2019/07/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からイヌさんが去りました。
ミゲル > 「だから……誰か一緒だと助かる……」

冒険者の仕事の成功の有無は本当に運が大きい。
運が良くて調子に乗っての失敗がよくある。
だからこそ同じ冒険者が居てくれるだけで大助かりなのだから。

久しぶりに抱く異性、だからこそじっくり長くしたいと羞恥を煽り。
少女と同じように興奮を高めては漸くの挿入で。

「そう、お仕置き。悪い子は恋人でない俺の子供を孕んで帰る。
それで恋人にも叱られるといい…」

恋人がいるにに誰かと行為に及ぶ、自分が美味しい思いはするがそれはそれと。
駄目と言われはするが悪い子にお仕置きは当たり前。
押さえつけた下で身体をくねらせている姿は誘っているように見え、そう取ってしまって犯す勢いを強め。

「俺も気持ちいい……でも、こんなに喜んで悪いけど…いい子。
一杯上げる…よ。孕むまで……孕んでも……ね」

犯していけば抵抗が弱まっていき。
それを押さえつけて激しく犯し、交尾に溺れていく。
そしておねだりが始まれば更に奥、子宮口を叩き付けては、
子宮へと子種を注ぎ込んでは種付けして。

「…ん………はぁ……まだ、一回……。
夜はこれから……だから、ね?」

子宮内を熱く染め上げ絶頂する少女に全ての子種を注ぎ込み。
涎流しテーブルを汚す少女に囁いては固いままの肉竿を押し入れ。
収縮する膣内の感触に最後の一滴まで子種を吐きだして。

「本当に悪い子……もっともっと…お仕置きして、あげる」

痙攣をしながら求める少女。
少女の手で広げられるお尻を軽く叩けば再び犯し始めて。
そうしてどれだけの時間、場所を変えては何度も何度も犯しては子種を注ぎ込んだのか回数も判らなくなった頃。
少女を押し倒すようにつられて眠りにつき……やがれ朝になって目を覚まし、羞恥で声も出ない少女を見ればお代わりを求めていると取って、更に押し倒していくかもしれず……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からミゲルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」にフィルさんが現れました。
フィル > すっかりと、辺りも暗くなったというのに、吹き抜ける風は何処か生温い。
昼間の暑さを拭い去るというよりは、ただかき混ぜているような、そんな夜風ではやはり過ごしやすくなどないだろう。
幸い天気自体はよかったようであり。夜更けともなる時間であっても、大通りには人通りがポツポツと伺え。
酒場が宿屋などが並ぶ区画は、遠くからでも零れてくる喧騒が風に乗って耳に届くようである。
そんな中、特に人が多い酒場が集中的に並ぶ通りを、人の間をぬう様にして進んでいくローブを羽織った少年。
少々時期からしてみれば暑くも見えるかもしれないものであり。
やはり少年自体も少々暑いのだろう、少年が視線を向けていくお店は、酒場並ぶ区画とは言え、若干如何わしい看板を掲げたり、客引きをしているようなお店ではなく。
美味しそうな食べ物や、冷たく喉を潤してくれそうな飲み物をちゃんと、お手頃に扱っている店のようであり。

「やっぱり…よさそうなお店はこの時間でも混んでるよね…。
裏道のお店の方がよかったかな…」

よさそうなお店は、大体人が多く店内に蠢き。
賑やかさを越えた喧騒を零している場所すらあるようだ。
酒場が並ぶ区画で、お酒よりも食べ物やアルコールのあまりない飲み物を求めている少年も少年かもしれないが。
たまには違うお店も探すといった気分転換もあるのだろう。
時折酔っぱらいすぎたのか、よろめいてくる人に当たりそうになりながらも、その度に慌てて場所を譲る様にして何とかやりすごし。
再び歩を進めては、よさそうなお店をさがして少年は人の中へと諦めることなく歩を進めていくようであるが。

フィル > 裏道にいくつか並んでいるお店も、値段はお手頃であり。尚且つお酒を頼まず、食事だけでも特に気にされないいい場所もあるのである。
普段はあまり人の多い場所に突っ込んでいくこと少ない少年であれば、そこはとても助かるお店だったのだろう。
けれども、今宵は何時もで向いていたお店はどうやら休業だったようであり。
他の裏道のお店までは少々この辺りからは距離があるのだから、折角なので新しいお店の開拓でも、といった気持で踏み込んだのだろう。
結果としては、目新しいお店は確かに多かったようであるが、それ以上に人の多さとそこかしこで上がる喧騒は、堪えたようであり。
特に耳は普通の人に比べればこの状態でもいい少年にとっては、突然あがる酔っぱらいの大声などは、どうしても身をビクリと震わせてしまったりと、驚いてしまうもののようである。

「あ、えと…僕はそういうの大丈夫…ですから」

余りにも満員御礼ではないお店を覗いてみれば、そこは妙にお高そうなお店であったり、不穏な気配を感じる店が続き。
たまに呼び込みの人に声を掛けられれば、明らかに食事を楽しんだりすることがメインではない。
そんな気配が溢れているお店への誘いであったりと、中々いいお店探しは捗ることはなく。
また一つ、客引きに声を掛けられた少年は、そのお店を見れば掴まれたローブの裾を引っ張る様にして、そそくさとその客引きから離れていくことになり。

「綺麗な女性に化けたりしたら…って、此処ではそう言うのは逆効果だよね…。
そもそもそういうための能力じゃないし…」

こういう場所ではやはりまだ、子供にも見える自らの背丈などでは、余計に場違いなのだろうか。
そんな風に考えしてまえば、自らの使える能力をふと考え。
そのような思案を巡らせてしまったようであるが。
この区画のお店や客引きを考えれば、この場に合った変化なんてしたら、逆効果の可能性が高いのは気のせいではきっとないだろう。
少し人の多さに疲れて足取りがふらふらしてくれば、時折人に当たりそうになったりしてしまっているようであるが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」にシュミーさんが現れました。
シュミー > 平民地区と貧民地区の境から、一人の踊り子が…
仕事を終え、踊り子服のままで何か飲み食いをしようと出てきて、ふらふらと歩いていた。

薄桃色の髪と感情をあまり映さない金の眼を辺りに振りながら。
娼婦のような恰好ではあるものの…少々怪しい通りのため、あまり目立ってはいないようで。

食事処とは名ばかりの、男娼、あるいは女性同士の娼館などから声はかかるが…今はお金を払ってそういうことをするよりは、何か食べたいな、と。
何せ踊った後である。いくらかまかないは自分が勤めている店で出るが…たまには外で食べるのもいいだろうと。

そんなことを考えながら歩いていれば、正面に…客引きを断る、ローブ姿がふと目に入る。
それ自体は珍しいことではないが…この通りに来てそういったことに全く興味を示さず歩き回るのは少し珍しい。
しかも姿自体は小さく、子供のようだ。

「――――…」

んー…と何事か考えた後、そのまま直進し。
ふらふらとしている相手に、軽くぶつかろうと。

「大丈、夫……?なんだか、ふらついて、いたけど…」

そのまま避けられなければ露出が多い踊り子服の女性に、ぶつかることになるだろうか。
顔を上げれば、心配そうに少年を覗く、金色の瞳が見える。

フィル > 「やっぱり…大人の…わっ…と!?」

人込みに少し疲れた状態で、考えに意識を向けてしまえば、幾ら耳や鼻が利いても注意は散漫になる。
一つ人込みを抜けて気が抜けてしまっていたのだろう。
前をちゃんと確認せずに、意識を前面から反らしてしまえば、まっすぐと此方へと向かってくる女性へとぶつかってしまうことになる少年。
其処で漸くよそ見をし過ぎていたことに気付いたようであり。
ぶつかった反動で少しよろめく、そんな情けない姿を見せながら、慌ててぶつかってしまった相手へと視線を向け直していき。

「あっ…ごめんなさい!
少し考えごとしてて…前見てなくて…!」

視線の先に見えるのは、自らより少しだけ背の高い、整ったスタイルの女性である。
相変わらず慌てたまま、頭を下げれば、言い訳よりも先に真っ先に謝罪の言葉を響かせるのは、少年の性格故だろうか。
ちゃんと、失礼にならない様にとでも言う様に、その視線もその向けられる黄色の瞳へと交わらせるように返していき。

「あまりこの辺の人込みになれて無くて…あ、怪我とかはしてませんか?」

その女性の衣服を見れば、少しだけ改めてその格好に今頃気づいたのだろう。
ちょっとだけ視線を動かし、女性の姿を確かめるように、滑らせかけた視線は全身を細かく見る前に直ぐにまた瞳へともどされることになり。
恐らくその大胆ともいえる、踊り子の衣服を見慣れていないせいで、ちょっと気恥ずかしいのもあるのだろう。
じろじろ見るのも失礼と思ったのか、そんな風にじっと彼女の瞳を見つめたまま、言葉を続けていくだろうが。

シュミー > 服装としては、胸部と局部を最低限隠しているだけだ。
腕や足首にはきらきらとしたアクセサリーがついており。
瞳同士を交わらせながら、自分から視線を外すようなことはせず。

「大丈夫…私から…ぶつかりに行ったから…。きみ、…この辺に何か、用…?」

よろめく相手の身体を緩く支えようとしながら、首をかしげる。
そうしてみて気づいたが、やはり…見た目にはこのあたりに来る用事があるとはなかなか思えない。

「…そういう、目的なら…向いているけど…、違うみたいだし…。
何か、おつかい…?」

もしかして娼館などに雇われているのだろうかと。
受け答えもしっかりとしているし、とそう予想して。

「…お店がわからないなら…一緒についていこうか…?」

私も、お店を探しているし、と言って。
相手の様子を見ながら、親切心…あるいは庇護欲が湧いてきている様子。

フィル > 「え、あ、はい…えっと…少し変わったお店とかを探してて…」

余り面と向かって踊り子と呼ばれるような女性を見たことがなく。
健全よりにダンスを鑑賞するような楽しみを主眼に置いている、そういう感じのお店には踏み込んだことがないのだろう。
それでも、視界に端に入った煌びやかなアクセサリーや、きわどいと言える服装で、踊り子というイメージは知識と結びついたようである。
もっとも、だからと言って何か態度を変えることも無く。
女性からぶつかりに、という言葉に僅かに首を傾げるのは、聞き間違いとでも思ったのだろうか。

「お使いじゃなくて…余り踏み込んだことのない場所なら、新しいお店とか見つかるかと思って」

支えるように女性が動けば、素直にその行動に身を任せ。
慌てていた様子も少し落ち着けていく様子を少年は見せるだろう。
とはいえ、特に宛てが合って歩いていたわけではないのだから、返していく言葉は、些かこの辺りを歩くというには、不用心な心構えと思われても、おかしくはないかもしれないが。

「わからないというか…案内してもらえるのは頼もしいんですけど…。
お姉さんこの辺りお店…詳しいんですか?
もしよかったら…隠れ家的な食事のお店とか、美味しくて値段もお手頃な食事のお店とか…知ってたら教えてもらえますか?」

とても丁寧な物腰で、どこか信用できるという雰囲気を少年は感じているのだろう。
態々、ついて行ってまでくれると言ってもらえれば、少しだけ心強いものを感じているようであり。
未だに、視線は女性の首から下には動かせていないものの、この辺りに詳しそうな女性を頼る様に。
そんな事を、少しだけ少年から踏み出すようにゆっくりとした口調で訪ねていくが。

シュミー > 「変わった、お店…?……探検とか、好きなのかな…」

踊り子からしてみれば、それだけのことで…
少々客引きが激しいこの場所に来て、人込みに酔ってまで探す、というのは中々挑戦心があるな、と。

「新しい、お店……あそことか、あそこは…?」

ぱ、と浮かんだいくつかを候補にあげるが
そのお店は先ほど少年が覗いた際に…満席だった店だ。
それと、少年の要望を聞けば、ふむ、と考え込んで。

「…案内は、ぜったいする…。きみ、このままだと…人攫い、とかにあいそうだし…。
ちょっと、すぐには思いつかないから…。…歩こうか…」

踏み出そうとしている少年に引かれるように、手を繋ごうとしながら騒がしい街をゆっくり歩き始め。
客引きも、シュミーの事を娼婦だと思っているのか、その客らしき少年にはあまり声をかけてこず。

「私、シュミー…。あっちの方にあるお店で…踊り子、してる。
きみ、の名前は…?」

少年の要望に合う店はあったかな、と記憶を探りながら…自己紹介を。
フードを被ってはいるが…ミレー族など、身分を隠している者もこの街には多いと思い、フードの中身については特に聞かず。
言いたければ言ってくれるだろう、と思いつつ名前を聞いてみる。

フィル > 「そうかも、しれません。
穴場とか探すのは好きですし…」

改めて自分の行動を考えれば、探検好きという言葉はあながち間違いのではないのだろう。
変わった魔道具や、美味しくて安いお店等を、暇があれば探したり、路地裏を恐る恐る通ったり。
少々興味を優先して危なっかしい場所にも行くことも少なくないのだから。

「あの辺は既に満席で…奥にあった穴場は今日はお休みで…」

紹介してくれるお店は、確かに御客の入りがいいいいお店なのだろう。
けれどもどれも満席で諦めた場所であれば、結果的にとはいえ、より彼女の情報の信頼感は増すようであり。
少年も自ら穴場の一つのお店は既にいったものの、休みだったことを告げたり。
会話には協力的な様子を見せ始めていき。

「人攫いとかは…多分大丈夫だと思うんですけど…。
有難うございます、見ず知らずの…しかもぶつかった僕に案内までしてくれて」

そこまで、適当ではなくしっかりと案内してくる様子を見せてくる彼女には、どうしてそこまでしてくれるのか。
という考えが浮かんでしまうのは、あまりにも親切にも感じられるからだろう。
けれども、それをいぶかしむ様子はなく。
手を引かれれば、一呼吸おいてそっとつなごうとされた手を少年からも掴み返し。
一歩だけ遅れる足取りで、彼女と極力足並みをそろえるようにしながら、導かれるままについて行くだろう。

「あ、えと…僕はフィル、フィル=クォーレンスっていいます。
区の外れの雑貨屋で店員をやってます。
シュミーさんは…踊り子さんだったんですね。衣服とか綺麗なアクセサリーとかで…少しそうかな、って思ってはいたんですけど」

彼女がお勧めする場所なら、そこに任せるのもいいかもしれない。客引きが声をかけてこなくなったのもあり、そう思い始めているのだろう。
不意に零される自己紹介に、特に隠すでもなく。少年は自らの名前と仕事場を告げていくが、彼女の仕事に少し納得した様に、頷き。
名前を知れたことで少し気が緩んだのか、軽く笑み交じりで彼女の名前を紡ぎ直していく。
自己紹介ということもあり、フードを軽く下ろして顔をちゃんと少年はみせるだろうが。
阻害を看破でたりしなければ、普通に幼さが残る顔立ちの人の少年に見えることになるだろう。
とはいえ、改めて彼女の衣服やアクセを見るように視線を動かしてしまえば、慌てて視線を道の先や、彼女の顔に戻したりするのは相変わらずのようであるが。

シュミー > 探検好き、ということばにくす、と笑い。
穴場についてお互いの情報を擦り合わせていけば、自然と会話は続いていく

「…私も、仕事が終わったところ、だったから。
一人でいるよりは、二人で居た方が…私が色々、楽しい。」

案内するのに特にこれといって理由はないが
強いて言うなら自分のためだと告げて。だから気にしないで、とも。


「フィル。…雑貨屋さん…。…今度、何か買いにいくかも。…暇なときに。
………。」

雑貨屋、と聞けば…仕事がないときに少し覗きに行ってもいいかな、なんて思い。
冷やかしになるかもしれないが…たまたまの縁を大事にするのもいいだろう。
偽装されているとは当然気づかず、相手の顔も覚え…好奇心旺盛なのは、歳のせいかな、とその幼い顔立ちを見て思う。

ただ、視線に関しては敏感な彼女は、衣服やアクセ…あるいはそれ以外に向けられた視線を感じ取り

「…こういうのも、気になる?…おとこのこだもんね。気にしない…、むしろ、そういう視線、隠された方が気になる…」

くすくす笑い。見られ慣れている彼女は、逆に…これほど近くに居るのに露骨に視線を逸らされる方が気になると告げて。
その時不意に、ぴん、と閃くものがあり。

「お客さんが、…前に話してたところ。…えっちなことはなくて、あんまり人が居ない…お店、思い出した。」

少年の、客引きを断っていた様子などを思い出し、条件を付けくわえながら
一つ…酔った客が話していた、通好みの店が平民地区にあった事を思い出し…ゆるやかに、その店に向かおうと方向転換を。

フィル > 「僕もいつもより早く…仕事終わったから…足を延ばしてきて。
そう言ってもらえると…嬉しいです」

平民地区でも場所によっては安全ではなく、気を緩めてはいけないのがこの町である。
けれども、妙な感じさせることも無く、楽しいとまで言ってもらえることに、返す言葉は本心だろう。
信じやすいという所はある少年であるが、裏を返せば人を疑りすぎる部分はなく。

「普通の雑貨から…持ち込まれたもの…ちょっと変わった道具もありますから。
良かったら来てくださいね…サービスはしますから」

それは、自分のためだからとはいえ、案内をしてくれたことに対してのお礼の気持ちもあるのだろう。
少年もまた、良い縁は繋げて町での良い知り合いが増えることに、素直に喜びを感じているようであり。
看破されてはいない分普通の少年が笑っているように見えるだろうが。
看破できていれば、その確実にローブの下でバタバタとローブをはためかせて揺れている様を見せてしまっていただろう。

「え、あ…はい…すみません。
あまりそういう衣服の人も見たことなかったので…。
あ、でも…身をもって少しは女性の身や受ける視線…わかってる部分はあります、から」

能力を含め、文字通り異性の性別で動いていたりしたことは何だかんだとあるのだ。
向けられる視線が、彼女ほどではないものの、多少わかる。という感覚は理解してる部分はあるのだろう。
そう告げられれば、笑み交じりの様子に思わず頭を下げながらも、少年はそんなことを零してしまうが。
知らない人からすれば、何故女性の体などの感覚を知っているのか、とも思われてしまいそうなものであり。

「え、そんな穴場的なお店…他にもあるんですか?
是非…行ってみたい、かもです」

少年が知ってるお店は一つかそこらである。
他にもそんなよさそうなお店があると聞けば、興味は湧いてくるのだろう。
素直に興味のままに、方向をかえる彼女に合わせて、少年は明るい表情でついて行くだろうが。

シュミー > 時折その眼を緩ませながら、お互いの店について聞いたり、聞かれたり。

「楽しみに、しとく…。…私の、働いているお店は…
きみは、まだ入れないだろうから…、おおきくなったら、ね…」

言葉は少ないが、サービスしてくれるというのなら
何か身の回りに使えそうなものを買ってもいいかもしれない。
自分の身体をすぐに求めてくる者は多いが、こうして純粋に話しをするのも悪くはないな、と

ただ続いた言葉には首をかしげることになる。

「体質…?、…おとこのこ…だよね。…女の子に変わる、とか?」

身をもって知っている。
それは女装、ということでもないのだろう。
そうなれば…荒唐無稽な話だが相手は、何かの理由で女性の身体に変わったことがある…と考えられる。

「ん。…こっち…」

疑問に思いながらも脚は進み…平民地区の路地をくねくねと通り…
こじんまりとした、古い店へとたどり着く。
看板も地味で本当に営業しているのか、というところだが中には人の気配があり。
手を引いて、その店に入っていこう。

中は、2つのテーブル席といくつかのカウンター席。
カウンター席からは調理場が見えるようになっている。
カウンターには1人、2人客がいるが、テーブルには誰もいない。
噂通り、知る人ぞ知る、という店なのだろう。

『………いらっしゃい。』

調理場では皺が目立つ年配の男が一人で何事か手元を動かしており。こんな街だからか、シュミーの格好にも反応は示さないようで。
壁に貼ってあるメニューを見ると…よくありそうなメニューが多いが、アレンジされていたり
逆にほとんど見たことがないであろう、よくわからない名前のメニューもあり。

「どっち、座る…?」

好奇心旺盛な少年の事だ。もしかするとカウンターで調理風景などを少しでも見たいかもしれない、と
奥のテーブル席か、カウンターのどちらに座るか聞いてみる。

フィル > 「ちょっと残念ですけど…やっぱり、子供は非推奨…なんですね」

場所が場所であり、仕事が仕事である。
健全よりであっても、まだ子供と言われても仕方のない年齢であり。
むしろ、そう言ってくれる方がある意味ちゃんとしてて優しいとも言えるかもしれないだろう。
働きぶりが見られないとしても、お店でなければこうやって話せるのだから。
将来の楽しみに取っておくのも悪くない、と思えるのだろう。
もっとも、少年にそういう場所に堂々と入る勇気が年齢相応に育つかはわからないかもしれないが。

「化ける…って言ったほうが正しいんですけど。
そう考えてもらって大丈夫だと、思います…」

想像した姿にある程度化けたり、目の前の相手に化けることだってやろうと思えばできる、そんな能力である。
悪用したらよろしくないと思っているからこそ、悪人と断定した人には教えようとしないものであり。
悪事に使うようなことは早々しない少年である。
もっとも完全に性別まで反転して化けられる、だからその言葉は大体正解。
という返答は彼女を驚かせてしまうかもしれないが。

「こんな場所に…お店が…」

自分一人で行こうとすれば十中八九迷う事にもなりかねないだろう。
唯でさえ迷いやすい裏道なのである。
頭の中で覚えようとしても、恐らくいくつかの曲がり角は既に間違えてしまいそうであり。
ようやくたどり着いたお店も、知らなければ中に入っていいと思えないようなものであれば、まさに隠れ家と言って過言ではないだろう。

店内に広がる様子は、静かなものであり。
人もまばらに数人といったレベルであれば、時間を差し引いても少ないだろう。
その分ゆっくりと食べていけそうな雰囲気を醸し出していれば、お店の雰囲気は既に少年は気に入ったようである。

「えっと…えーっと…
カウンター…でも…折角、案内してもらったんだから…」

お店の様子をよく見るためにも、カウンターを見ながら食べるのも興味を惹かれるのだろう。
けれども、お店の奥まった場所で静かに時間を楽しむというのも、また捨てがたいようであり。
いくつも並ぶ壁のメニューへと視線を通したりして、初めてくるお店そのものを楽しんでいれば、そのまま暫くきょろきょろと視線を少年は揺らめかせていく。
が、少ししたところで迷いに迷ったものの決めたのだろう

「今回は…奥にしようかなって思います。
ゆっくり話したりもできそうですし…」

迷うかもしれないものの、また来たときに一人でも調理の風景は見れるだろう。
折角案内してくれた彼女が連れてきたくれたのだから、お店の奥も見れるし、気兼ねもなく離したりできるだろう。
そんなところから、奥のテーブル席を少年は選ぶ答えを返していき。

シュミー > 化ける…と聞けば驚きはするものの、すごいね、と褒める言葉が出てきて
少し特殊ではあるものの、普通の人間である自分には到底成しえない能力だ。
頭を緩く撫でようとしてから、店の中へと

「――――……」

カウンターか、テーブルか
少年が悩んでいる様子を…口元に笑みを浮かべながら見続けて。
やがて、少年が決めれば…

「…私に、気を使わなくてもいいのに…、優しいね、フィル…。じゃあ、奥に行こうか…」

客も少ない現状、どこに座ろうと、店主らしき男は咎めず、一緒に席に着こう。
このあたりではあまり見ない装いの店内。どちらかというとシェンヤン側の雰囲気に似ているかもしれない。
壁や床、ちらりと見えた調理場は年季が入っているが、汚いというわけではなく、歴史を感じさせる。

「…今日は、わたしの奢り…。好きなの、食べて…?」

対面に座り…見やすいように、テーブルに置いてあるメニューを見ながら。
身を乗り出せば、豊満な胸部がふに、と少年の目の前でテーブルに潰れ。
そのことを知っているのか、からかっているのか、指したそのメニューには…
ドヴィアの酒蒸し
フィフィ貝の出汁を使った麺
アゴロニー焼き…etc

なにがなんだか、味の予想がつかないメニューがやはり多く書かれており。
一応安全圏と判断できるメニューもあるが…少年が何を選ぶか、楽しみにしている節もあり、様子を見ている。

フィル > 軽く頭を撫でられれば、少しだけ少年の表情は緩んだだろう。
見えていれば、頭の上に本来ある筈の耳が少しだけ、ピコっと跳ねた様子もうかがえたかもしれない。

「カウンターは…一人で来たときにも…座れますから。
それにそれを言ったら…シュミーさんもだと、思いますし」

自分のため、とはいえ、此処に連れてきて好きな方を促してくれたのである。
優しいという言葉に少しだけ気恥ずかしそうにしてみせるが。
少年にとっては彼女も十分優しい事をしてくれている、と素直に思っており。
返すように優しいと零すその言葉は、お世辞ではなく本心からのものだろう。

「あ、ありがとうございます!
でも…それならシュミーさんにも一つくらい…僕からおごらせてくださいね」

この町とその付近くらいしか、実際にあまり見たことのない少年からすれば、異国の雰囲気を感じさせる。
そんな店内は、少し別の世界にでも来たような気分を感じさせるのだろう。
時折、奥の席に腰を下ろしながらも、まだきょろきょろと視線をうごめかせてしまうが。
おごりと言われれば、驚いたように目を丸くして視線を、彼女へと返すことになり。
胸をテーブルで押すようにして強調される様になれば、思わずその様子に視線が向いてしまうのは、やはり仕方がなかったようである。

「だ、だから…シュミーさんも選んでくださいね。
僕も…って…見たことない名前ばっかりですね…。
お、オススメってありますか…体にいいとか、特に美味しい、とか?」

隠された方が気になるのだから、見てしまったことを認めつつも改めてググっと視線を彼女の表情へと向ける少年。
気を取り直そうとしてる様子が、ちょっと滑稽な有様となっているかもしれない。
彼女にもおごり返す分を、と選ぶことを進め返していくが、メニューはどれも未知の領域を感じさせるものばかりであり。
直ぐに決められる様子もなければ、メニューとのにらめっこを始めることになる少年。
暫く迷ったものの、結局はオススメを尋ねることにしたようであるが。
特にない様子だったりすれば、目をつぶってこれ!と思い切って指を指した先の物を選ぶつもりのようでもあり。

シュミー > テーブルにて、撫でた際に得た奇妙な感触を手を開いたり閉じたりすることで考えているが
それよりも先にメニューを決めようと、少年と二人してにらめっこを始める。

「…わかった。じゃあ、1つ分、奢ってもらう…。
ふふ、素直。…せっかくだし…選んだもの、少しずつ交換するのもいいかもね…」

などと言いつつ…何ページかあるメニューを捲っていき
今度は頑張って逸らされない、自分への視線に気づけば、にっこりと笑いかけながらシェアを提案して。

「そういえば…これが美味しいって…その人、言ってたかも…。
フィルは、これにする…?それじゃあ…私は、これ…」

指したのは、何かの肉の焼き物らしい。
ただし…肉の断面の色が黄色く、本当に大丈夫かと言いたくなるが
店がつぶれておらず、美味しいと噂になっているなら大丈夫なのだろう。
シュミーが注文したのは、これまた…少し毒々しい色をした、様々な具材が大量に入ったスープ。
少し量が多い品のようだが、二人で分け合う前提なら良い量だろう。

それを注文した後、店主が短く『あいよ』と言って。
店内が、調理する音で満たされ始め。

「身体が変わるって言っても…心は男の子のまま、なんだね…。
触ってみたい…?」

調理されている間は、流石に暇なのか、踊り子服に包まれた胸を見せながらそんなことを言って、少年をからかおうとする踊り子。
中々に、いたずらが好きな性格のようだ。

フィル > 少しだけ手に違和感を感じたのであれば、それは感覚を誤魔化しきるほどに、阻害がきいていない部分であり。
少しずつ阻害を見抜けてきているきっかけになるかもしれないだろう。

「それ良いですね…。
多めのを頼めば、いろいろ味わえますし…」

食べ物のシェア、少年はそれを特に気にすることも無く。
折角なら色々美味しく楽しく食べられれば、さらに良し。といった所なのだろう。
頑張った分の視線か、笑みを零されれば少年もつられる様に、軽く笑みは零れ。

「オススメなら…それにしてみます…。
けど…何か…凄い…色ですよね…。
いえ、多分…味はいいと思うんですけど」

オススメを聞いたのだから、今更考え直すことは無し、といった所だろう。
唯どう見ても、一瞬だけ躊躇するのは肉にしては黄色という断面は、メニューミスかと思ってしまうのは仕方ないものであり。
スープも中々に特殊な色をしている部分があれば、きっとこういう変わり種がうりなのだろう、と自分を納得させたようである。
味が良ければ、多少の見た目なら気にしたら美味しい物を食べ逃す。
折角分け合えるなら多少多くても、むしろ都合がいい。
そんな事を考えているようであるが、内心は恐らくちょっと奇抜さを感じる料理にドキドキの部分はあるのだろう。

「よっぽど特殊な…形の変化じゃないかぎり、内面は変わりませんからね。
たとえば、シュミーさんの体格にも近く化けたりできなくないですけど…やっぱり自分につけてるときとは…感覚が…ってっ!
そういうこと言われると、余計意識しちゃいますからっ…!確かにすごく柔らかそうですけど…」

一部の特殊な変化は、ある意味女の子というより雌としての特殊な人格が宿る。
けれどもそれ以外は基本自分の精神のまま姿を完ぺきに変えるわけであり。
心は男の子のまま、という彼女の事に対して肯定するように少年は答えていくが。
幾ら女の子の体の感覚を知っていても、やはりそれは自分としての触感等なのである。
他人の体に触れたり見たりするのは、やはり感覚が違えば、目を惹かれるのはどうしようもないようであり。
自然な会話の流れから、素直にコクリと頷いてしまうものの、意味に気づけば思わず、顔を赤く染めてワタワタとする様子を見せてしまうだろう。

シュミー > 肉が焼ける音や、何か具材を切る音まで聞こえてくる…
店の小ささ故、そういった楽しみもあるのだろう。

「んー…?意識、してもいいのに…。
そういう視線、好きなんだよ、私。…じゃないと…踊り子なんて、ずっと続けられないし…
触ってみる?って言ったのも…本心。興味、ありそうだったから…」

かわい、と相手の額をつん、と突こうとしつつ。
やはりからかっていたのか、そういえばテーブルから体を起こし、また笑って。

「…、そういえば…」

しばらく黙っていたかと思えばぽつりと呟いて。

「今も、もしかして…姿、変えてる…?、なんだかさっき…耳みたいなのに、手が当たったような気がして。
……あ、…隠してることなら、言わなくていいよ。…ミレーさんとか、大変なのは知ってる、から…」

この国に生きていれば、一度は引き回される奴隷としてのミレー族を見る機会はある。
そういったことから逃れるため…さっき話してくれた、偽装をしているのかな、とアタリをつけて。
もちろん、自分の勘違いの可能性はあるが…。

押し黙れば、その間に
話すなら…その返答が終わった直後に、料理が運ばれてくるだろう。

フィル > 「確かに…踊り子さんは視線を集めて…魅力で楽しませるお仕事ですけど。
…でもあんまりそうしてると、シュミーさんのほうが悪い人に…狙われちゃいそうで…心配になりますよ。
…興味は否定しませんけど…」

香りはやはり、食欲をそそるような物はあるのだろう。
調理の音に耳を少し傾け、その香りに鼻を利かせながらも、からかい半分のような言葉に返していく少年。
額に伸ばされる指のままに、軽く突かれれば、突かれたところを軽く手で撫でるようにするだろう。
子供の心配するようなことなど、大人の彼女にとっては百も承知のことかもしれない。
けれども、自らを人攫いされそうと心配してくれた彼女だからこそ、心配をし返しているようである。
もっとも誤魔化すほうが気になると言われていれば、ちょっと小さい声になるとはいえ胸への興味を隠さず否定はしないようであり。

「え、あ…はい…変化とは別に…元の姿は隠してます。
ただ…ミレーではないんです。
寧ろ怖がられる可能性が高いから…人に見えるようにしてるだけで…。
これを聞いたうえで見たい…っていう場合には特に…隠すつもりもないですし」

そんな中、不意に零された言葉は、少し真面目にも感じるものであれば、茶化すことは無く返すだろう。
厳密に言えばミレー族ではない、また別の獣人と言われる種族の少年である。
下手をすれば魔物とも間違われたりすることもあるからこそ、怖がらせない様に人に見えるようにしているのであり。
気になる、知りたいという様子を見せる相手が、悪意や敵意を持たない人であれば、隠すつもりはないのである。
見たければ。もしその言葉に、見たいと、彼女が返せば、少年はそっと阻害を解き。
手足もであるが、一番わかりやすいと言える。
特徴的なマズルのある、髪の毛は有るものの、毛並に包まれた狼の顔に相当近いその顔を見せるだろう。
一応料理を運んでくる人などには、人のままに見えるように調節してであるが。

シュミー > 「大丈夫だよ…、何度か、危なかったけど…こうして生きてるし…
気を付けては、いるしね…、…ふふ…、でも、もし私が危なかったら、助けに来てくれる?」

心配してくれる相手に、ありがとう、と。
そんな相手だからこそ、少し慌てた顔や、向けられる興味の視線が心地よく。
つい、仮定の話ではあるが、相手を試すようなことを言ってしまい…

「…うん、見たい…。……わ。……へー……すごい。…わんちゃん…ううん、狼…かな?
…実物は、見たことないけど…、かっこいい。」

言葉を返した後…相手の姿が露になれば、金の瞳が見開かれるが…すぐに、元の形に戻り。
それは、相手がいつも通りであり、怖い雰囲気を感じなかったことも、あるだろう。
他人から見れば、撫でているようにしか見えないだろうが、その毛並みを確かめるように、身体を倒し、顎の下あたりに触れようとしつつ。
今回はそのつもりはなかったが…吸い込まれそうな谷間が、少年に近づいてくる。

毛皮を感じれば、元の位置に戻って、相手を褒める言葉を。
同時に料理が…不愛想な店主によって直接運ばれてきて。

「ああ、それで…耳は、隠しきれないんだ…だから、フードを…へー……大変…。
ありがとう、教えてくれて。…お礼に…私の秘密も、知りたい?」

嘲るでもなく、怖がるでもなく。
相手の身の上を想像して、ぽつりと。
自分の秘密の事も、仄めかしながら、食べよ、と。どうやら彼女にとっては食事しながら話せる、気軽なことらしい。

肉は、口に運べば…ぴり、とした辛さのあと、どの肉とも違う、表面は柔らかく、噛み切ろうとすると少し硬い、絶妙な触感。
肉汁はしっかりと閉じ込められており、じわりと濃厚なものが舌に纏わりついてくるだろう。

フィル > 「僕も…助けてもらいましたし…もちろん…です。
強さには自信ないですけど…助けて逃げることなら…出来ると思いますし。
危機伝える…魔道具とか欲しいですね…」

裏との接点ができやすいようなお店や職業は、必然危険が付きまとうことも多いのだろう。
お店に迷っている所、ある意味助け舟を出してくれた彼女である。
そんな人が、もしも、の話をすれば、少年が助けない、何て答えを出すことはなかったようである。
もっとも、自分の実力を把握しているからこそ、虚勢を張らず。
持てる力で助けて逃げの一手、そして連絡用の道具も何か、というところなのだろうが。

「一応種族は…狼ですね…。
よく犬と間違われるのは慣れてるので…それでも大丈夫ですけど…」

特に怖がられることがないというのは、少年にとってはやはり安心感になるのだろう。
二足歩行の狼にも見える姿なのだから、街中で歩いてたら魔物と指摘する人の方がいてもおかしくないのである。
慣れない褒め言葉に、気恥ずかしげに今度は見えている耳を、ピコピコと軽く震わせ。
撫でる手には抵抗をすることもなければ、狼のためにちょっとだけ毛質は硬い物の、野生の狼に比べれば、数段柔らかで温かい手触りが、触れる手に伝えられるだろう。
マズルが出ているため、近づいてくる谷間に顔を突き出せば、鼻先が触れてしまいそうになったようだが。
目を細めて撫でられる感触に、意識を向けていれば、顔を揺らしても胸にはギリギリ触れたか触れなかった、だろうか。

「阻害がきいてれば…問題ないはずなんですけど…万が一がありますから…。
でも、いいんですか?秘密何て…。
勿論…聞いていいなら聞きたいですけど…」

運ばれてくる料理へと視線を一つ動かし。運んできた店主へと頭を下げるのは、料理を作ってくれたことへの丁寧な礼か。
食欲をちゃんと擽る香りのままに、彼女に促されれば一ついただきます。と零し。
その味に舌つづみを打ち始めていくだろうが。
彼女が秘密を教えてくれるというのなら、興味のままに少年は、その秘密を伺っていくだろう。

色はさりとて、味はちゃんと美味しさを感じさせるものであり。
阻害を解いていればヒトより鋭い牙のおかげか、肉料理の方は少し硬めの肉も簡単に噛みきれ。
広がる味に満足そうに表情を緩めたまま、スープの方にも一口と、手を付けていくだろうが。

シュミー > 嬉しい、と…例え戦えないとしても
精一杯自分を守る、と仮定の話に回答をくれた相手に笑いかけて。

「ううん…でもやっぱり狼、って呼びたい…かな。
名前って、大事でしょ…」

種族名でも、固体名でも…名前は大事だろうと。
ぎりぎり触れずに済んだらしい鼻先から…仕事用だろうか、香水の良い匂いのする身体が離れていき。

「そうね…触られたり…、魔法が使える人だと、ばれてしまいそう…。
いいよ。単純な事だから…」

スープは、毒々しい見た目とは裏腹に、どの具材もほろりと崩れ。
見ない形の野菜は、優しい味が沁みており…店主の無骨な様子とは違い、とてもほっこりする味だ。

「私の…見たかもしれないけど、お臍のあたりに、紋があるんだけど…
その紋、ね。身体全体の温度を調整してくれたり、とっても便利なのと…いい、避妊になるの。
気持ちよくなってくると、あつぅくなって、…誰とでも、気軽に肌を重ねられる…。軽蔑した?」

くすり、と息を漏らしながら
お肉ちょうだい、と…お皿からお肉を一欠片切り分けて口に入れ、美味しい、と。

「だから、フィルみたいな人、誘うのも好きなんだよ。…流石に、無理矢理襲ったりはしないけど…」

先ほどの視線の話と合わせて、彼女は…非常に好色な性質であることがわかるだろう。

フィル > 人よりは高い基礎身体能力、そして身体変化に、場合によっては持ちだせる魔道具各種。
守って逃げることに徹するなら、覚悟さえあれば、それなりに希望はあるのだろう。
少々仮定とは言えまじめ過ぎたかもしれないが、少年の性質というべきか。

「そうですけど…善意をもっての愛称とかは…。
それもまた嬉しい…と思いますから」

その相手を一人のヒトとして見ている証でもあるから。
そう考えていれば、善意から感じるままの呼び方や見方は。きにしないのだろう。
それでも、名を大事にしてくれる様子に一つ嬉しそうに尻尾を揺らしながら、香水の香りに、少し鼻を澄ませ。

「だから…悪意を持ってる人には…ばれない様にしてるんですけど…。
それ…ただの模様じゃなかったんですね…温度調整は便利だと思いますけど…。
…別に…軽蔑するものはなかったと、思いますよ…?」

一瞬舌がしびれることも覚悟してしまいそうな色である。
けれども、味はお肉と同じくとても染み渡る良い物であり。
野菜も程よく口の中でほろほろと崩れていくものであれば、少年の中ではお気に入りの隠れ家の一つに決定したことだろう。
そして、話されていく彼女の秘密に横やりも入れることはなく。
便利な面と、そしてそれを含めての性的な面を零していく様子をちゃんと最後まで聞いていけば、少年なりの感想を返すように、一度食べる手を止めたところでポツリと零すだろう。

「シュミーさんに誘われたら…喜ぶ人もいるでしょうし…それで、誰かを悪意をもって貶めたりしたわけでもないでしょうから…。
それに…そういうことが好き…っていうのは、個人の好みだと思いますし…。
僕にとっての第一印象は…迷ってた所を助けてくれて、良いお店に連れてきてくれたお姉さん…ですから。
僕みたいな姿の人まで…誘うの好き…っていうのはちょっとびっくりしましたけど…」

真面目に、それでいてお世辞でもなく思うままに向き合う様に、少年なりの誠意や秘密への真面目な答えなのだろう。
自らの姿のような相手まで誘うのを好む、という言葉にはドキリと少し心音が高鳴るのを感じたのも、間違いではなく。
それでも、前述のことによって軽蔑したかと言われれば、そんな感情は少年には湧いてこなかったようである。
血気盛んな攻め気質な相手であれば、確かにがっついたりしてたかもしれない。そんな色香があり服装も服装の彼女であるが。
あくまでも少年にとっては優しいお姉さんであり、その上で好色な性質もある人。となったようである。
もっとも、意識はしてしまうのか、彼女の顔を変わらず見つめながらも、少しもじもじしてる様子がうかがえるかだろうか。

シュミー > 「そう…?、じゃあ……元々短いけど…
フィー、とか呼んでも、怒ったりしないの…?」

それは、なんとも微妙な呼び名。
元々短い相手の名前だ。縮める意味はないかもしれないが
自分なりに、親愛を表現しようとしているようで。

「…ん。…まあ、喋って歩く狼さんなんて、何されるかわからないもんね…。ミレー族と違うなら、猶更…。
………そう?」

好事家は、珍しいものほど自分のモノにしたがる、と聞いたことがあり
それならば、ミレーでもない獣人は…眼を付けられることもあるのだろう。

続けて、自分の体質に関する感想を聞けば、にんまりと。

「…はあ、困ったなあ…、ここで少しはわたわたしてもらう予定だったのに…
とっても真面目で、誠実なんだね。君は。…羨ましいくらい。」

そんなことを言って、スープをまた一口。

「だって、…獣に近いなら、激しそうだし。気持ちよさそうって、そう思ってさ。
壊されちゃうのは怖いから…小さい相手が多いけどね。…ぴったり。
君が優しいっていう私は、そんな浅ましい欲に取り付かれてる人なのよ。」

相手を軽く指して、ふふ、と。
彼女が求める相手に、少年が嵌まった、ということのようだ。
自分を下げることで…むずがゆい、優しい人、という印象を変えようとするが、果たして。

「ね。……別に断ったからってどうこうしないし、普通の付き合いは続けていくけど…
どう…?、食べ終わったら、私の部屋に来ない…?」

少年の様子を見て…、断ってもいいように逃げ道を作りながら、露骨に誘う。
なんでもない、彼女にとっては日常の…誘いだけれど、少年はどう答えるか。

フィル > 「そういう愛称で呼ばれるのは初めてですけど…。
大丈夫ですよ…?」

短い名前であれば、あだ名と言っても呼び捨てで呼ばれることが多い少年である。
それでもその名前を使ってあだ名を付けようとする様子を見れば、少しだけ零れた笑みは自然なものだろう。
彼女がそう呼びたいのであれば、善意をもっての事だろうと、拒否することもなく。

「最悪…討伐されたりもありえますから…。
って…わたわたさせるつもり…だったんですか?
あまり茶化す様な事でも…無いと思いましたし…」

命を取られず、コレクションにされるならまだましな方かもしれない。
憲兵に討伐されて素材を確保。何てことにもされかねない可能性もあるのである。
そんな事を零しながら、不意に今までと違う笑みを零す様子に少年は首を傾げるが。
羨ましいと言われたことにも、どうしてかあまりわからなかったのだろう。
秘密だから真っ直ぐ、思うままに向き合って返す。少年からすれば彼女に対して真摯に向き合った結果だったわけである。

「実際…獣の本能の飲まれたら…そういう部分有ると思いますから…。
それに僕も…もう一つの雌の人格を考えたら…人の事言えないと思いますし…。
突き詰めたら…その…あの人綺麗だな。とかと思うのと根っこは変わらないと思いますし…。
実際にこうやって…良くしてくれましたから…」

うって変って卑下をする様な必要はないのではないのか、と零す少年は変わらず正面から向き合っているのだろう。
もう一つの自らの雌の部分の淫らさを思えば、更に強くそれが悪いとか浅ましいとは言えないのもあるようであり。
獣だからこそ、持っている本能も自覚していれば、尚更なのだろう。
少年の中から、優しい人、いいお姉さん、といった印象はそのくらいではやはり完全に消え去る様子はなく。
今のところはせいぜいエッチなことが好きな人、という印象が追加でついたくらいで収まっているのだろう。

「シュミーさん…それって…」

もう一つの良いお姉さんとはまた違う顔を持っているのは間違いないだろう。
それに興味があるかといえば、有るという少年の心もまた間違いではなく。
パクっと残っていたお肉の一つを口に放り込めば、広がっていく味がそのまま喉を通りこしていくまでを、自らの答えの期限にするように少年はしていき。

シュミー > 「じゃあ…フィーって呼ぶ、ね…。…君が討伐されるのは、嫌だなあ…秘密にする…。」

「そ。…そういうの、見るのも好きなんだけど…でも…」

早速愛称を使いながら。相手が討伐、という言葉をだせば、そういうこともあるのかと頷いて。
想像を振り払い…くす、と笑う。

もちろん、その愛称は嘲るつもりなど微塵もなく…狼の姿でも可愛らしい相手を愛でたい一心。

「きゅん、としちゃった…。だって、フィーの眼、とっても真っすぐで…
嘘なんてどこにもない。こんな街で珍しい、綺麗な眼と、言葉だったから…ふふ…」

真摯な気持ちは十分に言葉と視線に乗って彼女に届いており。
少し赤くなった顔をそのままに、言葉を続ける。

「やっぱり、そうなんだ…それは、楽しみ。
……うん、そういう、こと。」

と言って、興味がありそうな相手の反応に気を良くし…
いつのまにか少なくなったスープを、また一口飲んで…

フィル > 「一応…危なそうな人にはばれない様にしたり…逃げの一手は、取りますけどね…。
以外に…悪戯好きな方だったりも…します?」

実際に討伐されそうになったら、全力で逃げるのは間違いないだろう。
そういうのには特に役に立つ能力なのだから、尚更無闇に戦わず、というところである。
そんな風に返しながら、楽しそうに零しているのを見ていく少年であるが。
以外に悪戯っぽさを感じさせる部分が端端と見えていたのもあるだろう。
言葉にして零されれば、ある程度いたずらっ子気質があるのは、確信したようであり。

「だって…嘘をついても良いことないですし。
秘密っていうことなら…尚更だと思いますから。
自分の秘密教えるね、って話して…変に茶化されたらいやだと思いますし…」

だから、真面目に返す。それが少年らしさなのだろう。
ある意味、狼などはだます方向の絵本などで使われてたりもすることの多い動物である。
それ故に、少年という年齢とは言え狼が嘘をあまり使いたがらない、というのは真逆のような感覚はあるかもしれないものであり。

「うー…何か…うまくからかわれている気がします…」

何か手玉に取られているような気がする。
それは恐らく間違いではないだろう。
とはいえ、そういうやり取りで上手になれることは、少年にはまだまだ遠い道のりだろうか。
残りの食事を味わいながらも放り込んでいき。

シュミー > 「ん…気を付けてね。泣いちゃうよ?
うん。…こういう仕事してるとね、たまに…自分の言葉で動揺する人を、見たくなったりするの…」

冗談めかして言いながらも、心配は本物で。
元々の気質もあるだろうが…彼女はそれに加えて仕事上のストレスのようなものもあり。
綺麗なだけではなく、子供っぽいところもあるのだと示して。

「…まあ…私も…茶化されることは、フィーに限っては無いかな、って思って…
話したところもあるし…。…ありがと…」


おとぎ話とは違う、正直な狼。
その現実との乖離に、くすりと笑って。
この…人格が歪みやすい街で、こんなに素直な少年と出会えたことは、幸運だったと言えよう。

「んー…どうかなあ…、実は結構恥ずかしがってるかもしれないよ…?」

などと言いながら、シュミーの態度には変わりがない。
面白い反応を返してくれる少年に、飽きないなあ、と呟いて。

ぱくり、ぱくり。
見た目以外は、その辺のお店よりも落ち着く、食べやすい味の料理を食べていき…
やがて、その食事達は、二つの胃に収められていくだろう。

そうして、店を出れば…また手を繋いで、歩いていこう…。

フィル > 「あまり知り合った人に泣かれるのは…嫌なので気を付けます…。
でも、大人でも…悪戯好きな人…何人か見たことあるから…何かわかる気もします」

自分の事で悲しく泣かれるのは、やはり気持ちが落ち着かないものである。
だからこそ、心配されている場合は尚更、その心配ごとに巻き込まれない様に心がけているのだろう。
それに、大人な人なのに悪戯好きな人は、多少なりとも、この町では見知ったことが少年はあり。
そう思えば、逆にそれは親しみやすい物だと、前向きな意味でとっているようでもあり。

「そこまで…信用されてると…むず痒い所もありますけど…ね」

まだまだ子供、知らないこともいっぱいあれば、立派な人もいっぱいる。
そう思っているからこそ、そこまでの信用を向けられれば、まだ慣れない感覚もあるのだろう。
それがむず痒さとして感じられているというのは、気恥ずかしさにも近いようであり。

「…平然とした様子で言われると…僕だと…見抜けないきがするんです…」

ポーカーフェイスというべきか。
表情を変えることなく、感情はどうあれ言葉を零すのが上手そうな彼女である。
彼女のからかっているような状態の、表情からの感情の変化を見抜くというのはまだまだ無理なのだろう。
とはいえ、どこか、楽しむようにからかわれているような感覚は感じているようではあり。

丁度美味しく食べ切れれば、そのまま手をつないでひかれるままに。
夜の散歩、といった風情で街を歩いて行っただろうか―

ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」からシュミーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」からフィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」にピングさんが現れました。
ピング > 相変わらず閑古鳥の無く某所にある雑貨屋。
時折思い出したように罠めいた品揃えを致す日が、本日。

「試供品」とタグをつけた一欠片ずつの小さなチョコと温かなお茶を保温瓶に詰め込みカウンターの上に設置。
次いで、貼り紙を店内にある男女共用の方のトイレの扉へ取り貼り付ける。

「故障中の為使用できません」の文字と共にノブには針金を巻き付ける徹底っぷり。
試供品は媚薬と利尿剤の入ったチョコとお茶――つまりは碌でもない準備は万端に。
最後の仕上げとばかりに、トイレに行く場合は一択となる一室――男用、とでかでかと表示されている――へと足を踏み入れ。

その室内には便器の類は無く、壁の下の床に沿って排水用の溝が掘ってあるという簡素極まるトイレ風景。
しかも男子のみを想定している為か、仕切りの類は一切なく、並んで致せば隣の排泄事情が丸見えの状態だった。
芳香剤の代わりとでも言うように、たっぷりと焚かれた甘ったるい匂いのするお香は思考を緩くさせる効果を持つという念の入りようで。

ピング > そのままのんびりとした時間が過ぎていく。
客の入りはさて、どの程度になったかは。
日々の状況からまぁお察しという所で―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」からピングさんが去りました。