2019/11/26 のログ
ミヤビ > 「ざんねんです。また遊びに来てくださいね」

そんなことを言いながら背中を見送る。
またどこかで会うこともあるだろうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からザイケルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスバルさんが現れました。
スバル > 平民地区の一角、市場を少年は一人で歩いていた。
 迷子、と言う訳ではなくて、その腕に垂れている買い物籠を見れば、お使いであるという事は一目瞭然なのであろう。
 うろうろ、うろうろ、と、未知に並ぶ店を眺めながらに歩く少年は、うーん、と難しい顔をしているのであった。

「今日のおゆはん何にしたらいいだろう。」

 今日は母と姉は家に帰ってくるのだろうか、帰ってこないのだろうか。
 それによっても、買うものが、作る物が変わってくるのだ。
 せめて、それが判ればなぁ、と思うのだけれど、そんな便利な方法もなく。
 そうなると―――保存のきいて、いつ帰ってきても直ぐに調理できるようなもの、が選択肢に上がってくる。

「パンと、スープ……あ、最近寒くなってきたし、スープじゃなくて、シチューもいいかも……。」

 とことこ、一人歩きながら、小さく呟く少年。
 お使いと言うには、主体性溢れるつぶやきだった

スバル > 「……いっそ。」

 帰ってこない方の日が多いし、今日はどこかの酒場に入ってご飯でも食べてしまおうか、なんて考えてもしまう。
 酒場にはいろいろなご飯が有るから、それを食べるのも勉強になるのだ。
 美味しかったらそれを作れるようにもなるし。
 とは言え、一つ問題が有るのだ。

「一人で……。」

 流石に子供が一人で酒場に入ると、親切な人が声をかけてくるのだろう。
 冒険者は、ギルドで依頼を受けたりする人だからその傾向が強いと思う。
 だからこそ、怖い。

 知らない人に声を掛けられてしまうと緊張するし、冒険者とかそういうのは怖い物である。
 姉とか、母とか。
 知っている誰かとなら多分大丈夫だと思うのだけれども。
 敷居が高いと諦めることにする。

「シチュー……かな。」

 シチューが食べたくなったので、先ずはミルクを買いに行かないと、と、少年は考え、道を歩き出す。

スバル > 平民地区の市場のお店の人であれば、大体慣れてきている。
 ちょっとおっかなびっくりでは有れど、会話もできるのである。
 先ずは、ミルクを買い求めて、次には、八百屋へと移動する。
 人参と、ジャガイモ、玉ねぎなどの野菜を買い求めて、そのあと肉屋へ行って、鶏肉を買う。
 これで、良いかな、と買ったものを確認してから一つ頷いて、少年は帰路へ。

 帰路とか言っても、家も平民地区にあるからそう遠くはないのだ。
 とことこ、道の隅の方を歩き、家に戻る少年。

スバル > とことこ、とことこ。
 少年は、のんびりと寒くなってきた街の中、街並みを眺めながら歩いていく。
 その姿は直ぐに夜の闇に溶け込むようになって。
 そして、家路につくのだろう。

 だれもいないであろう家に帰っていき、少年はシチューを作って一人食べるのだった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスバルさんが去りました。