2019/04/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 宿」にエリヴィラさんが現れました。
エリヴィラ > 王族や貴族に短期間で雇われ、契約期間が終了すれば次の雇い主が決まるまでフリーとなる。
そんな生活を続けているお世話用人形は、今宵またひとつの契約を終え、仮の住まいとなる宿を訪れていた。
雇い主の屋敷の豪華な部屋も、冒険者御用達といった内装のここも、生身とは違う存在である彼女には大差ない。
だが近頃の王都の賑やかさには目を見張るものがあるようで、
シャワーを浴び終えるとタオル1枚といった心もとない姿にもかかわらず、窓辺に立っていた。

「シェンヤン……公主……。」

覚えたての言葉を繰り返す子供のように呟く人形の視線は、遠くに見える王城に注がれている。
今宵まで雇い主であった貴族は王国と帝国の現状を説明してくれたが、
主を世話する為だけに造られている所為か、その説明の奥深くに巣食うものを理解することはできなかった。
だが、帝国に関わる者が次の雇い主になる可能性もあることは理解した。
それはなぜか、紛い物の心臓を浮つかせる。

まだ毛先から雫を垂らす白髪をまとめることもなく、あられもない姿を隠すこともなく、
まるで舞踏会に憧れる平民の娘のように窓の向こうを眺めていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 宿」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (――外が、少しだけ騒がしくなった。
宿の受付で、天を仰ぐような女将の声が響いたり
従業員が、急ぎ走り回ったりする気配が湧き立ち
そして、暫くして静かになる。

程無くして、責任者が訪ねて、部屋の扉を叩くだろう
もし、彼女が応対するならば用件はこうだ

「ほかの客と、同じ部屋を取って仕舞った」
「あんたさえよければ、相部屋にならないか」である
無論、部屋の扉越しの応対、声だけの遣り取りでは在るが

そうして、其の応対をする間、背後には一人の男が居るだろう
まるで、慌てる従業員たちの反応を愉しんで居るかの如くに
のんびりと笑っている一人の男が。)

「―――まぁ、無理にとは言わぬよ。 ダメなら他をあたるとするからね。」

エリヴィラ > ノックの音に漸く窓から視線を離し、振り返った女。
扉の向こうでは何かが起こっているようだった。

「相部屋?」

室内を見る。
ベッドはシングルが2つ用意されている。

やがて扉を開けた宿泊客は、まだタオル1枚という姿だった。
常識を持ち合わせた生身の女であれば、そのような痴態は晒すまい。
すっかり冷えて水となった雫が髪先から垂れ、床を濡らした。

「私はかまいません。眠るだけですから、お好きにどうぞ。」

相部屋の相手がどういった者なのか以前に、男なのか女のかすら気にならない様子で応える。
そしてすぐに部屋の奥に戻り、窓辺で髪をまとめ始めていた。
本当にかまわないと言った通りに。

ルヴィエラ > (女が相部屋を了承するのは余りにも早かった。
宿の主人も、其の背後の男も、意外や意外と一寸瞳を瞬かせ
主人はと言えば、そいつはありがたい、と安堵したように
宿帳の登録を書き換えに、戻って行くだろう。
残されたのは――己一人だ。)

「――――……すまないね、私としてはどちらでも良かったのだが。」

(宿の人間が慌てに慌てたのが面白くてね、と。
少しばかり、可笑しそうに言葉を告げて。
――そして、裸身を晒すままの女を負う様に、部屋の中へと入った。
後ろ手に扉を閉じれば、部屋の真ん中、テーブル傍の椅子へと腰掛ける。
まるで、此方には興味なぞ皆無とでも言うかの女が、窓辺で髪を纏める姿を
暫しの間、鑑賞する様に眺めて。)

「――――……だが、相部屋を受け入れて貰えるとは思わなかった。
私が、善人か否かすら気に為らない様に見えたが…気のせいかな?」

(――問いを、投げよう。
女が、なぜこんな突然の相部屋を受け入れたのか)。

エリヴィラ > 「いいえ。『困っているときはお互い様』です。」

どこかで学んだ言葉を使う合間も女は背を向け、髪を緩く結っていた。
こんな時間になっても明るい王城が見える景色をカーテンで閉ざし、振り向く。
―――そこに初めて相部屋の相手が視界に入り、己を見ていたのだと気づいて不思議そうな顔をした。

「気にしたほうがよろしいですか?そうであれば2、3質問をさせて頂く手間を頂戴しますが。」

話ながら、たった1枚肌を隠していたタオルを外した。
作り物特有のシミ1つない色白の裸身。
雇い主を喜ばせる為だけに豊かに造られた乳房、同じ理由で柔らかな腹部、腰、手足。
それらを隠すことなく移動し、クローゼットの中にある白いワンピースを手にする。
どうやらそれが寝間着のようで、するっと頭から被って着て眠る準備が整った。

ルヴィエラ > 「成程、随分と優しい様だ、お嬢さんは。」

(――其の考え方が間違っていると言う心算は無い。
無いが…この世の中で、其の考え方を本当の意味で実践出来るのは簡単では無い。
故に、決して皮肉では無く素直な意味合いで、そう呟いた。

此方を振り向いた相手が、不思議そうな顔をしたのに、此方もまた首を傾ける。
其の裸身を、自ら晒し、薄布すら纏わぬ姿を、決して見せつけるでもなく唯
「脱いだ」だけの女を、此方もまた、ただ見ながら。)

「―――……君が興味ないのであれば。 だが、君の質問と言うのには興味が在るがね。」

(――それは、善人か否かを測る為の、と言う事か。
ならば、相手が何を以てそれを測るのか、気に為る所だ。
まるで、彫刻や美術品めいた美しさを持つ女を
けれど、何処か楽しそうに見やっては。

――少しばかり、双眸を細めて呟いた。)

「―――随分と造りが良い様だ。」

エリヴィラ > 「快楽による殺戮、もしくは差別による大量虐殺を行ったことがあるか、
困窮した者を救ったことはあるかなど……一般的な善悪の基準とは、そのあたりでは?」

インプットされる知識というのはたびたび極端。
まだ人間社会に溶け込むには難しいと思わせる一端を覗かせる発言をしながら、ベッドの1つに腰を下ろした。
休む為に宿は存在すると思っていたが、相手は休もうとする様子が見えない。
それは目的の為に存在する人形には不可思議なことであった。

言葉を交わしているうち、造りという単語に己の腕を見た。
正体を看破されたことについては疑問は抱いていない。
鈍感な者がいれば、優れた者は体内の気の流れまで視えてしまうものだ。

「顔も体も、なるべく他者に不快感を与えない様に造られています。」

外見は整っているが、中身は――――

言葉を終えると、会釈する。
人形の中の時計が、魔石の過度な消耗を防ぐ為の休息時間に入ったことを知らせていた。
それゆえに何の前触れもなく女は布団に潜り込み、目蓋を閉じる。

「これから6時間、感知機能は最低限まで落ちます。明かりも音も気になりませんので、どうぞお気遣いなくお過ごしください。」

おやすみなさいの挨拶代わりは非常に機械的。
その後、説明通りに人形の動きは屍の如く。
奇妙な2人による相部屋は奇妙に夜を過ごしていくのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 宿」からエリヴィラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 宿」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシュバルトさんが現れました。
シュバルト > 一先ず今宵も仕事を終えた後の事である。

昨夜と変わらず足を運んだ先は王都マグメールの平民地区、其処にある噴水公園である。

手には小さな紙袋、それに一杯の砂糖菓子を購入しだらける予定で、真っ直ぐに水の音が涼やかな噴水の傍へと進むと、其処に複数設置してあるベンチの一つに腰をかけ、紙袋を膝に置き、両腕を大きく夜空に向けて突き上げて――大欠伸。

「いやーなんと言うか上得意からの仕事が減ったんですけどー?」

眉間に皺をくっきりと刻み、欠伸で滲む涙を拭わず、思いっきり欠伸からの溜息コンボで、大きな溜息を竜がブレスの如くに吐き出す……。

本当にどうなってるんだ是は。

仕事的に締め出しを食らったとかではなくて、他につぎ込んでいるとか、他に楽しみを見つけた、そんな感じなのであるが、まあ愉快なことではない。

こちらは店を作るための開店資金を集めているわけで、お金なんてどれだけあっても困らないわけで……。

シュバルト > 「…………貧乳薬とか痩せ薬とか他に無い特色?ってのはあるんだけどなーヤッパリ店がないとダメかな?無理して空き家でも借りるかねぇ……。」

伸びを終えたらだらりと両腕を下ろして、膝に乗せた紙袋を掴むと、折りたたまれた口を広げて手を突っ込んで、中から砂糖菓子を取り出すと、ぽんっと空中に投げて


パクっと口でキャッチする。

カリコリと音を立て砂糖菓子を噛み砕けば心地良い歯ごたえと砕けた部分からほろりと菓子はとけて、じんわりとした甘露な味わい、思わず んー!! と身震いをする。

それほどに疲れた身体に糖分は効くのだ。
寧ろ是がないと正直同性相手のマッサージや調律などやってらんない、異性の場合は……ほらね?

シュバルト > 楽しみがあるんだ楽しみが……と鼻の下を軽く伸ばしてニヤケた笑みを浮べながら噛み砕いた砂糖菓子のとろけた物をゴクリと喉を鳴らして嚥下する。

で、次のお菓子を紙袋から取り出すと、またも夜空に向けてぽんと投げて、上を向いて……


パクっと口でキャッチ

それを再びカリコリと音を立て噛み砕いて砂糖の甘さを堪能する。

「……あとは間借り?何処かのお店の片隅を借りるとか…?しかし、そいつも伝手がないない……。」

パトロンもいやしないし、何処かの高名な魔術師様や貴族様でご贔屓してくれる方々はいやしませんかね?と夜空の星に願いを……適当に。