2019/10/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィルさんが現れました。
■フィル > 日々続く暖かな日差しも緩やかに弱まり、最近では夜になれば夜の散歩には丁度いい涼しい夜風が吹いていく。
大通りではまだ人気や、開いているお店が見受けられるものの、人気の大半は宿屋や酒場が並ぶ地区へとその賑わいを写しているようである。
特に暑いときは暑いときで酒を楽しみ、寒いときは寒い時でまた酒を楽しむのだから、一年を通して酒場が並ぶ通りの賑わいが落ち着く方が珍しいのかもしれない。
そんな賑わいも、町の中央部や酒場の地区から外れていけばなりを潜め。
少し奥まった区画となれば、時折零れている家々からの灯り位が人気を感じさせる静まり返った場所となってしまうことになり。
人気の少ない道に店を構えている雑貨屋は、酒場とは裏腹に一年を通して賑わうことはほとんどなく。
中を伺ってみれば、今日も店内で動く人影は少年の物一つのようである。
「これで、今日の分はよし…っと。
それにしても相変わらず…」
静まり返っている店内を見回しても、感じる気配は相変わらず少年一人である。
あまり広い店内ではないからまだいいかもしれないが、これで無駄に大きな店内であったなら、季節によっては肝試しでもされそうな静けさかもしれない。
それでも、綺麗に清掃は行き届いており。今日も配達からの任された雑貨のチェックも丁度終わった所なのだろう。
紙の束を棚へとしまい込んでから少年は、カウンター裏の席へと一息をつくように腰を下ろしていく。
大通りで多少は宣伝をしたようであるが、魔法道具を扱う店長等に用があったりしなければ、普通の雑貨を求めて奥まった場所までわざわざ来る人は少なく。
多少の宣伝の効果はあまりなかったようである。
雑貨屋なのに、雑貨屋部分は店長の半分趣味のようなものなのだから、仕方がないことかもしれないが。
少年はそのまま少し気を抜くように、静まり返った店の外へと何をするでもなく視線をしばらく向けていくが。
■フィル > 外に人の気配がすることも無く、夜風が吹き抜ければ開店を示す掛け看板が揺れ響かせる、乾いた音は良く響いていく。
音がしっかりと響いてしまうような硬質な靴底の靴を履いていれば、確実にコツコツと足音は静まり返った中に大きく響いて目立つだろう。
それほどまでに静まり返っているのに、人の気配が全く感じられないのだから、この町に慣れた者であればあまり使わない道と思われていても仕方ないかもしれない。
平民地区とはいえ、安全というには人気のない夜道は少しばかり危険なことが多いのだからしょうがないのである。
「いつも通り静か…ですね」
気を抜けばボーっと船を漕いでしまいそうなほどに、何事も無く時間が過ぎていくのである。
これでしとしとと多少雨音まで混じるような天気であったのなら、確実に眠りへと誘われてしまっていたかもしれない。
とはいえ、少年のやるべき仕事は後は店番位しか今日はもうないようであり。
店内をただ歩き回るのも、窓から零れる明かりに映る人影が、人気のない通りには妖しく見えてしまいそうであれば、大人しくしているようである。
ただ時折余りにも暇なのか。店内の壁に、灯りに手をかざしては影絵を作ってみたりして、時間をつぶしたりしているようであるが。
■フィル > 「わ、っと…!
そろそろ…戸締りしないと」
そんな事を暫くしていれば、流石に頭は舟をこぎ始めてしまい。転寝をしてしまっていたようである。
大きく頭が揺れた時の衝撃で少年はしっかりを目を覚ますことになり。
かなりその感覚に驚いてしまったのだろう。少しだけ椅子からバランスを崩しそうになってしまい。
慌てて辺りを反射的に見回していくが、相変わらず人気がないことを確認すればホッと、少年は一息ついていくが。
その様子をみれば、しっかりと転寝してしまったことも、起き抜けの有様も少々気恥ずかしかったようである。
「こっちは大丈夫…。
入口も…よしっと」
そのまま一つ両手を天井へと伸ばし、体をほぐせば少年は椅子から立ち上がるままに裏口へと姿をけし。
やがて裏口の戸締りの無事し終えるままに、店内へと戻ってくれば、窓を揺らすようにして窓の戸締りも確かめていく。
そしてそれも終われば、後は入口だけのようであり。
店内の灯りを切り。出入り口を開ければ吹き込む涼しい夜風に目を細め。
その涼しさに残っていた眠気もやがて吹き飛ばされていけば、少年は鍵を閉めた出入り口を何度か揺らし。
しっかりと施錠を確かめればそのまま人気のない路地へと歩を進め、帰路へと着いていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィルさんが去りました。
ご案内:「市場 平民地区」に文月 葵さんが現れました。
■文月 葵 > 編み籠を手に市場に買い物に現れた葵。
マグメールの市は船で運ばれた異国の品や近隣で取れた新鮮な食べ物が並ぶのであった。
それは富裕層のエリアだけでなく、平民が住む場所でも同じことである。
「こんなになんでも並んでしまうと、目移りしてしまうのう。」
葵は水晶のような瞳を忙しく動かしては市場にならぶキノコを眺めている。
出自は貴族であっても奴隷同然の身である葵は自分のことは自分でする必要があった。
そして、葵自身家事や料理をすることに抵抗はなかった。
決して得意ではないのだが、仮に失敗しても一人だと何ら気負うこともない為気楽なのである。
ご案内:「市場 平民地区」から文月 葵さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > ありがとうございました、と今日の取引相手に深く頭を下げて、訪問先を後にする。お店にやってくるお客さんの数はあまり増えてはいないけれど、品物を届けたり、呼びつけられて鑑定を任される機会が増えていた。こういった仕事も続けていけば、お店がもっと繁盛するだろうかと考えながら、昼下がりの大通りを歩く。
ちょうど昼食を終えた人たちが出てくる時間だからか結構な賑わい。自分と同じくらいに見える女性が洒落たお店へ入っていくのを眺めて、自分もたまには、ゆっくりと買い物をしようかと思う。
けれど財布の中を覗いてみると、手持ちの金額が芳しくない。高価な品物を扱う機会はあまりないし、鑑定の代金も相場より安めにしていたから、仕事はそれなりにあるけれど、暮らしぶりが急に豊かになったりはしない。
まだまだ新米だという意識があるから値上げにも躊躇して、貧しくはないけれど、それなりの暮らしを続ける日々。もちろん孤児院出身の自分がそんな風に生活できているだけ、とてもいい環境にいるとは理解している。
「アルバイトとか…」
空いた時間に挑戦してみるのもいいかと考えたけれど、そんな暇があるだろうか。今の仕事以上に得意な事も思い浮かばなかったから、ふう、と小さく溜息をついて、足を進める。