2019/11/24 のログ
> 何かに気付く、少年の様子を気にする様子はない。
少年の側まで寄れば、笑顔のまま少女は少年を上目使いに見上げる形か。

少年の言葉に、んー…と口元に指を当てて、また考える仕草。
が、すぐにぱっと笑顔をまた零せば、ペコッと軽く頭を下げる。

「ここには観光とお仕事を探しに来たのですよー。
でもでも、お気遣いして貰ってますもん、ちゃーんとお礼はしないと、って思う訳でしてー。
…あ、でも、次からはちゃんと気にしますねー?」

自分の事をパッと両手を上げながら答えつつも、謝る必要が無いと言われれば、その両手を振りながら自分としての意見を。
その両手を胸元に添え、これからの事を伝えてと、見た目なかなかに忙しい感じだ。
見方によっては面白味ある風に見えるのかもしれない。

そして、後に安否を気遣う言葉と、撫でようと伸びる手。

「はいー、お気遣いありがとうございますよー」

そう返しながら、その手は避ける事なく大人しく撫でられる少女であった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「うむ。理解したならそれで良い。それに、礼など述べる必要は無い。私とて、貴様に声を掛けたのは気紛れの様なもの故な」

忙しなく動き回る少女をしげしげと眺めた後、クスリと小さく笑みを零した後緩やかに頷く。
子供は元気で良い、等と、己の年齢を棚に上げて思っていたり。

「しかし、仕事を探しに来たという事は冒険者…或いは、何処かの店で働くつもりか。此の王都であれば有り余る程仕事はあるだろうが……」

悪い大人に騙されたりしないだろうな、と悪徳貴族の己が心配しているのだから笑い話にもならない。
妙な連中に捕まる前に冒険者ギルドにでも案内した方が良いのだろうかと、少女の黒髪を撫でながら考えていたり。

王都とはいえ、決して治安が良い訳では無い。
王都に慣れぬ少女を誑かそうとする者は吐いて捨てる程いるのだ。寧ろ、何方かと言えば己もそちら側の人間であるのだし。

> 「そうなのですかー…うーん…でも、やっぱりお礼は受け取っといてくださいねー?
ほら、引っ込めるようなものとか、そんなものでもないですしー?」

今度は腕組みをして考えた後、パタパタと解いた右手を振って答える。
どうこう考えるよりも、そうした方が楽そうだし、なんて考えの上であるまでは言わないでおくが。

少年がどう思うかは分からないが、少女の実年齢はかなり上。
言ったところで信じないだろうし、そこも言わないでおいて。

「私、自慢じゃないですけど戦う事以外出来ませんし、そうなると冒険者とかとなる訳ですよー。
ここでしたら冒険者ギルドとかあるでしょうし、そことかになるでしょー?
あ、後、お世話してくれる人とかも居ると良いですねー。
お料理とか、お洗濯とか、お掃除とか、色々酷いものですからー」

人差し指を立て、右に左に振りながら説明を。
続く希望とか、普段の生活面とか、困ったなーとか感じに頭を指で掻きながら伝えて。

少女の言葉を信じるならば、襲われたりは大丈夫か。
そうではあっても、心配するような騙されたりとかはされそうだが。
実際、目の前の少年がそうした側の存在であるようだが、何の疑いもなく接しているのだから。
気持ち良さそうに撫でられている少女もまた、色々と考える事はありそうだ。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…であるなら、貴様の礼を受け取るとしよう。大した事では無いのだがな」

此方としても、特段物が絡まない事を長々と引き摺るつもりも無い。右手を振る少女を見下ろして、素直に頷くのだろう。

「ふむ。腕に覚えがあるのなら、此の王都であれば引く手あまただろうよ。冒険者として名を上げるも良し。腕に覚えがあれば港湾都市の闘技場も良い資金源になるだろう」

武芸に全く覚えのない己からすれば、戦う術を持つと断言する少女は寧ろ羨ましいくらい。
まるで案内人になった気分だなと思いながら少女の言葉に応えていたが――

「…しかし、世話人が欲しいというのは些か贅沢な望みだな。そういう従者を雇い入れるか、少々値は張るが生活面をサポートしてくれる宿を拠点にするか。或いは、金払いの良い貴族や商人のお抱えになって拠点を得るか。
まあ、方法は幾らでもあるが金がかかるだろうな」

普段の生活面に対する要望や希望を告げる少女には、呆れた様な視線と共に苦笑いを向けるだろう。
とはいえ、腕に覚えがあるのならどの様な方法でも何とかなるかも知れないか、と少女の頭から手を離して少し考える様な素振りを見せる。
ちょっとギルドに口利きしてやれば、金払いの良い依頼を少女に回してやれるだろうか、等と思考を巡らせていたり。

> 「はい、どうぞどうぞー」

両手を少年へと向けて広げるようにして、何かある訳でもないが渡すような仕草。
そして、うんうんと頷く少年に合わせて少女も頷いてみせる。

「そうでしたら良いのですが、すぐ信じてくれる人とかってあんまり居ないんですよねー。
しかし港湾都市ですかー…あそこからここに来るだけで結構苦労したんですよー。
移動するにもお金掛かっちゃいますし、それはお金に余裕がある時にですかねー」

うーん、うーん、と唸りながら考え込んでしまう少女。
闘技場もただ参加するだけでなく、そこまでの移動が必要。
それを考えると、やっぱり最初は冒険者家業で稼ぐしか、となる訳で。

「あ、あははー…世の中って色々とお金が掛かって大変ですよねー」

自分は戦い、他を他人に任せる。
それが一番なのだけど、その環境をまず作るのが大変そうだ。
困ったように笑いながら、何をするにもお金の掛かるこの状況を再認識させられるのだった。

頭から離れる少年の手、そして考えを巡らせる少年を見詰める。
色々と自分の為に考えてくれている少年、に対して、こちらはまず拠点にする場所を考えないと、とか思いつつも。
少女の実力を信じ、戦う事しか出来ない事を配慮した依頼。
それが本当に口利き出来たならば、きっと少女はそれに応えられるだろう。
それが確証されるのは、少し先になりそうだが。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「確かに、先ずは実力を見せつけねばなるまいしな。まあギルドの討伐依頼をこなしていれば自ずと評判も広まるだろう。
ああ…路銀か。成程、それは失念していたな。すまない」

己の移動手段は基本的に専用の馬車や召喚したゴーレムに騎乗する。それ故に、王都から港湾都市までの移動に金がかかるという事をすっかり忘れていた。
少し気まずそうに視線を彷徨わせた後、唸る少女に再度視線を向けて。

「当然だ。善意や真心が通貨になる訳では無い。何を得るにも、先ずは金有りきなのは当然だろう。自分が不得手な事を金を払って他者に任せるという発想自体は、無駄が無く嫌いでは無いがな」

と、偉そうに講釈を垂れながらも己自身は全く金に困らない生活を送っているのだから説得力は微妙なものだ。
それ故に、言葉を告げた後には微妙な苦笑いを浮かべてしまう事になるのだが。

そんな会話の中、己を見つめる少女に気付けば暫くその瞳を見返した後己の懐を探る。
取り出したのは無駄に豪奢な装飾の施された小袋。その中から、数枚の金貨を取り出して――

「取っておけ。当座を凌ぐ分しかないやも知れぬが、少なくとも餓えて死ぬ事はあるまい」

その金貨をずい、と少女に差し出した。

> 「ですよね、頑張ってお仕事するのですよー。
いえいえ、それでも闘技場ってものを教えてくれましたし、私としてはありがたい事ですからー?
謝る必要はないかなーって思いますー」

稼ぐ手段は冒険者の依頼、そんな考えしかなかった自分としては、手段が増えたのはありがたい事。
そこはお互いに、との事を伝えるように、ぎゅっと両手を握ってみせた。

「あ、いえ、ここに来るまでは私が戦う代わりにお世話してくださーいって頼んでた訳でしてー?
お金の遣り取りをして出来るんだよってのは、その時に教えて貰ったのですよー。
で、そうしてる内に、お金がどんどんなくなっちゃったので、困ったものでーって訳なのですー」

金銭で出来ない部分を、その発想を出したのは自分じゃない。
なので少女はする必要もない、そんな説明をするのである。
勘違いを放置するような、そんな性格はしていなかったようだ。

見上げていた瞳、それを少年の瞳が見詰め返す。
懐を探り取り出された小袋から取り出す数枚の金貨。
差し出されたそれを、ジーッと少しの間見詰める少女。
少し見詰めた後、視線を再び少年の元へと向ける。

「私、鈴って言いますー、あなたのお名前はなんでしょうかー?
稼げたらちゃんとお返しをするのに、お名前知らないと返せないですからー。
ぜったいに、ぜーったいに、お返ししますからねー?」

まだ受け取らない。
そう少年へと伝え、少年の名を知る事が出来た。
それが出来た時、やっと手を伸ばして金貨を受け取るだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…旅の者に世話を焼くのは当然の事だろう。何せ此の国は"まれびとの国"なのだからな」

握られた手をきょとんとした様に見つめた後、穏やかな口調で言葉を返す。
世話を焼く、と言う程の事はしていないが。

「ほう?ならば、その手段を教えてくれた者には感謝しておくと良い。私個人としては、そもそも貴様が一人で生活出来れば済むのではないかとも思わなくも無いがね」

少し意地悪そうな笑みと共に少女の生活習慣を揶揄う様な言葉を告げる。とはいえ、生活スタイル等個人個人で違うもの。
揶揄う口調ではあってもそれを強制する様な雰囲気は無いだろう。

そんなやり取りの後、差し出した金貨を見つめる少女を不思議そうに眺める。
早く受け取れば良いのに、と思い始めた矢先、再び向けられた視線を紡がれた言葉が耳を打つ。

「…私の名か。私はギュンター。ギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハ。
此の国を守る王族……まあ、貴族だ。宜しく頼む。
それに、此の金は返さずとも良い。此れは謂わば青田買いだ。貴様……鈴が本当に優秀な冒険者になった時の為の先行投資。先物買いだ。
返さずとも良い。忠義を尽くす必要も無い。唯、恩義を感じておけば、それで良い」

尊大に、大仰に。自身の名を名乗った後、小さく笑みを浮かべてそっと金貨を手渡した。
手渡した後、ぽふぽふと再び少女の髪を撫でようとするだろう。

> 「まれびとの国、ですかー…なるほどー…」

自分の暮らしていたシェンヤンとの違う考え。
その違いを納得するかのように、頷いてみせる。
まだちゃんとした理解までは得られてないが、いずれはと。

「もちろんです、お陰で何度か助けられましたしねー。
はうー…それはちょっと酷いのですよー」

それを思い出すように、視線を少し上げて答える。
しかし、それに続く言葉に、むーっとちょっとむくれてみせた。
出来ないものは出来ないもので、こればっかりは仕方無いのだ。

そして、自分の言葉に答える少年の言葉。
それを聞ければ、少女は素直に金貨を受け取ってみせる。

「ギュンター様、ちゃんと覚えましたよー。
国を守ってるなんて凄いですねー。
それなら、もし私の力が必要と思ってくれたら、いつでもお呼び下さいねー?
先でなくとも、いつでも駆け付けてみせますよー」

答えながら、再び頭を撫でようとする手を素直に受け、気持ち良さそうに目を細める。
撫でられるのは好きだし、撫でてくれるなら離れる理由は無い。
その手が離れるまで、ずっと大人しくしているつもりで。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「まあ、今となってはその名も廃れ、地に落ちているやも知れぬし、旅の者に親切にするのはどの国でも同じ事だろう。
余り深く考える事は無い。ただ、多くの者が訪れる国故の考え方であるくらいの認識で構わんよ」

頷く少女に対して少々大袈裟に言い過ぎたかなと苦笑交じりに首を振る。
旅人に寛容であるとはいえ、皆が皆親切な訳では無いのだし。

「酷いと思うのなら、せめて炊事洗濯くらいは自分で出来る様になる事だな。でなければ、何時まで経っても嫁の貰い手も無いやも知れぬぞ?」

己の言葉にむくれる少女にクスクスと笑みを零しながらも、つい揶揄う言葉を続けてしまう。
己に妹がいればこんなやり取りが日常だったのだろうか、と呑気な事を考えながら。

「凄い、という事でも無いし、厳密には私は嫡男であってまだ当主では無いからな。
だからこその青田買いだ。優秀な戦士は、幾らでも知古を得ておきたいもの故な」

これは偽りの無い本心。宮中での政争には慣れていても、荒事となれば話は別。強者の戦士に恩を売るのは、純粋に己の利でもある。
実力が分からぬ少女と言えども、戦闘能力が見た目に比例しないのは己も経験済み。少女が冒険者として活動を始めたら、それとなく噂を仕入れておこうと頭の片隅で思っていたり。

「……しかし、言葉は頼もしいが此の様はまるで猫か何かの様だな。撫でている私が言うのも何だが」

目を細める少女の黒髪を手櫛で梳く様に撫でながら思わず笑みを零す。人懐こい猫の様だな、という感想はついそのまま言葉に出てしまった。
とはいえ、何時までも撫でくり回している訳にもいかない。
最期に軽く少女の耳元を擽る様に髪を整えた後、大人しく手を離すだろう。

> 「はいっ、分かりましたですー」

難しく考えなければならないよりも、簡単に分かる方が良い。
そう言われれば、少女は答えながら大きく頷くのであった。

「頑張ってはみたのですけどねー?
でもでも、どうやってもダメみたいなので、ならいっそスパーッと諦めた方が良いかと思いましてー。
私は守るお嫁さんになるつもりなのですよー」

視線を少し彷徨わせながら言うも、開き直ったように胸を張れば、ポンッと右手で叩いてみせる。
少年が今の様子をどう考えているのかは、分からないが。

「よく分からないですが、守っているから凄いって事には変わらない訳ですしー?
なるほどなるほどー…ところで、青田買いって何でしょうかー?」

立場がどうとかよりも、何をしているかで十分と。
そして、言いたい事は何となく分かるっぽいが、そんな質問が少年へと飛んだ。

「むー…良いですもん、ちゃんと分かっててくれればそれでー」

大人しく撫でられながらも、ちょっと不満気に。
でも本当に嫌って訳でもないらしく、それならーって感じで軽く手に擦り寄ってみせたりもして。
そんな事を適当に終えた後、最後に少年の指先が耳元を擽られれば、軽く首を竦めて離れた手を見詰める。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…潔いのか、はたまた開き直りと言うべきか。
だが、そう決めているのならば私も何も言うまい。守る嫁というのも、中々愉快そうではあるしな」

此の少女に守られるというのは中々に男の沽券に関わる気がしないでも無いのだが、戦闘が不得手な男などこの世にごまんといる。そういうのも有りなのだろうな、と若干世情に疎い少年貴族は納得した様に頷いた。

「…む?東洋の諺…というか言い回しでな。優秀な人材を早めに確保しておく…という意味らしい。収穫前の畑の作物を買い付ける事から転じた言い回しと商人から聞いた事がある。
要するに、貴様の才能を見込んで先に恩を売っておきたい、という事だ」

厳密には畑では無く水田であるし、若干意味合いも異なるのだが異国の言い回しに関する知識等こんなもの。
語呂が良いから使っているのだと締め括り、幾分教師の様な口調で説明を終える。

「分かっているとも。そうでなければ、金貨を渡したりはせぬよ。
……ところで、私の手を見つめても餌は沸いてこないぞ?」

不満げな少女を楽し気に眺めた後、その視線が己の手に向けられている事に気付けば緩やかに口元を歪める。
そのまま、つい揶揄いたくなって少女の首元を撫ぜようと再び手を伸ばすが――

> 「うーん…どう考えても、私にはそれしか出来ませんからねー。
それにしても、愉快、なのですかー?
そんな事を言われたの、初めてですよー」

シェンヤンで、そして戦場で生きてきた少女故か。
その点の理解が及ばず、不思議そうに首を傾げるのであった。

「あ、なるほど、そんな意味なんですねー。
先の事でしょうが、お任せ下さいですよー」

諺の語源等も当然だが少女でさえ知らない事だ。
少年からそんな説明を受ければ、そう信じてしまう訳で。
意味合い的には合っているし、問題も無いだろうか。
説明を聞き終えてそう返す。

「あ、いえ、何と無くですよー」

そう聞かれれば、素直にこう答える。
あんまり見ていても悪いかと視線を外すも、再びその手が首元に近付いて来ている事には気付いていて。
気付いてはいるも、それを避けるような素振りはせずに。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「ふむ、そうかね?…ああ、いや、愉快という言葉の選び方が悪かったやも知れぬな。善し悪しはともあれ、私にとって興が乗る事である、くらいの事だ。他意は無い故、気にするな」

愉快という言葉は少女の気分を害しただろうか、と少し考えた後言葉を続ける。
要するに、面白い事を言うものだくらいの事なのだが、一々堅苦しい言葉になってしまうのは最早癖の様なものだろうか。

「理解してくれた様で何よりだ。実際、魔獣の討伐から護衛任務まで腕に自信のある者は常に求めているのが実情でな。
路銀に困った時は、王都の富裕地区にある私の屋敷を尋ねると良い。多少の仕事は回してやろう」

その仕事の中で少女の腕前を測れれば一石二鳥だが、とは口にせず、親切心と実利の入り混じった言葉で応えるだろう。

「ふむ。であれば良い……いや、良くは無いか。
先程から思っていたのだが、貴様は少々警戒心が薄いのではないか?腕に覚えがあるのは良い事だが、此の国は治安が良い訳でもない。
簡単に異性に触れられていては、褥に連れ込まれるやも知れぬぞ?」

避けられる事が無ければ、そのまま猫をあやす様な手付きで少女の首元を撫でる。しかし、余りにも己に対して警戒心を抱かれなければ流石に心配してしまう。
僅かに声色を低くすると、首元を撫でていた手はそのまま少女の胸元へと滑ろうとするだろう。無論、避けるのも止めるのも容易な速度で。

> 「そうなんですか、何となく分かりましたですよー。
はい、それじゃ、気にしない事にしますー」

愉快と言う言葉を使い、少年とすれば興が乗った事。
少し考えて、伝えたい事を何とか理解する。
確実にそうとは言えないが、言葉を返しておいて。

「はいです、にしても討伐に護衛ですかー。
シェンヤンに居た頃に一応どちらもやってたので、お任せしてくれれば頑張りますよー」

討伐依頼、護衛依頼、そして戦場で。
戦う事である内容ならば、色々とこなしていた。
だからこそ自信は持っており、少年の言葉に軽くガッツポーズをしてみせる。

「良くない、ですかー?
えーっとぉ…褥って何でしょうかー?」

少年の手が首筋を撫でる、耳元と同じように擽ったそうにはするが逃げるような素振りもない。
続く言葉には小首を傾げながら少し考えるも、まず言葉が分からないらしく、そんな回答を返す。
だが、少年の手が胸元へとゆっくりと滑り落ちて来る。
それでも尚、少女は少年を見詰めるだけで動きを見せない。
代わりに、こう答えるのだ。

「連れ込まれるー…んー…もしかして、エッチな事をする場所でしょうかー?」

どこかの場所、それに少年の動き。
それが導き出す答えは、そう多くはなかった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…ふむ。その姿形から何となく予想はしていたが、帝国からの旅人であったか。であれば尚の事、今は公主を迎え王国も融和の雰囲気を迎えている。
貴様の仕事も、幾分かは捗るだろうよ」

黒髪黒瞳という姿が珍しい訳では無いが、王国で良く見かける訳でもない。
シェンヤンから来たのだと告げる少女に納得した様に頷いた後、安心させる様に穏やかに笑みを浮かべてみせる。
ガッツポーズまで見せられれば、頼もしい事だと微笑まし気なものにその笑みは変化するだろう。

「……まあ、平たく言えば寝台…もといベッドの事だ。
其処に連れ込まれるという意味は流石に――」

其処まで説明するのは流石に憚られるな、と思った矢先。
己の指先を拒否する事無く動きを見せない少女が告げた言葉に、此方もはたと動きを止める。

「……要するにそういう事だ。荒くれ者、衛兵、商人から貴族。果ては同性に至るまで。
そんな無防備な有様では、そういう場所に連れ込まれる…いや、下手をすればそこいらの路地裏でさえ、行為に及ぶ連中もいるという事だ」

そこでそっと少女の胸元を軽く撫でた後、ゆっくりと手を離して。

「かくいう私も、決して善人等では無い。少し気が変われば、貴様を金で買おうとする程度の悪辣な貴族だ。
此処はそういう国故な。多少は気を付けると良い」

そうして浮かべた笑みは、高慢で傲慢な王族としてのものだっただろう。

> 「あ、そう言えば言っていませんでしたねー…はい、そうですよー?
そんな話があったような無かったような、ここに来る前は戦場でお仕事してましたのでー」

少年はここで出会ったのだから、この王都の者だろうと予想は付くもので。
それに対し自分はシェンヤン出なのだ、伝えてなければ分かり辛かったかもしれないか。
後は公主の話、少女は当時伝えた通りの状況だったので、そうした話を聞いたりしなかったのだ。
詳しくない話しに、ちょっと説明し難そうで。

「そうでしたか、褥って寝る場所の事だったのですね、お勉強になりましたー。
お世話してくれるなら、私はそうした事は構いませんよー?
お仕事が無い時とか、そんな方がたまに居ましたしー。
でも、さすがに路地裏とかはちょっと汚そうで嫌かもですねー」

そうした仕事の多いシェンヤンであろうと、稀にそうした時もある。
そんな時にどう生活をしていけばと考えれば、そんな話も転がり込んで来る事もあるだろう。
その発言から、貞操観念の低さが伺えるかもしれないか。
指先が胸元を撫でれば、んっ、と小さく身を竦める。

「よく分からないですが、ここではそうした事は気を付けた方が良いのですねー。
はい、分かりましたですー。
あ、でも、ギュンター様なら色々とお世話になるかもですし、大丈夫そうかもしれませんねー?」

そんな少年の笑みに、少女は変わらぬ屈託無い笑みを向けるのであった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…随分と物騒な場所で働いていたものだな。だが、その話は此の国ではしない方が良かろう。融和的とはいえ、敵対している事に変わりはないのだ。貴様に戦場で関係者を殺された者がいないとも限らぬ故な」

ふむ、と少女の言葉に頷いた後、老婆心からかつい忠告の様な説教の様な一言。
他人の世話を焼く趣味は無かった筈だが、と内心自嘲しながら少女に肩を竦めてみせる。

「…何というか、私より年下に見えるが随分と色々な経験を積んできた様だな。であれば、私もこれ以上忠告する事は無い。後は、安く買い叩かれる様にすることだな」

帝国で戦場に立ち、一人此の国に旅をしてきた少女には要らぬ心配だったかと僅かな安堵を含めた溜息を吐き出す。
しかし、胸元を撫でた時の少女の反応と、次いで投げかけられた言葉に僅かに目を細める。
それは、初めて少女を異性として捕らえた様な、そんな色を浮かべていたかも知れない。

「…ほう?何が大丈夫かは知らぬが、先程も告げた様に私とて悪辣な貴族でしか無いのだがな。だが、貴様がそう言うなら、それも良かろう。
……何方にせよ、往来で話すべき事では無いな。もう暫く、私の相手をする事を許そう」

燻り始めた欲望を灯すのか。それとも、親切心の延長か。
何にせよ、半ば強引に少女の手を取ると、そのまま王都の奥深くへと誘っていくのだろう。
触らぬ神に祟りなしとばかりに、己と少女を避ける雑踏を割きながら、果たして少女を何処に連れていくのか。それを見届けた者は、今のところ存在しない。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 【後日継続予定です】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にさんが現れました。
> 「ふむふむ、ほほー…なるほどー…」

そんな呟きをもらしながら、平民地区の大通りを歩む少女。
先日ちょっとあって、邪魔にならないように歩いているのは道の端っこ。
その視線は忙しく色んな場所に向けられているところを見れば、この王都には明るくないのは分かるかもしれない。
視線を移す度に、その動きに合わせるように長い黒髪と緩やかなドレスがフワッと靡く。

実際にこの王都に付いたのはつい先日、今日は冒険者ギルドを探すついでのお散歩。
暮らしていたシェンヤンと違う街並みは、興味を引かれてしまうのは仕方が無い。
いつしか当初の目的は後回しとなってしまっていた。

> 「これはこれで、なかなかに良さそうなのですねー」

そして少女が今眺めているのは、ずらりと並んだ衣類の数々。
飾り付けとか、布地の質とか、自分の着ているドレスとはこれも違う。
物珍しげに見比べたりしながら、その店の奥へ奥へと。
何を探しているとか無い為に、その歩む先は適当なもので。
中には下着類とか、怪しげな衣服とか、そんなスペースにも入り込んでしまっているが、気にした様子はない。

それは単に、そうしたものを大して理解してないから、と言うのもあったりするからだが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に此花姫さんが現れました。
此花姫 > 「ふむ、このあたりではこんなものが流行っておるのか」

ふらふらと散歩として平民地区をうろつく。
王城の接待は豪華だが、正直同じことをされていると飽きるのだ。
気晴らしに王都を歩いていた。

そのまま、眼についた平民向けの服屋に入った此花は、なんとなく服を見ていた。
真っ白な髪をしたミレー族、そしてシェンヤン帝国風の服は、非常に目立つだろう。
周りに注目されることに慣れている此花は、特に気にすることもなく服を物色する。
そうして紐下着を持ち上げたあたりで、少女と目が合うだろう。

「主も、買い物か?」

なんとなく目があったので声をかけてみる。

> チョロチョロと店内を歩き回り、下着のコーナーへと入った時にそれを見る。
少女からしたら物珍しいものなのだ、服だけでなく下着にも目はいっていた。
見詰めていた瞳が丁度次の下着、目の前の神獣族が手にした下着にいっていた為、自然とその相手と目が合った。
シェンヤン出身者故か、ここでは異国風の出で立ちも気にならない様子を見せる。

「ふえ…? えーっとー…私、でしょうかー?」

ここでの知人は今のところ一人、目の前の少女は知らない相手。
その相手が声を掛けてきた訳だけど、いまいち自分にという事の確信が持てなかった。
となれば小首を傾げながら、自分?みたいな感じに自身を指差しながら、そんな風に聞いてみる。

此花姫 > 「そうじゃ、おぬしじゃおぬし」

指さす少女に、自分も指さす此花。
その手にはセクシーすぎる紐下着が握られていた。

「なんとなく地元民っぽくないオーラを感じての。暇じゃから声をかけてみたのじゃ」

古臭い話し方をする此花。
言っている内容は傍若無人である。

「わらわは此花。シェンヤンの公主をしておる。ぬしは……冒険者かの?」

町娘にしては歩き方が戦場向けに洗練され過ぎている。できる人間なのはよく分かっていた。
まあ何となくホンワカした雰囲気なのに、若干毒気を抜かれながらも問いかける。

> 自分だと言われれば、満足そうに大きく頷いて。

「いえいえ、色々と変わってるなーって見てるだけですよー。
お買い物をしようかどうかは、まだ考えてなかったですー」

違う違うと右手を振りながら、先ほどの質問に答えた。
相手の口調や態度に対し気にした様子もなく少女は普通に喋る。

「此花様ですかー…公主…公主…うーん…
あ、私は鈴って言います、冒険者になろうかなーってここに来たのですよー」

仮にも故郷の公主と名乗る相手なのに、少女は思い出すように考え込むも、結局は思い出せなかったようで。
思い出せないなら良いやって感じで、お返しにここに来た理由を付けて名乗っておいた。
にこーっと笑顔のまま語る少女、相手はそれをどう受け止めるかは分からないが。
少なくとも、思慮深くは見えないだろう。

此花姫 > 「鈴というのか。よろしゅうな」

此花はそこまで有名人ではない。
皇族に詳しい人間なら知っているかもしれないが、その程度の人間だという自覚があった。
とくに知らなそうでも気にすることはなかった。

「冒険者になろうかな、っていうがの、路銀は足りておるのか?」

身のこなしは戦闘する者としてかなりの者であろうと思われる。
しかし、なんというか、生活力がまるで感じられない。
それが心配となり、思わず聞いてしまう。
なろうとしているならこんなところで道草を食べている場合ではなかろう、と他人事ながら心配してしまう。

> 「はい、よろしくお願いしますねー?」

自分も同じく、戦場では有名である程度のものだ。
生きる場が違えばお互いに名を知る事もないのは仕方無いだろう。
改めて、笑顔のまま少女はペコッと頭を下げる。

「それがですね、お宿に泊まったりしてると余裕がないかなって、そんな感じなんですよー。
あっ…そうでした、だからお仕事の出来そうな冒険者ギルドを探しているのでしたー」

路銀の話が出れば、そんな言葉を返してみせる。
困っているような発言なのに、笑顔のまま語る様子は本当に困っているのか判断は難しいところだ。
そして、そうした自分の言葉にハッとなった。
本来の目的をそこで思い出したかのように、後の言葉を続ける。
まさに思っていた通り、心配的中と感じさせるか。

此花姫 > 「やはりか…… なら、うちに泊まるかの? 今からギルドに行っても、今日の宿賃は稼げんじゃろ」

今からギルドに行き、依頼を受けても報酬を今日中に受け取るのは難しい。
それでは野宿確定である。
なんとなく抜けている彼女を気に入った此花はそんな提案をする。

うち、といっても王城ではない。さすがに王城に連れて行ったら不審者扱いされるだろう。
此花は平民地区にも外泊できるように小さな家を持っていた。
そこに数日泊めてやろうという提案である。

「お代は体で払ってもらえば構わんぞ」

家事ぐらいはできるだろうと思い、そんな提案をする。

> 「此花様のお家ですかー…とっても助かりますけど、大丈夫なのですかー?
一応今日泊まるお宿くらいならって思って探そうとはしていたのですがー」

宿代くらいは持っている。
だが、まだ宿は決まってないのは発言から分かるだろう。
これから宿を探してとか考えると、確かに見付けるのは難しいかもしれない。
少女の心配は、家の人達は良いかな?って意味の心配だった。
目の前の相手の見た目はあくまでも少女であったからだ。
もちろん、お代の心配とかもあった訳ではあるのだが。

「なるほどー…はいっ、戦う事ならばお任せくださいですよー」

挙げられた宿泊の提案、それに返す少女の言葉はこうだった。
考えていた家事とは違う、明らかに違う体で払う方法。
そんな違いに気付かぬまま、そう伝えた少女は自慢気に自分の胸元をトンッと右手で叩いせ見せる。

此花姫 > 「ああ、わらわ一人の家じゃから、大丈夫じゃよ。ただ、あまりきれいではないのは勘弁してくれや」

宿代は持っている、というが、なんとなく心配だった此花は無事、家へと誘えてほっとする。

「戦う事…… まあいいかの。ならば、さっそく向かうかの。何か買いたいものはあるかの?」

どちらかというと家事をしてほしいのだけれども…… と一抹の不安を抱くが特に気にしないことにする。
此花も家事は苦手ではないのだが、掃除などは好きではなかった。
そんな話をしながら、適当に、紐下着やら、露出の多いメイド服やら、よく分からないグッズを買い始める此花。
着て楽しむ用である。
鈴にねだられたりすれば安易に追加で購入するだろう。

買い物が終われば、ここからそう離れていない家まで移動していく。

> 「おぉー…此花様は、お一人で住んでいらっしゃるんですねー。
私には、とてもそんな事出来なさそうですよー。
あ、それくらいなら大丈夫ですのでご安心を、ありがとうございますー」

一人で暮らす、そうした一人暮らしは少女にはとても出来ない。
純粋な感嘆の声をもらし、大丈夫ならお誘いを受けるのであった。

「はい、分かりましたー。
あ、いえいえ、欲しいのは色々とあるのですが、買ってたらお金ってすぐになくなっちゃいますからねー」

相手の不安も知らず、少女は嬉しそうに頷いて。
贅沢する余裕が無いのは分かっていたので、お買い物の勧めは困ったようにそう答える。
伝えた通り、欲しいものは色々とあるのだけど、さすがに今からお世話になる身として贅沢は出来ないかなと。

「あ、お荷物を持つくらいは出来ますし、ご遠慮なくー」

まだ買い物を続けそうであれば、後ろからそう伝える。
買い物を終え、家への案内を受けている間は、後ろから付いて来るだろう。

此花姫 > 「ありがたいの」

荷物を持ってくれるというので、ありがたく持ってもらう。
服を何着も買い、それが入った袋は、それなりにかさばっていた。


そうして家にたどり着く。平屋のあまり広くない家だ。
内装はダイニングキッチンとリビング、クイーンサイズのダブルベッドがあるベッドルーム、そして風呂とトイレだけである。
そんな家に鈴を案内する。
荷物をリビングにおいてもらって、自分はソファに寝そべった。

「好きなように使ってくれて構わないからの。あ、でも掃除はしてくれると助かるのじゃ」

ソファにのんびり寝転がりながら、そんなことを言う。

「あ、あと夕飯は焼きめしがいいの、作ってくれんかのぉ」

そんなわがままを言う余裕まであった。
鈴はどうやらシェンヤンの出らしい。ならば帝国風の料理が食べたくなったのだ。
難しい料理を、とは言わないが、焼き飯ぐらいなら作れるだろうとねだる。

> 「お世話になりますし、当然の事ですよー。
私に出来る事があったらどんどん言っちゃって下さいねー」

そう答えながらも、持つと言う表現は少し違うかもしれない。
渡された荷物は少女の周囲に浮かんでいる状態になるからだ。
それでも荷物持ちには変わらないのだから、気にする事もないだろうか。

買い物を終え、案内を受けて相手の家へと到着する。
余り広くは無いと言われるだろうが、宿に泊まろうとした少女からすれば十二分なものだ。
指示されて周囲に浮かべた荷物をリビングへと置き、ソファに寝そべるのを見詰めていた。
そうしていれば掃除と、料理の注文が向けられる。

「此花様?挑戦してみても良いのですけど、私、戦う以外は壊滅レベルですよー?
えーっと、本当に大丈夫ですかー?」

言われるわがままに、少女は困ったようにそう答える。
軽く考えていたならば、その言葉は半分冗談のように聞こえるだろう。
しかし、それを本当にやらせるならば、後にあるのは後悔だけと知る事が出来るはずだ。

此花姫 > 「まあ、物は試しじゃ。やってみるといいのじゃ」

そんな風に此花は鷹揚に答えた。



そうして一時間後、そんな鷹揚に答えた自分を此花は殴りたくなっていた。
崩壊したソファ。
穴が開いたフライパン。
焦げた天井
そして壁にささる包丁

一瞬にして隠れ家は廃墟一歩手前だった。
泣きながらすべてを自分で片づけ、焼き飯も自分で作った。
二人前ちゃんと作った。
パラパラなご飯の卵チャーハンである。

本当に壊滅レベルだったな、と此花は遠い目をしながら、自分で作ったチャーハンを食べ続けていた。

> 物は試し、その言葉への後悔は大きなものだっただろう。

「え、えーっと…ごめんなさいですー…」

やれと言ったのは相手ではあるものの、やってしまったのは自分で。
謝罪の言葉を言いながら、肩身狭い様子で自分の後始末をする様子を大人しく見詰める少女であった。

「あ、で、でも、このチャーハンとっても美味しいですねー?
お掃除も料理も出来るって、私、すっごく羨ましいのですよー」

遠い目をしながらチャーハンを食べる様子。
それをチラチラと申し訳なさそうに見遣りながら、少女もまたチャーハンを食べていた。
こんな事があったから褒めている訳ではなく、本当に美味しいから褒めてはいるのだけど。

此花姫 > 「まあいいのじゃ。できないといったことを無理やりさせたわらわが悪いのじゃ」

若干黄昏ながら、チャーハンを食べる。
鈴に褒められて、テンションも少しずつ上がってきていた。

「しかし、それなら別のもので払ってもらおうかの、宿代」

家事労働をしてもらうことはあきらめた。次は家が燃えそうである。
しかし、特に必要なわけではないが、宿代として何をやらせようか、そう考えて考えたのは……

「これを着るのじゃ」

さっき買ってきた紐下着を取り出す。
ファッションショーでもさせて楽しむつもりだった。

> 「はい、そのー…ありがとうございますー」

まだちょっと納得のしてないところもあるけれど、良いとくれたのだから、あんまり気にしていても悪いか。
そう考えれば、少しずつでも気分を直してきている様子を見せる相手に笑顔を向けて。

「別のものですかー…あ、戦う事でしたらどんな事でもー」

宿代の提案と、別の案を持ち出そうとする相手の言葉。
だったらと、先も伝えた通りの自分の意見を再度伝える。
なのだけど、それに続いた言葉は予想外のものだった。

「これって…さっきの、此花様が買っていた下着ですねー。
でもでも、此花様の下着ですよ?私が履いてしまって良いものなのでしょうかー?」

取り出された紐の下着。
それを見れば、その下着と相手を交互に見る。
その様子は特に嫌がるとかはないのだが。

此花姫 > 「大丈夫じゃ、お揃いなのじゃ」

そう言ってもう一つ、紐下着を取り出す。
着せようと思って同じものを二つ買っていたのだ。

「どうせだからお互い着て見せあうかの?」

此花の尻尾が楽しそうに揺れる。
基本的に、かわいい子が此花は大好きである。
あとエッチなものも大好きである。
鈴にエッチな下着を着てほしがっている。

「替えの下着も数が要るじゃろう、じゃからそれはプレゼントなのじゃ」

紐下着が下着の役割を果たすのはかははなはだ疑問であるが、ひとまずプレゼントとして押し付けた。

そうして、もう一着に此花は着替え始める。
紐下着姿になると、その薄い胸や腹、一方でむっちりした尻などが、露わになるだろう。

> 心配していたのだが、どうやらそれは不要だったようで。
取り出した下着は二着、自分の分と買ってきていたようだ。

「え、下着を見せ合うのですかー?
えっとー…此花様がそうしてくれって言うなら、しますけどー」

二着となった下着を見ながら、少し考える仕草はするも、すぐに承諾する。
何でもすると言った手前もあるし、お世話をしてくれる相手にはちゃんとお返しをする、との考えもあったから。

楽しそうに尻尾を振る姿を見せる中、少女も相手を習って着替え始めた。
今の下着をスルスルと脱ぎ落とし、そのまま受け取った下着を穿いてゆく。
でも、これでは下着を見せる事は出来ないのだから、着ていたワンピースドレスもモソモソと脱いでしまう。

上は服に合わせた薄い黒色のブラ、下は相手に合わせた紐の下着。
穿き慣れない感触に、身体を捻るようにして穿いた下着を前から後ろから確かめて。

「これで良いですかー?」

確認まで終われば、相手に向き直る。
見た目通りのスレンダーな体格が同じように露となって。
気恥ずかしさとかは二人っきりだから大丈夫なのか、手で隠したりとかはしていない。

此花姫 > 「んー、かわいいのじゃぁ♡」

鈴のスレンダーな体つきが露わになって嬉しそうに叫ぶ此花。
自分の白の下着と対になった黒系の紐下着は鈴の体を強調しきれいに見せていた。
そのまま鈴に近づくと、抱き着いてペタペタと触り始める。

「すべすべー」

頬を合わせて頬擦りをしたり、ぎゅっと抱き着いたり、さながら猫のように甘えるだろう。

「わらわをあまやかすのじゃぁ」

そう言ってベッドへと連れて行き、縁に腰掛けさせ、膝枕させたりもする。
頭もなでれー、と要求したりやりたい放題に甘え続けていた。

> 「そうですか?その、此花様も、とっても可愛らしいと思いますよー」

自分の下着姿に、声を上げる相手をちょっと照れた様子で見詰めて。
近付きペタペタと触れられても、大人しくしながらそう答えた。

「えっとー…ちょっとくすぐったいかもですねー」

頬擦りされたり、抱き付かれたり、好き放題に甘えられる。
どうしたら良いのかな?と困ったようにじっとする少女であった。

「はわっ…分かったのですけど、どうすればー…
あ、はい、分かりましたですー」

甘やかせと言われるも、そうされた事はあっても、そうした事がない少女。
どうしたら良いかと悩みはするも、あれやれこれやれ、そう言われれば、言われるままに甘やかすだろう。
もちろん、それは相手が飽きるまで続けられる事となる訳で。

此花姫 > 「んー、ちゅーするのじゃー」

そうして要求は徐々にエスカレートしていく。
膝枕で頭を撫でられたり、太ももをすりすりしたりした後、此花は起き上がる。

そうして、向かい合わせで膝に乗ると、唇をねだるのだった。
鈴が拒否せず口を合わせれば、巧みな舌遣いで鈴の口の中を蹂躙するだろう。

楽しそうに此花は、鈴に甘える。
そうすると下腹部のイチモツも徐々にムクムクと大きくなっていく。
ほぼ全裸の紐下着では、そのイチモツは隠しきれないだろう。

> 「えーっとぉ、よろしいのならば、んー…」

要求が少しずつエスカレートし始めてくるのは気付かないものでもない。
しかし、少女にはそれに従う理由があるのだからと抵抗の素振りも見せないのだ。
念の為にと確認はするが、膝に乗って向かい合う相手へと顔を寄せ、口付けを行うだろう。
ただ触れるだけの簡単なもの、だけど。

「ん、むー…んちゅ…ふ、んぁ…」

相手から行われるのは、巧みな舌使いによる口内の蹂躙。
そんなものを受けてしまえば、少女の唇からは僅かに甘い吐息が洩れ、身体から徐々に力が抜けてしまってきて。

口付けが終わる頃には、ポーッとした表情を浮かべる様子を見せるだろう。
甘え続ける相手の変化、少女にそれを気付ける余裕は無い。

此花姫 > 「んふふ、鈴はかわいいのじゃぁ」

嬉しそうに尻尾を振りながら、やさしくベッドへと押し倒す。
そうしてキスをしたまま右手で鈴の秘所を、左手で鈴の胸を愛撫し始める。
同じ女として、女の体を知り切った愛撫である。
絶妙な力加減でクリトリスを擦りながら、同時に膣口を指の腹で擦る右手。
軽く指を食い込ませながら、乳房を揉み、乳首をつまんで擦る左手。
とにかく鈴を気持ちよくさせようという意図で愛撫を続ける。
同時に舌を絡め合い、ねっとりと鈴の舌の感触を楽しむだろう。

股間の肉棒は少しずつ大きさを増していた。

> 「ふ、あ…?…ん、ぅんっ…あ、ふぁ、あっ…♡」

少女は快楽に対する抵抗力は持っていない。
それは少女の身体を愛撫する相手には、手に取るように分かるだろう。
唇を重ねたまま、弄られる小さな膨らみや、僅かな布地に覆われた秘所に、ピクンッと身体を刺激に跳ねさせていた。

その行為は更なる大胆さを見せ、少女を快楽で攻め立てる。
そう経たずして、その身体には明らかな反応が見受けられるだろう。
白かった素肌は僅かに赤味掛かり、擦られる乳首やクリトリスも指先に確かな感触を感じられるように。
僅かに隠す布地は湿り始め、その表情はトロンとしたものになっていた。