2019/10/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 仕事が終わって、暗くなりはじめたころ。こんな時間から外に出る事はあまりなかったけれど、今日は同じ孤児院出身の仲間と会うため、お店を閉めてから商店街へ向かう。
賑やかな通り近くの公園で合流し、どこかへ食事に行こうかと話しながら、お店を探すより先に屋台から漂うおいしそうな香りに負けて、飲み物と軽食に手を出してしまう。薄いハムを柔らかい芋に巻いて挙げたものと、温かい飲み物を手にしてベンチに腰かけ。
これから近況を報告しあったり、懐かしい話に花を咲かせる予定だったけれど、すぐに状況が変わってしまう。通りがかった仕事相手らしい人から頼み事をされて、孤児院の仲間が席を立つ。

「……ううん、気にしないで…」

どうしても外せない用件らしく、何度も謝ってくる彼女に首を振り、あわてて駆けていく背中を見送った。
あとには二人分の軽食と飲み物と一緒に、ベンチにぽつんと残される。持って帰ろうにも両手にかさばるそれらを見下ろして、どうしようと考えて。

ミンティ > まとめて持って帰ろうとも思ったけれど、鞄に入れるわけにもいかないし、両手が塞がる状態で歩くのも危ないだろう。せめて自分の分だけでもと、軽食をもくもくと食べながら、舌を火傷しないように、ゆっくりと飲み物を飲んで。
そんな風に食事をしていたら、見かねたのか屋台のご主人が近づいてくる。持ち帰り用の小さな袋を手渡してもらって、ぺこぺこと頭を下げた。これで、とりあえず一人分の軽食は持って帰れそうだと、ほっとして。

ミンティ > 二人分の飲み物を飲み終えて、けふ、と息を吐く。まわりのベンチで食事をしている人たちは何人かの集まりばかりだったから、だんだん一人でいるのが居た堪れなくなって、最後は急いで飲んでしまった。喉のあたりがぽかぽかして、吐く息も温かい。夜風も冷たくなってきたから、帰り道にはちょうどよかったのかもしれない。そんな風に考えて腰を上げ。今度はいつ会えるだろうと、あまり話せなかった孤児院仲間の顔を思い浮かべながら、暗くなりはじめた道を歩いていって…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。