2018/09/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレアさんが現れました。
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レア > 通行人も疎らな夜の通り、その各所に潜む暗がりが微かに揺らぐ。
建物と建物の間の暗がり、煙突の影、はたまた道端に出された看板の裏……夜の町中でもより暗い影が落ちるその空間が震え始めればやがて音も無く隆起し、やがて現れたのは複数の人型。

大きさは人間の成人男性程だろうか、顔も無く、声も発さないそれらは一斉に同じ方向に向かって動きを開始する。
壁を沿い、屋根に張り付きながら、一定の速度を保って進むそれはさながら与えられた支持によって何かを追尾しているかのようで

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ホウセン > 振り返れども、少なくとも露骨に怪しい――言い換えれば”残念”な尾行の類を見出すことは出来なかった。
それはそれで害はなくて結構なことなのだろうが、どちらかといえば居たとしても御し易い者の類だ。
なれど、妖仙の人ならざる”眼”は、或いは、嗅覚は、同様に人ならざる何かの気配を看取した。

「ふむ。何ぞ妙な物がおるようじゃが、儂に用件でもある…のかのぅ。
 一息距離を詰めぬのは、奥ゆかしいというか何というか、表現に困るのじゃが。」

複数の気配は、この小さな存在を中心にして、概ね等間隔に散在しているらしい。
様子見の為に足を止めて振り返った妖仙との相対距離が縮まれば、接触を企図しているのだろうし、彼我の間隔を詰めないのであれば、監視が目的なのだろうと察せる所か。
どちらにしろ、ぞろぞろと連れ立ったまま己の店に引っ込むというのも収まりが悪く、スルリと路地の裏側に滑り込む。
大人なら擦れ違いが困難な、建物と建物の隙間にしか見えぬ通路。
見失ったと慌てれば良し、そうでなくとも何らかの反応が返れば十分と。

レア > 「繁華街から進路を変えた…?これは気付かれたと見ていいわね……」

街中の影から影を映るように移動する複数の人影。その「中」からターゲット、少年が進む先を視認して一人呟く。

先程からのカラコロと下駄を鳴らして夜道を散策する動作の中には何処かにメッセージを発信したり連絡行っている様子は見えない。
となればこの進路変更は追尾を撒くための策かあるいは誘い込んでいるのかの二択に絞られる。

「息子さんと言えどこういう事には慣れてるって事ね。流石にあっちの国の子は幼くても強かね。なら――」

こちらもそれに乗って多少は仕掛けるべきだ。そう判断ふれば人影達の動きが変化していく。
少年の後方を追うように半円状に点在していた人影は路地の合間に隠れながらやがて少年の周囲を囲みながら追走するような陣形を取る。
道が狭くなるのに合わせて少年との距離も5m〜7m程へ
へ狭め、監視追走という形を取りながらも手を出す事も不可能ではない間合いへ迫る。

ホウセン > 人ではない”何か”の気配が、動きを変える。
単に通りを直進していた所から、急に方向転換をしたのだ。
追い縋る意図があるのなら、自然、動きを変えねばならぬのは道理だが、これで完全に自身がつけられている対象であると判明しようものだ。

「儂の自意識過剰な勘違い…という線は消えおったか。
 斯様な夜更けに童を囲んで、かごめかごめ…などという酔狂な催しではあるまいな。」

遁走する経路が殆ど無い狭隘な一本道。
オマケに、人ならざる何かは四方八方から、或いは上下にすら囲みを作り、完全に包囲されている格好だ。
然し、面の皮の厚さに定評があるらしい妖仙は、悲壮感の”ひ”の字も見せず、ぴたりと足を止めた。

「はてさて、何ぞ用があるなら話し易い所に案内してやったぞ。
 それとも、稀有な美少年を鑑賞するのが目的とでも言うたら、見物料を払うが良い。」

威圧感も何も無い、変声期前の高い声。
微量の笑いの成分を含んだ揶揄を吐き出す。
手持ち無沙汰だとでも言うように、カン、カン、コンと、下駄で石畳の敷かれた地面を蹴りやる。

レア > 「あら、見物料だなんてそれは流石に自意識過剰じゃないかしら?」

乾いた音を鳴らした石畳から先程まで少年を付けていた人影が1つ湧き上がる。
スゥと少年の眼前に立ちはだかったそれは泥の様に溶け、霧散しやがてその中から現れるのは女性の姿。

「お久しぶりね…と言っても貴方のお父様の同業者なんて覚えてないかしら?」

荒い石畳には不釣り合いな高いヒールブーツをカツンと鳴らすと挨拶がてらに小さく手を振ってみせる。
こんな状況でもなるべく荒事は避けたい、故に社交辞令だろうと挨拶は大切だ。

「要件というのは単純よ?お得意様からのタレコミでね、私の仕事にちょっかい掛けようとしてる所があるって聞いたもので。」

まぁまさかそんなこもしていないでしょう?と付け加え、小さく笑う

ホウセン > ”生”の気配を手繰り、術者の位置に見当を付ける。
流石に慣れ親しんだ行為であるから、誤解の生じる余地は無いし、故に、影の中から女が現れたとて、驚嘆には至らない。
然し、妙な話だと、少しばかり首を傾げはする。

「ふふん。世のご婦人方から、抱き枕にしたい出入り商人序列一位の儂を捕まえて、自意識過剰も無かろうよ。
 ともあれ、初見の相手で安心した所じゃよ。
 見慣れぬ顔故に、会うた相手を忘れてしもうたのかと心配になっておったのでのぅ。」

社交辞令には社交辞令を。
その範疇に戯言が入ると考えているのは、身勝手な妖仙の思い込みの類かもしれないが。
然し、”あれ”をして、同業というのであれば、即ち妖仙自身と同業である。
何しろ、”父”というのは、上っ面だけは精巧に作り上げた式の類で、自由意志を持たない只の傀儡に過ぎないし、主に北方帝国に置いているのだから。
妖仙自身の与り知らぬ所で、噂話やら与太話に尾鰭が付いて、発端すらよく分からぬ話になっているのかもしれぬと判ずる。

「一口に仕事と言うても、儂の店は手広くやっておるのでな。
 具体的に訴えてもらわねば見当も付かぬし、見当が付いたら付いたで…商売敵を商いで出し抜くでなく、直談判で何とかしようとする戯けに、何かしらの譲歩をしてやる謂れを見出せというのが無体な話じゃな。」

これで、特に挑発をする意図が無いから始末が悪かろう。
用件はそれだけかと、件の事件絡みの話でないのなら気楽な様子で、歩みを再開する。
大人なら擦れ違うのも難しいとはいえ、女と子供であったから、少し身を捻ればすり抜けることぐらいは出来よう。
果たして、それを座視してもらえるかは別問題だけれど。

レア > 少年が歩みを再開しようと足を動かした瞬間、隣接する建物の屋上から3体程の人影が落ちて少年の前後に着地する。
顔も無く武器の類も構えてはいないもののそれらは威圧するかのように立ちはだかり。

「本当に口が回るのね。でも確かに内容は一理あるわね。商売“なんて”建前で話をするんじゃなかったわ。そう、これは私自身の問題よ。当然、魔導機械の密輸事件の事は知ってるわよね?」

そう言葉を重ねる間、徐々に女の顔からは柔らかい表情が抜け、張り詰めたもので満たされていく。それに呼応するように人影も範囲内での密度を高め、物陰に収まり切らなくなった個体が視界に入るようにまでとなり

「騒動の中で一部の魔導具商があっちの国と繋がってるなんてデマが流されてね?そのせいで魔導具関連の商人はここ(王都)からもダイラスからもほとんどコレクションが動かせない状態が続いてる。
それで、そのデマはシェンヤン出身の商人が意図的に流してるっていう話を耳にしてね?ちょーっとその真偽を聞かせて欲しいのよね?」

そう問いかけるもののその表情は真偽を問う事を目的としていないというのはおそらく下級の魔物でも判別がついただろう。目的はただ1つ。密輸犯の関係者を作り上げ、それにより自らと出資者が再び動ける状況を作る。そのための襲撃であって。

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ホウセン > 只でさえ狭い通路が、落下する影によって更に狭められる。
屋外ではあるけれども、実質的な軟禁状態であり、多少なりとも危機感を持つべき局面だろうけれども、小さなシルエットは平素の軽口を引っ込めない。
それこそ、音声の使い道というならば、大声で助けを呼ぶなり何なり、幾らでも使い道があろうというのに。
”知っているか”の問いについては、そも質問ですらない確認行為であるが故に、軽く眼を細めるに留める。

「ふむ、実際に繋がっているという可能性を全て否定できぬのであれば、”でまこぎー”と断定するのは早計じゃろう。
 なれば、仮に犯人の一人や二人名乗り出ようとも、”現物”を手にしておるお主らへの措置が容易に緩む筈も無かろう。」

”所有している”こと自体が潜在的な疑念に繋がっている。
密輸できる物があるから、密輸”するかもしれない”と。
尤も、その指摘が事態を打破する切欠になるとは、寸毫も思っておらぬから、備えが役立つというものだ。


「言うなれば疑いの擦り付け合いという泥仕合に、禁じ手を持ち込んで如何にか事態を改善したいという輩のようじゃな。
 全く全く…狙うならば、儂以外を狙うが良かろうに。
 その方が、聊か以上に容易かろうぞ。」

困ったものだと、両手を自らの細腰に当てる。
早計に余人に見せる物ではないのだがと、少しばかりの危惧はあるが――

「吽。」

小さく言葉を紡ぐ。
仕込みは既に、先刻の内に。
暇潰しと下駄を鳴らす音と地面を踏み付ける位置で”呪”を紡ぎ終えており、それを発動させるだけ。
音が示していたように、”呪”は三つ。
一つ目は影を払い、加えて視力を一時的に喪失させんと閃光を放ち、二つ目は、地面に人工的な小規模の地脈を作り、三つ目は、そのミニ地脈の流れに乗じて、ほぼ瞬間的に包囲網の先へと転移する。

「ともあれ、下手に動き回るよりも、身の潔白を信じてもらえるよう営業努力でもしてみた方が良かろうよ。
 ”現物”という重石がある中で、成算があるかは分からぬ所じゃがな。」

一応は潔白とみなされているらしいが、妖仙もいつまた巻き込まれるかも分からぬ。
斯様な身の上で大立ち回りをして悪目立ちをするのも下策と、遁走の一手を決め込むのだ。
続いて今一度転移を重ねれば、小さな体は襲撃者達の視界の外へ――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からホウセンさんが去りました。
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