2018/10/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にざくろさんが現れました。
ざくろ > 「ふんふんふーん♪」

目抜き通りの市を、買い物かごをさげて、ごきげんな鼻歌で歩いていく。
天気もいい。こんな日は、いい食材にだって出会えそう

ざくろ > 「あら。あらあら。 生野菜の氷漬け。これは運がいいわぁ」

魔法で氷漬けにするのは長距離輸送には欠かせないが、目の前で霜いっぱいのやさいたちの馬車にであえるほど、タイミングがあうことはそうそうない。
定価のままで、新鮮たくさんだ。迷うことなく駆けていく。

ざくろ > 「すみませーん。葉物を一通り。 え。重くないかって……ふふふ。料理で鍛えられていますっ」

野菜商人の心配する顔に、満開の笑顔で答える。
ええ。まあ。大人数への料理もきたえられますが……
筋肉の基礎は、実家で騎士候補やってたときにできてるので……。
ちょっとだけ気遣いが後ろめたい。
でも今の私は、食堂の料理人と買い物係だもの。

「えーっと、あとはー……」

商品をみて、買い落としがないか、記憶とてらしあわせて思案顔。

ざくろ > 「おすすめをー……って、そりゃあ全部になっちゃいますよねー」

コロコロと笑い合って、何が作れたものか、何が足りないか、いろいろと考えるが……

「まあいいか。お芋をこの袋に。 クリケットにして店長にたべてもらいましょ」

一通りの注文。そして、この幸運にやってきた沢山の主婦や料理人でごった返す。
袋詰もう少しまってて、とのことに。笑顔で答えて、主婦層と比べれば少し抜けた身長で待つ。

ざくろ > 「はいっ。ありがとうございますっ。ふふふ、また運良く会えたらいいですね~」

買い物かごに入り切らない、いっぱいの野菜を両手で抱えて。
可憐な花のような笑顔で商人にお辞儀をして。
野菜商人の馬車を後にして――

「きゃっ! こーらっ、いたずらする子たちは、おねーさん食べちゃうぞーっ?」

すっかり馴染みとなった、近所の商店の子どもたちが、両手の塞がった自分のおしりを触って走り抜けていく。
楽しそうな、じゃれあう声を掛け合って、目抜き通りを店へと帰る。
そんな、抜けるような青空の下での、ある日の午後。
気持ちのいい買い物の時だった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からざくろさんが去りました。