2019/04/30 のログ
■セレーネ > 「も、文句だなんてとんでもありません…ただ…」
自分の行っていることに一切の間違いは無いそう信じきっているような躊躇いも後ろめたさも感じさせない振る舞い。
この風貌と地位と相まれば確かに大抵の市民は圧に飲まれてしまうだろう、女自身も頬に一筋の汗を垂らして言葉を詰まらせる。
「いえ、その……ですから、何もこのような形で見世物にしなくても、他にも余興なら広場等で行われておりますし…」
ましてやヘリル公爵は自らや夫のビジネスにおいても金銭的に大きな影響力を持ってるこの国の経済の一端を司るような存在だ。
荒事になるのも、その公爵を怒らせるような事も避けたい、それ故に嗜める為の強い言葉を使えずにいた。
■キュリオ > 聞く耳も持たぬまま、視線はテーブルの上の看板娘へと向けている。
調子に乗った残る客も、残りの回数を囃し立てている始末。
――しかして結局、女はノルマを達成することは無かった。
気をやり、盛大な絶頂の姿を見せつけてそのままへたりとテーブルの上にて崩れる事となる。
それを見て、興が削がれたとばかりに舌打ちをすると、席を立ち。メイドへと目配せをすると踵を返し店の出口へと足を進めた。
「まったく、だらしのない事だ。
おい、店主!気が向いたらまた視察に来てやる。
確りとその娘を鍛えておけよ!」
無茶と無体を働いた上に、この台詞。
諫めようとしていた冒険者にも一瞥をくれる事無く、この空気を作り上げた元凶はそのまま店を去っていく。
後に残された客たちは、どこか居心地が悪そうにしながらも支払いを済ませ逃げる様にその場を去り。
――この国の、有り触れた光景の一幕は、こうして今宵幕をを閉じるのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキュリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセレーネさんが去りました。