2018/11/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロベリアさんが現れました。
ロベリア > 昼食時、これといった事件も起きないと思っていた矢先の事だった。
客層は大体は常連の固定客で、彼らだけなら粗暴ではあるがそうそう大きな問題を起こす事はない。
問題が起きるとすると、新参との客絡みが多い。
だが今日は常連客同士でいざこざが起きていたようだ。
厨房で仕込みを済ませたロベリアが気づいた時には、もう一触即発という雰囲気。

「こ、こらー!
何をしているんですー!」

二手に分かれて睨み合う冒険者達。
大半はどちらにつくでもなく、かといって止める訳でもなく囃し立てたり傍観しているだけ。
最前列で睨み合うそれぞれの代表格のような二人の間にロベリアが割って入る。

「お店でケンカはダメって、あれほど言ったでしょっ!
……原因はなんですか?」

冒険者達の間に割り込みながら、それぞれを手で制し睨みつける。
とはいえ童顔気味の顔立ちではあまり迫力はない。
だが睨まれた冒険者たちはきまりが悪くなったのか、気勢を削がれたようでとりあえず一触即発の雰囲気は収まっていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にモッペルさんが現れました。
モッペル > 「よっと。まだランチはあるかい?」

早朝から続けていた周辺の散策。一区切り突いた頃にはすでに昼食の時間と言うには若干おそく。それでもまだ人の声がしていた酒場のドアを身体をかがめてくぐるのは身の丈がヒューマンの男性の二倍はあろうかという巨大な女性。街の散策なので身軽な皮の胸当て程度の装備で

ロベリア > 険悪ではないものの妙な雰囲気の中、昼食の時間は過ぎていった。
むしろ何となく和んだ空気を感じるのが不思議である。
その原因も結局有耶無耶になったが、そのうちそれとなく聞き出してみたい。
そうして新しい注文もなく、適当にランチタイムを切り上げようと思った頃に新たな来客。
見上げる程の巨躯に思わず驚きの声があがる。

「わっ……。
はぁい、温め直しはできませんけど、シチューもスープも残ってますよー」

こういった種族はこの辺りでは色んな意味で目立つ。
この身の丈で目立たない場所というのは、人間の都市にはそもそもないであろうが。
巨体と物珍しさに驚いたもののロベリアの態度は平素と変わらずのんびりとしたものであった。
ただ残っていた他の客の反応はそういう訳にはいかず、警戒して様子を伺う者もいる。

「シチューとスープ以外は、パンとサラダぐらいしかありませんけど。
ああー、それとお肉ですね。
今日は豚肉のグリルです」

少し緊張を孕んだ空気の中、注文を取りに来るロベリアであった。

モッペル > 「ああ、まだ肉はあるのか。良かったよかった。とはいえ私が食べる分くらいはあるかい?大体ヒューマンの10人分くらいだけれども。ないなら狩ってきた肉があるからそれを提供するから何か作って欲しいんだけれども」

巨大な身体に見合う以上の乳房に柔らかな表情。全身にむっちりと脂肪が乗った丸みのある身体。これで全体的なサイズさえなければ母性を感じさせるような体つきなのだけれども。

ロベリア > 「はーい。10人分ぐらいでしたら、何とかー。
いっぱい食べるんですねえ。
他には何かいりますか?」

周囲の緊張をよそに、極めて和やかな対応。
粗雑な男たちよりも相手にしやすいぐらいである。
流石に今から持ち込んだ肉で調理してくれというのは困るが。
しかしロベリアはそれ以外にも少し困った風でもあり。

「それとですねえ、お客様の体にあったテーブルがないので……。
椅子は、いくつか並べれば間に合いそうですけど少し窮屈な思いをさせてしまうかもしれません」

想定している巨体よりも遥かに巨躯。
この体に合った家具はここにはない。
何とか身をかがめてもらうなりしてそこは我慢してもらうしかない。

モッペル > 「ああ、椅子は平気だよ。だいたいこうなるから、自前のがあるしね」

背負っていたバックパックには折りたたみできる椅子が備え付けられ。強化の魔法もかけられてそうそう壊れないものを作ってもらっていて。とりあえずは空いているテーブルに向かうと椅子を組み立て、どかり。と腰をおろし。高さが合っていなくてテーブルに子供が抱きつけそうなほどの超乳が乗っかるのはご愛嬌

「とりあえずパンとサラダを3人前。ローストを10人前。水かジュースかお茶か、食事に合うドリンクをピッチャーで頼めるかい?」

ロベリア > 「わぁ、準備がいいんですね。
助かります。
ええと、飲み物は昼はお水しかないので、ごめんなさいねぇ」

注文を聞くと軽く頭を下げ、厨房に引っ込む。
メニューが狭いが作り置きを持ってくるだけなので待たせる事もない。
給仕がいないので全て一人でやらなければならないが。
少しすると、食事を持てるだけ持ってロベリアが戻ってくる。
パンとサラダは3人前を一度に片手で、肉を逆側の手に乗せながら手には水の入ったピッチャーを持って。
バランスに気をつけてはいるが重さを感じさせず軽々としている。

「よっと……、ふぅ。
残りのお肉はすぐにお持ちしますね」

そしてすぐに厨房に引っ込むと、同じように今度は肉だけを満載して戻ってくる。
その後、乗り切らない料理は空いたテーブルに置くとモッペルの対面に腰掛ける。

「私もご一緒していいです?
これでランチタイムはおしまいなので」

そう言って、注文に混じってちゃっかり自分の分の賄いを大皿で一つ持ってきているのであった。
中身はメニューの内容が色々混ざったごった煮だ。

モッペル > 「なに。この身体だからね。戦闘の約には立つけれどもヒューマンの中で暮らすには厄介なのはわかってるよ」

けらり。明るく微笑みかけて応答し。

注文を待つ間に周囲からの視線に気づけば、敵ではないですよー。と警戒の視線に対して笑みをして毒抜き。

「ああ、遅い時間だしね。どうせテーブルは一人で占領しているようなものだし構わないよ」

お先に。と一声かけてからまずはサラダ。食器も流石にヒューマンに合わせると小さすぎるので自前。ヘラのようにおおきなフォークでざくざくとサラダを突き、はぐ。と一口。一人前のサラダの半分ほどが一口でなくなって

ロベリア > 店内の空気は当初のような緊張感は和らいだが、今度は僅かな警戒心と共にかなり注目されている。
注目されている当人は気にした様子もなく、ごった煮の賄いをゆっくり口に運んでいるのだが。

「このお店には冒険者の方が多いんですよぉ。
お客さんは、冒険者というよりは傭兵でしょうか?」

身じろぎするだけで人間が吹き飛びそうな巨体の前で、全く物怖じせず世間話を始める。

「あ、私、ロベリアっていいます。
これでもこのお店の店主なんです」

そして喋りながら、適当に自己紹介も済ませていくのであった。

モッペル > 「いちおうくくりは冒険者だねぇ。この体だから遺跡にはなかなか潜らないけれども。アイテムバッグ持ちだから狩人がむしろ主かね。肉をギルド経由で卸したりしてるよ。」

むぐむぐとサラダを口に。主に肉食だけれども野菜も嫌いではないようで。性格は口調通り温和でとくに危害を与えようという意思も内容で

「モッペルという。人間だと呼びづらいから適当にモペとかでも構わないよ」

こちらも自己紹介。ヒューマンの名前からしたらすこし間抜けな響きか

ロベリア > 「モッペルさん、ですねぇ。
いえいえ、可愛らしい名前だと思いますよ」

体格の違いもあり、一口の進みの差が凄まじい。
特にのんびりとフォークを動かしているロベリアよりもモッペルの方が先に平らげてしまいそうな勢いだ。

「んー、ああ、それでさっきお肉」

先程自前の肉を調理してくれというのと、狩人という話しが少し遅れて頭の中で繋がる。
初対面の相手だが、危険性は殆ど感じず完全に気分が緩んでいた。

「お肉の持ち込みは、あんまりないですねぇ。
手間もかかってしまいますし、持ち込んですぐにお出しするっていうのは難しいんですよ。
まだうちのが残ってて良かったです」

モッペル > 「まぁ店の流儀もあるしね。いちおう捌いて枝肉の状態にはしてあるけれどもね。まぁ。ギルドに売らなかったのは自分用っていうのもあるけれども。直販で店に直接も手ではあるけれどもね」

本気でたべれば小さな店が準備する程度は平らげてしまうほど。体の大きさに合わせてわりと食欲も大きいため、たえず食材や調味料は自分用を用意しているようで。そして体格通り。3人前もある山盛りのサラダはあっという間にモッペルの中に消え、ぐ。とジョッキよりも大きなピッチャーだけれども、見かけ上は小ジョッキのような状態。一口飲んで口を洗い流し、パンとスープにとりかかり

ロベリア > 「そういう事でしたら、いくつか買い取ってもいいですか?
お肉も毎日使うものなので」

値段次第だがこうして仕事のついでに補充出来るなら願ったり叶ったりだ。
常にある程度のストックはあるが、消費もあっという間である。
手間なく補充できるならそれに越したことはない。

「ふふふ、それにしても、いっぱい食べる人っていいですねぇ。
普段は男の人ばかりですけど、モッペルさんみたいな女の子がいっぱいご飯を食べてるのも好きですよ」

それが好きでこういった店を始めたのだが、客層は自然と男ばかり。
男相手でも嫌ではないのだが、モッペルのように女性客が訪れるのは中々貴重であった。
ロベリアにとって、今の光景は中々に眼福なのである。
普段から温和な笑みだが、今は特に機嫌が良さそうに笑っている。

モッペル > 「ああ、かまわないよ。 今あるのは…鹿と猪と魔物肉がいくつか。巨大蛇の肉なんかは鶏肉みたいに癖がなくてオススメだよ。脂もないけれども。」

むぐむぐと食べながらの会話。育ちは悪くないのか、口の中に物がある間はしゃべることはせず。それなりに大きなポークローストも一口で食べ、むぐむぐと。10人前を用意したもらったが、それすらあっという間に無くなりそうで

「そういうものかい?まぁ。酒場だと男が多いからねぇ。冒険者も大体男だし。女だと甘い物があるところに行くことも多いからね」

体格さえ気にしなければ整った顔立ちに男好きしそうな身体。今は薄手の鎧ということもあり、ヒューマンでは抱えるような巨大な乳房のかたちもよく見て取れて

ロベリア > 「鹿ですかぁ、いいですねぇ。
燻製にしておけばすぐにお店に出せますし、猪も臭みを消したらおいしいですからねぇ」

鹿と猪なら都合がいい。
魔物と巨大蛇に関しては、自分で食べる分にはともかく店に出すのはどうなんだろうか少し考え込む。

「甘い物は、中々勝手が違うんですよねぇ。
もうちょっと勉強してみようかなぁ」

料理を始めたのがここ最近。
最近といっても自分の寿命基準なので、十年以上の幅があるのだが。
覚えていった調理方法は、気づけば女の子が好みそうなものとはかけ離れていくばかりであった。
男性客、それも特に屈強で粗暴な類ばかりになったのは不満という程ではないがうっかりした誤算であった。

「んーっと、……モッペルさんも、甘いものはお好きですか?」

今目の前で景気よく料理を平らげていくモッペル。
かなりの巨躯ではあるが、一応女の子に分類される。
彼女が自分の作ったお菓子を食べてくれるところを想像すると、少し気分が弾む。
体格差はともかく顔つきや体つき含めロベリアの好みに十分合致しているモッペルには、既に大分好意的だ。

モッペル > 「甘い物?人並みに好きだよ。食料袋の中には大体買い込んだケーキとかあるしね。いやー。時間経過しない高いアイテムバッグは便利でいいねぇ」

あとは砂糖やハチミツなんかも。と。特にハチミツなんかは防護の魔法さえかけておけば難なく手にはいる…とはいえ魔物化した蜂もおおく、一般人では難しいけれども

「単純な果物なんかもいいね。お茶とかあれば気は休まるけれども…煎れるのは苦手でね」

ロベリア > 「な、なるほどぉ……」

モッペルの言を聞きながら考える。
果物といえばアルコールの添え物程度で、お茶は極力手間をシンプルにしたい事から昼間も出していない。
菓子類は論外でそもそも置いておく余裕もない。
経営上のコストの都合があるとはいえ、冷静に考えると自分から進んで女性客の寄りつきにくい環境にしているようにしか見えなかった。

「お、お茶はありませんが、レモンでも食べます……?」

レモンは料理、特に肉類の調理で色々役に立つので常備してある。
酸味が強すぎて当然そのまま食べられるような味ではない。
男たちのケンカや見知らぬ巨体に全く動じなかったのが、今は完全に動揺している。
顔もやや青ざめ、食事の手も止まっていた。

モッペル > 「甘い物と軽い食事。度数の低いお酒。 こういうことに関しては男性客と女性客は真逆だからねぇ」

それでもどちらかというと男性よりの食生活。けらり。と。

「ん、じゃあもらおうかね」

せっかくだし。とレモンをもらうことに。その間に簡単に甘くする方法として、蜂蜜酒と蜂蜜の瓶をアイテムバッグから取り出して

「焼き菓子は用意しておけば簡単だけれども茶はねぇ…入れてから時間立つと香り飛んじゃうからね」

ロベリア > ここ暫くお店を軌道に乗せるのが楽しい反面、何か潤いが足りない理由が完全に分かってしまった。
動揺したまま、レモンなんかそのまま食べられるわけないとようやく気づくのだがモッペルは構わないようなので厨房にいくつか取りに。
客の前でここまで取り乱したのはお店を開いて以来初めてかもしれない。

「ええっと、レモンの分の代金はいらないので、どうぞ……」

足を動かしている間に徐々に動揺から立ち直ったが、食欲は完全に吹っ飛んでいた。
レモンを渡して食事を再開するが進みは遅い。
その一方で、店内に残っていた他の客たちは何が起きてロベリアの様子が急変したのかよく分からず首をかしげていた。

モッペル > 「ほいよ、どうも」

渡されたレモンを半分に。きれいな布を探してレモンを何個かまとめて包み。水が入っていたピッチャーを飲み干し、そこに布を巻いたレモンを握って絞り、蜂蜜酒と、さらに蜂蜜を足してステア。

「これだけでも十分に甘いドリンクになるから、いろいろ試してみるのもいいかもねぇ」

飲んで見る?手を拭きながら蜂蜜レモン酒のピッチャーを差し出してみて。

ロベリア > 手慣れた様子のモッペルにややショックを受けながら、頷きピッチャーを手に取る。

「んっ……、おいしい……」

強烈な酸味は抑えられ、甘みのアクセントとなって飲みやすい。
このぐらいなら多少は手間がかかるが、似たようなものはすぐに作れそうだ。
少し飲むと残りをモッペルへと返す。

「私ったら、こういう事に全然気が回らなくて……。
恥ずかしい……」

冷静になって思い返すと男らしすぎる酒場のメニュー。
男客ばかりになるのも道理であった。
そういったところに気づかない間抜けさを突きつけられたようで、青ざめていたはずの顔が今度は赤くなり、思わず顔を手で覆う。

モッペル > 「まぁ酒場としては成功してるからいいんじゃないかい」

常連の一人が作って飲んでるものに興味を惹かれたかのようで、なんだいそれ?と声をかけてみる。そのまま軽く飲ませてみると、俺らにゃ物足りないがもっと水で薄めて軽くして冷やせば夏場によさそうだな。とかわりと好評の様子

「菓子類はいざとなったら外注してしまえばいいんだよ。パン屋とか焼く窯があればいいんだしね。何にせよ、男と女の両立はむずかしいだろうねぇ」

赤くなる様子にくすくすと軽く笑んで

ロベリア > 用意するだけなら外注も手だが、しかしそうすると売れなかった時にコストが……。
と考えたところでこういう思考を繰り返して今の状態に至っているのだと自覚する。

「はぅっ……。
か、考えておきますぅ……」

女の子が全然来ないなあというのも、冷静になって考えてみればこんなところに好んで寄り付くはずもないと分かる。
まずは、せめて女冒険者が入りやすい店作りを目指そうと一人誓うのであった。

「モッペルさん……。
これからも、どうかご贔屓によろしくおねがいしますね?」

お店にやってきた貴重な女の子、潤い。
モッペルの手、というか指を握って真剣な目で見つめる。

モッペル > 「まぁ、時間帯を絞るのも手だろうね。 昼食の部、お茶の部、夕食と酒の部。みたいにね。時間を区切ればさばける数も限られてくるから見積もりもできやすいんじゃないかい」

こんな身体を好き好んで抱く男もいない。というかいいよってくるのは「抱かれる」ことを目的としたようなのばっかりだけれど。そんな状態であれば別に男性ばかりのところに入るのは抵抗もなく…

「部屋があれば宿を替えてもいいけれどもね」

今の宿は規格外のモッペルでも入れる、大型種族向けの大部屋がある宿。そこでも部屋の半分を使ってしまうため、規定人数の6人分の宿代を払って部屋を貸し切りにさせてもらっている状態。厩よりはマシ程度で借りているだけなので、代わりがあれば。という気楽さ

ロベリア > 「これ以上は人手を増やさないと難しいですねえ……」

昼夜の区切りだけでも既に手いっぱい。
これ以上は体力はともかく単純に手が回らない。
そろそろ夜の給仕以外も増やそうとは思っているのだが、コストパフォーマンスからどの程度人材を導入するかは微妙なところだ。

「上の部屋は空いてるんですけど……。
入れるでしょうか……」

二階は自室で一部屋確保して残りは宿として利用しているが、長期の宿泊客は現在おらず基本的に空いている状態だ。
とはいえ物理的にモッペルが入るのはどう見ても無理そうである。
とりあえず寝起きができれば良い程度の部屋しか残っていないし、基準は当然人間である。
人間の巨躯というレベルを超えているモッペルは、その辺り色々苦労がありそうだ。

モッペル > 「短期でいいなら冒険者雇う手もあるね。そこで下地をつくってあとは長期の人員を。という手もある。私でもできなくはないけどまぁ。動き回るにはテーブルの間は開けておいてほしいがね」

いまでも街をあるくと時々ヒトとぶつかることもあり。大体はむっちりした腹肉にぶつかるので怪我は無いけれども

「普通のサイズで手狭だと入らないかもねぇ。 まぁ。最終手段は厩のあたりでテント張る感じかね。厩の中は遠慮したいがねぇ。一度、私の匂いで発情した馬の相手したことあってさ」

苦労ゆえ。それでも人懐っこい性格であればけらりと笑い飛ばして

ロベリア > 馬の相手と聞き、確かにこの体格なら馬ぐらいが相手で丁度いいのかもと納得。
具体的なところは非常に気になるが、流石に人目がある中で聞く訳にはいかないので我慢。
またいずれ、二人きりで機会が合った時にでも期待しておこう。

「とりあえず、このお店だとモッペルさんが働くのも大変そうですねぇ。
うぅー、残念です」

現実的に考えて、今モッペルの言ったアイディア辺りになるだろう。
具体的な内容を詰める必要はあるが、ともかく焦らず長期計画でやっていくしかあるまい。

「そうだ、夜もよかったら来て下さいねぇ。
食事はあんまり代わり映えしないですけど、お酒も出せるので。
繁盛している時はちょっと手狭になるかもしれませんけど……」

今は時間を外しているから人もまばらだが、夜は埋まる時は席が全て埋まる日もあるぐらいだ。

モッペル > 「ああ、働くまでは無理そうだから時間を見つけてたべにくるさ。そのときには甘い物を少しおいてくれると嬉しいねぇ」

食の好みは男性に近い。とはいえ野菜も好むあたりが違う程度。いろいろな国を回っているため様々なレシピもあり。

「満席だったら私だと入れないんじゃァ無いかい?」

けた。とかるく戯けるように

ロベリア > 「甘いものは近い内に何か試してみましょうか。
席は……、その時になったら考えましょう」

席を詰めてもらうなり、何とかなるだろうと楽観的に。
上流層とは違い、流れ者や外国人が多いので異種族差別もそんなにきつくないから快くかは分からないがそのうち馴染んでいくはずだ。
単純に狭いということで多少のいざこざはあるかもしれないが、そのぐらいならいつもの事といえる。
そういえば昼食直前の諍いも何だったのか、結局まだ不明なままなのを今更思い出した。
だがまあ、これも追々解明するとして。

「とりあえず、食べ終わったらお肉を卸してもらっていいですか?
蛇とかは保留で……」

食欲もいつの間にか戻り、自分の分の賄いをすっかり平らげると今度は商売の話しに。

モッペル > 「ああ、食後のデザートくらいでいいんだ。あると嬉しい。くらいだからね。」

パン3人前、サラダ3人前、肉は10人前。合計16人前の食事はもうあと僅か。最後のパンに切れ込みをいれ、肉を挟み。自分用の調味料。酢漬けの唐辛子を一切れ。あぐ。と食べ、あっという間に食べきり…

「ああ、何がどのくらい必要だい?商談の話だから個室のほうが良いかもだけれども」

ぺろ。と指についた肉汁を軽くなめ、ふきんで綺麗にして

ロベリア > 「それもそうですねぇ……」

おおっぴらにして困る内容でもないが、モッペルの方の都合もあるかもしれない。
それに商売である以上ある程度の線引というのも必要だ。
とはいえ、モッペルが入れそうな部屋となると少し悩む。
厨房は、入れはするが機密性は結局ほぼない。
ここで商談するのと大差ない事になる。
となるとあとは自室か地下室ぐらいだ。
地下室は、肉の塊をそのまま搬入する事もあるのでサイズ的には問題ない。
自室は小物がごちゃごちゃとしているが、寝室側なら入るだけなら入れるか。
余裕があるとは言い難いが、どこが一番良いだろうか考える。

「では……、上の部屋へ行きましょうか。
窮屈かもしれませんけど、お話をするぐらいでしたら」

多少スペースの余裕で勝るのは地下室ではあるが、多少なりとも好意のある女の子と肉の垂れ下がった部屋というのは率直に嫌だと感じた。
なので、手足を伸ばす余裕はないかもしれないが自室の寝室側へ向かう事に。

モッペル > 「ほいよ。昼の部を締め切るのを待ったほうがいいかい?」

一応の気遣い。なんだかんだでまだだらけている常連もいる店の中。夜の部に差し支えないように…とも。

ロベリア > 「ああ、大丈夫ですよ。
顔見知りばかりなので、適当にしておけば」

セキュリティが必要な部分は既に対策はしてある。
ロベリアが自室に一時的に引っ込むぐらいは、特に問題はない。
店主が留守でも、冒険者達の集まれる場所として普段から半ば開放状態でもあるし店はこのままでいい。

「それではついてきてください。
……あっ、すみませんちょっとだけ待ってて」

部屋までモッペルを案内しようとして、一人で先に部屋に駆け込むロベリア。
ややあってから戻ってくる。

「お、お待たせしました。
こっちへどうぞ」

改めて、客人を部屋に招き入れるのであった。
寝室は壁際にベッドが置いてあるぐらいで、タンスやらが見えるが他にあまり物がない。
とはいえモッペルの体格ではとりあえず入れるぐらい。
飾り気もあまりなく、ここは本当に寝起きするだけの部屋だ。

モッペル > 「まぁ勝手知ったる。という感じかねぇ」

店員がそれでいい。といえばそういうものなのだろう。と。案内されるまま階段を軋ませて二階へ。そのまま進み、部屋の中。とりあえずどこに座ろうか一考…椅子は壊しそうなので、ベッドでもいいかい?と声をかけ

「なんか、宿の部屋そのままという感じだねぇ。女の子なんだから少しは飾らないと」

飾りっ気の本当に無い、寝るためだけの部屋。くす。と軽く笑みをこぼして

ロベリア > 「あ、あはは……。
そこは、まあ」

飾り気がないのは自覚していて、指摘には思わず目をそらし曖昧に笑ってみせる。
ドアでつながっている隣の私室は生活感がありすぎてこちらも見せられたものではない有様なのは秘密にしておこう。
先程も、朝脱ぎ散らかした服をとりあえず寝室から隣へ放り込んで対処していた。
男連中ばかりを相手にしているせいか、段々がさつになってきている気がする。
切実に潤いが欲しい。

「と、とりあえず!
商談ですっ!
ええっと、買い取りたいのは鹿と猪ですけど、とりあえず一頭ずつでいいですか?」

ごまかすように、商売の話しを切り出す。
魔物肉と大蛇は今日のところは抜きで。

モッペル > 「一頭だけでいいかい?なら枝肉を2つだね。」

ふつうのずだ袋のようなマジックバッグの口を開いて手を入れ。ずるぅ。と取り出したのは大きさ的に牡鹿の半身。皮を剥かれ、内蔵と頭も処理済みの様子。新鮮すぎてまだ熟成はたりなさそうに見える枝肉を、どん。と床に立てるようにおいて、もう一つ。と取り出して

「蛇肉も安くしておくよ?魔物肉は都市部だと嫌われるから余るんだよ」

けた。と軽く。

ロベリア > 女の子も訪れやすい店作りを決意した直後に、蛇はどうなのか。
調理次第では酒に合いそうだが今はそこは重要ではない。

「肉の方は……、処理もされていて問題なさそうですね。
相場を超えないようでしたら買い取れます」

問題は蛇だ。
調理自体は出来るとしても、蛇肉を出す店に女の子が寄り付くだろうか。
魔物肉となるとモッペルの言うようにイメージが悪いので、店で出すのは難しい。

「うぐ……。
蛇は、なしで」

つい気風の良いところを見せたい欲望が出てきたが、持て余す在庫を抱える余裕もない。
苦笑いしながら、何とか断った。

モッペル > 「女性客を呼び寄せる魔法の言葉があるよ。それは、美容効果。ってね」

それでいて太りやすい甘い物を食べるのだから一般女性の業は深いね。なんておどけつつ」

「価格はギルド卸値でいいよ。さっきうったギルドだと、このくらいかね」

ぺろ。とギルドでもらった買い取り証を見せる。その金額は相場よりもかなり低く、差分はギルドの運営費とかなんだろうなぁ。ということも簡単に予想できて。とはいえ、肉の安定供給のためには一旦まとめてしまうほうが安定し、個人での取引はその分在庫切れのリスクも高いため、安定を見るのであればギルドに頼るのが通例で。

ロベリア > 「なるほど……。
そういう手もありますねえ……」

いずれは美容を気にするような女の子もやってくる店にしよう。
頷きながら決意を新たにする。
とはいえ、現状男ばかりの中で蛇を出してもただのゲテモノにしか見えない。

「あら、おやすいですね。
助かります。
……でも蛇は今日のところは無しで」

個人契約出来れば仕入れ値を安く出来るのだが、こちらも消費はまちまちで安定して買い取るのは難しい。
安定して供給してもらうとどうしてもその分割高になるのは仕方ない事だ。

「では、これで契約成立という事で」

隣の私室へ向かい、金庫を開けて戻ってくるロベリア。
開いた扉から、見ようと首を向ければ散らかった様子の私室が少し見えてしまうので素早く戻ってくる。
そして何事もなかったかのように代金を支払うと肉を肩に担いだ。
紙くずを拾うような、負担を感じさせない何気ない仕草で。

「今日は色々とありがとうございました。
これからも、良いお付き合いが出来ると嬉しいです」

そして寝室の扉を開けると、モッペルが出てくるのを待って鍵を締める。
その後は地下室に肉を仕舞って暫く熟成させるのだ。

モッペル > 「蛇肉なんかは実は鶏よりも脂少ないし、食べると肌がぷにぷにになるからね。蛇だから嫌われるけどさ」

私は仕事柄魔物肉も多いけれどもね。とか。臭みはあるがそれは調理法次第。筋が多ければ煮込んでしまえば柔らかく。

「ほい。まいど。 在庫は腐らないし急に足りなくなったら言ってくれれば卸すからね」

と伝えれば、また背を屈めて部屋から出ていき。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロベリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からモッペルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロベリアさんが現れました。
ロベリア > 日が落ちると酒場は本格的に活動を開始する。
昼間は基本的に一人で回しているが、夜間は数人給仕を雇っている。
酒だけでなく料理も出しているが、内容は昼間と大差ない。
今日もいつも通り、シチュー、スープ、サラダ、パン、日替わりの肉という構成。
今日の肉は鳥のステーキだ。
比較的安価な分、大きめに切られていて食べでがある。
中堅層の冒険者相手のメニューなのだが。

「これだから女の子が来ないんですねえ……」

思わずそう零していた。
はっとして周りを見るが、喧騒に紛れたか誰にも聞こえていないようであった。
女の子も入りやすい店作りをすると決心したものの、どうしても毎日の仕事を考えると今いるお客さんがどう満足するかが優先になってしまう。
別に気に入れば男相手でもいいのだが、残念ながら好みのタイプの男も滅多に来ない。
大体は屈強でむさ苦しいという分類になる客層だ。
とりあえず、申し訳程度に『はちみつレモンあります』との看板を外に置いておいたがこれだけで女の子が増えれば苦労はない。
今はこれだけだが、徐々にそれらしいものを増やしていこう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイルフリーデさんが現れました。
イルフリーデ > 今日は久しぶりにしっかり仕事をした気がする。
仕事後の一杯(仕事をサボっていても飲んでいるけれど)を飲もうと、
夜の商店街を歩いていれば居酒屋の看板がふと目にとまる。

「ほほう…はちみつレモン…ね。」

メイド服の格好に護身用の武器を持った女が、歩みを止めて顎に手をやり思案顔を浮かべること数分。
ひとつ小さく頷くと店へと入って行こうか―。

「邪魔するよ。」

と、一声発しながら。

ロベリア > 料理を温め、酒を補充し、諍いが起きる前に客の間を周り牽制したりといつもどおりの仕事風景。
忙しいが充実している瞬間だ。
これはこれで悪くないから、店が完全に男たちの巣窟になって女性客が寄り付きにくくなっているのだろうが。

「いらっしゃいませー」

仕事に精を出していると、この場では珍しい高い声。
帯刀しているしスカート丈は短いが、メイドさんだ。
かわいい。

「お客さん、こっち、あいてますよー」

にこにこと愛想良く手を振りながら、カウンターの中からカウンター席へ呼び込む。
客の男衆も珍しい女性客に注目しているようだ。

「何になさいますか?
といっても、あんまりメニューはありませんけど」

壁にかかったお品書きは非常にシンプルだ。
シチュー、スープ、パン、サラダ、肉(日替わり)。
あとはエールやワイン、蒸留酒の類いと酒場ならよくあるラインナップ。
今日ははちみつレモンが飲み物に追加されているのが昨日までとの唯一の違いだ。

イルフリーデ > お店に入ると女性の声で挨拶が返ってくる。
店内を見渡せば、お客さんは屈強な野郎共が揃っているように見える。

声に顔を向けると、手を振るエプロン姿の女性。
道中、男性客の視線を浴びるけれど、一向に気にしない様子でカウンター席に向かって行き。

「こんばんは。
えぇっと、はちみつレモンを……それと、お肉とサラダをお願いします。」

壁にかかったお品書きを見ると、一杯のつもりがお肉とサラダを食べたくなって注文をして。

「あ、ちなみに今日のお肉は何かしら?」

と、気になって問いかけながら、得物を脇に立てかけてカウンター席に腰を下ろそうか。

ロベリア > 「はぁい。
今日は鳥肉のステーキです。
お酒に合わせた味付けですけれど、はちみつレモンも甘酸っぱくて結構合うと思いますよ」

注文を受けて厨房へ引っ込む。
他は作り置きだが、はちみつレモンだけは新鮮なレモンを絞り濾してはちみつ水を注いでその場で作る。
ちなみに器具がまだないのでレモンは単純に握力で潰していたが、外からは多分見えていないので大丈夫だろう。
搾った後手は洗ったが手が無闇にフレッシュな香りになった。
多少時間はかかるが、常備してある材料で出来るのなら上出来だろう。

「お待たせしましたぁ。
ご注文の品です」

ステーキとサラダの皿とはちみつレモンの入ったジョッキを手に戻ってくるとカウンターに並べる。

「そのドリンク、今日から始めたんですよ。
早速女の子に注文してもらって嬉しいなぁ」

温和というか、緩みきった笑顔のロベリア。

「ああ、遅くなりましたが、ようこそ輝く白狼亭へ。
私が店長のロベリアです」

初対面の客に自己紹介。
店長と思われない事も多いので大事な事だ。