2018/11/09 のログ
■ゾエ > 「んん。ゾエだよ旦那さまぁ?帰りが遅かったから、心配して探しにきたんだよー」
スライムみたいなねばねばなものを頭から被っていて、これは手で拭い落とそうにも限界がある。
命に別状はないそうなのでほっとしたけども、いつもと違いどことなく元気が無さそうであったので
少女は益々心配そうに眉尻を下げ。
「本当に?と、とりあえず、頭回りだけでも拭い落とそっかぁ」
無害そうではあっても目や口に入っては大変だ、とせめて頭のねばねばととっぱらってしまおうと
―――ぬちゃり、頭部の粘体を後頭部の丸みに添って撫でるように。
「…う、うぅ。ヘンな感触するぅー。お湯で洗えば落ちるかなぁ?
―――ん、と。確か近くに、小さいトコだけど温泉があったよ
家族風呂みたいな、個室で使えるのがあった筈だからー……そこに行く?」
共に住まう家まで帰るにもこんな状態では、彼の不快度指数が増すばかりだろう。
とりあえず立って、と彼の手をとろうとするが、そこも粘体塗れなんだろうか。
■イグナス > 「おお、そりゃあ、悪かったな。
――仕事の、依頼の途中でな、トラップに掛かってこの有様だよ。ったく。」
やれやれ、と肩を落とした。それでもまあ、かわいいかわいい嫁が探しに来てくれたというのならば口元は緩く笑みに。
大丈夫だ、と安心させてやるように一言添えた。
頭だけでもと撫ぜてくる感触と、それに付随する言葉に、くっくと楽しそうに笑いを零し。
「そりゃあ、そういう風に気持ち悪い思いさせるためのモンだからな。
……んあ、そうだな。そこにいくか。
よし、じゃあいこう。」
思い立ったはいいが、場所を知らず。
彼女が歩き始めるのならば、それについて、個室で使えるお風呂場とやらに行くのだった――
■ゾエ > 「それはお疲れ様だね、旦那さま。
イイ男が台無しだよぉ」
くすくす笑いながら粘体を拭った額にちゅっと軽く口付ける。
どんな姿でも己には格好良く見えるのだけど、面と向かって言うには気恥ずかしいからナイショだ。
「ヤなトラップだね。気持ち悪い思いをさせるってだけなら、ゾエは安心だけど…
―――ん。行こ、旦那さま♡ ゾエが案内してあげる」
袖の長い両手で、大きな片掌を掴んで軽く引っ張り。
夫である大男を伴って、少女は目的の温泉宿へと向かうのだった―――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からゾエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 商人たちの集まりに参加した帰り道。今日はかしこまらずに親交を深めようという話になって、解散せず酒場へ繰り出す事になってしまった。
それぞれが知った顔だから、飲めないお酒を無理矢理飲まされて酔い潰されるなんて流れにはならなかったけれど、こういう場には慣れなくて気疲れしてしまう。
宴がますます盛り上がってきたところで、集まりの中でも話しやすい商人仲間に声をかけ、すこしふらつく足取りで店を出る。
「ぅ……」
まったく飲まないのも気がひけるからと口にしたお酒のせいで火照った肌に夜風が冷たい。身震いしながら背筋を伸ばして、外套のあわせ部分を掻き集めた。
遅い時間だから帰ってもいいとは言われたけど、どうしよう。入り口に近い壁に凭れかかって目を伏せた。
■ミンティ > どうしようか考えこんでいたら酒場の入り口から声をかけられた。振り向くと、先ほど声かけをした女性の商人が立っている。心配して様子を見にきてくれたとわかり、問題ないと頷いてみせた。
このまま帰ろうかと思ったけれど、仕事のためにも、もうすこしくらい付き合っておいた方がいいかもしれない。戻ると告げて、女性と二人でふたたび酒場の中へ。より賑やかさが増している席の様子に気後れしつつも、端の方でなるべく愛想よくしていようと…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 過ごし易い時期は足早に駆け抜けて、そろそろ冬の足音も聞こえるかもしれぬという頃。
小柄な人外の姿は、王都の只中に在った。
供回りを付けぬままの単独行はいつもの通り。
然し、夜の帳が下りて久しいこの時間帯に、色町以外を闊歩しているのは稀であった。
「”社交の時間”というのが必要というのは分かっておるがのぅ。
どうせなら、もう少し綺麗どころを用意しておっても罰は当たらぬのじゃ。」
ペタペタと、小さな歩幅に合わせて雪駄が音を立てる。
歩調は、平素ちょこまかと動き回ることを鑑みるとゆったりに分類され、吐き出す息には聊か酒精の残り香。
色素の薄い頬が心持ち上気していることも併せると、酒の振舞われる会合にでも顔を出していたのだろうと察せよう。
酒品は悪くないつもりの妖仙がふらつくのは、繁華街の一角。
主たる大通りから一本外れた、適度に賑わい、適度に寝静まり始めているといった界隈。
少し足を伸ばして馴染みの酒場にでも顔を出そうか等と思案しながら、口寂しいのようで葉を詰めていない煙管を唇の端に咥えている。