2019/11/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 今日もたっぷり戦って、冒険して、お宝を見つけた。
――そういうわけでその後の酒場。
必要なのは大量の肉と飯と酒と女と法螺話と――…
挙げ始めりゃあキリがない。
とりあえずテーブルに置かれたのはなみなみと酒の注がれたジョッキだ。
ひとまず、なにはともあれ。
「お酒じゃー、お酒様じゃー。」
騒いで、ぐび、ごく、ごくごく…ン。大量のそれを一気に、喉奥へと押し込んだ。
ぷはあ、と息を吐いて。
「んー………、安酒の味だァ。」
それもまた醍醐味とでもいうように。くくくと楽しそうに笑った。
■イグナス > まだしばらく、もぐもぐと食べ続けていった――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 多くの冒険者で賑わうギルドの一角。
何処からどう見ても冒険者とは思えぬ成り立ちの少年が一人、依頼書の貼り出された掲示板をしげしげと眺めている。
「…ふむ。魔獣退治だの護衛任務だのは多少他よりも値が張る様だが、概ねは相場通りといったところか。
採取や一般の依頼の受注率が余り宜しくない様に見えるのは致し方ないとも言うべきか」
貼り出された依頼書を眺めつつ、感心した様に一人頷く。
依頼書を見に来た他の冒険者達は胡散臭さと迷惑さを織り交ぜた様な視線を向けるものの、明らかに上流階級と見て分かる様な装いの少年に声をかける者はなく、目当ての依頼書を何時もより腕を伸ばして取り去っていくのだろう。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 依頼書を眺めていても、別に依頼を受けたいとか冒険者になりたいとかいう訳では無い。
ギルドマスターとの会談の帰り際、少し興味が出たから覗いてみた、という程度のものでしかない。
とはいえ、流石に他の冒険者の邪魔になっている事。カウンターから受付嬢が心配そうに此方に視線を向けている事くらいは流石に察していた。
「…一言くらい声を掛けてくれても、特段怒りはしないのだがな」
邪魔なら邪魔と言う分には、此方も素直に受け入れるというのに。
王族とはそんなに面倒な存在に思われているのだろうかと溜息を零すと、掲示板から身を引き近くのテーブルに腰掛ける。
待っていましたとばかりに掲示板に集う冒険者達を眺めながら、懐から取り出した葉巻に火をつけて――
「……賑やかなものだ。冒険者とは、そんなに楽しい稼業なのだろうか?」
舶来品の甘ったるい紫煙を吐き出しながら、不思議そうに首を傾げた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 葉巻が半分程灰になった頃、気を遣った受付嬢が己を呼ぶ声が耳を打つ。
そんなに長居していたかな、と首を傾げつつ――
「…ああ、すまない。取り立てて用件がある訳では無いのだ。気を遣わせてすまなかったな」
軽く手を上げて彼女に答えると、未だ怪訝そうな視線を向ける冒険者を横目にギルドを立ち去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 数パーティ規模での討伐依頼を無事に終え、王都へと戻ってきた夜だった。仕事を終え街に戻った冒険者たちは何をするか?答えはひとつ、酒場へ繰り出すのみだ。
「あは……、……調子に乗って、……飲めないのにお酒飲んじゃった……。なんだろ、……っ、……ひっく……。
とってもいい気分でちょっとふらふらする……」
戦勝祝とばかり、同行した冒険者たちが料理の載った大皿と酒樽をものすごい勢いで空にしていく中、飲みやすい甘いお酒をすすめられ。依頼を終えた安堵も手伝いだいぶグラスを干してしまった。次第に酔いつぶれ大会会場になっていく酒場を1人抜け出して、火照ったおでこを冷やす。
夕時の賑わいを過ぎ、夜の大道芸人たちもはけて。
そろそろ深夜に近づいていく頃合いに、静かな噴水広場の縁に腰かけて。
酔い醒ましにぼんやりとしている褐色肌の冒険者。
■タピオカ > さらさら、渓流の谷間の流れのような音を背後の噴水に聞きながら。酒精の酩酊感と多福感を感じる。
たまに人や野良犬が通りかかる以外何もないのに、見上げた星空が白く輝いていて、ただそれだけでお腹を抱えて笑いたい気分になる。
軽く頭を振って、補充しておいた腰に下げた水筒の水を飲む。
短い前髪をかきあげて額に触れたら、そこはほろ酔い加減を帯びている事を示すようにぽかぽかとあたたかい。
ふぅっと一瞬吐いた吐息に白いもやが浮かびそうになり、いつの間にか冬が来ている事を改めて知った。
冬になったら、どう過ごそうか。
それを思うと楽しみで、今度は酒精のせいではなく自分の意思で小さく微笑む。
そんな、噴水広場の夜――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「おぉ、寒ィ――」
夜はもう大分、冷える。ひゅうと風の通り抜ける中、男は急ぎ足で酒場の中へと足を踏み入れた。
店内は割と温かかった、なにせ暖炉に火がくべてある。ちと早いような気もするが。
この寒さだから今日は客足も少なくて、家で温まっていた方がいいってな判断なんだ、きっと。
おかげさまで閑散とする酒場内を進んで、どっかりと座り込むのは暖炉の前だった。
「流行ってねえなあ、おい。」
冷やかすように酒場の主人に声を掛けながら、酒の注文。
そのあとは両手を暖炉の前に差し出して、ようやく与えられた熱に、ほうと安堵のような息を一つ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジュリさんが現れました。
■ジュリ > 「だ、か、ら!私が踊ったらお客さんもすぐ集まるって!こんなかわいい踊り子をみすみす逃がしていいわけ!?」
やかましい少女が店主に噛みついて騒いでいる。露出の激しい扇情的な衣装は一目見て踊り子とわかるだろう。
が、その踊り子としての仕事と報酬とを要求する交渉はうまく行かなかったようで、
「はぁー、やっぱりこんな小さいとこじゃダメかぁ。もっと人がいるところで私のスゴさを見せつけないと……」
と、酒場から出ていこうとしたところで、ようやく大柄な……というか巨大な男がいるのに気づいた。それを見て何を思ったのか、にっこり営業スマイルで近づいていくと、
「おにーさんっ。何してるの?ひとりで寂しくない?」
と、馴れ馴れしく話しかけた。
■イグナス > 「…あン?」
ぬくもってたら、なんだかやかましい。
視線をそちらに向けた。店主と、扇情的な衣装の女。
踊り子と判別する前に、寒そうだなって印象をぼそり。
―—ともあれ、何かモメてるみたいだ。ゴロツキ相手ならともかく介入したところで、そう面白いこともなさそう。
ぼへ、とどこか気の抜けた風に眺めていた、ら。
「おお?」
かくりと首を傾けた。いやさ、何をもめてたか知らないが、女の方がこちらに来た。
勿論断るつもりもない、おう、と招く様に椅子を一個ひけば。
「寂しかねェけども退屈だな、…なんだ、遊び相手ンでもなってくれんのか。」
馴れ馴れしいのに反すのは、にんまりと粗野な笑み。
じいと営業スマイルを値踏みするように視線を返して。
■ジュリ > 「遊ぶかぁ、それもいいけど、お兄さん次第かなぁ」
と、言いながら当然のように彼の向かいに座り、暖炉の前で両手で頬杖をつく。それは可愛さをあざとくアピールすると同時に、胸の谷間を強調するポーズでもある。
「私はジュリっていうの。もうすぐこの王都でも大人気になる予定の、さすらいの踊り子ってとこかな。以後お見知りおきをっ」
と言ってウインク。ちょっとやりすぎ感もある媚びっぷりだが、男というものはこれくらいが好きなのだ……と、ジュリは思っていた。
■イグナス > 「ほう?」
どうも明確な目的もありそうだが、まだ判別しない。
ただ興味ありそうににまりと笑みをしたまま、軽く身を乗り出した。
名乗りに首肯して。
「俺ァ、イグナス。冒険者のイグナスだ。
——ジュリか、聞いたこたねェが、もしこれから聞くことがありゃあ応援させてもらうさな。」
彼女の目論見は実際成功である。
あからさまにせよこれくらいに媚びてくるほうがわかりやすいし、楽しい。
何か飲むか、なんて上機嫌に尋ねたりもするというものだ。
■ジュリ > 「イグナスさんね、よろしく。ふふっ、楽しみにしてて、『踊り子のジュリと知り合いなんだぜ』って自慢させてあげるから」
ニコニコと上機嫌な笑みで応える。そして、機嫌がいいのはこちらの目的が着実に成功に向かっているからだった。酒をおごって貰うのも悪くはないが、やりたかったのはそういうことではなく、
「んで、もしよかったらだけど……その自慢の内容を『抱いたこともある』にしてみたくない?どお?」
少女のような無邪気な(しかしあざとい)笑みから、妖艶な、含みのある視線に変えて彼に注ぐ。
■イグナス > 「おう、そりゃあいい、期待して――……ん、ん?」
傾げたままの首をさらに、少しだけ深くした。
色々言い訳をつけて酒なりメシなりってつもりじゃあないらしい。
むしろこっちにとってはもう少し面白い、内容だ。
へえと、男は笑う。
「そりゃァいい。有名な踊り子チャンを抱いたことあるなンてのは確かに、自慢になる。」
それは間違いないな、とこっちもノリノリってな具合だ。
ぎしりと音を立てて立ち上がる、まさに大男といった風情が見降ろした。
「でェ?なんだ、あんまりこっちに美味しい話だが、条件でもあンのか。」
問いを重ねつつも、店主に会計を。
酒じゃあないなら、何かあるにしても別だろう。
さっさと聞いて、動くに限るとばかり。話は早い方が好きなようだった。
■ジュリ > 「うふふ、乗り気みたいでよかった。もし嫌だなんて言われたら傷ついちゃうもん」
向こうがその気とわかれば、すぐににっこりと微笑む少女の表情に戻る。
立ち上がる彼に後ろからついていくと、その身長の差は親子のようだ。
「ま、条件っていうほどのこともないけど、ちょっとした寝床と、ちょっとのお金があれば、こっちは助かるかなぁー、なんてね」
要は、今夜は踊り子としての仕事を諦めて娼婦として金を稼ごうという、それだけの話だったのだけど、
「それと、お兄さんともお近づきになれたらなって。ファンは多い方がいいからね」
と付け加えて、子供のようににこっと笑いかけた。