2019/04/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソウレンさんが現れました。
ソウレン > 「…うむ。まぁこんなものだろう。」

そう言って、勝手口の軒先にぶら下げたものを見ながら一つ頷く。
手製の籐籠。その中身はワタなどを出し、塩水に漬けた魚。
きちんと編まれており、吊り下げる形にしたので猫などにも強いはず。

「素直に言えばやる分にはやぶさかではないのだがなぁ。」

ぼそり、と呟く。
野良に好かれるようになったはいいが、干物の作製にも少し気を使わなければならないのが困った所だ。

店内は今日も開店休業中。のんびりとした作業日和だ。
この手作りの味を求めて来店する客もいる。
忙しくなれば時間もとれなくなる。
なかなかに時間と稼ぎの割合の難しい所だな、とソウレンは一つ苦笑いを零した。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルタゥ・ノノさんが現れました。
アルタゥ・ノノ > にゃんにゃんにゃん。てふてふてふと白くてモフモフの猫がどこからかお店の近くに姿を現した。
白い猫の背には風呂敷堤…大きさ的に何か物が包まさっているモノであり、猫で背負える大きさを超えている。

程無くしてその猫は ぽふんと小さな煙を立てて猫ではなく猫耳と猫尻尾を生やした少女になった。

背に背負っていた風呂敷堤はそのままに、尻尾をゆらんゆらんと動かして、ソウレンがいるであろう店へと動く。

(というか店先にいませんか??)

空間把握完了 座標確認 既に店先でなくても開店して居れば、店の中に入るなり、ソウレンの前へと進みたい。

「お邪魔をします…??? えとですね、使いです お時間宜しいでしょうか?」

ソウレン > からり、という音。
来客か、と勝手口から店内に入っていく。
ものの数秒でカウンターの中に姿を現すだろう。

「いらっしゃい。可愛らしい使いだね。見ての通り、暇をしているよ。」

じっと青い瞳が猫耳の少女を見つめる。
ミレーか、と思ったがどうも違うようだ。
まぁ、この店は差別などに縁は無い。ミレーだろうが貴族だろうが粗相をしない客なら歓迎である。

「そっちのテーブルに座るといい。荷も下ろして構わないよ。」

荷物があるならカウンターよりはテーブルだろう、と席を示した。
ついでに薬缶に水を張って炉にかけておく。
それから、調理場からゆっくりと少女の元へとやってきた。

アルタゥ・ノノ > ここ最近 猫認定されてしまったミレー族ですらない吸血鬼の少女。
吸血鬼の雰囲気をぶち壊している猫耳と猫尻尾と総じて猫みたいな仕草を持って動いてる。

アルビノなのか白銀髪と赤い瞳(ハイライトがなさそう)をソウレンへと向けるが、
その視線は果たしてまともに向いて居るかどうか、漠然とした声の方へと向けているので自信はない。
視線が交わったかもしれないが こちらは色なしの光景を視ているだけで。
背負っていた風呂敷堤をそっと下ろし包みを解いて 一本の瓶をそっと差し出そう。

「老舗造り酒造陸文洞より杜氏アッシェから娘を介して友に送りし贈呈品で御座います。
 中身は「姫鶴左門 極楽秘蔵」だそうですが、御笑収下さいます様」

テーブルを勧められたので そちらの席へと酒瓶と共に移動。
着席、ごとっと中身入りの封印済酒瓶はテーブルの上へ。風呂敷はササッと畳んで懐へ。

「母からはよくお世話になっているから失礼のない様にと言われております。龍ではなく辰だとか」

猫耳がぴぴっと動く。薬缶を置いた音 炉にかけた音に反応する模様。

ソウレン > 対照的な赤い瞳がこちらを見ている。
見ているのだが、見ていないような。そんな雰囲気。
視力がない、という割には正確に位置を捉えているし少し変わっているな、と感じた。
まぁ、会話ができて応対に労がないのなら然して気を使う必要もないだろう。

解かれた荷を見て、ほう、と少し感心すると共に若干の苦笑を浮かべた。
包みに入った瓶を手に取り、しげしげと眺める。

「アッシェ殿も気を使われるな。
わかった。受け取らないのも失礼だろう。大事に飲ませてもらうよ。」

ありがとう、と酒瓶を少女に掲げて見せると、しゅんしゅんと沸き始めた音を聞いて仕舞うついでにと調理場へとまた入っていく。
薬缶から急須に湯を注ぎ、湯呑に二つ緑茶を淹れる。
片方はほんのりと自分の力で温度を下げて飲みやすいようにしておく…猫舌かはわからないが。

「あぁ。そういう『モノ』だよ。でも、龍や辰と言ってそれほど肩ひじ張らなくても構わない。
親というのは子供が他人に失礼をしないようにと諭すモノだからね。ほら、飲んでいくといい。
…お腹は空いていないかな?」

少女の前に冷ました方の湯呑をことりと置く。
お腹が空いているなら手間賃として料理もふるまうが。さて、と可愛らしい様子の耳をじーっと見つつ様子を伺う。

アルタゥ・ノノ > 青と赤が交わっている…筈。
全盲に特殊スキルを駆使しまくって補強し動いているような状態。
単体で複雑構造体の王都を動きここまでやってくる辺り、能力に問題は無し。
その為には一応半月間だけ 護衛を連れて王都徘徊をやり把握する必要があった。
それ以外に猫になれるのだから にゃふにゃふどきどきわんぱくだいぼうけんなる事をしておいた。

酒瓶をどーぞどーぞと差し出してしまえばおつかい完了。
一旦戻っていく姿を見送り戻ってきたのなら 茶の香りに すんすんと匂いを嗅ぐ仕草…この辺猫の様。
ことりと置かれた湯呑、猫耳がぴことそちらへと向く。…猫舌じゃない、筈。

「定期的に誰かしらがお使いと称してくるかもしれませんが、何卒。
 申し遅れましたが わたくし 猫…ではなく、アッシェの四女にして
 アルタゥ・ノノと申します。以後良しなに。

 …いただきます。お腹は少しばかり空きました。」

余り多くは食べられませんが、と湯呑をそっと手に取るさまは見えていないのに自然な振る舞い。
そっとおっかな…ふぅふぅと吹いてからずずっと音を立てて飲む。
猫舌ではなかったが 耳がまたぴこんと揺れる。尻尾は時折ゆらゆら揺れてる。

もうなんか人型になった猫 それ。

ソウレン > 調理場内に入っていけば、少し低い位置に酒瓶を大事にしまっておく。
余り高い位置だと万が一という事もある。2階の部屋に置きたいのでこれは一時しのぎだ。

「わかった。それでは少し支度をしよう。」

少し空いた、という事であれば軽く用意をする事にしよう。
あまり熱いものは控えておこうか、と調理場の中で考えつつ、食材の在庫と相談する。

よし、と一つ頷くと魚の切り身を取り出す。
今が旬の魚。なのだがこちらではあまり使われていなかったので格安で手に入れた。
サワラという魚を酢で締めたもの。ほんのりと酢が香るかもしれない。
適度なサイズにカットし、手拭で覆ってある酢飯の桶を持ってくる。

「アッシェ殿にはそれほど気は使わなくて構わないよ、と伝えておいてくれ。
そのうちに呑みに来てくれれば腕によりをかけよう、とも。

アルタゥ。少し変わった響きだが、可愛らしいな。
私はソウレンという。覚えておいてくれるかな。」

名前は聞いているかもしれないな、と考えながら。
調理器具のうち、木枠を取り出して軽く濡らして魚を入れる。
酢飯にゴマ、大葉を刻んだものを少量混ぜ込んで、枠の中へ。
木枠の中できゅっと押して、枠を外せば押し寿司の完成。
まな板の上で一口サイズにカットして、皿に盛る。

「ほらできたぞ。鰆の押し寿司だ。」

調理場から出てきて、少女の前に皿を置く。
綺麗に斜めに並べられた四角いお寿司。5貫盛りである。

アルタゥ・ノノ > 酒の事について徐々に仕込みから関わり合いを始めている。
まだ次期杜氏というか蔵人見習い的な立場の猫。彼女が調理場にいる間は
もう一寸小ぶりの酒瓶でも作ってみようかしらと思ってみる。

そう うっかり落としても壊れないような酒瓶を作ってみたい。
今の所酒瓶どれでも 落とすと割れてる。罅は入ったり、最悪木っ端みじんだ。

…と匂いにつられて 鼻がすんすん 猫の様につっと顎が上を向く匂いを確かめるような猫の動き。
尻尾がゆらあんと大きく揺れる、食べ物の香りだ これは美味しそうな匂いもする。間違いない!

「言伝承りました。名づけは母なので聞いておきますね。
 ソウレン、お名前はかねがね承知しております。母の親友の方ですから」

(んーたまらん 絶対 美味しいぞ 期待します。)
内面凄まじく美味しい匂いのする調理を音と香りで堪えている猫。
鰆の押し寿司!あれ美味しいんですよね…母が調理できない人なので、
料理は殆ど家の使用人たちが作ってくれる。その中にある魚を使った料理が何とも。

「いただきます!」

わぁーい 美味しそう と表情にも嬉しそうな顔をして、
さっそく食べ始める。作法は子供じみておらずどこかの令嬢の様な仕草で丁寧に良く味わって食べている。
じっくりと無駄のない 食材を美味しそうに。そうしてぺろりと完食をするのももうすぐ。

「ごちそうさまでした 美味しかった…です。」

ソウレン > まさかこの少女が酒造りを学んでいるとは露にも思わないソウレン。
ひと仕事終えて、自分の分にと淹れた熱いお茶を一口啜る。

お寿司を前にゆらゆらと揺れる尻尾を愛らしいと思いながら、
食べ始めた少女を前に再度調理場へと入っていく。

「家ではどんな風に話されているのか少し気になるな。
まぁ、悪いようには言っていないと思うのだが。」

といつもの微笑を浮かべた姿。
調理場の中はカウンターから見る事もできる。
手元はまた動いており、同じ匂いも漂っているだろう。

もぐもぐ、もぐもぐと行儀よく食べる姿に感心しつつ出来上がったものを竹の皮で包んでいく。
少女が食べ終わる頃に、再び調理場から出ていくだろう。

「お粗末様。気に入ったらまたおいで。ここは飲んで食べてをするところだからね。
…さて、これは酒の礼という事でアッシェ殿を含めたご家族に。」

丁寧に編まれた紐で括られた竹皮の包み。
先ほどのお寿司が2セットほど入りそうなものを三つ。
たまには酒蔵からも出てくるといいのではないかな、と付け加えておいた。
包みを分けたのは商会と酒蔵と分かれているからだろう、という所。

アルタゥ・ノノ > 猫は酒造りというか、興味はあるのは貴腐ジュースだけです。
あの物凄く甘くて白ワインの中でも取り分け貴重かつ手摘まみでしか
取れないという仕込んでも少量しか製造できないジュース(厳密にいえばあれはワイン)。

今は瓶を如何にかするのに苦労している為 その内割れにくい瓶を作る事も成功するだろう。

「稀代の料理人とか言われておりますよ?確か。」

調理場の方を覗き込んだりはしない、カウンターから敢て見ないようにしている。
特殊能力の使い過ぎは単に疲れてしまう副作用があるので、
調理場から出てくる様を聴覚で聞くとそちらへと顔を向ける位。

「分かりました。畏まりました、承りました。
 では わたくしはこれにて失礼致します。」

懐から取り出した風呂敷へと竹皮の包みを三つ。アッシェ母上と家族と酒造地と。
商会は陸地だが、酒造は生憎彷徨い島だ、間違いではないし公表している。
風呂敷へと包を完了すれば それは手で下げて ぺこりと頭を下げるとお店を去っていきます。

普通に帰宅していきました、と。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアルタゥ・ノノさんが去りました。
ソウレン > いずれソウレンが味わう機会もあるのかもしれない。
貴腐ジュースを酒で割るとか。ないか。

さて、と食事を終えて荷造りをする少女を傍で眺めて。
立ち上がれば戸を開けて送り出すだろう。
またおいで、と笑いかけながら少女を見送り、背が見えなくなった所で、くすっと笑う。

「稀代の料理人とはまた。
大きく吹聴されたものだなぁ。」

だがそれもまたよし、と笑いながら戸をくぐる。
さて、今宵もあと少し。客が来るかはわからないがゆっくりと待つとしようか、と。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソウレンさんが去りました。