2019/01/28 のログ
■イグナス > そんなわけで日も暮れるまでさんざん飲み明かして、楽しんでいったとか――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「平民地区 屋台通り」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > 酒場に飯屋、旅籠などがずらりと並ぶ日没直後の通りには多くの屋台も軒を連ね、それらが掲げる提燈が、揺らめく薄明かりと色濃い影で祭の夜を思わせる非日常の熱気を形作っていた。
そんな中、するすると危なげなく人混みを縫うのは黒髪の頭頂からピョコンと三角耳を立てた長躯のミレー。
その全身をローブの如く覆うマントは、内張りされた毛皮の防寒がそのまま雪山に赴く事すら可能とするだろう分厚い代物。それは、長さはともかくかなり広い幅を有しており、キルシュナ以下の体躯であるなら、もうひとりくらいは安々と包み込む事が出来るはず。
毛布の様なそれをゆったりと巻き付けた首元からは褐色肌の華奢な鎖骨がチラリと覗き、女としては長身のキルシュナを見下ろすことの出来る大男ならば、たわわな乳肉の丸みを確認することも出来るだろう。
とは言えそれが、淫蕩なる肉食猫らしからぬ服装である事も事実。
今宵の黒猫は、何故その様な格好をしているのか。
それは、獲物として認定された犠牲者が味わう事となるプレイ内容の実現のため。
「ん~~、可愛らし子とか、綺麗なお姉さんとかおらへんかなぁ? この時間やったら、そういう子ぉが迷い込んでもおかしくあらへんと思うんやけども……」
この変態猫、気に入った獲物を見つけ出したら己のマントに取り込んで二人羽織状態を作り、他者の視線を遮るその中で着衣を剥ぎ取り、衆人環視の中、全裸でいちゃいちゃしよう。などという誠に変態的なプレイを企んでいるのである。
ご案内:「平民地区 屋台通り」にエインセルさんが現れました。
■エインセル > 斜陽の名残が緩やかに消え、空が濃紺に変わりつつある頃、少女はいつも通りの三角帽子にローブの姿で平民地区を歩いていた。
野良魔法使いとして冒険者の一党に加えてもらい、対価として性処理を。その後、冒険を終えて報酬を等分し、安めの公衆浴場で身を清めたのが先の事。
日暮れと共に屋台通りに繰り出したのは、丁度良く軒を連ねている屋台で夕食にありつくためだった。
――それにしても、真冬の寒さでも屋台は賑やかなものである。
横風が吹き込むだろうに、わざわざ寒さと戦い席を確保し、温めた酒を飲みながらつまみを食らう。
或いはたっぷりと丼に満たされた汁の中に泳ぐ、艶やかな麺を二本一対の異国の食器で手繰る様にして啜っている。
寒い季節には、熱もご馳走。その手本とも言える例を目の当たりにしながら、少女はくぅ、と腹を鳴らす。
「……んー、汁蕎麦も美味しそうだし、煮込みとパンも捨てがたい……」
ぽつりと独り言を零しながら、少女は往来の中を縫うように歩む。
身の丈が小さいものだから、大の大人が通れない隙間も何のその。
するすると、幾度か迂回をしながらも、着実に進んでいく少女。
その行く手に、何やら邪な考えを持つ者が待ち伏せしていようなどとは、露にも思っていなかった。
■キルシュナ > 「それにしたかて、実際どないにシたろかな❤ 歩きながらまんことかアナルくちゅくちゅする言うんもいいし、延々おっぱいだけ苛めて焦らしたるいうんも楽しそやね❤ 適当な屋台のベンチに座って、そこでこっそりちんぽ突っ込む言うんもいいかも知れへん❤ 必死に声殺しとるとこににゅこにゅこぬぽぬぽ腰揺らして、当然そのまま生中出しや❤ にひひひひひっ❤」
まさにHENTAI。
しかし、それこそがこの淫乱ミレーの日常である。幸いにして今はまだふたなりペニスを生やしていないからいいものの、そうでなければ分厚く重いマントをも持ち上げる程に勃起していたに違いない。
ちなみにおまんこはとっくににゅるにゅる。マントの内側は柑橘の体臭と共に濃密な雌フェロモンが充満しているという有様。
「――――ぉう?」
そんな変態猫の鼻先が、虚空を仰ぎヒクと蠢く。
嗅ぎ慣れたその香りは、雄の精臭の残滓。そんな物、一日働いた男達の股間からぷんぷん臭いまくってはいるのだけど、そこに絡むのがまだ若い、それこそ成人すらしていないだろう少女の蜜香であるというのが重要である。
帯びた湿りがその匂いを薄れさせているところからして浴場で穢を落としたつもりだろうが、エロ猫の嗅覚は誤魔化せない。にんまりと笑みを深めた淫乱猫の金瞳が、いたいけな、それでいて実はエッチな少女の姿を探して右往左往。
程なく見つけたその細身。
「――――今夜の獲物ちゃん、決定や❤」
栄養状態のあまりよろしく無さそうな華奢な犬少女。普通であれば庇護欲を煽られるであろう立ち姿に、しかし、変態猫は欲情を滾らせ近付いていく。縦軸修正。ロックオン完了。真っ直ぐこちらに向かってくる彼女の意識から、そして周囲の視線から一瞬ふっと気配を隠して―――――がばぁっ!
まさにHENTAI。
盛大に持ち上げたマントが瑞々しく揺れたわむ褐色乳やら、どろっどろに蜜に塗れたおまんこだとかを丸出しにした直後――――ばくんっ❤
大口開いたモンスターが獲物を丸呑みにしたかの如く、小柄なわんこをマントの中に包み込もうと。ここで回避されたらむっちゃ恥ずかしいなぁ…とか考えつつ。
■エインセル > 湯上りで火照っていた体も、屋台の合間を歩く内に冷めてくる。
湯冷めまで行かない頃合いでどこかの店に入っておきたいが、魅力的な物が多くて絞り切れない。
どの屋台の飯も、全てお腹に収める自信はある。しかし路銀はそうもいかない。
知人の貴族を頼れば腹一杯に食えるが、だからと言って頼り切ると冒険に出るのが億劫になる。
だから時々しか――そう決断したものの、ひもじいものはひもじい。お腹がくぅくぅ鳴っている。
「……はふ、やっぱりこの世はお金、だね。それさえあれば、何でも食べられるし」
一獲千金――それは誰しもの夢だが、今日明日の少女に与えられる代物ではない。
冒険を続けていればいつかはあるかもしれないが、少なくとも直近でそのような幸運に当たる事はないのだ。
むしろ、この後少女を待ち構えているのは、何者かに襲われるという不運なのだが、そのような事は知る由もない。
閑話休題。溜息と愚痴を吐き続けていても仕方ないから、そろそろ思い切って決めてしまおうなどを顔を上げた時の事。
丁度眼前に広がっていたのは、屋台通りを埋め尽くす往来――ではなく、全裸で褐色肌な女性の全身。
「……はぁ?」
目を疑うような光景に反応する間もなく、少女はマントの中に包み込まれた。
位置はお互いの体躯を勘案すると、その豊満な胸に少女の顔が埋まる様な状態か。
一瞬で攫われる。冷たい空気を上書きする様な、柑橘と雌の匂いの籠った熱。
何が起きているのかわからない、という表情を浮かべながら、少女は女の虜囚となった。
■キルシュナ > 悲鳴ではなく、いっそ間の抜けた声音。それはあまりといえばあまりな現実から逃避しようとした結果の声だったのかも知れない。ともあれ、その一瞬の間を逃さず、凄腕の黒豹は見事に仔狼の捕食に成功する。しなやかな長脚を折り、突然の事に困惑しているだろう少女の細身を、合気を用いて無駄にやんわり押さえ込み、豊満乳房のぱふぱふを経由した後、ずぼっと淫臭満ちる暗がりより付き出させる彼女の頭部。
茶色の髪は意外にも艷やかで清潔そうないい匂いが漂っている。至近に見つめるその顔は、期待を裏切らぬ愛らしさ。ずれた帽子からちらりと覗いた尖り耳の大きさからして、恐らくは狼を祖とするミレーなのだろうが、垂れた双眸は小動物の気配。
「―――――んちゅ❤」
あまりに可愛らしくて、思わずキス。キルシュナからすれば挨拶代わりのスキンシップだが、彼女からすれば見知らぬ痴女のハラスメント行為である。防犯ブザー(けたたましい悲鳴)など鳴らされては一発逮捕なので、見下ろす金瞳に油断は無い。悲鳴の気配でも覗いたならば、即座に押す秘孔にて一時的に彼女の声音を奪う心積もり。
まさに手慣れた性犯罪者の手口である。
■エインセル > 驚天動地とはこのような事を指すのだろう。動いているのは地じゃなく少女自身だが。
マントの中でも狼の目はそれなりに夜目が利く様で、豊満かつしなやかな肢体が眼前に惜しげもなく曝け出されている。
一瞬見えた顔も整っているように見受けられたし、これは残念な美人さんに絡まれた気配か、と頭の中で理解する。
その間に、小さな体は宙に浮いたまま要領を得ない内に持ち上がり、マントから頭だけが引っ張り出される。
漸く忙しない一瞬が終わったかと思えば、ついで重なるのは唇だった。ちゅむ、と小さく上がるリップノイズ。
「ん、ぷふぁっ……お姉さん、私に、一体何の、用……?」
今の接吻で彼女の目的を殆ど理解しているが、一応問いかけておくとしよう。
元々奴隷上がりで性的忌避が薄く、彼女の様な美人が相手なら嫌な気がしないのも確か。
それ故、悲鳴を上げることはなく、マントの中で足が着かずにぶらんとぶら下がったまま、ジト目な視線を向けるだけ。
どんな過程を経たのかはわからないが、マントをくぐっても頭上にちょこんと鎮座する帽子。
その下では、髪と同じ色の狼耳が僅かに前後に揺れていた。、
■キルシュナ > 「おぅおぅ、フリーズからの立ち直りが思っとったより早いなぁ。将来性あるで、ルーキーちゃん♪」
未だに当惑の気配は色濃い物の、それでもこちらの目的を問うてくる少女。その身体の作りから、恐らくは新米冒険者か何かだろうと当たりを付けつつ、向けられたジト目に返すのは屈託という物がまるでない笑顔。
ニカッと開いた大口で、鋭い八重歯が白く光る。
友人の妹を前にしたかの風情であった。
しかし、2人の頭部が突き出たマントの襟首からむわりと昇る匂いは、雄であるなら一発で元気になってしまうだろう甘酸っぱいアレの匂い。
密着する肢体から伝わるのは、一糸まとわぬ裸身が醸す生の柔感と火照った体温。ピンッと尖った乳首の感触すら感じられるかも知れない。
「えぇと、用……用、なぁ……そやねぇ、ええと……ま、とりあえずは……っと♪」
真正面から軽々抱き上げたままの体躯に術式起動。
淫乱猫の狙いを外す何がしかの作用でも無ければ、ローブ、杖、下着が順繰りに消えていく事になるだろう。物品を対象とした空間魔術。
それらのアイテムに強力な抗魔術式でも付与されていない限り、高速にして膨大な魔力の紡ぐ強制除装は防げまい。それらはキルシュナのストレージに保管され、全てが終わった後には当然彼女に返すつもりだが、変態猫の狙い通りに脱衣が行われたのなら、マントの下の彼女は三角帽子と靴以外はすっぽんぽん。
変態猫と変わらぬ姿と成り果てよう。
■エインセル > 「遺跡のテレポーターとかと、同じ類と思えば、割と平気。驚いたけど、お化けとかじゃないし」
ジト目の先の彼女は、にかっと太陽の様に笑う。お陰で毒気を抜かれた気分だ。
或いは、同じミレー族である、という親近感の様なものもあるのだろう。彼女の場合は猫だろうか。
髪の色は異なるものの、二人並んで歩いていたら、確かに姉妹だと間違われそうな風情。
しかしその実、マントの中には濃密な甘酸っぱさで満ちている。狼の嗅覚には強すぎるほどに濃い、彼女の匂い。
嫌でも密着してしまう体。彼女の熱と匂いに中てられて、少女の下腹部もじんわりと熱を帯び始めて。
「まぁ、こうしてる時点である程度理解はしてる、けど――って、ちょっ、私の、服っ……!?」
彼女の腕の中、少女の体表――服に沿うような形で一瞬光が走る。
同時に、まずはローブが、ついで杖が、下着が、光に触れた順にどこかへ消えていく。
それなりのレジストやディスペルが付与されていたはずの品は、しかし彼女との力量差を前にすると薄紙も同然で。
結局靴と帽子以外を失ってしまう。素肌が触れると、ほんのり湿った質感が吸い付く様で心地よい。
――これは、結局彼女と一蓮托生か。少しだけ唸った後に嘆息すると。
「……むぅ、後で返して、ね。あれ、買い戻すと、一週間、水しか飲めないから」
諦め、と言うべき忸怩たる感情を抱きながらも、彼女の欲望を満たす相手になる事にした。
――どうせ回避できないのなら、せめて楽しむべきだ。そんな楽観が、少女のとりえでもあるのだから。
■キルシュナ > 「んふふふふっ、もちろんや❤ ウチこう見えて金だけはたんと持っとるし、おチビちゃんの装備奪うほど鬼畜やないよ。それにしても結構驚いたなぁ。普通、いきなりこないな事されたら、悲鳴の一発くらい上げるやろし、暴れるやろし、ウチも色々と警戒しとったんやけども………状況判断正しいし、覚悟決めるんもやたらと早いし……ホンマ、得難い素質やと思うで」
そういって改めて笑顔を深め、マントの下から持ち上げた手で帽子もろとも彼女の頭部をわしわしっと撫でる。女の子に向ける繊細さなど欠片もない、冒険者のおっちゃんがやるような雑な、それでいて優しげな手付き。
「さて、ワンちゃん……あぁ、まずはお互い名乗り済ませとこか。ウチはキルシュナや。ワンちゃんのお名前は?」
言いながら膝を折り、マントの中の全裸を地面に下ろす。ここで覚悟を決めて逃げ出すのなら、羞恥まみれのストリーキングをたっぷりがっつり視姦した後追い詰めて"おしおき❤"するのだけれど、利口な彼女はおとなしくしていることだろう。
そうしてただでさえゆるゆるのマントの襟を更に緩めて彼女の細身をくるりと反転。改めて立ち上がった長躯の猫は、背後から少女の体躯を抱きしめる形となる。
緩んだ襟の彼女の頭部が突き出す背後には、一糸まとわぬ褐色乳の丸みが大胆に覗いていて、キルシュナの全裸を強く匂わせる。乳首こそ見えぬ物の、角度次第では乳輪のベージュさえ確認出来るだろうに、そこに頓着する様子はない。
「さっきから可愛らし声でお腹くぅくぅ言わせとったし、飯食いにきたんやろ? 今夜はキルシュナお姉様が太っ腹に奢ったるし、なんや食いたい物ある?」
『代わりにウチはキミの身体食うけど』なんて言外の意思も伝わるだろう言葉の響き。
■エインセル > 「だって、お姉さん、私よりも大分強いし、歯向かうのは無駄。それに、声、あげようとしたら潰す、よね。
私ならそうするし、お姉さんは、そうできるはず。だから、無駄な事はしない――ん、ぅ……ちょっと、恥ずかしい」
わしゃわしゃと、どことなく大雑把な撫でつけが、頭上の髪をくしゃくしゃにする。
それ自体は、手櫛で戻るから気にしない。むしろ、撫でられる感触の方が久々で、なんだか面映ゆい。
羞恥とはまた別の赤らみを頬にさしながら、彼女を上目遣いで見上げて。
「私は、エインセル……キルシュナ、ね。よろしく――いや、よろしく、だと、今後も、弄ばれそう?」
ふむ、と悩みながらも、地に足がつくようになるとどこか表情が緩んでしまう。
それは、油断と言うよりも安堵の方が近いのだろう。地に足がつかない、と言うのは不安なのだ。
マントの中、軽くくるりと一回転。背中に感じるのは柔らかな双丘だ。隙間から立ち上る匂いも僅かな眩暈を誘う。
はぁ、と吐く息が白く色づき、湿り気を露にする。後背の彼女は、傍から見ても痴女一歩寸前といった具合で。
「……まぁ、分かりやす過ぎる、よね――ご馳走してくれるなら、お財布、空にしてあげる。
この通りの、屋台の端から端まで、全制覇してみたかったし――だって、キルシュナは、私の、隅から隅まで、食べちゃうん、でしょ?」
御馳走してくれる――そんな言葉に釣られるのは、空腹故か、貪欲な食い気故か。
言外の意味も理解した上で、ご馳走の量次第では全てを委ねてもいい、と返す。
彼女は遊びとして酷い事はするかもしれないが、少女を奈落に落とすようなことはない。
そんな気が、直感が、あったのだから、それに従うまでである。
■キルシュナ > 「ホンマ大したもんやなぁ……まぁ、潰すなんちゅう無体な事はせぇへんから、その辺はもう少しウチの印象上方修正しといてほしとこやけども。」
どれほどに上方修正しようとも、大衆行き交う表通りで全裸マントにいたいけな少女を巻き込むド変態という事実は変わらぬのだろうが。
「―――んん? 何言うとるん? そんなん当たり前やん♪ ウチに目ぇ付けられたらもう、地の果てまで追いかけ回されて延々弄ばれる運命や。これもあれやな、宿命いうやつや。諦めとき」
などと適当な事を嘯きつつも、狼少女の勇ましい宣言には若干の不安を覚える。ドラゴンの巣穴という程ではないにせよ、普通の人間なら10回人生をやり直せるくらいの財は蓄えているのだが……このちびっこ、思った以上に高くつきそうだった。
まぁ、かわいい後輩に腹いっぱい食わせるというのは先輩冒険者の勤めでもある。動けなくなるくらいに食べさせた後は、淫術にて消化吸収を早め、その残滓をひり出す様とか見せてもらおう――――なんて、あまりに不穏な事すら考える変態猫。
「………よっしゃ! 止めはせんから好きに食べまくりぃ! なんならお土産ももたせたる! 今夜はたっぷり甘えるとええよ♪ その間、ウチもたっぷりセルちんのロリボディの味見させてもらうしな❤」
軽く背を曲げ三角帽子のつばを折り曲げ頬ずりし、とん…と下腹で押すようにして促す歩み。まずは眼前、シェンヤン方面から流れついたのだろう麺料理の屋台に向かおうか。
そうして二人羽織のマントの中、少女の小躯を抱っこして屋台のカウンター、むくつけき大男の隣に二人してぺたんと腰を下ろす。
ギロリと目を向ける大男も、気負う事無くにまっと笑みを返す黒猫と、その襟首からちょこんと顔を覗かせる少女の姿に毒気を抜かれたか、絡む気配を引っ込めた。
「ほれ、セルちん、好きなもん注文しぃ。あ、ウチはこの肉入りらぁめん言うのよろしゅうな♪」
■エインセル > 「……凄腕の変態、から、上方修正。中々難しい事を言う……絶世の変態?んー、なんかちょっと、違う」
彼女が変態なのは確定である。だが、嫌いじゃない、と思えてしまう辺り不思議な気分だ。
「それなら、うん、お互い、楽しめるように、しよう。私の体を、キルシュナは好きに、使う。
死なない程度なら、痛めつけてもいいし、普段の生活に支障が出ないなら、その……大通りに、全裸で投げ出されても、いい。
その代わり、キルシュナは、私のご飯と、遊んだ後の面倒事を、全部引き受けてもらう。体は、死んでさえいなければ、直せるけど、ね。
それでいいなら、私は、キルシュナの雌でも、奴隷でもいい――それとも、妹分の方が良い?キルシュナ、御姉様……?」
彼女の財を全て食らうことは出来ないだろうが、一夜で一週間分の食費を溶かすくらいはできる。
ブラックホールもかくや、という少女の食欲は、この露店の行列を全て、確かに収めることだろう。
――そして、彼女の目論見通り、生み出される老廃物もまた多い。そう言う遊びも、お望みならば、だ。
「ん、お土産も、くれるの?――それなら、うん。エインセルは、キルシュナ御姉様に、忠誠と恭順、誓っちゃうかも」
体を弄ばれる、と言う点は既に許している。だから今更何を言うまでもないだろう。
まずやってきたるは、シェンヤン料理の屋台。先程からほこほことした湯気と馥郁とした香りの露が何ともいい香りでたまらなかったのだ。
二人羽織の女二人は、最初こそ怪訝に思われたものの、堂々とした態度に彼女の整った美貌も合わされば、結局言葉を飲み込まざるを得ない。
「それじゃ……同じ奴。肉入りらぁめん、肉三倍、麺大盛り。それと、煮卵、四つ。それから、野菜も多めで」
遠慮などない、とでも言わんばかりに複数注文。眼前の店主も思わず少女を見返すほどだ。
明らかに小さな娘の大量注文に、悪戯かと目くじらを立てるが、それをしれっと受けながら。
「大丈夫。この程度なら、朝飯前。だから、作って欲しい」
わくわく、と大盛りラーメンを待つ少女は、きらきらとした機体の視線を店主に向けて。
結局押し負けた店主は、注文通りのラーメンを作り始める。後背の彼女の、およそ三倍くらいの化け物ラーメンを。