2018/11/13 のログ
■イグナス > ともあれ、あるものから何とかしないといけないのに違いはない。
諦めて、必要なものだけいくつか、購入して――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェルヴェさんが現れました。
■ジェルヴェ > (冷たい外気が頬を撫でる。
時刻は5時。息を吸い込むと早朝の湿った空気が寝起きの肺の深くへ入り込み、体の内から冷やされているような気分になった。
公園のベンチにて。男が一人、低血圧そうな白い顔を片手で覆って、首を擡げ天を仰ぐ姿がある。
ベンチの背凭れに上体を大きく預けるその様は、服の襟元を乱し、片方の靴紐などは結び目が解けている崩れきった風体だ。
朝の散歩という健康的な状況ではあり得ない。今しがた茂みを抜けて、ベンチの横を通り抜けていったあの野良犬でも分かることだろう。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
■ノア > 随分と肌寒い早朝、静けさの中に こつこつと… ヒールが石畳を打つ硬質な音が近付く。九頭龍山脈の温泉宿やら、ダイラスやら… 家出の如く行方をくらませていた女は 大きな鞄を下げ、久方ぶりに王都へと戻ってきたのだった。
「 …………… 」
こんな時間帯というのもあってか人影は少ない、が… 深く被ったフードの奥から、ベンチに凭れた人影を見つけ
「 ………なぁーにしてんの ? 」
相当お疲れの様子の貴方を驚かせぬよう ゆっくり歩み寄り、控えめな声量で声を掛けた。
■ジェルヴェ > (冬が近付いてきた季節、まだ太陽さえ起きるには早い頃。お陰で周囲はしんと静まり返り、人ひとりの足音がよく響く。
遠くから靴音が聞こえて来た。徐々に大きくなり、こちらへ近付いて来る気配を感じる。手のひらの下に両目ごと隠して視界を遮ってしまっているが、他の感覚は働いていた。
飲み屋帰りか、勤め終わりか。
足音の主を女と予想したけれど、そのまま絶妙にベンチ―もしくは自分―から距離を取りつつ前を通り過ぎてゆくだろうと思っていたから、予想は半分当たって、半分外れた形に近い。
それまでより間隔を長くさせたヒールの音に合わせて聞こえた声は、よく知った音だった。)
「……、…猛省中。」
(ずるり、顔から手を擦り下げて頭の位置を正面に戻し、声から連想した人物像と目前の顔が相違ないことを確認する。顔を向けた男の顔は、障りなく言えば無表情。場合によっては憮然とした、苦い面持ちに見えるかもしれない。)
■ノア > 店の片付けか何かで疲れきっているのだと思っていたけれど、返ってきた言葉は予想外のもので。向けられた表情は、予想以上に酷かった。
「 ふぅん… 何やらかしたの ? 」
重い荷物を持ち続けた指を休ませようと、ベンチの脇に トスンと置いて。貴方の隣に腰を下ろすと、大きなフードを脱ぎ 収まっていた長い髪を解放する。視線は正面の噴水へ向けたまま、両腕を上げ大きく伸びをしたりして。静寂の中ぼんやりと、返事を待った。
■ジェルヴェ > (確か前回会ったのは、寝不足でぐったりしながら閉店作業をしている時だったか。今日は今日で、あまり良い恰好だとはお世辞にも言えない。
妙な場面ばかり目撃されている気がする、近付いてくる彼女を悟りきったような目で眺めながらそうぼんやりと考えて、それから小さく笑った。一瞬遠く視線を移した、自嘲の笑みだ。)
「―――…酒と夜の魔力に惑わされてつい…、な」
(つまり単なる深酒だった。ぽつりと零して哀愁を漂わせ渋くなったつもりで、隣に腰かけた相手へ目を戻す。
傍らには大きな鞄。背やら腕やらを伸ばして体をほぐす彼女を見ると、片腕を背凭れへ引っ掛け預けながら横顔を伺った。
次に口を開けば、ニヒルな突貫設定も忘れてすっかり普段の薄ら笑いだ。)
「お前こそ何してんの。不良娘か。朝帰りか。」