2018/12/21 のログ
ゼナ > 義理とは言え、娘となって結構経つのにこれが初対面となる少女は、見た目だけでなく性格も竜胆ちゃんとは全く違っていた。末娘らしく、他者に甘える事に対して屈託のない可愛らしさ。
その小躯に対して明らかに過剰と言えるテーブル上の料理の山に、しかし少女は欠片の威圧も覚えていないようで、むしろ嬉しそうに瞳を輝かせて食らいつく。

「わっ、わっ、はわっ、はわわぁぁああ……っ!?」

ゼナとてかなりの健啖家なれど、眼前の少女の食べっぷりはもう一芸と言える代物である。口腔いっぱいに頬張られる食材が、喉の膨らみも大仰に嚥下され、並べられた大皿が次々に料理を消していく。
空になった皿を慌てて重ねて厨房に戻り、新たな料理を腕に並べてテーブルに戻る繰り返し。現在、注文を入れる客は彼女の一人なれど、その忙しさはピーク時と大差が無い。
ついにはゼナも女店主の調理補助に回りつつ、どうにかこうにか全ての料理を出し終える。中にはこれまで一度も注文されなかった高級料理やらネタ料理やらもあったのだけれど、全て等しく義娘の薄腹に消えていく様子はもはや空間魔術の様相を呈している。

「こ、これで最後です。えっと、お代は……う、わ………15万6千720ゴルドって………ラ、ラファルちゃん、払えそう、ですか……?」

大量のメインディッシュの後のデザートラッシュの締めくくりは、大ジョッキレベルの巨大グラスに山と盛られたフルーツパフェ。普通の娘であれば、これ一つ食べる事すら難しいだろう代物である。
そしてゼナが口にした支払い金額は良心的な値段設定のこのお店では、宿屋の長期滞在を含めても中々聞くことの出来ない代物。大きな仕事を成功させて、客全員を交えての宴会騒ぎの支払いと同じくらいの大金に、流石のゼナも冷や汗を伝わせた。
幸い、最近はこの街でも指名依頼を受けられる様になり、生活費もリスの家に転がり込んでからはほとんどかからなくなって貯金もしているので、もしも彼女が払えないのであれば、ゼナが代わりに払おうとは思うのだけれど…。

ラファル > そのへんは、少女のクラスと言うのもあるのだろう、少女は自分で情報を得て、それらをまとめたりするクラスである。
 ストライダー……隠密系に属するクラスで闇から闇への移動に、諜報を得意とするクラスなのである。
 だからこそ、自分の周囲の情報には敏感で特に自分の巣に入ってくる新しい人はすぐに調査するのであった。

 あと、少女の胃はドラゴンそのものと言っていいだろう、そのスキルの中には暴食というスキルもあり。
 山一つを冗談抜きで食べ尽くすことができるである。
 この料理の山など、本当にデザート感覚で食べ尽くせるのだ。
 もしゃりもしゃもしゃもぐもぐごくん。
 そんな勢いで食べていくのだが、ネタ料理だのなんだのも気にしない。
 だって、野生のドラゴンそんな細かいこと気にしないのだ。

「ふい、ごちそーさま。
 ん15万6千720ゴルドね。

 あい。」

 もともと、冒険者となる前からフリーの隠密として仕事もしていたりする。
 冒険者となってからは冒険者の仕事を繰り返していたのだけれど。
 それに、お小遣いはちゃんと貰っている。
 ちょっと食べ過ぎちゃったなという感はあるが、払えないほどではない。

 なので。金貨の袋を取り出して、ほい、と置くのだ。
 腐っても、令嬢というところなのであろう。

 数えてちょうだい、とにこやかに。

ゼナ > 「はわぁぁぁ……まだ駆け出しって聞いてたけども―――――ハッ! ラ、ラファルちゃん、もしかして、その……え、えっちなお仕事とか、してませんよね……?」

平民の数ヶ月分の収入をぽんっと躊躇いなく支払って見せた義娘に対し、この国に来たばかりの頃にせざるを得なかった卑猥なお仕事の数々を思い出したゼナはちょっぴり心配そうな顔で問いかける。
と、同時に、こんな愛らしくて性の匂いのしない少女が、ゼナが経験してきた様な卑猥なお仕事で大金を稼いでいるのではという妄想にはちょっとゾクゾクしてしまったりもするダメ親である。
そして金貨の枚数を数えつつ『もしもラファルちゃんが屈託のない笑顔でエッチな仕事でお金を稼いでいるというのを肯定してきたりしたら、わたしはどんな顔して注意すればいいんだろう…』などと、多分しなくてもいい心配までしてしまっていた。

「え、と……はい、たしかにお預かりしました。あ、ありがとうございますーっ!」

随分薄っぺらくなってしまった金貨袋を申し訳なさそうに少女に返しつつも、ペコっと下げた頭で側頭の三つ編みを揺らすゼナ。それに追従するかに、厨房からも女店主のごきげんな声音が大金の消費に対して礼をいうだろう。

ラファル > 「おうちのお仕事とかしてるし、お小遣いもらってるよ?
 えっちなお仕事はしてないよー。
 エッチは遊びだし。」

 エッチなことはしてないとは言わない、仕事と認識していないだけで、遊んでいるという認識。
 心配そうな顔に、少女は首を傾ぐ。
 一応これでも商人の娘で、お金持ちのお嬢様なのである。
 冒険者の報酬では少なくとも、ほかにも稼ぐ方法があるのだ。
 竜の鱗もいいお値段するよね、とか。

「あーい。
 ごちそーさま、でした。」

 食べて飲んで払って。
 これで経済は回っていくのだろう。少女の気にすることではないのだけれど。
 そして、おもむろに立ち上がる。

「さて、おかーさん、ボクそろそろ帰るけど、おかーさんはどうするの?」

 まだ仕事があるなら、一人で帰る、と。

ゼナ > 「――――そ、そうでしたか、エッチは遊……へぁあッ!?」

少女の答えにホッと安堵のため息を漏らす途中、おまけのように付け足された一言でボフンッとゼナの頭部が燃え上がった。
この歳になってようやく初めてを喪失したゼナからすれば、成人も迎えていない少女が遊びでエッチをしているという爛れっぷりに驚愕するも、早い子は10にも満たぬうちに結婚したりする事もあると聞くし、案外ラファルちゃんみたいに進んでるのが普通なのかな……? などとも考え、結局は母親らしい事も言えぬまま曖昧に口をつぐむ事となった。

「そ、その……ひ、避妊だけは、気をつけてください、ね……?」

ようやくひねり出した親らしいセリフがコレである。自分はついつい流されて、毎回の様に生中出しされまくっているので、口にしたセリフも蒼瞳をあちこち泳がせながらの弱々しい代物となっていた。

「――――っ!❤ わ、わたしも帰りますっ、もう閉店時間ですしっ!❤ ほ、ほら、お客様方、当店はこれで閉店です。ありがとうございましたーっ!」

そんなゼナも、可愛らしい義娘と一緒に帰るチャンスという事で、残った数名の客を珍しく追いたて、大急ぎで閉店準備を整える。そんなゼナの様子に苦笑を浮かべた女店主に閉め作業を変わってもらって、少女と帰路に付いたゼナは終始幸せそうな笑みを浮かべて、冒険者仕事についての話題を中心にあれこれ話す事となるのである。
途中でついに耐えられなくなって「ラファルちゃんんぅぅう❤」などと奇声を上げて抱きついて、豊乳で窒息させてしまいそうになったりしながらも、末娘とのファーストコンタクトを終えるのだった。

ラファル > 「若しくは――えいよう。」

 人の性も、食事にすることができる少女は、ニンマリと笑う。
 そういうふうにしてみているのかどうかは、また何も言わないのだけれども。

「あい。子供はまだ作らないよー。」

 そもそも、彼氏とかそういうのも考えてないし、と、自分を心配層に見る彼女に、にぱーと笑う。
 そこまで考えなしというわけではないのだ、と。
 そして、お金を払い店を出てぽてぽて歩き始めれば。

 ものすごい勢いで突進してくる義母の姿。
 その手を握って、会話をしながら帰ろうか。
 まるで本当の家族のように、仲睦まじい姿がそこにある。
 ひとつ上の姉とは違い、穏やかなファーストコンタクトであった、という――――

ご案内:「平民地区 輝く白狼亭」からラファルさんが去りました。
ご案内:「平民地区 輝く白狼亭」からゼナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……」

昼前の平民地区。大通りに面したカフェで遅めの朝食、兼昼食を取る男が一人。
通りの人波をどこかつまらなさそうに見ながら。
もぐもぐと口に食べ物を運んでいる。

「……今日はわりと暖かいな」

寒さ続くとはいえ、日差しに照らされていると多少暖かさがあった。
男はくぁ、とあくびをしつつ。食事を終え、テーブルに様々なメモを広げる。

「さぁて。次はどの仕事を受けるかな」

広げたのはギルドから貰った依頼一覧や、自身の財政事情。
自宅の備蓄品などの情報など。
自宅にある弾薬やポーションなどを確認し。
どの仕事なら請け負えるか、と確認していく。

セイン=ディバン > 「……」

書類に目を通す。
魔物退治、納品依頼、護衛任務。
どれもこれも見慣れた内容だ。正直ときめかない。

「こぅ、血沸き肉踊るような依頼ってないもんかね」

生きていることを実感できるような、ギリギリの冒険。
持てるスキル全てを使い達成するような大冒険。
……あるいは。

「絶世の美女とのめくるめくワンナイトラブ、とか」

はぁ、とため息を吐きながら男はそう言う。
こんなことなら昨日の夜、娼館にでも行っておけばよかったか、などと考えつつも。
書類に目を通し、何か面白そうな話はないかなぁ、と。

セイン=ディバン > 「……どぉれ。動くとしますか」

食事を終えた男は立ち上がり、料金を机に置き、店を後にする。
冒険者たるもの、仕事をしなくてはいけない。
冒険者は依頼を受けるから冒険者なのだから。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「居酒屋“幽世”」にソウレンさんが現れました。
ソウレン > ひゅう、と風が流れて釣られた提灯が揺れる。
その光に客か?と視線を向けるものの、そういうわけでもなく。
相も変わらず静かな店内は今日も閑古鳥が鳴いていた。

「…少しは客の入りも良くなってきていたが。」

さすがに冷えるからかな。と一人ごちる。
冷えるなら冷えるで一杯ひっかけていく客もいるが、今日はいないようだ。

ことこと。調理台の端の炉にかけられた鍋が揺れる。
湯が張られており、中にはお銚子が一本。それを手に取ってお猪口に注ぐ。
いい感じに温まった熱燗を一口飲んで、ほ、と息を吐き出した。
客がいない時にこうしてサボるのもまたいいものだ。
お銚子とお猪口を持ってカウンターに腰掛け、つまみはどうしようかな、と考え始めていた。

ご案内:「居酒屋“幽世”」にアッシェさんが現れました。
アッシェ > 古い竜が居酒屋“幽世”の前に姿を現したのは偶々偶然の事。
この姿でこの地に降り立つのは久方ぶりであった。大抵年若い少女の成りをしているのに、
今日の見てくれは10代後半ないし20代前半の外見だったからだ。
居酒屋に出入りしていても聊かの問題もない筈と思っての外見変化だった。

「邪魔するぞ」

横にスライドする引き戸なり、外と仲を隔てる扉を自分で開閉し中に入り込む此の身。
客というかなんというか、口ぶりがどっかのおっさんみたいになってしまったが仕方がない。
この姿だとどうも尊大に偉そうに?振舞ってしまう傾向がある。

ここの店主は カウンターで一人酒?をしていたようだったが。

ソウレン > 煮物でも小鉢にだそうか、と考えていたところでふと気配を感じる。
同時にからりという音を立てて女性が一人入ってきた。
ん…?とわずかに見つめて。

「…久しいね。いらっしゃい。」

ふ、と表情を緩める。
姿形は以前出会った時より大人びているものの、
その燃えるような赤髪と内包する気配には覚えがあった。
久しく出会えたことを嬉しく思いつつ、カウンターの席を一つ引いて案内する。

「どうぞ。」

自らは立ち上がると、迎え入れる準備をしなくてはな、と。
袖口からたすきを取り出し、しゅるしゅると手際よく巻き始める。

アッシェ > 姿は三つあるが気配は意外と統一しているし、竜、龍、辰等には分かり易い種族特性的な魔力の気配が滲んでいる。
隠れる事が出来そうにない竜がよくいるが、その類がほぼ赤い此の身だった。

髪の色が一定に定まらない、ゆらりと炎色が髪の端を揺らいで落ち着く。グラデーションの如く鮮やかだ。
この姿で彼女と逢い見えるのは初めてだっただろうか?前の記憶は記憶の彼方だ。

「久しく。…この姿は初めてだったか。」

(あ、出会いないわ。)
席を勧められたので そのカウンター席に腰を落ち着けよう。
背負っていたモノは適当に下ろし邪魔にならないところに立て置く。
ふっと瞼を下ろし 一人小さく笑うと、メニューも見ずに、

「一杯とつまみも頂こうか」

ソウレン > この季節、その美しい髪も肴になりそうだな、と口には出さずわずかに微笑んだ。
少し楽しい、嬉しい気持ちがあるようで心無しか笑みが深い。
たすきを掛け終えれば、注文を聞いて少し考える。

「燗をつけるかな? 熱燗、温燗…お湯割りなんていうのもありかな。」

この竜の事だ。外気温などさして問題はないだろうけれど。
季節柄、温かいものがやはり良いだろうか…そんな風に考えつつ、いくつかの調理済みの品を台に出していく。
その中からひとまず、とお通し兼箸休め…胡瓜の漬物を小鉢に盛っておく。
唐辛子を少量混ぜた少しだけピリリとする自家製だ。
酒の注文を聞いて、それに合わせてカウンターへと並べるだろう。

ひと時気配を感じていなかったが…久々に会う姿は元気そうである。
ぶっ倒れる、などという事は無縁だろうが、どうしていたかな、と少し考えたものだ。

アッシェ > 髪の色や瞳の色にそのまま判別し易い属性持ちの特徴そのまま。
此の身に宿るは、炎と光属性だ。竜の姿は完全に勘違いされるダークドラゴンそのものなのだが。

髪の色は一定に染まらないので、女の顔色を見るより髪の毛の色を見れば
嬉しいのか怒っているのか、悲しんでいるのかなど感情が読み放題。
今の色は 久方ぶりの再会で嬉しそうな色を漂わせている。

「熱燗がいいだろう。酒の旨味を味わいたい」

外がいくら寒かろうとこの身は灼熱だ!冬はよくその熱を頂きに猫とかが集まってくる。
張り付くより身の近くに行くと温まるとかなんとかで。
適当におすすめ的な注文をしてしまったが 何が出るのか待っている間、彼女の動きを観察。

少しの間出かけてはいたし、一寸神界に行ってしまったりして不在だった。
出かけ先がちょっと特殊で仕方ないのもあったが、特段変わっていなさそうだ。
この身はともかく 彼女は。

「久方振り過ぎて朧げだが、息災であったかな?」

ソウレン > 注文を聞けば、お銚子を鍋に追加してしばしコトコト。
その間に炉にもう一つ鍋をかけていく。こちらは中サイズの土鍋だ。
待たせる間にも少し調理をしていく。
柵取りしておいた魚を数切刺身を取っておき…。

「はい、熱燗だ。こっちは漬物。
…娘御は辛味は不得意だったみたいだが…君は大丈夫かな?」

カウンターに置かれるお銚子とお猪口。それとお漬物。
ゆら、と湯気の上るお銚子から最初の一杯は店主が注ぐだろう。
見れば温かそうだ、というのはわかる。
外でうっかり居眠りなぞしようものなら大変だろうな、と想像膨らむ辺りこちらはなかなか俗っぽい。

「あぁ、特に変わらず。客の入りも少しは増えたが相変わらず気楽なものだよ。」

ことことと土鍋からいい音と、和風な香りが漂い始めればそこから椀に盛りつけていく。
ごぼうや芋、ニンジンと言った物を鶏肉と一緒に甘辛く煮物にしたものだ。
ほこほこと湯気を上げるそれをカウンターに差し出していく。

アッシェ > 酒はまぁ、大人しく待っておこう。
雷属性に面白い魔法があったが黙っておこう。あれは一種の遠赤外線扱いになる。
此の身に持たせれば大抵…何かの魔導調理器具代わりになりそうな気がする。主に焼く、煮る、温めの分野で。

「うん、酒と漬物の組み合わせはよい。甘党の家族でな、仕方がない。
 私は…まぁ大丈夫だ。 一献頂こう。」

お猪口を軽く持ち、お銚子から最初の一杯を注いでくれるらしいので、注いでもらおう。
そうしてから、「その身の壮健さに乾杯」と適当な音頭を取って軽く掲げてから 一気に飲み干してしまう。

一度 猫だまりにされたことがある…のは言わないでおこう。
一度どころじゃない 冬の間は何かしらの小動物が来ていた。
お外の居眠りは猫だまり事件からやっていない。

「そう。これから寒くなり 雪も降るだろうから、増えるのではないか?」

漬物、会話をしながらぱくぱくと食べているし、お銚子からお猪口に注いでは呑んでる。
そうしていたら、次の品が出てきたので、それも食べ始める―

ソウレン > 便利な技術はない事もない。神通力などで色々できたりはするのだが…。
相変わらず、手ずから調理する事を好んでいるようには見えるだろう。
今もまた、網に豆腐を乗せて炉にくべている。

「お決まりだが、再会を祝して。
なるほど。甘党一家であったか。」

一家共々だったか、と心のメモに書いておく。
気温の下がる今頃は少しピリッとするのも乙なものではある。
目の前の女性は食している辺り、差はあるようだが。

ちなみにこちらも猫には好かれる体質である。
魚の匂いでも染みついているのかもしれないし、傍でゆったりできるからかもしれない。
膝上に乗せている姿はそれなりに絵になるだろう。

「増えるといいが…まぁ、店も狭いし、一人の商いだ。
増えすぎても困るというのが本音かな。
それに、つまみ食いをする時間も減ってしまう。」

少し冗談めかして笑いながら先ほどとった刺身を小皿でだす。
気温が下がれば鮮度は保ちやすいが刺身は食べるに少々冷たい。
なので楽しむに良い程度、数切れだけだ。
ついでに言えば、酒の肴なのだから少しずつ、というのが良いだろうと思っている。

アッシェ > 焼くに関しては嫁いでからやらさせてもらってない。
炭になる以前に何も残らない熱量出てしまってそれ以来料理させてもらってない。
料理スキルは今現在今後も多分、ゼロです。いや、切るだけは出来るかも…。

「私は半々、竜雪は甘党。竜胆は甘党でしょう、ラファルは雑食
 リスはどうだったかしら、私出されたものは残さないから好き嫌いはあまりないかな。と」

一家というより把握している範囲が狭い。三姉妹の親としては好き嫌いなしの教育しか施していなかった気がする。
料理スキルが欠落しているので、料理は教えていないのだ。女としては料理が出来ないのでは問題があるような。
でもスキルがなくてどうしようもなかった、こればかりは諦めた。

「あれだな、空間認識阻害の魔法を店周辺にかけてしまえばいい。
 増えすぎても困る観点からすれば、その魔法はうってつけだろう。
 ある一定の能力持ちにはこの魔法は無意味だから、その客は店の客としては歓迎もできよう。
 まぁ、魔法自体アレンジし放題だし、レベルの上げ下げは自由になるか。
 日々の暮らしに困らない程度稼げれば いいとか?か?」

さっき休んでいたのはそれか、と煮物をゆっくり食べていたら刺身も置かれたので、一切れ箸で摘まみ 食す。
酒はちびちびと飲みかえたようだった、あのペースで飲んだら もうないからだ。

ソウレン > 力の大きいモノの欠点ではあるのかもしれない。
それを考えれば今目の前で調理中の女将は器用な方なのだろうか。

「竜雪殿は辛子高菜でも苦手なようだった。
しぐれ煮は嬉しそうに食べていたがな。」

なるほどなるほど。そう頷きながら、網の豆腐に味噌を塗る。
軽く焦がして香り立ったそれを串から外して提供する。
表情を伺いながら、そのうちウチに料理の勉強をしに来るかい?、と冗談のように言うてみる。
しかし、それなりに丈夫なまな板など必要だろうな、とも。

「あぁ、道楽程度のものだ。
何、そこまでせずとも今の気楽なくらいでちょうどいいのだろう。
…たまにくる知り合いを持て成すにも都合のいい塩梅だよ。」

言いながら、微笑みかける。
古い知り合いにあったような安心感を感じている。
人間や魔族ではそうはいかないと感じている所、竜種というのも存外難儀なものだ。

酒のお代わりは?と穏やかに問いかける。

アッシェ > 極端すぎて力ある…図体デカイ部門で上位クラスの竜なだけです。
それを凝縮した人型を取っている竜なだけに不器用の極みだった。

「ずんだ餅とかきなこ餅とか雑煮とか食べるよ、あの子。
 辛い物は多分駄目よ、相当甘党だから。酒造の甘い飲み物の発明者はあの子だし」

料理の勉強は無理だな、丈夫なまな板と包丁は自身の鱗を加工して作るしかあるまい。
鉾盾になるが、矛盾もしないし壊れない。…出される料理はどれも少量。そこがいい。
料理の勉強は断っておこう 無駄骨になるのが目に見える。

「そう、空間認識阻害は家にかけると そこの場所を認識しない限り入ることも意識することも見えない便利な代物だ。
 まぁ 何か困ったらいつでも言ってくれ、かけるのは簡単でな」

古いだろうか 竜の人生ならぬ竜生は長い方だ。
新しい知識 新しい出会い 新しい魔術魔法には疎い。
そろそろ久方振りに学ばないとだめになる気がする。

ちゃぷ。
(おや、酒の代わりが必要なようだ。)

軽く振ってみた 中身はないに等しく、お代わりを頼もう。

ソウレン > 豆腐を焼いた網を軽くすすぎ、もう一度炉に。
茶色く丸い物体を3つほど並べてじっくりと火を通していく。

「ほう。甘党が高じて酒造りを。なかなかに面白い。
しかし、餅が好きなのか。覚えておくとしようか。」

料理を教えるのものそれはそれで楽しそうだとは思ったが。
まぁ、それは親御の判断もあるだろう。
気が向けばどうぞ、と笑っておく事にする。

新しいお銚子を鍋にかけ、炉の前に立って様子を見つつ…。

「そうする事にするよ。そうそう困りはしないだろうが…。
用事はなくとも呑みに来てくれれば私は嬉しいな。」

新しい事ならば奥方といればすぐに見つかるのではなかろうか、と考える。
あれだけ賑やかな人物だ。人となり、というよりその周りも含めて。

熱くなったお銚子を持ち上げ、カウンターの空のものと交換する。
次いで網から茶色い物を下ろすと、皮を向いて小皿2つ。塩と一緒に提供する。

「里芋の網焼きだ。塩をつけて食べるといい。
なかなか乙なものだよ。」

言いつつ、自分も一つ相伴するように口へ運ぶ。

穏やかな時間。
その少し後にはお酒もちびちび相伴していくだろうか。

アッシェ > ごそごそとどこから取り出したのは 今冬仕込み入りの酒類カタログ的な巻物。
酒造で仕込んで出荷している酒類各種が描かれている注文書付きの一般的な?カタログだ。
これをゴトッとカウンターに置こう。

「ついこないだ書き記しておいた、酒類カタログを渡しておこう。
 新たに追加されたのは シードルという林檎酒と炭酸水か。
 貴腐ジュースもあるが、あれは軽いアルコール含んでいるしな。
 どれもこれも甘くていいと思う。餅は好きだな…米と大豆栽培しているし」

料理は自身が無理だ、教える以前に娘は出来ると思う。
まぁ、三姉妹 まだ厳密にいえば未成年なので、ここに訪れるのは公式にはあかんだろうと思って居る。

「前は自身にかけていたよ、気配で即ばれたが。
 そうするとしよう、ちょくちょくは来れないと思うが 此処に寄った時は。」

最近 旦那とデートしておらんな、引き籠っていたり旅に出ていたりで不在だった。

「まぁ 今日はもう少しゆっくり過ごそうか。夜はまだまだであるし」

その後はちびちびと食べたり 酒を飲んだりして ゆっくりとした時間を暫くお付き合い願って過ごした事だろう―

ご案内:「居酒屋“幽世”」からアッシェさんが去りました。
ご案内:「居酒屋“幽世”」からソウレンさんが去りました。