2018/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「うぉおおおぉぉぉっ!?おわっ、ひっ…だぁぁ!」
走る、走る、走る。
少年は雑多な市場を猛然と走る。
その後ろにはむくつけき禿頭の男。
大柄な体だが以外なことに足が速い。
それに続いて何人かの男たち。
見たところ、先頭のハゲ以外は一般人に見えるが
誰もが怒気を顕にしている。
「わりいって!ひえっ…」
後ろを向いて走りながら謝るものの、相手は許してくれそうにない。
なぜこうなったかと言えば簡単なこと。
とある食事処で昼食をとっていたところ、隣りに座った男とちょっとばかり口論になった。
肩を突き飛ばされ、突き飛ばし、それがエスカレートして喧嘩…なんてのはよくあることだが、その後が悪かった。
自分が型を突き飛ばした際に足を滑らせて、余計に踏み込んでしまったのだ。
そして、バランスを崩し、つい掴んでしまった。
彼の、ハゲ隠し。いわゆるヅラを。
■ブレイド > もちろん男は烈火のごとく怒り狂い、自分は流石に悪いことをしたと気後れしてしまった。
そして、この有様だ。
後ろからついてきている男たちは、追いかけっ子に巻き込まれ
店のものを台無しにされた市場の露天の主たち。
こうなったら捕まってしまえばどうなることかわからない。
ゆえに…
「くっそぉぉぉぉぉ!!」
走る。
昼食も中途半端で腹も減ったが走る。
あの剥げた男も諦めてくれればいいのに…とは思うが、獲物が視界に入っていれば、そりゃ追うのをやめないだろう。
そんな時に目に入った路地の入口…チャンスだ!
「…たのむぜ?」
入り組んだ裏路地ならば撒けるかもしれない。
■ブレイド > すばやく路地裏に駆け込む。
もちろん、男たちもついてくるだろうが…
細い道に入ってしまえば、あの大きな体ではついてこれまい。
あとは走れ走れ。
意外と器用に隙間をすり抜けられたら厄介だ。
「うぉ…まだくるかよ…」
なんどか角を曲がって
相手をまこうとしているが、ギリギリで追いすがってくる。
なんとしつこいことか。
いいかげん疲れてきたというのに。
どこかに瞬時に逃げ込めればいいのだが…下水…は無理だ。
フタを開けるのに時間がかかる。
路地を進み続けていれば、廃屋などがあるかもしれないが、それは一種の賭けになる。
「くっそ……はぁっ…はっ…」
結構全力気味に走っているせいで、息が切れてきた。
■ブレイド > 「っ!?」
すばやく曲がったかどの足元。
ゴミが溜まっているが、自分の体躯ならギリギリ身を隠せそうだ。
ワンチャンあるか?
迷っている暇はない。
足を捻り気味にゴミの中に突っ込んでいく。
無理やり突っ込んだせいで、なんか引っ掛けた。
擦り傷切り傷ができてしまうのは仕方ないが、あとで薬草でも塗りつけておこう。
しかし、そのかいあってか、怒号が通り過ぎていく。
■ブレイド > 悪臭の中で身を潜める。
引き返してこないとも限らないため、しばらく様子を見る必要がある。
まったくもってついてない…。
しばらく身を隠して、何事もなければ
ここから出ることにしよう。
「あー…まったく…」
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。