2018/12/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエウロペさんが現れました。
エウロペ > 「本当にいろいろあって、どれにしようか迷うなぁ」

夜でありながら未だ明るさと喧騒を失わない平民地区。
その広場と王都の外への門の近くにある仕事の斡旋屋に、ふくよかな肉体をローブに隠した女がいた。
たいてい、王都にやってきたばかりの流れ者や旅人が日銭の当てとしてまず訪れるような、こじんまりとした建物。
体格の良い強面の男やら、質素な服装をした女やらがいるなか、肉付きと品の良さそうなエウロペは、やや浮いていた。
何かと人に視線を向けられているのを気にする様子なく、店の掲示板に張られた数多くの求人広告へひとつひとつ目を通していく。

「あんまり、経験したことないものがいいけれど…拘束時間が長いのもアレかな…」

ココ最近、産まれた子供たちも落ち着いてきたし、王都に腰を降ろしたことで手広くお出かけすることも少なくなった。
要はあれだ、暇になってしまったのだ。
こんな調子であまりお出かけせず家でまったりするような生活を続ければ体重が……なんて今更過ぎる心配をし始めたこの女は暇つぶしのための職探しにここへ。
主に誰でもできる素人向けの仕事を斡旋しているこの店の求人広告は数こそ多くいろいろ選べそうではあるものの、中には怪しげな内容のものも混ざっているようだ。
エウロペ的に危険な状況などそうそう遭遇するようなものでもなかろうが、求人がいろいろありすぎてどれにしようか、すっかり決めあぐねていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「よう、エウロペじゃねぇか、珍しいな――」

悩む女の背後から、男の声がかかる。
彼女の肢体に注目する男たちは多くいたのだが、その中から我が物顔で現れたのがこの男である。

「依頼を探してんのか――?エウロペなら、多少の荒事ならあっさり解決しちまいそーだけど」

彼女の「強さ」についてもよく知る男は、からかいがてら、歴戦の傭兵でも物怖じしそうな依頼状を指しつつ告げる。

エウロペ > 「エズラ…久しぶりね」

突然、背後から声を掛けられて振り向けば、よく知った顔。
その男の顔を見れば、柔らかな表情がゆるりとほころぶ。
ここは斡旋屋である以上、冒険者や傭兵も顔を出す。
寧ろエウロペのような人物がいるほうが、珍しいと思うのも当然。
身体も彼に向ければ、ローブの中の二つ山が、たゆんと確かに揺れ動いた。

「そ、そんなことないと思うけれど…。
でもどれにしようかって、ずーっと考えちゃって」

彼の指摘どおり、エウロペにできないことはまず無い。
それでも、荒事が得意と思われるのもまた心外でもあって。
大人しく見た目上の身の丈に合った仕事を探していたところだ。
彼のように迷いなく決めることができず、ここでこうしてぐずぐずしていた。

エズラ > 「そんなら、オレと一緒に依頼をこなしてみねーか?そんで、それが済んだら――な?」

彼女となら、それこそ希少植物の採集だろうが、危険生物の捕獲だろうが――
あるいは山賊の討伐だろうが、ドラゴン退治だろうが、こなす自信はある。
それよりも、男の言葉の裏側には――荒事をこなした後に、彼女を独り占めする時間の甘美さを想定しているのである。

「さーさ、依頼を選びかねてる、つーんなら、オレに任してくれよ――?」

そう、彼女に伝えながらちゃっかりと、男の腕はその豊満ながらもしっかりくびれた腰を抱いているのである――