2019/08/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナータさんが現れました。
ナータ > 「は……ふぅ……」

平民街の路地。
すっかり夜も更け、月明かりの下で家路―――定宿の安宿―――への魅入を行く少女。
少し疲れ気味なのか溜息を零して。

宅配便、メッセンジャー、配達。
様々な表現はあるけれど、内容は即ち小間使いに近い。

道に迷ったせいで与えられた仕事を追えればすっかりこの時間。
残業代、などという概念はない。こなした仕事の分だけの日当。

宿代と、簡素な食事代を除けばほんの僅かな小銭が残る程度。
それでも人らしい生活を起これている現状に贅沢は言えない。

心も体も疲れた。
だからこそ、か。
何かもやもやする。
飢えか、渇きか。

自覚のないまま少女は路地を歩き続けていた。

ナータ > 何だろう。
この満たされぬ想いは。

日々生きるための金を稼ぎ
必死に生きる。

それ以上の望みなどあるはずはない、ある意味無情な日常。

少女は目の前の「今日」を生きるので精いっぱいだった。

果たして少女はそれで満足しているのだろうか。

少女がこの街に来た理由。
家出をして地元を飛び出た理由。

人に言うのも憚られる、狂った欲望を叶えるため、であったはず。

それが今日を生きるので精いっぱいという現実で薄れているという現実。

それに気づいていないのは、少女にとって幸か不幸か。

ナータ > やがて少女は一つ首をフルリと振って歩き出す。

今日を生きるために。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 オープンテラス」にリスさんが現れました。
リス > マグメールの平民地区にはギルド区画と呼ばれる場所がある。
 様々なギルドがあり、その場所でマグメール平民の様々なやり取りがある。
 商人であれば商業ギルド、冒険者であれば冒険者ギルドなど、様々なギルドが有るのだ。
 少女は今日は、商業ギルドでの組合会合に参加し、秋の商品の値段の交渉や流通に関しての話などを終えてきていた。
 その帰りがけ、ちょっと小腹が空いたので、近くのカフェテラスに寄ることにした。
 まだまだ暑い時期ではあるが、人竜である自分には、苦を感じるほどの暑さではない。
 だから、カフェに入り、ケーキセットと珈琲を注文し、外で嗜むことにした。
 外にした理由は簡単で、誰か知り合いが来たら一緒にお茶したいな、と言うそんな程度の思考。
 護衛の皆様にも、お酒は駄目だが紅茶や菓子を振るまい、休憩してもらっている。
 同じテーブルにはいないが、近くにはちゃんといるので安心だ。

 なので、少女はのんびりと、珈琲の香りを堪能するように、一口含む

リス > 「ん~……。」

 珈琲の芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、少女は小さく笑う。
 この店は、良い豆を使っているし、良い腕をしている。
 こういう店は、富裕地区だけではなく、平民地区にもそれなりに有るのだ。
 いい食材が多いのは、富裕地区、それなりの食材で腕を磨いて振るうのは、平民地区。
 金があればいい食材と言い腕がそろうのだろうけれど、それがすべてではないのだと、思える。
 一つに特化してしまえば、富裕地区並みのモノを出してくる場所だってあるのだから侮れない。

 これだから、こういう風に美味しい店を探すのは好きなのだ。
 これで、良い食材を運べば、もっといい店になるかもしれない、そう思ってしまうのは、職業病だろうか。
 ケーキにフォークを指してパクリと一口。
 甘さもいい感じであり、珈琲によく合う。
 うん、幸せと目を細める少女。

リス > 「さて、と。」

 少女は軽く息を吐き出して立ち上がる。
 珈琲にケーキを堪能したし、あとは家に戻るだけであろう。
 よし、と軽く言葉を放ってから立ち上がり、代金を支払う。
 護衛の飲食代も一緒に払ってから、行きますよーと。

 そして、そのまま自宅に向かい、歩いていくのだった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 オープンテラス」からリスさんが去りました。