2019/04/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 治安のよろしくない地区であれば、人が住まなくなる邸宅も随分とある。
それが貸家であれば、掃除をして新たな借り手に貸せばいいだけの話であるが、そうではないとなると話がややこしくなる。

本来であれば国が手を出すべき領域ではあるのだが、そこまで手が回っていないことが現状であり。

「……どっこい、せ、っと!」

彼女のような何でも請け負う冒険者に回ってくるのである。
今日は空き家になってしまった家のお掃除と片付け。まだ外は明るいのに、家の中はすっかり薄暗い。

この手の仕事は、町の中でやる割にやりたがる人は少ない。
まあ、中で誰が死んでいるかわかったものではない空き家に入りたがる人は少ないだろう。
冒険心あふれる冒険者からしても、財宝の匂いなど毛ほどもしないわけだし。

だからって今月もう3軒目なんですけど。

金髪シスターは今日も汗をかきながら、遠い目をした。
溜息をつきながら、暗い家を見回す。
空き家になってから長くないのか、それとも誰かが住んでいたのか、ほこりはそこまで積もっていない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロベリアさんが現れました。
ロベリア > この辺りは治安が悪いという事は承知していた。
とはいえ町中であるし、ロベリアの場合は多少の荒事は何とかなるので通り道としてはしばしば縁のある地域。
用事がない限りは避けるし長居はしないが、そこまで極端に恐れる程ではないという認識だ。
今日もやや足早に帰路を進む。
ただ今日の場合、妙な気配が少し気になって少し足を止めてしまっていた。
見た感じ空き家なのだが、明らかに何かの気配がしているしそれを隠そうともしていない。
場所的に見てもこういったところは犯罪者は潜伏しやすいだろうが、これだけ物音を立てていてそれは考えづらい。
稀に町中でもモンスターの類が迷い込んでいる事があるが、気配的に人間のようだし。
場所が場所だけに近寄らずさっさと帰ってしまえばいいのだが、危険かもしれないものを放置しておくのもあまり気分が良くない。
守衛に報告するにしても、あまりにも情報が少ないと取り合ってくれるかも怪しい。
幸い、ロベリアは素人衆よりは遥かにマシな能力をしているし、何かあっても対処は出来る。
念の為何が居るのかぐらいは確認してから、と思い中を覗き込んでみたが……。

「……あら?
空き巣や盗賊では、なさそうねぇ」

それなりに緊張を張り詰めていたのだが、気配の主を見てあっさりと気が抜けた。
どう見ても犯罪者の類ではない。
まあ見た目だけでは断定出来ないが。

「ええっと、お姉さん、一人?
何をしてるのかしら」

まさかシスターが空き家を片付けているとは思っておらず、首をかしげ頭に疑問符が浮かび続けているロベリア。
一応、最低限の警戒はしているのだが既に当初の緊張感はなく。

シスター・マルレーン > 教会の黒い噂は嫌でも耳に入ってくる。
もちろん、ただの布告として言葉を表面通り受け止めて、何も考えない方がいい、とは思う。
だが、………冒険者として世の中に放たれた彼女ですら腐臭を感じてしまうのだから、それはきっとそういうことなのだろう。

「……ふー。」

溜息をついた。冒険者になると決まった際に同じ教会にいた顔を思い出す。
彼女らが無事でいるのか、いないのか。
そこに考えが及べば、自分が何でここにいるのかわからなくなって、足元が揺れそうになる。
とはいえ、………だから、今困っている人の仕事をないがしろにすることはできない、と頬をぱちんと叩いて気合を入れるのだけれど。

「おや?」

後ろから声をかけられれば、くるりと振り向いて。
金髪の修道服姿の、どこからどう見てもシスターです。
相手の様子に、2回ばかり瞬きをして。

「……ああ、教会と冒険者ギルドからの依頼でやってきました。
 シスター・マルレーンと申します。」

丁寧に自己紹介。 多分近隣の人だろう、という判断。
確かに、昔の知古の家に知らない人が来たら見に来るよな、という合理的な考えで、微笑みを向けて。

「……この家の住人がどこかにいかれてしまったということで、このままでは朽ちて崩れ、人に害が及ぶと。
 そのために、まずは私が片付けて、状況を見て建て直すなり人に貸すなりする、と伺っております。」

ロベリア > 良かった。
かなりまともそうな人だ。
こんなところでこんな格好なのはちょっと気になったけど、既にほぼ警戒を解いて平常に。

「教会もそんな事をしているのねぇ。
冒険者なら普段から縁深いけれど。
私の酒場に冒険者のお客さんとっても多いのよ~」

教会には殆ど縁がないので、そういうものと言われればあっさりと信じて。
警戒から間合いを取っていたが、マルレーンと名乗ったシスターに歩み寄り。

「私はぁ……、通りすがりの善良な市民?のロベリアでーす。
こことはちょっと距離があるけど、平民地区で酒場やってるからマルレーンさんも良かったら来てねぇ」

近くで見てみると、中々可愛らしい顔立ち。
かなりのストライクである。
体つきも良い肉付きのようでこれも好印象。

「それにしても、こんなところを一人で片付けなんて大変ねぇ……。
邪魔じゃないなら、何かお手伝いしてもいいかしら?
こうして偶然出会ったのも何かの縁ですしぃ」

折角の出会い、もうちょっとお近づきになりたいという下心からの提案。
純粋に手伝ってあげたいという親切心もなくはない。

シスター・マルレーン > 「シスター兼冒険者という、わりと少なめの……多いのかしら。
 まあ、そんな感じの立場なので。 冒険者ギルドからの依頼も、教会からの依頼も受けるんですよ。

 ロベリアさん、ですね。
 酒場かぁ…………あんまり飲まないんですけどね。
 でも、機会があればお邪魔します。 依頼事でもあるなら何でも。」

微笑みながらその笑顔に返しつつ。
よっこいしょ、と荷物を抱えて表に運ぶ。

「………あー……。 いや、一応お金もいただいてやってることですから。
 こう、分配するほども無いっていうか……。」

ええ、教会に中抜きされますからね。
ぼやきたくなる気持ちをぐっとこらえて遠い目をする。
昨日から遠い目ばっかしてるな私。 がんばれ私。

「ですから、お礼もできないのでちょっと申し訳なくて。
 大丈夫ですよ、こう見えて冒険者をやってるわけですから、体力だけは自信があるんです。」

 はっはー、とヤケクソ気味に笑ってみせる。
 自慢できるところが体力とパワーってそれどんな脳筋。
 自分で思っていて悲しくなってくる。 明るく笑い飛ばしながら、ひとまずは遠慮する。 そりゃま、最初から「お願いします!」とはなかなか言えない。

ロベリア > こう言われて、邪魔しちゃ悪いわねと退散するような性根ではない。
見た感じ真面目そうだし、仕事を無理に手伝ってありがた迷惑となっては印象は悪い。

「お礼が問題ならぁ……、そうだ、今度デートしましょうよ。
教会関係の人ってあんまり縁がないから、色々お話し聞いてみたいし」

冗談めかした言い方でデートと口にする。
少し踏み込みすぎたかな?とは思うが。

「教会の人はお店の冒険者の中にはいませんからねぇ。
こう、なんていうか、いかにも冒険者って感じの人ばっかりで……」

彼らも悪い人ではないのだ。
店主と客だが気安い友人といった関係を築いていけていると思う。
善人かどうかでいえば、まあ微妙なラインではあるがとりあえず恋愛方面で考えるとロベリアの好みではない。
その点マルレーンはかなりタイプ。
まあストライクゾーンは広いのである程度可愛い子ならだいたいタイプになってしまうのだが。

「マルレーンみたいなお客さんが増えてくれると、私も嬉しいし。
仲良くなって常連になって欲しいなあって下心でお手伝いしてもいいかしら?」

無論本当の下心は常連だけではないのだが。
一応これも本音ではあるが。

シスター・マルレーン > 「はっはっは。」

笑って少しごまかそうとする。
この手のお誘いがあったこともまあ、無くも無い。

「私と二人だと、説法になりますよ?
 それに、割とフリーな時間も少ない方ですが………
 そうですね、懺悔をするのであれば、なーんて。」

ぱちん、とウィンクをしながらそんな受け答え。冗談を言うくらいには硬くも無いらしい。

「そりゃあ、まあ。 こんな格好で思い切り飲みに大挙して行ってたら、流石に私も頭抱えますからね?
 ええ、流石に無い………無いはずですけど。」

無いといいなぁ、くらいの弱さになってしまうのは、教会関係の腐敗をたっぷり感じているから。
はー、っと溜息。

「常連………いや、割と本当にお酒も飲まないですし。
 むしろ、手伝いとかをする方じゃないですかね?

 じゃあ、ちょっとだけお願いします。
 その時にお店の手伝いをするってことで一つ。」

これなら、お互いに悪くない話だろう。
ただ好意を受け取るのではなくて、しっかりと交換にする。
どうやら、生真面目なシスターらしい。
せっせと荷物を運びながら、まずは1階の荷物をまとめていくことにする。

ロベリア > 交換条件はそれなりに好感触だったようだ。
手伝いの許可を得ると、マルレーンのサポートで荷物を運ぶ事に。
仕事柄もあり、こういった作業は結構慣れている。

「お酒以外も色々、っていっても増やしてる途中だけど、何かあるから無理に飲まなくてもいいのよぉ。
んー、でも手伝ってくれるのなら大歓迎だけど~♪」

約束で縁を結んで上機嫌なロベリア。
制服のデザインについてはその時まで黙っておこう。
作業中、色々と無駄口をたたきながらも手を止める事はなく二人がかりで片付けを進めていく。

「私としては、お硬い人がちょっとぐらい来てくれた人がみんな大人しくなって助かるんだけどねぇ。
まあそのぐらいで大人しくなるかはわからないけどぉ。
何にしても女の子が増えるなら嬉しいわねぇ」

現状非常に客層が偏っている酒場。
女性客アップ作戦は男性客の増加で効果の程はいまいち実感出来ていない。
ウェイトレスは増えて華やいだが、それがかえって男性客の増加を招いている自覚のない店主である以上暫くはこのままだろう。

シスター・マルレーン > 「あははは………まあ、こういった作業ならいくらでもやってますからね。
 ええ、週7日しっかりと。
 樽運びでも荷運びでも、何でもやりますとも。」

死んだ目になるシスター。この教会相変わらずブラックだわ。
冒険者ギルドの依頼と教会の依頼が割と被って飛んでくるのが原因なのだが。
まさかウェイトレスをさせようとしているなんて思いもしない。

「酒場って、喧嘩さえ起こらないなら少しくらい騒がしい方がいいって聞きますよ。
 売り上げも静かに飲むところよりもよっぽど上がるって聞きますけどね。
 あんまりにもうるさいなら別ですけど……。」

旅をはじめて長いからか、自分の知っている限りの酒場知識で言葉をつなぐ。
その上で、相手の言葉を考える。

「……………」

………ん、ちょっとマテ。

「女の子が増えるっていうのは、お客さんとしてですよね?
 ………その、店先に立つ系のお手伝いだったりしますか?」

カンの鋭いシスターである。頬がちょっとひきつっている。

ロベリア > 「最近は少しってレベルじゃなくて……。
一度お店壊れるかと思った事もあるし。
それにしても、シスターって結構肉体労働なのねぇ……」

漠然と教会内で慈善活動をしているぐらいのイメージ。
こちらはこちらで教会関係に明るくない。
苦労にじみ出る様子のマルレーンに僅かに同情心が芽生えてくる。
そして手伝いの内容に言及されれば。

「そのつもりだったけど、そういうのって禁止されてたりするのかしら?
調理とか事務的な仕事は私がやっちゃう、というか私がするしかないし」

教会の事情はよくわからないので、そういった副業みたいな事が禁止でバレるとまずいのだろうか。
その辺りは本当に分からないので、マルレーンが何を問題に感じているのかはロベリアからは分からない。
そしてこの期に及んでも制服のデザインには触れないでいるのであった。

シスター・マルレーン > 「それはまあ……ちょっとあれですね。
 騒ぎを起こした人を捕まえてお説教する役割とかいる奴ですね。

 ……そうなんですよ、割と……割と……」

とほほー、とため息交じりに遠い目をする。
割と話を聞いてくれるからか、今日は愚痴が普通に出る。はっはっはー、と笑いながらだから暗くはならないけれども。

「え、いや、禁止とかではなくて、普通に恥ずかしい………。」

頬を赤くしながら、あ、あはは、と照れ笑い。
禁止とかはされていない。むしろ何でもいいから稼げとか来る始末だし。
ただちょっと普通に恥ずかしいだけであった。 えへ、と可愛らしく笑ってごまかそうとする。

「………まあ確かに、料理とかは割と丸焼きが多くなりがちですからね、旅先だと。
 裏で大きな樽抱えて並べるみたいな仕事を想定してましたけど。」

よいしょ、っと大きな箱を並べ終えれば、手をぱんぱん、っと払って。

ロベリア > 「それならよかったぁ。
でもそうねぇ、マルレーンならお説教係をしてもらうといいかもしれないわねぇ」

マルレーンのこの様子を見るとウェイトレスとして働いて貰うのも少々気が引けてしまう。
となると、彼女の言うように説教役で監視してもらうのもアリな気がする。
本業に近い事をやればいいだけだし、何か起きるまでは休憩のようなものだ。
まあ逆にそっちの方が忙しくなる可能性もなくはないが。
とりあえず、何にしても制服姿にはなってもらいたいところである。
結構恥ずかしがり屋みたいなので、その辺りをどう説得するかが今後の課題になりそうだ。

「料理は大して凝った物じゃないけど、一応お店だしあんまり味を変えたくないのよぉ。
消費する食材もある程度計画的にやってるし、専門の従業員を雇うぐらいはしないとちょっと任せられないの、ごめんなさいねぇ」

調理に関しては今言った理由が全てといっていい。
この辺り本格的に人を雇うと人件費の問題が出てくるので、雇うにしても大分先になる事だ。
何にせよマルレーンにはウェイトレス姿で手伝ってもらいたい。
恥ずかしがるだろうが、それはそれで可愛いし。

シスター・マルレーン > 「あははは……お説教係。
 まあ、似合うかもしれませんけれど。 この恰好で座ってたら、誰だって見張りだとわかりますしね。」

うんうん、と頷く。 相手の気持ちはまるで理解していないのだけれど。

「いいんです、料理をしろって言われたらそれはそれで大変そうですからね。
 まあ、そうですね、給仕の仕事をしたことが無いかと言われればまあ、無いわけでもないですし。」

渋い顔はしているが、それでもまあ、ええ、と了解をする。
彼女は割と、やればなんとかなるだろ、という考えの元で突っ走る。
そして、それをなんとかできるくらいには割と器用。

そのせいで、自分から相手の意図にハマっているのだけれど。

「あ…あと、マリーでいいですよ。 そう呼ばれているので。」

ロベリア > 「ふふふ、それじゃあ改めてよろしくねぇ、マリー」

約束も取り付けて中々好感触で、つい頬が緩みそうになるのを堪える。
浮かれて調子に乗らず、今日のところはあんまり攻めすぎず好感度アップを心がけよう。
気さくだがお硬そうなマリーである。
こういった子には性急に近付こうとすると印象が良くないと、過去の経験から学んでいる。

「さて、大分片付いてきたけど、後はどうしたらいいかしら?」

二人がかりで作業を続けて、最初よりは大分すっきりとしてきた。
話し相手もいたし精神的にはそれほど苦労も感じず、新たな縁も得て気分的にはむしろ得したぐらいだ。
まだ作業を続けるにしてもかなり余裕はある。

シスター・マルレーン > 「ええ、よろしくお願いします。
 んー、……二人だと大分早く片付きますね。
 お手伝いなんて戴けて、今日は幸運です。」

ん、っと伸びをして、少しだけ腰に手を当てて身体を反らして。
ふふ、っと笑いながらもう一度お礼を一つ。

「そうですね、………とりあえずほとんど捨てるものだと思うので、隅に寄せておいて。
 こう………こういう依頼って結局つまり。
 何かの荷物に紛れて人が死んでいたりとか、犯罪の残り香があったりとか。
 そういう人が隠れ住んでいたりとか、そういうものを確かめる依頼だったりもするんですよね。
 ですから、それを私が確認した時点で、半分はおしまいって感じで。
 荷物をある程度片付けて、何もないことは確認できたんで、このくらいでいいんじゃないですかね…?」

依頼内容は片付け、であるが、その割にはいろいろ面倒なことが起こりやすい依頼ではあった。
それがほとんど終わり、はー、っと力の抜けた吐息を漏らす。

ロベリア > 「このぐらいで大丈夫なのねぇ、わかったわぁ」

やることも済んだようなので、ロベリアも弛緩して体を伸ばす。
少々名残惜しいが、今日はここまでだろう。
再開の約束もしたのだし。
こういった子には焦ってはいけないと自制は続けて。

「今日は色々新鮮な話しを聞けて楽しかったわぁ。
ご飯を食べるだけでもいいから、気が向いた時にお店に来てね~」

ロベリアも手荷物を纏めると、帰宅の準備。
去り際に酒場の住所メモを渡すのも忘れずに。

「それじゃあ、またね。
気安いお店だしあんまり構えずに来てくれればいいから~」

そうして今日のところは別れを告げて、お店に戻る事になるロベリア。
作業中近くで女の子のいい匂いがしたし、服の下の体つきも柔らかそうだったなぁと、マリーの姿が見えなくなってから色々と不埒な妄想を始めて、浮かれた気分で帰っていくのであった。

シスター・マルレーン > 「……そうですね、一度お手伝いもすることにしましたし、近いうちに必ず。
 私も、これで少しフリーな時間ができるといいんですけど。
 お店とか、あんまりプライベートでは行かないんで、少し行ってみたい気もしますね。」

んー、っと伸びをして、ほ、っと吐息。
相手の言葉に、へへ、と舌をちょっと出して笑って見せて。
そのメモをしっかりと受け取れば、ちゃんと頭を下げて。
柔らかそうな雰囲気の人だったなぁ、とぼんやり思う。

割とこういった人は少なかったからか、ああよかった、と。

すっかりいろいろと凹んで悩んでいたことは忘れて……はいないけれど。
少しだけ足取り軽く、教会へと帰ることができて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロベリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシスター・マルレーンさんが去りました。