「そうかなあ…。そう、かも?」

私には、そう思えなかった。
堕落の限りを尽くしている貴族を見ると、本当にそのまま破滅していきそうで。
そうなった時巻き込まれるのは間違いなく自分や、もっと下の身分の人達だ。
けれどシュティレがはっきりと凛とした言葉でいうものだから。

そういう考えもいいな、なんて思ってしまう。

「うん。あー、シュティレって普段どの辺に宿とか取ってるのかな。
教えてくれたら、そこまで尋ねに行くよ」

言ってから…自分は稼いだお金で宿暮らしだけれど。
もしかするとシュティレはどこかに自宅を持っているのかもしれない。
でも、どちらにしても、絶対に声をかけることは間違いない。

「あ、あー…だ、だいじょうぶ。私、その…そういう趣味じゃないし」

そのはず、だ。少なくとも自分では普通に男の人が好きだと思っている。
けれど、目を細めて笑いながら魅力的な…怖いもの見たさにも似た未来を想像させる言葉をかけてくるシュティレをまともに見れず。
もし、道を踏み外したらどうなるのだろう、と。思ってしまうのは止められない。

「そっか。…うん、お酒の、あの感じが好きなら、あんまりだろうけど。
さっぱりするし、おすすめだよ」

何だろう、シュティレには心に芯がぴん、と一本入っているような感じだ。
でもそれでいて無理をしている感じでもなく、ただそう在ろうとしているような。
ぽお、とした頭で、すごいなあ、と視線を向けて。

「あの、シュティレ?もしよかったらさ。遺跡とか行った後…またこうして話そうよ。
街に中々いない人だから、その。話してると楽しいし」

本当はほんの少し、それだけでもなかった。
けれど言葉にできないその感情は置いておいて。
遺跡でも、その後も…楽しい時間を過ごしたいと提案していた。

シュティレ > 「ヒトは、力を持っています、正しきものが声を、力を集めて、起こすものでしょう?革命を。」

ヒトは、個々では、脆弱である、其れは間違いはない。しかし、集めることができるのだ、自分以外の力を。そして、その結果、血族を竜を、神を下すのである。
過去の物語は、正しくつづられたものもある、だからこそ、私は思うし、認める。ヒトは強い生き物だ、と、そして、見下さないことにしているのです。
それを、彼女に伝えたかった、教えたかった、それだけの、事なのです。

「宿は取っておりませんわ?富裕地区に家を買っておりますの、良ければ訪ねてくださいまし。」

宿は煩わしいし、血族だと知られてしまうのは良くないから、家を一軒良い所に買ってあるのです、彼女は其れに対してどう感じるかはわかりませんが。
ここに住んでおりますの、と軽く自分の家の場所を書いたメモを取り出しまして、彼女の目の前に。ひょい、と取り出したので、もしかしたら魔法と思われてしまうかもしれません訊かれたら手品ですと答えましょう。


「ああ、其れは良かったです、少し、興味がありそうな雰囲気でもありましたので、安心しました。」

異性と愛し合い、子を成すのは、ヒトとして当然の本能、この国はそういう本能からかけ離れた人が多くいますので、ちょっと心配になりましたが。彼女は大丈夫みたいです。
と、思いたいのですが―――その気質は矢張りあるのでしょう、恋する乙女に似た雰囲気を持っているのが判ります。
今は、様子を見ていましょう、今の彼女は、可愛らしいと言えますから。

「お酒自体は、嫌いではありませんし……でも、このジュースも、良いものですわ。ありがとう、御座います」

お酒を飲みたい気分ではない時には、良いですわ、と私は彼女に言いましょう、そして、良いものを教えてくれたお礼はするべきですし、お礼を言いましょう。
お礼だけではなく、もっと即物的なものの方がよいでしょうか、そう考えたときに。

「ええ、私でよければ。私は何時もどこかふらふらしていますが、基本は、この国の中に居ますわ、マグメールを中心に。見かけたら、声をかけていただくか。
先程お伝えした私の家のポストに呼び出し状でも入れてくだされば、時間の合うときはお伺いしますから。
私も、ヒュルフェと言う友人と、もっといろいろ、お話ししたく思いますわ。」

ね?と首を傾いで私はおねだりしましょう。

ヒュルフェ > 「…革命……すごいね、シュティレ。そっか、そういう可能性も、あるよね」

自分はそれほど先を…というより、全体を見たことは無かった。
そういう視点もあるんだ、と少し口が空いてしまって。

「わ、と…?今の…、あ、手品……」

ひょい、と出されたメモ。あまりにも自然に目の前に出されたため手品と言われれば呆けた私の心にはそういうのもあるんだ、くらいにしか思えず。
大体の位置が書かれたメモを見てみれば、富裕地区の立地のいい場所だった。
富裕地区を歩いているのが容易に想像できるのが、シュティレの凄いところだ。

「えと、無いって言ったらウソだけど、うーん……あはは……」

私の精神がぐらぐらと揺れる。
いや、今は結論を出すべきじゃない。
曖昧に笑って、周りにただよう酒気で雰囲気酔いした…そういうことにしておこう。

「うん。お酒に弱い代わりに、こういうのは良く知ってるんだ」

お礼を言われるほどのことでもない気はするけれど。
素直に受け取らないと、シュティレに失礼だ。
性根が真っすぐだと思える相手には、せめてできるだけ正面から話したい。

顔の赤みは、中々抜けないけれど。

「シュティレ、目立つし…見かけたらまた声かけるね。
呼び出し状は…あはは、ちょっと文章とか変になりそうだけど」

シュティレの提案にこく、と頷いて。
所作の一つ一つが、目に毒だ。どうにも輝いて見えてしまう。
あまり字は得意ではないけれど、呼び出す時には頑張ってみようと思う。

「あ、えーと、新しいの貰おうかな」

すっかり空に近くなったジュース。
何せ今日は宝物で稼げたのだ。少しくらい贅沢をしてもいいだろうと。
酒場が静まっていく時間まで、この新しい友人と、語り合おう。

シュティレ > 「ええ、ヒトは泣いてばかりいる物ではありませんわ、歴史にだって、革命と言うものはあります。本当に、国がダメなのであればそれを成す事も、選択―――可能性として、捉えるべき、かと。」

この視点は私が貴族だからなのかもしれません、そして、それを、革命を恐れているから、なのかもしれません。考えてみれば、私のしていることはその、革命を未然に防ぐことにもつながること、なのでしょうから。
それを彼女に教えるのは、なんだか滑稽に思えてきてしまいました、革命を防ぐ立場で、革命を示唆するなど、口が閉まらなくなるのも、良く判ります。
私は、―――バカですね。

「はい、手品、です、手先が器用なので。内緒、ですよ?私のお家の場所、も。」

私はメモを見る彼女に自分の人差し指を持ち上げて、自分の口元へ。しぃ、と内緒、と言う言葉を強調して笑って見せる。彼女は言いふらしはしないでしょうけれど、でも、出来るだけ、内緒にしておきたいのです。
むろん手品――――【領域】で作り上げたメモ用紙も、内緒にしておきたいものですから。

「もし、どうしても、男が愛せない時は、道を踏み外したときは、その時は……ご相談くださいまし。」

彼女を愛するとかそう言う訳ではなく、相談をして、そのあとで決めるのが良いだろうと思いました、彼女も普通でいたいそういう意図が取れますし。
多分、今は気の迷い、なのでしょうから。

「お酒に強い弱いは、ともかく、色々知っていることは素晴らしいこと、ですわ。」

そう、強い弱いは仕方のない事である、だからそこで腐らずに、別の手段を模索する彼女の姿勢は素晴らしいものだと思えます。その知識が、私に新しい物を出会わせてくれたのですから。
ありがとうございます、もう一度私は彼女に微笑み、礼を言いましょう。

「意図が伝わるのでしたら、良いのですよ、手紙と言うのは。無駄に色々装飾するのは、貴族の悪い癖なのですから。」

だから、彼女らしい手紙でいいのです、私に気を遣わずに、用件のみの手紙だって大丈夫だと伝えましょう。大事なのは、伝えるべき事、間違わなければいいのですと。

「では、私も同じものを。エールは、苦手でしたから。」

ちゃんと飲み干してから、彼女に続いて、注文を。
新たなる友人に感謝をしながら私は、ジュースを飲んで、ひと時の歓談を楽しむのでした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者の酒場」からヒュルフェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者の酒場」からシュティレさんが去りました。