2019/05/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシノさんが現れました。
■シノ > 王都マグメールの平民地区、店並ぶ大通り。
その店の一つから、少女は姿を現わした。
普段は邸宅でのデスクワークを行っている訳だが、時に、こうして出向く事もある。
ちなみに、出て来た店は雑貨店。
そこにいくつかの商品を納入し、それを終えて出てきたのだ。
ちなみに納品物は主に綿織物、それにより織られた衣類等。
これらは防火、防刃、防腐、他様々な特性を持つ為、結構重宝されていた。
品数がそう多くない故の希少性も、それに拍車を掛けているとか。
「出歩くのも久々ですわね~。
せっかくですし、少々見て回るのも悪くは無いかしら~?」
のんびりとした口調で呟きながら、少女は大通りへ。
口調に合わせたような、ゆったりとした歩調で、帰路ついでのウインドショッピングを。
■シノ > ひらひらと、ドレスの裾を揺らめかせ、少女は歩く。
時折、ぴたりと足を止めては、窓越しに店の商品を眺めたりもしている。
時に首を傾げ、時に頷き、時に顎に指を当てて考える仕草。
その眺める商品も、これと言ったものを選ばず、色んなもの。
好奇心旺盛な少女が、物珍しげに巡っている、そんな風に見えるかもしれない。
「ん~………なるほどなるほどぉ、居間に置いたら、栄えそうですわね~?
これなんかも、あの子が喜びそうですわ~♪」
ぽんっ、と手を合わせ、笑顔で言葉を続ける。
その様子は、見た目とても楽しそうに見えるか。
しかし、購入には到らず、そのまま次に足を止める店の前まで歩いて行く。
買わずとも、そんな想像だけで満足している、とも取れる感じだ。
■シノ > 「さぁて、と…うふふふ、これで終わりですの~♪」
再び足を止めれば、またも窓越しに商品を眺め出す少女。
何度もそうしてはいるも、正しき目的、それは少女の足元に秘密がある。
地面から、かさこそと、誰の目にも留まらぬような存在が、そこから移動する。
それは、子蜘蛛。
子蜘蛛は、そのまま店の隙間へと近付き、するりと入り込んでいった。
それとは入れ替わりに、別の子蜘蛛が、そこから現れる。
逆に、その子蜘蛛は少女の足元へとやって来れば、足を伝い、ドレスの中に消えて行った。
「ご苦労様ですわ~。
それでは、そろそろ戻って、皆のお食事にしましょうね~」
くるん、と振り返れば、笑顔のまま、その店も離れる。
周囲からは、誰に言っているのかも分からぬ、そんな言葉を囁きながら。
そこからは、寄り道なしで、己の邸宅へと帰って行く。
そして邸宅へと姿を消す、その直前、一度だけ遠目にどこかを見遣って。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシノさんが去りました。