2019/01/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にゼロさんが現れました。
ゼロ > マグメールの平民地区にある酒場、どこにでもある酒場ではあるが、普通の場所とは少し違う所がある。
 それは、冒険者が特に集まる酒場なのである。
 なぜか、といえば簡単であり、冒険者ギルドにほど近い場所にあるからなのである。
 冒険者の宿と言える場所もあるのだが、酒場の大きさなども違ってくるし、マスターとの相性もあるのだろう。
 冒険者が集まる場所としてはいくつかあるうちのうち一つと考えられる場所。
 兵士である少年がここに来たのは理由がある。そう天天大した理由ではないのだが。

 理由というのは、仮面である。
 胡散臭いことこの上ないので、一般的な食堂とかでは、入れてもらえないことが多い。
 しかし、冒険者の酒場は冒険者は、胡散臭いのが多い。
 だから、仮面で全身鎧の少年が入ることができて、食事を注文することができるのだ。

 そんな理由から、少年は一人、酒場の済で食事をしていたりする。

ゼロ > いろいろな冒険者の中であれば少年は目立ちにくく。
 仮面もいろいろな想像を掻き立てるだけだがそれで排斥されることはない。
 冒険者は過去を探らないという不文律があるから、で。
 だから、少年は遠慮なく隅っこにいることができて、そして、食事を注文することができる。
 基本的に任務で外に出っぱなしの少年は給料をずっと溜め込んでいる状態なので懐は暖かい。
 だから、遠慮なく食事を頼み、楽しむことが出来る。
 こう見えて、食事は大好きであり唯一の趣味とも言える。
 美味しい食堂を見つけたら、もう毎日通うのも吝かではない。
 少年は、この酒場の料理をたくさん注文し、ガツガツ食べていく。
 仮面を少しだけずらし、顔が見えないようにするのはお約束である。

 個室という便利なものを知らなかったりするがゆえに。

ゼロ > もくりもくもくもしゃもしゃもぐもぐ。
 少年は静かに食事を続けていくのだ、もしゃもしゃもぐもぐと。
 酒場でも隅っこの方であれば、誰かが興味を持つことは少ない、基本的には皆近くの知り合いに意識を向けるのであり、隅っこでもぐもぐと食事をしているだけの存在を気にすることはない。
 たまに、気を向けるものもいるが――――少年は全身鎧を身にまとっている。
 無用な諍いなどを厭うならば、普通に声をかけることはないだろう。

 知らない人間に気軽く声をかける気安い人間は少ないものである。
 だから、少年は一人、のんびりと食事を続けていられるのである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にサヤさんが現れました。
サヤ > ひさしぶりの冒険者らしい仕事を終えた帰り。
娘のご飯は近くのおばちゃんにお願いしてあることだし、久しぶりに一人で食事でもしようと立ち寄った酒場。
空いている席はないかと店内を見渡したところで店の隅で一人黙々と食事をする男性を見つければ少し嬉しそうに目を開いて相手に近づき。

「ぜ、ゼロ……帰って来てたんだ」

いつも危険な戦場に身を置く相手を警戒させないように少し近づいたところで声をかけ。
どこか優し気な目で相手を見ながらそっと肩に手を乗せて。

ゼロ > 新しく入って来た客が近づいて来る足音は、少年の耳に、気配は少年の意識に。
 警戒の意思を向けるもすぐにそれは霧散する。近づいてきた人物が己の知る存在であるとわかったから。
 食事をする手を止めて、仮面を株ったままの顔を彼女の方へと向けよう。

「サヤ。
 ただいま、サヤの家の場所、知らなかったから、手紙を送ってはいたけれど。
 連絡、行き違いになってた、かな。」

 しばらく前に、戻ってきてはいたが完全に外出が許されるまでには少しの間かかっていた。
 ようやくの外出でもある、彼女の手が肩に置かれるのを嫌うこともなく見上げて。

「しばらくは、国の中にいられると思うよ。
 それで……サヤは元気だったか?サーシャの方も、聞きたいな。」

 彼女たちの仕事など、近況が気になるので、問いかけて。

サヤ > 「ごめん、私もここ数日忙しくて。
 多分サーシャが手紙見たとは思うけどまだ出し方教えてないんだよね」

相手の言葉に申し訳なさげに眉を下げ。
そっと相手の対面の椅子に腰かけて。

「私は見ての通り。
 サーシャも元気、あの子……怪我してもすぐに治るし。
 ちょっと……性癖がというか性欲がすごいけど」

腰に差していた刀を抜いて壁にもたれさせ。
テーブルに頬杖をついて困ったように唇を尖らせて言い。

ゼロ > 「サヤも冒険者してるんだし、そのあたりは仕方がないと思うさ。
 文字は……まあ、追々でいいんじゃないかな。」

 生活の基盤的に文字は読めてもかけないというのが多いし、無理に書く事を覚える必要はないだろう。
 軍人として必要なので覚えたというのもあるのだし、と、男は苦笑を仮面の下ににじませる。
 対面に座る彼女に、何か食べる?とメニューを出して。

「見ての通り……か。
 元気ではありそうだけれども。

 サーシャは……怪我がすぐ治るか。
 性欲もそうだけど、その辺は遺伝なのか……」

 性欲も、キズが治る性質も……知らないとは言えない、自分の性質にあるものである。
 彼女にそれが発露したのだろうか、と仮面の下で眉根を潜めて。

「……性欲に関しては、両親が両親だし、なぁ。」

 自分も彼女も、性欲は強いほうだと思う。
 それが娘に現れた、だけと唇を尖らせる彼女に言って見せて。

サヤ > 「どうなんだろ。
 多分私の呪いと、ゼロの能力の両方が遺伝してるんだと思う。
 今のところ元気そうだし、私は気にしないようにしてるけど」

渡されたメニューを眺めながら相手の言葉に答え。
ウェイターに注文すれば相手に向き直り。

「そうなんだけど……。
 この間なんかすっごい幸せそうな顔で路地裏にやり捨てられてたんだよ?
 全身ドロドロで大変だったんだから」

自分もそういった経験がないと言えばうそになるし。
それを見ていたのだとしたら責任を感じざるを得ない。
が、やはり母親としては思うところがあり。

「大丈夫な体とは言っても、少しは心配するでしょ」

ゼロ > 「…………。」

 厄介だなぁ、と思う。少年は仮面のおかげで魔力だのなんだのを見ることが出来る。
 見ることができても、それに干渉する術がないのだ。
 魔法を使うことができないので、呪いを解除する方法も持たない。
 自分の方に向き直る彼女を眺め返して。

「ドロドロでやり捨てられて……か。
 流石にそれはなんとかしたいな、とは思うな。」

 そういうのを求めるのは、流石にまずかろう、彼女の口からそういうふうに出るのだから。
 なんとかできないのか。とは聞かない。
 出来るならしてるだろうし、彼女が見本になっているのだろう。
 今更何とかするには別の人間の手が必要だと思えて。

「ああ、丈夫というのは壊れないというわけじゃないしな。
 ぎゃくに丈夫だからこそ、心が先に壊れてしまうとも言える。」

 心配だ、と少年は大きく息を吐き出しながら言う。

サヤ > 「心か……それも案外大丈夫なんじゃないかな。
 本人は楽しんでるみたいだし」

注文した食事が来ればそれを食しつつ、ため息を吐き出す相手を落ち着けるように言い。
正直娘の性癖が壊れているのはお前がそうだからだと言われているようで何とも言えない気分になる。
何より強く言えないのが苦しい。
国を出たときはこんな女になるとは思っていなかったのだが。

ゼロ > 「大丈夫……なんだろうか。」

 心というものは、予想できるものではないのだ、答えがないものなのだ。
 良く解らないものの筆頭であるそれを大丈夫なのかと思うものの、少年は、明確な言葉としてそれを言うことができない。
 自分もよくわからないものだからこそ、言えないのである。
 食事をし始める彼女に、少年も食事を始めることにして。

「サヤ、サヤの家に、行きたいんだけど?」

 彼女にも合いたいのもあるし、家の場所が分かれば、今後は彼女の家に向かうこともできるようになるだろう。
 嫌がるのであれば、それ以上は言うつもりはないが。
 もぐもぐ、と仮面の下でからあげを食べながら少年は言う。

サヤ > 「家?別にいいよ?」

家に行きたいという相手の言葉を受ければ小さく首をかしげて。
そういえば今まで教えていなかったのが不思議なくらいだと思いつつ。

「じゃあ食べたら早速行く?」

元々の旅人生活で食べる量自体も多くない、相手が言うのであればすぐに向かうことができるだろう。
頼んだものをパクパクと食べながら相手に尋ねて。

ゼロ > 「家の場所知らないと、何かあった時に出向けないしな。」

 別にいいよという相手に、ありがとうと声に喜色を浮かべながら言葉をはなとう。
 教えていなかったのは、基本的に少年がこの国の中にいないから、であろう。
 出会うのはいつも偶然に任せていたというのも大きい。

「そうだな、そうしよう。」

 早速という相手にうなづいて少年は急いで食事を済ませる。
 そして、代金を二人分しっかりと支払おう。

 少年も基本的には身軽に動く人物であり、食事もすぐに終わらせることができるから。
 最後に水を一杯飲み干して、彼女の方に向き直ろう。

サヤ > 「そうだね。
 私の家で良かったらいつ来てくれても大丈夫だからね」

そういいながら食事を済ませ。
支払いを済ませようとしたところで相手が素早く払い終えてしまい。

「あ、ごめんね。
 この間お金送ってもらったばっかりなのに」

申し訳なさそうにえみを浮かべながらお礼を言い。
立ち上がり壁に立てかけていた刀を腰に再び差して向き直り。

「じゃあ、いこっか」

そういえば彼と連れ添って街を歩くのは久しぶりな気がすると考えながら。
店を出れば住処のある場所へと向かっていき。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」からサヤさんが去りました。
ゼロ > 「ああ。サヤにサーシャ、ふたりの顔を見に行きたい時もあるしな。」

 食事を済ませる彼女の言葉に、軽く笑いをこぼしてみせる。

「テーブルが同じなら支払いはまとめたほうが早いだろ?
 それに、仕事ばかりでお金はそれなりにあるから。」

 国の兵士なのだ、国家公務員みたいなものだ。
 お金はそれなりに有るのだ、と彼女に、気にしないように言って。

「ああ、いこう。」

 彼女が先導する。
 それについていくように少年は歩き出して、そのまま酒場から去っていくのであった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」からゼロさんが去りました。