2019/08/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 外での商談を終えたあと、どうせなら雨が降りやむまで待ってから帰ろうと思い、ゆっくりと晩御飯まで食べていたら、すっかり遅くなってしまった。途中、お得意さんに会って話しこまれていたせいもあって、いつもなら家でのんびりしている時間にやっと店を出る。
軒下から見る大通り。結局のところ雨脚は弱まる気配が一向になく、今もなお降り続いたまま。一応傘は持っているけれど、自分の手でも扱える小さなものだから、家に帰りつくまでには濡れてしまうかもしれない。
「…早めに出た方がよかった」
なんて呟いてみても時間が巻き戻るわけもない。はあ、と溜息を吐きながら傘を開こうとして、違和感。柄の部分にある仕掛けを弄ってみるけれど、なにかに引っ掛かって、うまく操作できない。しばらく奮闘してみるけれど、やがて指が痛くなってきて、眉を垂れて困り顔。
酒場の中に引き返して、誰か力のありそうな人に頼んでみるかと思ったけれど、こんな事で誰かの手を煩わせるのも気が引ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にガルディさんが現れました。
■ガルディ > 賑わう大通りの中で、小さな身体と桜色の髪はどうしても目立つ。
さっさと帰って寝よう――そう思って早足で歩いていた男の足を止めさせて、寄り道へ誘う。
いや、相手の少女にしてみれば迷惑な一声なのかも知れないけれど。
「――お困りですか?」
閉じた傘を片手に俯き加減の少女に、長身の男が軒下までやってきて声を掛ける。
前に出会った日も酷い雨脚の夜だった。
以前と違うのは、この日は富裕地区での用事を済ませた帰り道であり、何よりもその服装。
激しい雨でところどころが濡れてしまっているものの普段のラフなそれとは真逆の装いで。
■ミンティ > 親指に赤く残った痕。息を吹きかけて痛みを紛らわせながら、どうしようかと困り果てて空を見る。夜だからもう雨雲の厚さもはっきりとはわからないけれど、星も見えないから、まだ当分はやまないだろうと想像ができた。
やっぱり酒場に引き返そうかと思っていると、声をかけられて振り返る。以前にも会った事のある男性が、こちらへやってくるのが確認できて。
「……いえ。だいじょうぶです」
目をあわせられず、うつむきながら首を横に振る。表情までは取り繕えないけれど、なんでもないのだと主張して。傘を隠すように、相手が立つのとは逆の手に傘を持ち直す。
■ガルディ > 少女がどの辺りから気付いたのだか、男の方には知る由もないけれど。
遠目から一部始終を眺めていた男からすれば、肩を竦めてしまう。
傘はそのまま、軒下へと並び立つように入る。傘をさしていても、しっとりとしてしまった前髪をかきあげて。
「ふぅ……。いや、難儀しているのを見てから声を掛けましたからね」
隠されてしまった傘に視線を向け、子供が見てもわかる困り果てた様子をからかうように笑い。
「俺ももう帰るだけなんで、……送りますよ?」
■ミンティ > 「いえ、その……」
からかうような口調に眉を寄せながら、どう答えたものかと考えこむ。隠しても無駄だとわかったから、あらためて傘を持ち直し、今度は両手で握りしめた。
以前とは装いの雰囲気が違うから、仕事の帰りか、なにかだろうか。ちらりと相手の方を窺っていると、こちらが言葉を続けるより先に、新たな申し出を受ける事になってしまって。
「あの、…だ、だいじょうぶ、です。ほんとうに…すみません……」
異性に、こんな時間に家まで送ってもらうのには抵抗がある。よほど親しい間柄であったとしても申し訳なさをおぼえるだろう。以前のやりとりが頭に浮かべばなおさら頷くのは難しく。
「…すみません。もうすこし、時間をつぶしています」
そう言って一礼すると、踵を返し、あわてた様子で酒場の中へと戻っていった。時間をつぶしたところで、この雨がやんでくれるかはわからなかったけれど…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からガルディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「う~ん」
平民地区大通り。男が腕組みし、空を見上げていた。
「うーん」
さきほどから、ずっとこんな様子。
唸っては首かしげ、また唸る、みたいな。
見事な悩み状態、であった。
「酒か。飯か。どちらを優先するかが問題だ」
その悩みの理由は、晩飯をどこでたべるか、なんて。
そりゃあまぁ下らない理由だったりする。
とはいえ、男にとっては重要なことなのだ。
一日の締めくくり。満足いくものを食べたい!
そう真剣に考え、そしてわざわざ大通りで悩んでいるのである。
■セイン=ディバン > 男は何かを決めたのか、通りから歩き始めた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。