2019/07/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 一日の始まりは――あるいは終わりも、栄養補給が第一である。
通常より遥かに大きな大男である、が。
それにしても何時も通り、すさまじい量の食事を食べ――貪っていた。
夕刻の酒場、そう客も多くないのにウェイトレスが忙しく走り回っているのは、この男のせいだった。

「ん、ぐが、…ふ、次ぎ。これと、…こっからココまでの。
 ああ、そう、羊肉の香草焼きは大盛りで頼む、おう。」

片手に骨付き鶏肉のグリル持ちつつ、メニュー表を指さしていた。
机の上にはすでに残骸めいた空の皿と、まだまだ大量の料理たち。
スープに肉に、いくらかのサラダ。
普通なら何人分かってほどの量だったけど、更に男は頼んで。
しかして胃の中にあっさりと収めつつあったのだった。

イグナス > さて、結局どれだけ食べたのか。まだまだ終わりそうにないのだった――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「あぁ、やれやれ」

平民地区の大通りで、男がため息を吐き、体を伸ばす。
連日の仕事によって体も心もクタクタのヘトヘトだ。
冒険者稼業は収入が安定しないため、稼げる時に稼いでおかないとすぐに飢えることになる。
故に、男はここ数日仕事に力を入れたわけだが。

「ようやっとのオフだ。
 今日は羽を伸ばすぞー!」

よっしゃー、とばかりに両手を挙げ、ここからどうするかを考え始める男。
懐は十分暖かい。なんなら、ちょっとした、どころではない贅沢もできる。
……と、なると。逆にどこに行くか悩んでしまうのが人間、というやつである。

「酒、女、メシ、装備の新調。なんでもこいだな」

ニヤニヤと笑いながら大通りで思案開始する男。
傍から見たら……随分変態っぽいかもしれない。

セイン=ディバン > 男は、鼻歌交じりに通りを歩いていった……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 「ふふ。お腹いっぱいー……!」

平民区の夜更け。繁華街の酒場では、ジョッキを片手に酔いどれ冒険者が机に折り重なるように突っ伏す頃だ。
1人の小さな人影が王都に流れる大きな川を渡る橋へ差し掛かった。
曲刀を腰に差し、ショートブーツの踵は土で薄汚れ、満足げに薄いお腹に触れる様子は依頼を終えて酒場で食事を済ませた帰路といった風体。

「あとは宿に戻って寛ぐだけ、だけど……。
――今日はもう少し夜風にあたりたい気分、かな」

馬車2台が余裕ですれ違う事ができ、さらに歩道も整備された石畳の橋の中程まで進む。橋の欄干に両肘を置いてもたれかかると、視界の先に未だに明かりがちらほら灯る平民区の夜の風景。
昼の熱気が落ち着き、涼しげな夜風に短い前髪を揺らし。
橋に沿って等間隔で並ぶ街灯の明かりの元でぼんやりとしている。

タピオカ > 耳を澄ませば、どこか遠くからよっぱらいの歌声が聞こえる。
そしてたまに、自分の背中を通りかかる馬車の車軸がきしむ音。
心穏やかな夜の虫の音色。
優しく自分の立っている欄干を照らす魔法の街灯。
川は暗く沈んでいるのに、両側に立ち並ぶ酒場の明かりをきらきらと反射していた。

故郷の高原から降りて街に来て初めて過ごす夜、この王都の夜の光景に心奪われ、飽きることなく眺め続けた事を覚えている。いくらか都会になじんだ今も、やっぱり同じぐらいに見惚れてしまうものらしい。

そんな小さな、ささいな発見に自分ひとりで感心めいた感情を浮かばせると欄干から離れて。ねぐらにしている安宿へと足元軽く歩いていき――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。