2019/07/07 のログ
スバル > 「……やるしか、ないよね。」

 強くなりたいと願った。
 強くなりたいと頼った。

 そして、師匠となる人に提示されたメニューは強くなるために必要なもの。
 騙したりとか、そういったことは決してない事である。
 という事であればそれはしなければ、強くなれないという事である。
 とても、とても、遠い道のりで、思わず目を閉じてしまいたくもなる。

 ため息が零れ、それでも、やめる気も、止まる気も、起きない。
 誓いをたてたのだから。

 少年は、そのまま、家に向かい、歩いていくのだった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスバルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 王都の平民区、よく晴れた日。
露天の朝市は朝から賑わっていた。日が昇る前のひんやりとした空気が心地よくて。安宿から顔を出したばかりの遊牧民は目を細めて背を伸ばし。

「フルーツに……、お野菜に。あっ、スタンドでスープも売ってる!
朝ごはん、何か食べていこうかなー」

簡素な屋台と日よけの垂れ幕の下、早朝に届けられたばかりの新鮮な果物が色とりどりと並び。手を広げて客を呼び込む声も威勢がいい。
朝の散歩とばかり出かけた足で、ナニか口にしようかとのんびり店を見て回り。朝の露天広場の賑わいの中、短い銀髪を揺らして歩いている。

タピオカ > 食材が多いと目移りしてしまう。
気のむくままに買い求めた朝ごはんは以下の通り。
大麦のオートミールにバナナを練り込んで焼き上げたクッキー。
キャベツとカブ、玉ねぎを煮込んだコンソメスープ。
焼き立てパンケーキ生地に角切りリンゴとパイナップルが入ったフルーツケーキ。
魔法でキンキンに冷やされたはちみつレモンドリンク。

硬貨を支払い、白い歯を浮かせて渡してくれる店番のお兄さんお姉さん達に笑顔でお礼を言って。
贅沢な食べ歩きの朝を堪能していく。
栄養も甘味もめいっぱい補給をしたら、すでに引き受けている明日のギルド依頼に備えて身体を解しておこうと
曲刀を振り回せる王都郊外を目指して。賑わう朝市の中を小さな人影が通り過ぎ――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 エステ店「オブシーン」」にモールドさんが現れました。
モールド > 平民地区と富裕地区の境目に居を構える、エステ店「オブシーン」。
清潔感が見て取れる店構えと、利用者の声、そしてその値段設定から平民、貴族を問わずに評判の良い店だ。

その実態は、優良店とは間違っても言い難いものであるけれど。
今日もまた、愛しの恋人や旦那の為、または自身の美を磨く為にとその身を嬲られる客が一人。
淫らで変態的な施術を受け、それでも認識上は「素晴らしいサービス」を受けて満足そうに店を後にする。
その胎には雄の種がたっぷりと仕込まれ、つい先ほどまでその証を魔導具に晒して記録していた事を知るのは今、店の主ただ一人だ。

店に一歩足を踏み入れれば、設置された魔導具の効果で認識に影響を受けてしまう。
エステの効果を宣伝するように店内へと飾られたパネル一つをとっても、それは美貌を喧伝するものではなく。
素肌を晒し、卑猥な落書きを施されて玩具を銜え込む姿であったり。
男のペニスを美味そうにしゃぶり、恍惚とした表情を浮かべているものであったり。
更には犬の様に首輪とリードをつけられて、屈辱的なポーズを取らされながらも矢張り蕩けた表情を浮かべるものであったりと様々だ。

女の、否、牝の美しさを象徴するという意味ではそれは一部で納得できる写真の数々であるかもしれない。
けれども、此処は表面上は普通のエステ。誰もが、それを見た途端に逃げ帰るだろう
――それも魔導具の効果で「ちょっと過激だが魅力的なスタイルを見せる女性」とでも変換されるのだろうが。

さて。今日は後一件、予約があるがそれまでにはまだ時間がある。
獲物となる客が来るか、それとも予約の時間まで暇を過ごすこととなるか。
のんびりと受付を続けながら、次なる客をどう料理しようかと、にやけているのであった。

モールド > やがて、予約の客が訪れる時間となった。
今日の予約は、上の貴族から特に念入りにと言い含められている客だ。

貴族か、それとも王族か。
仔細は聞いていないが、きっと見目に麗しい人物であるのだろう。

嗚呼、そんな人物が淫らな姿を晒す様が、今から楽しみだ。

今日もこうして、餌食になる客が、増えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 エステ店「オブシーン」」からモールドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 平民地区の一角、少し入り組んだ場所にある図書館。
あまり大きな図書館ではなくて、古びていて、並ぶ本もどこか今風ではない。
司書が一人黙々とカウンターに向かう、そんな場所だ。

―――その図書館の奥で、人気のないそこで、ページをめくる音がした。
ぱら、ぱら、ぱらぱらぱら。読み飛ばすように素早く。
かと思えばひたりと止まり、しばらくページを眺め続ける。
読書用のスペースはしかして、採光窓は小さくて薄暗い。
小さな椅子と机。それには収まりきらない体躯は床に座らせ、本も周りに積み重ねていた。

「ふ、……ぁ。」

中心の男が欠伸を一つ。大量に積まれた本に、今しがた読んだばかりの本を乗せる。
と、バランスを崩した本の山が、くずれた。どが、がしゃん。
およそ図書館には似つかわしくない、音。

「お、…おおぉ………。」

思わずやっちまったとばかりに、大男も周囲に視線を回した。
幸い今のところ、人の気配はあんまりないが。

イグナス > ええい、ぼさっともしていられない。腹をくくって、片付けをば。
大量の本の残骸が片付いたのは、もう少し後の時間だ――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。