2019/06/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区・路地」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 / 庶民居酒屋」にミユさんが現れました。
■ミユ > 「んっ、しょっと…」
トコトコと店の中から現れたのは白髪猫耳尻尾のミレー族。今日も立てられるオープンの看板。
オープンしてまだ間もない居酒屋。そんなお店の雇われ店主。
今日は誰が来るか楽しみにおもいながら、店を見渡す店主。
テーブル席2席、カウンター席4席といった、お世辞にも広いとは言えない店内。
まだ接客業に慣れてないミユには丁度良いサイズとも言える。
カウンターの後ろには一級品のワインからエールの樽まで所狭しと並べられている。
たいていのお酒はここで呑めるんじゃないかと思わる種類の量。
そして、閉店前には殆どお酒が無くなっていても、夕方の開店には全て揃ってる、
そんな奇妙なお店でもあった。
2階より上はミユの雇い主が管理する連れ込み宿。内装が綺麗とあってか人気の宿である。
この居酒屋からも2階繋がる階段がある。
ミユは店の中に入り、手早く来客準備をしながら、来店客を待つのであった…
ご案内:「王都マグメール 平民地区 / 庶民居酒屋」にヒルデガルトさんが現れました。
■ヒルデガルト > 平民地区にガラガラと馬がひく馬車が音を立てて止まった。
貴族が乗るような地味でいて豪華でもないそんな造りの馬車だ。ぎしぎしと音を立てて降り立ったのは角を持つ女。
少し二三小言を御者と交わしてから 女はつかつかと靴音を鳴らしてとある店へと入るのだった。
「ごきげんよう、お店は営業為されておられますか?」
流暢な王国語を使う角持ちの貴族の様な洋装に身を包んだ女は、中にいた店主へと声をかけて、
店は営業をしているのかどうかを窺うかのような口を開く。
視るかに貴族の様な格好をしたのが従者も伴わずに一人で平民地区の
庶民居酒屋に入ってくるという非日常的な事をやらかした感がある女は、店内をざっくり見通して。
「初めて来てしまいましたが、このような造りなのでしょうか?」
あまりよくわかっていなさそうだったり。
■ミユ > 「うん?」
店の外になにやら馬車の様なモノが止まったような…そんな気がして…
ミユはカウンターから出て外を見渡すも、目の前に停まってるのを見て…
「わっ!?」
ミユはこの平民地区でも滅多にお目にかからない馬車を見てびっくり目を丸々と見開いて…
その馬車から降りてきたのは…確かに女性のシルエット…
ミユは此方に近寄ってくるのを見て慌てて、カウンターに戻ってしまう…
入ってきたのは…ん?鬼の女性?えーと…前にも同じような人に…
あ、そうそう…等と嗜好を巡らせて考えこむも、目の前の女性の言葉に
「あっ、えっと…オープンしています…ここはちょっと狭いですけど…庶民向けのお店です…」
女性の声に背中を押される様にカウンターから出てくると、女性の目の前まで駆けつける…
「えっと…まず…カウンター席にでも…お座りくださいませ…」
…と着席を促す…
■ヒルデガルト > 家紋とか全く何も刻まれていない馬車が店の前に鎮座していても邪魔なので、
程無くしてその店の前に鎮座していた馬車はぎしぎしと音を立てて走り去っていった。
残ったのは店に入ってきちゃった角持ちの女。貴族の様な風格はあると思うが、何故か使用人の様な空気さえ持っている。
「我が身を捧げ持つご主人様より命じられましたので、庶民の事を学んで来いと。」
特に理由は御座いませんが、とやってきちゃった感じが滲む女は少し見降ろして、
カウンター席にと勧められたのもあり、そちらへと着席をすとんと。
客として入ってきたのもあるので、いきなりカーテシーはしなかった!
「何が飲む事ができ、何を平民は食すのか、と感じ取れれば課題はクリアとなりまして」
命じられたままにやって来たらしい。
■ミユ > まさしく、上流貴族様…?でもちょっと違うような…
ミユは訝しげに少し戸惑うも、鬼の女性の声に…
「はぅ…やはり、上流貴族様なのですねぇ…この店に何故かもう2人目で…びっくりしております…」
もう背筋も猫耳も尻尾もピンと立てて、冷や汗垂らしながら、状況説明をするミユ…
流暢に話す王国の言葉もまたその女性の品格を表している…
「そ…そうなのですか… 庶民の飲み物がお口にあいますかどうか…」
冷や汗たらしながら、焦るように云うミユ…
そのクリア条件は少し厳しいかもしれません。と一言添えて…
「でしたら、この王国の庶民的お酒を嗜まれてはいかがでしょうか?」
と、やはりまだ冷や汗でもうミユは少し顔面蒼白になりつつも話す…
(おーい、雇い主はどれだけ人脈もってるんだー!)
と…心の中で叫びつつ…
■ヒルデガルト > 「魔族の国の貴族なのですが、此方ではあからさまに名乗ると問題が生じます。色々と目立つと問題になります」
(二人目なんですか左様ですか。初めてじゃないんですね…)
等と思いながらも、言葉遣いと振舞い方は庶民のそれとは一線を越えた何かを持つ。
さらりと僅かに動くだけで何かの香水の香りが漂い、髪の一房が前に垂れればそれを後ろへと流す仕草もさり気なく。
「玄人的なものから普通の食事まで好き嫌いはないと思いますが、
ああ、私の口調は普段からこんな調子なのでお気になさいません様。
酒ですか、酒には私の領土でも造っておりますよ…ご主人様を唸らせる最高品質の酒を。
参考にする為に では酒を注文しましょう、お勧めをお願いします」
素で口調に淀みなし、すらすらと言葉巧みに言いつつも、店主お勧めのものを、と注文をしていく。
彼女が何を思って居るのかは読めないので 何故焦っているのか時折ミレー族の店主を見つめている。
■ミユ > 「あっ…はい…分かりました…私はミユっていいます…見ての通り…私はだたの庶民の使用人…つまりのところ、奴隷的な身分でありまして……」
と…自己紹介をしている最中に恥ずかしさに言葉が先細りしてしまうミユ…
ミユは鬼の女性の仕草にしばしの間見とれてしまう…
微かに香る香水の香り…それだけでも素晴らしいが…動きが洗練されていて…ミユにはとても魅力的に感じた…
「は…はい…解りました…では…庶民が愛するお酒と共に愛される食べ物を…」
と…木のジョッキの中でも綺麗なジョッキを選び…この店で一番飲まれているエールを注ぐ…
手に持った包丁で切られるのは2切れのパン…
パンを同じ木でできたお皿に乗せると、ミユは震えた手で、鬼の女性の前に差し出す…
「ど…どうぞ…お召し上りくださいませ…」
ど緊張状態の奴隷階級のミユに清楚で身なりのいい貴族の鬼の女性…アンマッチにも程があるというもの…
■ヒルデガルト > 「あからさまな家名は伏せますね、わたくしの名は ヒルデガルト。ヒルデとお呼び頂ければ幸いです。
爵位としましては辺境伯でしょうか、此方の国では名乗ってもいいのかどうか、です。
といいますのも、表沙汰では王国と魔族の国は敵対しておりますので。
奴隷…こちらにも奴隷制度が。」
ああ、矢張り、と小さく息を吐く仕草を、伏せ気味になった瞳を下へと落とし、
此方にも奴隷制度というのがあるのですね、と気落ちしたかのような動作を。
注文をして 酒の他につまみだろうか、パンが二切。それぞれ置かれると、それらを前に何かを祈る仕草をしてから
ジョッキを持ちなんとなく ちびちびと飲み始める…!動作そのものは鮮麗されているがスピード自体は鈍かった!
「いただきます。」
「王都ではひっそりと身分関係なく酒を販売しておりますので、
何かの機会にぜひ お買い求めくださいね? とある商会に卸しております。…こちらに」
そっと店主の前にそっと置いたのは とある商会というかとある一家のお屋敷住所が書かれた紙切れ。見覚えはある筈。
■ミユ > 「あ、はい、では…ヒルデ様…お上の方では色々と争い事などがございますか…ミユは毎日…生きるだけでも必死です…こちらにも奴隷制度があります…ほぼ皆私の様な容姿をして…ミレー族といいます…」
ミユは自分が奴隷に至った経緯なども話す…ミユは話しながらも…良くない思い出話に少し表情を曇らせてしまう…
ミユはその洗練された動きに見とれて…言葉もなくすも…鬼の女性がエールに口を付けるあたりで、ミユもゴクッと喉を鳴らしてしまう…もし、マズイっていわれたらどうしようなんて頭で考えて…それで焦るミユ…
「身分関係なく、お酒の販売ですか…すごいです…高級酒を仕入れに行く時には是非…!」
ミユは思わずカウンターから身を乗り出してしまう…慌てて躰を引っ込めて…更に冷や汗を垂らす…
ミユは置かれた紙切れをそっと手に持って内容を確認する…
「…!」
そこには、最近知り合った鬼の女性の住所と今通いメイドさせていただいている住所と一致した…
「あ…ここは!」
ミユはハッとした…前の上流階級の方も鬼の女性…符号が一致してしまった…
「もしかして、刀鬼 紫沙希様のお知り合いで!?」
またも、思わずカウンターから身を乗り出してしまうミユ…大きく目を見開いて…
■ヒルデガルト > 「呼び方はご自由に。恙無きよう日々を如何に平穏に過ごすかを思案して居る所で御座います。
ミレー族は…お顔がお辛そうなご様子ですので この手の話題はやめましょう。」
途中までは聞いていたかもしれないが、彼女の辛そうな顔と消えゆく声に
話題を変えましょうかという気持ちを込めて 一先ずやめましょうと。
「今しがた飲みましたお酒の味は美味しいと褒めておきます。
この手のエールは制作に手間暇がかかりますので難しいのです。
身分関係なくですので 紹介制度とか必要ありません。一見さんとか全くありませんのでご安心くださいませ」
エールは味が安定しないのですよね、と専門で作っている得意な酒は穀物から作る米酒が大半で残りは梅とエールが少々。
身を乗り出してくる店主の様子に 瞬きをして少し驚いてしまったがすぐに平穏になる。
「はい、私の親愛なるご主人様で御座いますが。マスターの秘書をしております。
秘書としては通いにしても常駐にしてもメイドの人となりを確かめなくては。
二つ目の目的は 貴女様です。」
上流貴族が秘書をしている。真の目的は通いメイドをしている店主の人となりを見にやってきた。
動作は遅いが 時折パンをちぎって食べたり エールを飲んでいたりと確実に食べきるまでもうすぐ。
■ミユ > 「そうですね…やめさせていただきます…」
ちょっと心が沈んでいたのを柔らかく包み込んでくれた感じがして…ミユは正直に嬉しかった…
「あ、ありがとうございます…」
ミユはホッと胸をなでおろし…ミユはエールの制作工程などまるで知らなかったので、素直に頷いておく…
ふんふん…と唸ってはいるが…からっきし頭に入ってこない単語が沢山…
「…えっ…!お知り合いってじゃなくて…秘書の方でしたか…ご無礼をお許し下さい…」
…あれ?今、私が目的みたいな…
「あっ…えっ…私が…目的ですか…!?」
思わず身を竦ませて…頭の中は大混乱…でも…ミユもメイドをこなしてきた日々は自負しているつもりでいた…そう、ミユがヒルデ様の一通りの言葉を聴き終えると…
「はい…ミユがメイドに相応しいか…見極めてください…」
俯き加減で上目使いでヒルデ様を見つめると、はっきりとした言葉使いでそう言った…
■ヒルデガルト > 「本日は酒カタログ的な書類を一切所持しておりませんので、
どれがお勧めとか全く助言する事すら叶いませんが、試飲含めて。」
表情が余り変化はない、言葉遣いは丁寧至極、今日は目的のみでやってきてしまったのでカタログを持ってきませんでしたと告げ。
エールのつくり方レクチャーは一家の秘書室に置いてきた、矢張り色々とない。
「秘書ですが、使用人と大して変わり映えは御座いませんので、
同じ使用人としては立場は似ておりましょう? 同じ場所で働く
同僚としてその人となりを感じるのは至極自然な事では?
本日はご挨拶のみとさせて頂きますね。また折を見て ゆっくりと語らいましょう。」
それではごきげんよう、とことッと置いたのはメニュー表にあった通りの食事代。数枚の硬貨なのだが、
「お釣りは不要です、お小遣い代わりと言いますか心持です。では。」
またの機会に、と席を立ちながら カウンター越しに耳元に囁く声。
すっと離れると カーテシー…片方のドレスの裾を持ち上げ 片足を下げ膝を曲げるあの淑女の礼儀作法をし、
颯爽と店を後にしていきました。程無くして 馬車に乗ったのか小気味いい音を鳴らしながら 馬車も去っていきました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 / 庶民居酒屋」からヒルデガルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 / 庶民居酒屋」からミユさんが去りました。