2018/11/26 のログ
イルフリーデ > 「鶏肉のステーキ…なるほど!美味しそうね♪」

お酒に合わせた味付けと聞けば、きっと美味しいに違いないと思った。
女性の言うとおり、きっとはちみつレモンにも合うことだろう。

厨房へ引っ込む様子を視線で見送り、料理が出てくるまでの間、男達と要らぬ揉め事を起こさないように、
あえて視線を向けずに、それこそ昔の傭兵団長だった頃のように腕組みをしてどっしり構えながら待つことにして―。

まさかレモンを握力で潰しているとは思ってもいなかったり。

「ありがとう。っと、おお~♪」

カウンターに並べられる料理に美味しそうだと笑みを浮かべて。

「そうなの?ふふ、新しく加わったものをさっそく飲めるなんて、嬉しいね。」

と、彼女の笑みにつられるように笑みを返しながら話せば、自己紹介に

「これはご丁寧に。私は平民地区で研ぎ屋をやっているイルフリーデっていうの。
以後、お見知りおきを。」

笑みを浮かべ、一礼をすると―

「店長さんでしたか!」

と、失礼かもしれないけれど、一言発して。

ロベリア > 「研ぎ屋さん?
でもその格好って、メイドさんですよね?」

意外な職業に首を傾げながら、別の注文が入ったので一旦厨房へ引っ込む。
殆どは作り置きをつけるだけなので楽なものだ。
冷めてくると温め直したりと多少手はかかるが、まだそこまでではないのですぐに戻ってくると料理を給仕に渡して再びイルフリーデの前に。

「話しの途中でごめんなさいねぇ。
うん、でもメイドさんってかわいいから私は好きなんですけど」

と、視線は大胆に露出した胸元や短めのスカートに。
一般的なメイドさんのイメージより、随分セクシーである。

イルフリーデ > 「ええ。一応。
ん?…ははっ!確かにメイドだけど!」

ツッコミに可笑しそうに笑っていると別の注文が入った様子。
込み上げてくる笑いを殺し、料理が冷めないうちに、いただきますをして、食べ始めようか―。

「いえいえ。お仕事を優先してくださいね?
…まぁ…正直なところ、趣味が入ってるやつね。
それに研ぐ時の動きやすさを足したら…こうなったと。
ね、メイドさん可愛いよねぇ。」

ふふっと笑みを浮かべて話すけれど、つまりはほとんど何も考えずに着ている…。

話せば、お肉とサラダを交互に口に運び、味わい、はちみつレモンを飲んで―。

ロベリア > この店は冒険者用、要するに肉体労働者向けの味付けが基本だ。
要するにシンプルに味が濃い。
そしてつまみにもおかずにもなる。
そういった濃い味を、甘いさっぱりとしたドリンクと合わせるのは、それなりに理にかなっているだろう。
料理に手を付けるイルフリーデがどんな感想を出してくるか気にしながら、挙動を見守りつつ。

「あー、ご趣味ですか。
確かにいいですよねぇ」

研ぎ屋の具体的な仕事風景は分からないが、この格好で仕事をしているところを見てみたいななどと少し邪な事を考えているロベリア。
普段から緩い顔つきが一層緩くなっている。

「いっそうちもメイドさん導入してみようかなぁ。
制服に」

店長の戯言を耳にして、店内の給仕がこちらに振り返る。
ちなみに全員男である。
振り向いたのは給仕以外のいくらかの客の姿もあった。
視線に気づいたロベリアは彼らに向かって。

「当然、女の子用ですよー?
あー、そうだ!かわいい制服作ったら女の子がお仕事応募してくれるかも!」

ただの思いつきだが、お店に女の子を呼びたいという目標と合致して良い案に思えてきた。
にわかに興奮しだすロベリア。

イルフリーデ > しっかりと味付けがされている料理。
肉体労働をしたあとに食べるのには最適だろう。
実に美味しい。お客さんに男性が多いのも頷ける、気がする。

味の濃いものを食べた後はさっぱりしたものが欲しくなる。
はちみつレモンが丁度良い。

「ん、美味しいな!冒険者とか肉体労働についてる連中は喜ぶだろうね♪」

素直に感想を述べながら食が進む。
ステーキとサラダを平らげ、はちみつレモンをぐいっと飲み。

そして喋る時はきちんと食べ物を飲み込んでから―。

「ええ。可愛い子が着ていたら、目の保養になるわよねぇ…。」

ロベリアさんの表情を眺めながら、良からぬ考えを口に出している…。
給仕に向けられたであろう言葉にふふっと笑って、周囲をそれとなく見やってから再び彼女に視線を戻して。

「それはいい考えかもしれないね。それにメイドさんの女の子目当てにお客さんが増えるかも。」

と、にんまりと笑みを浮かべる。
男性客にセクハラされるかも?という思いが頭に過ぎったけれど、
ロベリアさんの様子を見ていると、言わない方がいいかな?と思ったりもして。

ロベリア > 「んっふふぅ♪
私、美味しそうに食べてくれる人、好きですよ」

料理を平らげていくイルフリーデを、満足げに笑顔で見守っているロベリア。
そして彼女の発言には。

「ですよねぇ!
気が合いますねっ!」

掃き溜めに鶴、とまでは言わないが貴重な女性客にもメイド服を同意されて、目を輝かせながら思わずイルフリーデの手を握る。

「やっぱりこう、このお店ってまだ華と潤いが足りないんですよねっ!
うん、よしっ、早速明日から募集を出しますっ」

潤いが足りない扱いの男衆。
当然この発言も皆に聞こえているが、苦笑する程度で怒るような者はいない。
何より彼らにとっても可愛い女性店員が増えるのなら好ましい変化であるからだ。
そしてロベリアはといえば、可愛い女の子が増えれば当然それ目当ての男性客が増えるという可能性を完全に失念しているのであった。
自分基準で考えてしまっているため、可愛い女の子目当てに女の子が集まるなどと少しずれた想定をしているのだ。

イルフリーデ > 「ふふっ、美味しい料理は食が進むね♪」

はちみつレモンで喉を潤し、ジョッキを空ける。

「ええ。そうみたいね♪
真面目なメイドさんもいいし、セクシー系なメイドさんも堪らないものがあるわ!」

手を握られ、笑みを浮かべながら大きく頷き返して。

「ロベリアさん独りでも華だと思うけど。紅一点みたいだし。
って、即決だね…!」

男性ばかりの中、可愛らしい女性店長独りとか、充分に華だと思ったとか。
確かに女性店員が増えれば華も潤いも増すだろうけれど、女性客よりも男性客の方が増えそうな感じがする。
即決する様子に、大丈夫だろうか?と一抹の不安を覚えてしまうけれど、
お店の繁盛に繋がるし、いいかな。とも思って。

「可愛い女性店員が入ってくるのを楽しみにしてるよ!」

にこりと微笑むと、続けてご馳走様をして。

「お代は、お幾らになるかしら?」

美味しい物を食べ、満足そうに笑みを浮かべながら問いかけてみて。

ロベリア > 「募集を出したところでいつ来てくれるかも分かりませんし、こういうのは決断が早い程いいんですっ」

欲望まみれの方針だが、その辺りは客たちも望むところなので誰も止めようとする者はいなかった。
もし上手く行き、女性店員が増えたとしてもどちらかといえばロベリアの望むような結果よりは今の客層が更に増える効果が大きいだろう。
価値観の違いを理解していない故のすれ違いと合致である。
そしてもし、誰かがその辺りの勘違いを指摘したとしてもそもそもの価値観の違いからすぐには腑に落ちる事もない。
ともあれ、店長の決断はこの場で拍手を以て歓迎される事となった。
大半は酔っぱらいで状況をよく分かっていないのだが、ノリである。

「はいっ、私も楽しみですっ!
それとイルフリーデさんのお仕事も、今度見せてくださいね!」

良いインスピレーションを得て非常に上機嫌。
ついでにイルフリーデの仕事風景の事も忘れていない。

「ええっと、二皿とドリンク一つだけですから、ドリンク代はおまけしておきます。
試作品みたいなものですし。
なので、お代は50ゴルドですね」

一応仕事中なのであんまり浮かれっぱなしでもいけない。
それなりに真面目な顔、といってもそもそもあまり締まりがないのだが、最低限上辺は取り繕う。

イルフリーデ > 「なるほど、確かにそれはあるわね。募集を出してすぐに来てくれるとは限らないものね。」

なるほど、一理ある。っと頷き返す。
もしかしなくても、彼女の方が自分より商売上手だろう。

お客さんの反応を見る限り、酔っ払いも混じっているけれど、歓迎されているよう。
満場一致で良き事かな!
笑みを浮かべて、同じように拍手をして。

「ええ。って、え?私の仕事?…閑古鳥が鳴いてるけど…機会があったら是非!」

店主がこんなのだから閑古鳥が鳴いている。お客は元傭兵団の繋がりか、近所の人くらいだろうか―。
一体どんな仕事風景を想像しているのか分からないけど、是非!と答えて。

「おおっ!おまけしてくれるの?ありがとう!!」

おまけしてもらえるなんて思いもしなくて、嬉しそうにお礼を述べると、カウンター席から立ち上がり、
懐から財布を取り出しすと50ゴルドを手渡そうとして。

「ご馳走様。また寄らせてもらうね♪」

と一言添えて―。

ロベリア > 「はーい、ありがとうございましたー!
今度はお酒も飲んで行って下さいねー。
売り上げはそっちがメインなので」

代金を受け取ると明け透けに商売事情を口にする。
まあそもそもが酒場なので当然の事ではあるのだが。

「また来て下さいねー。
今度はもっと色々用意できてると思うのでー」

まだ一人目だが、早速の女性客でメニューの追加の意欲は高まってきた。
外注とまではいかなくても、手軽に用意出来る範囲で準備はしておこう。
上機嫌のまま、カウンターの中でイルフリーデに手を振る。

イルフリーデ > 「ええ。今度はお酒を浴びるほど飲ませてもらうね!」

可笑しそうにクスクスと肩を揺らし、笑みを浮かべながら話す。

酒場に来てお酒を飲まずに帰っていく―我ながら珍しいとは、後になって思ったとか。

「それでは、またね♪」

得物を手に取ると、空いている方の手で小さく手を振り返して、お店を後にしようか―。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロベリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイルフリーデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 営んでいる商店も、この時間ともなれば営業時間外。
一日の締めの収支報告を、話半分程度に聞き流して、平民地区の大通りから少し離れた店を後にする。
金銭に頓着していないのではなく、さして注意しなくとも頭の中に入る程度には慣れ親しんでいる習慣ということの証左。
北方帝国辺境由来の民族衣装に袖を通しているのはいつものことだけれど、流石に上に一枚欲しくなる。
故に、これもまた地味な色使いは装束と同様の、厚手の羽織を一枚引っ掛ける。

「今年もこの時期がやってきてしもうたか。
 寒いのは仕方ない話じゃが、こう…何というか、モフられるのがのぅ。」

今よりもう少し冬本番になる頃、毛並みの良いお子様が、着膨れしてモコモコになっていると彼奴らは手を出してくる。
まるで小さな愛玩動物を構いつけるようにモフモフモフモフと。
触れてくるのが妙齢の美女揃いなら不平も無いのだろうけれど、老若男女隔てなく。
子供子供した顔に不釣合いな、そこはかとなく達観した遠くを見遣る視線。
小さく頭を振ると、気を取り直したように大通り沿いの繁華街に向けて足を踏み出す。
そこには、食も酒も女も揃っているのだから、遊び好きの妖仙が訪問しない道理があろうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイヌ/ネコさんが現れました。
イヌ/ネコ > 『あ、いたニャ』

繁華街入り口近くにて、一人のメイドが声を上げる。
指差す先には、若くもどこか覇気、王気の感じられる大妖さま。

「……ホウセン様~?
 またお屋敷に帰らずに、繁華街へ行こうとしてましたね?」

もう一人のメイドもまた、その妖怪へと声をかける。
二人が二人とも、どこかふてくされていると言うか、呆れているというか。そんな様子だ。

『まったく。毎度毎度遊びほうけて。
 ウチのご主人様の命令じゃなかったら、関わりたくねぇ相手にゃ』

生意気なことを言いながら、その妖怪の腕を抱くネコメイド。
しかして、その表情はどこか楽しそうである。

「派遣先のご主人様といっても、過度の夜遊びは見過ごせません。
 メイドたるもの、主人の予定や体調をコントロールするのも仕事ですから」

イヌメイドも、相棒と反対の腕を抱きしめる。
いわゆる、お家に連行、スタイルなのだが。
イヌメイドが大妖を見る目には、どこか、熱がこもっていた。

ホウセン > 道すがら、街を歩く者達の装いをチラリと観察する。
この時分ということを鑑みると、心持ち厚めの装いをしている者がチラホラと見受けられる。
少なくとも冬の足音が何処かで足踏みをして、暖房器具の出番が先延ばしになる…ということは無いらしい。
そうすると、薪だの何だのと燃料の需要も例年並みにを期待できるか等と算盤を弾いて――

「ぬ。
 一仕事終えた儂の、心と身体の洗濯をしようというだけじゃぞ。
 寧ろ、近辺の経済に資金を投入してやろうという投資としての側面が…」

――見事に捕獲された。
何事か、それっぽい言い訳をしていた筈だが、無慈悲に、問答無用で。
小さな身体ゆえに膂力はお察しのとおりで、両腕を塞がれるとチタパタと哀れな程に無力な抵抗をし、息切れをし、後はズルズルと連行されるに任せる。

「……して、儂は何処に担ぎ込まれるのじゃ?」

妖仙の固定的な活動拠点は、店と、平民地区で借り上げている定宿。
店は今出てきたばかり故に違うだろうと踏みながら、一応は問うてみる。
非力な連行者という風体だが、二人の目の色に気付いている辺り、”仕込み”が効いてきているのだろうとの判断。
折角妙齢の使用人を借り受けたのに、手を出さなかった事情はその辺りにあるのだろう。

イヌ/ネコ > 「上手いこといって逃れようとしてもダメです」

三人並んだ際、一番身長が高くなるイヌが相手の言葉に呆れたように。
しかして、事実この妖怪の言葉も一理はある。
経済とは回すべくして回すもの。
資産ある者が金を回さねば経済は動かじ、である。

『にゃふぅ~。どこに連れてこうかにゃ。
 宿に直行して、無理やりベッドに寝かしつけ。
 明日の仕事に備えて早寝早起きさせる、とかかにゃ?』

相手の言葉にくすくすと笑うネコ。当然、それもいいかも、とは本気で考えているが。
それではあまりにも面白くないというのも事実。
そこでネコが、相手の耳元に口を近づける。

『しっかしホウセン様も良い趣味してるにゃ。
 もうここ数日、イヌちゃん、悶えまくりでエロエロモードにゃ?』

小声で囁いた言葉は、聞くものが聞けば意図が理解できよう。
相手の仕込が、見事功を奏しているということ。
かくいうネコもまた、最近は発情気味。しかも、それはこの相手によってもたらされていることなのだから。

と、いう状態のまま、二人は妖怪を引きずって歩くが。
当然行くあてもなにもない。
取り合えず、繁華街からこの妖怪を引き剥がしてやる、という感じではあるが。
二人が二人とも発情中なのだ。無事に帰れる保証はない。

ホウセン > 妖仙の認識は、極めてシンプルである。
生真面目なのがイヌ、遊び好きなのがネコ。
見た目から種族的性質を鑑みれるけれども、自己の見聞によるものしか信用しないのだ。
定宿の清掃と、装束の繕い、それと食事の世話に、取引先への送迎。
命じた仕事はその位だが、オマケが付いていた。
即ち、夜な夜な娼館に繰り出す妖仙のお供をすること。
それも、娼婦との行為に混じれと命じる訳でもなく、控えの部屋で事が終わるまで待機させたのだ。

「何ぞ、非人道的な拷問の算段が聞こえたようじゃが…
 そうさのぅ、折角じゃから、ちぃとばかり散歩しても良いかもしれぬ。」

風体に似つかわしい子供扱いをし、早寝早起きさせるのが非人道的との世迷言。
尤も、見た目どおりの存在ならば、メイド二人がこうも欲を励起させられることもあるまい。
女遊びをしている間、始めの十数分で娼婦の蕩けに蕩けた声が聞こえ、程なく獣じみた嬌声へと移り変わり、それが延々と続くのを繰り返し聞かされているのだから。

「そら、逃げも隠れもせぬから、腕を放すのじゃ。
 これでは窮屈じゃし、”悪戯”できぬではないか。」

解放を求めた理由のどちらに反応したものか。
両腕を抱えられた連行スタイルから解放されると、徐に”悪戯”を始める。
何と言うことは無い。
往来の中だというのに、両隣に居るメイド達の尻肉を着衣の上からむんずっと鷲掴みにしただけだ。

イヌ/ネコ > そもそもこの二人が大妖の元へ『貸し出し』されることになったのは……。
二人の雇用主の失態が原因であった。
うかつな契約のせいで、哀れメイドコンビはしばらくの間、この妖怪の下で働くことになってしまったのだ。

「何が拷問ですか。ホウセン様は少し享楽的が過ぎます。
 食も、睡眠も、っていうか。
 毎日ほぼほぼ好き勝手に生きてるじゃないですか」

それじゃあいつか体を壊しますよ、とイヌが言う。
ネコはそんな相棒の言葉を聞いているのかどうか。
相手の言った散歩の一言に頷き、笑うのみだ。

『いいにゃあ、散歩。寒いときは寒いときで、趣あるからにゃあ』

相棒が宿へとこの相手を引きずろうとしているのも無視。
なんなら散歩しよう、と提案すらする始末。
イヌはといえば、盛大にため息を吐くのだが。

「ひゃっ!?」
『にゃふんっ♪』

相手の指示に従い、腕を放した瞬間。
二人が二人とも、声を上げることになる。
いきなりの愛撫に驚いたのは事実だが……そこからが、二人とも反応が違った。
ネコは相手を見て、にやり、と笑い唇を舐める。いわゆる、イタズラのその先を期待してはいるがしっかりと耐えている状況。
だがイヌは、その瞬間に足を止めてしまい、呼吸がすぐに乱れることになってしまう。
のみならず、膝は笑い。頬は朱に染まり。
発情をコントロールできなくなっているのが見て取れるほどの状態だ。

ホウセン > 取引といえば取引だが、対等な力関係によって成立していたかは、議論の余地が残る発端。
ともあれ、使用人とはいえ借り物だから、過酷且つ阿漕に扱うのは雅量に欠けると、少しばかり加減した扱い。
尤も、己の行動に自主的に制限を掛けることで、二人に降りかかったような”仕込み”が生じる要因が生じたのだけれど。

「食う寝る遊ぶだけならば、野放図に生きておると評されても仕方ありゃせんが…
 きちんと商いをして、雇い人を食わせておるのじゃから、少しばかりの遊興には目を瞑ってもらいたいものじゃな。
 例えば、このようにのぅ?」

イヌの小言も、蛙のツラに何とやら。
ネコの賛同も得られたことだしと施した奇襲だけれど、寧ろイヌの反応の著しさに口元が緩む。
即ち、火に油を注いだのだ。
急に上がった声に、通行人の幾人かが奇異の視線を向けるが、精々ませた子供の悪戯ぐらいにしか見えないだろう。
暫く三人を捉えていた視線が、方々に散るのを待って、今度は鷲掴みにするのではなく、細い五指を尻肉へと食い込ませ、ゆるりと揉み解すのだ。
断じて、いたいけな童の手管ではない。

「ほれ、イヌよ、”散歩”だと言うたじゃろう。
 其処で立ち竦んでおっては、宿にも帰りつけぬじゃろうに。
 のう、ネコもそう思うよのぅ?」

果たして、本来の飼い主から、この小さな人外についてどの程度聞き及んでいるかは分からぬが、公衆の面前から任意の存在を認識出来ぬようにするなんて朝飯前。
けれども、今が可視なのか不可視なのかを、メイド達に判断する材料は無く、ちょっとした露出行為の風情を味わえるかもしれない。

イヌ/ネコ > これに関しては、二人の主人たる男も忸怩たる思いもあるが。
曰く。『賭けに負けたみたいなもんだから、払うもんは払わんと。信用に関わる』だとか。
おかげさまで、この二人は家を離れて働くことになっているわけだが。

「そ、それは、そうですけど……。
 だ、だからって……!」

相手の言葉に噛み付こうとするものの。
続いての愛撫にイヌが言葉を失う。
正に熟達の指使い。荒々しく揉まれた後の、そのフェインガーテクニック。
緩急付け、揉むポイントを小刻みに変えられるその愛撫に、イヌは口元を押さえ、声を殺す。
一方のネコは、こういったイタズラを楽しむ余裕があった。

「……っ! ~っ!」
『あー、そうっすにゃあ。
 このままじゃあ寒空で凍えてしまいますにゃあ』

相手の指使いに、イヌが小さく震える。
どうやら、軽く達してしまっているようだ。
ネコはネコで、空を見ながらとぼけた声。
事実、このままココで行為をするには、ちょっと寒すぎるかなぁ、くらいにしか思っていないようだ。

ホウセン > ”悶えまくりでエロエロモード”とはよく言ったもので、小さな手を通して伝わる身震いから、イヌの状況は看取できる。
流石に、発情を溜め込み過ぎではないだろうかと、黒い瞳が斜め下から上気した顔を見上げ、幾度かの瞬き。
自分で仕掛けたことではあるけれど、これでは移動も侭ならないというのは難儀する。
何しろ、三人で”遊ぶ”のなら、グロッキーになった者を休ませてやる必要が出てくるやも知れぬ。
その折に、地面では硬く冷た過ぎるだろうと。

「呵々!イヌの小言を防ぐ為には、こうしてやるのが具合が良いと理解したのじゃ。
 アクメ声を我慢するだけで、手一杯になってしまうのじゃからのぅ。」

カラカラと、変声期前の、少女の声とも聞き違い得る高い声で、イヌの羞恥を擽らんと囀る。
きっと、もう何をしても流されてしまうだけなのではないかという余裕のない片割れから、今度は視線をネコへと向ける。
一見、余裕を持ったすまし顔のようだけれど、それはそれで悪戯心が疼くというものだ。

「いやさ、こうも我慢弱いと知っておれば、宿に着くまで大人しゅうしておったのじゃが、事此処に及んでしもうてはのぅ。
 流石にお主一人にイヌを抱えさせる訳にもいかぬじゃろうし…」

何時、イヌの二の舞になるかも分からぬじゃろう等と、悪戯っぽく。
戯れるように、じゃれるように。
尻肉から指を離し、尻尾の付け根の上の辺りを、ポンポンと優しく叩いてやる。
メイドが二人とも移動出来そうにない状態に陥ってしまえば、仕方無しに”帳”への穴を開けるぐらいしか手段がなさそうだが――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイヌ/ネコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からホウセンさんが去りました。