2018/08/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 明るい時間に露店を開くのが厳しい、暑い日が続く。ならばと何人かの商人で会合がもたれ、商店街をすこし奥へ進んだところにある小さな広場を借り、夜の市を開いてみようという話になった。
日が沈み、あたりが暗くなるころには一通りの準備も終わって、小さな広場はいくつかのランプで明るく照らされている。食品を扱うお店の人が食べ物の屋台を出していたりして、ちょっとしたお祭りのような雰囲気。
手伝いを打診されて断りきれなかった自分は、家から持ってきたエプロンを身につけて給仕のような仕事を任されていた。大盛況とまではいかないけれど客足はそれなりによくて、思っていたよりも忙しい。
その場で食事ができるように用意されたテーブルの間を行き来していると、忙しくて目が回りそうで。

ミンティ > 自分のお店の商品をここまで運んでくるのは大変だったし、他の人も忙しい中で力を借りるのも申し訳なくて手伝いだけでの参加だったけれど、これだけ人が足を運んでくれるのなら簡単なものでも出品しておけばよかったと、ちょっとだけ後悔した。
こういうところも商人の嗅覚みたいなものが影響するのだろうか。見渡してみると、みんなとにかく積極的で商機を逃すまいという意思を感じられた。
この中では一番年少で、経験不足なんかを痛感してしまう。そんな風にぼーっと考え事をしていたら、酒はまだかと大声で聞かれて飛び上がるくらい驚いた。まわりが騒がしいから大声になっただけで相手にも悪気はないのだろう。わかっているけど、ついぺこぺこと頭を下げてしまう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクウィンさんが現れました。
クウィン > 寝起きの身体を引きずり外へ出ると、喧騒に誘われるように広場へと辿り着いていた。
広場にはいくつもの露店が軒を連ね、イスやテーブルが所狭しと並んでは人々に食事の場を提供している。
あちらこちらから飛び交う陽気な笑い声やグラスを交わす音が、男の空っぽの腹を重たく刺激した。
空腹と言っても人間のそれとは意味が異なるが、このどうしようもない飢餓感はやはり彼らで言うところの食欲に近いのか、食事をすることで多少気が紛れるらしい。
まず腹ごしらえをしておくか。ふらりとテーブルに近づいたところで男は眼鏡の奥の紅い目を見張った。

給仕をしている少女に覚えがあった。はっきりと思い出せたのは、特徴的な桜色の髪のせいではなく、周囲に立ち込める酒気に混じった甘い香り――淫魔である自分にしか感じ取れない、魅惑的な彼女の香りのせいだろう。
軽く吸い込み、舌で唇を舐めてみる。忘れもしない上等な味に胸が躍る。
男は周りの客にならって空いているイスに腰掛けると、軽く片手を上げて彼女の用聞きを待った。