2018/08/08 のログ
ソウレン > 「王都の負の面だね。…騎士隊は何をしているのやら。」

獅子身中の虫、とは言うがすでに王都は獅子でもあるまい。
この斜陽の王国は自国の腐敗を認めようとしないのだろう。
…ま、それは言っても詮無い事。
そんな話をしても酒は美味くはないだろう。

「少し待ってくれるかい。」

同じ酒と、冷えた料理を所望、と。
梅酒は自分用にと思って漬け込んだのだが…この際味を見てもらうのも悪くないな、と考える。
ごとりと氷塊を取り出し、端から砕いて大ぶりの氷をグラスへ。
そこにひしゃくで梅酒を注ぎ入れる…。

「梅の酒だ。自家製なのだがな。
私は水割だが、こちらの方が冷えて気持ちいいだろう。」

からん、と鳴るグラスを少年の前に。
お通しに、余っていた冷えた魚の煮こごりを出してやる。
確か少年にはまだ振舞ってはいなかったな、と思いつつ…。

ブレイド > 「まぁ、ちょっと前に大規模戦闘もあったしな
人員が足りねーのはわかるが…無理して炊き出ししなくてもいいだろって…
同じようなこと、何度もやってんだろ?
…アンタもこんな立地で女一人の店だ。
平民地区だから危険はすくねーかもだけど、気をつけろよ?」

などといいつつ、彼女が出す酒と料理を待つことにする。
出されたのは醸造酒のように色づいてはいるものの香りは甘い…そんな酒。
梅の酒。見た目的にも涼しげにグラスに注がれたそれ。
手にしてまじまじと見つめ

「ま、せっかく店に来て愚痴なんて言うもんじゃねーな。
わり、いただくぜ?」

流石にこれ以上は空気が悪くなりそうだと
グラスを傾けて。
香りに違わぬ甘さ、口当たりも良い。
出てきた料理は…魚の…なんだ?ゼリー?

「変わったもんが出てきたな…」

ソウレン > 「そうだね、それなら護衛などは予算に入れて行うべきだろう。
私かい?…あぁ、そうだね。気を付けるとするよ。
しかし私を襲えば懇意にしている冒険者や商人から報復があるかもしれないねぇ。」

少年の言葉を肯定しつつ、ジョークも混ぜて返す。
君もいる事だしね、とニコニコと笑いながら食事の準備を。
暑さと、疲れか、と少年の様子を見つつメニューを決めていく。

「あぁ、それは煮こごりと言ってね。
魚から取ったスープが固まったものだよ。」

冷えてあるし、味付けも柔らかにしてある。
食べてみるといい、と薦めておく。

材料庫から、焼いた鰻の切れ端を取り出す。
あいにくほとんどの身の部分は別の席で出してしまったが、この切れ端も十分な食材だ。
身の残っている部分を小切れにとる。
次に、胡瓜を薄切りに、青じそを細切りして鰻と同じ器に。
そこに酢、砂糖、塩を適量………混ぜ合わせる。

「はい、お待ちどう。
うなぎと胡瓜の酢の物。…うざくというのだが。
うなぎは精がつくとまことしやかに言われている魚でな。」

疲れているのだろう?と微笑む。
甘辛いタレのかかった鰻を甘酢で和えたもの。酒に合うし、さっぱりと食べられる。

ブレイド > 「そんときは是非参加させてくれよな。
最近はいねーこともあるけど…
ったく、この辺も一皮めくればどうだかわかんねーからな。
ま、オレよりもアンタのほうがどっか強そうだけど」

同じように笑いつつも、梅の酒の味は気に入ったようで
グラスの中身はみるみる減っていく。
そして煮こごり。
調理法を効いてもあまりピンとこない。
もうちょっと味が濃いほうが好きだが、これも悪くはない。

「なるほどねぇ。
工夫が多いな、アンタの故郷の料理ってのは。
こう、手間隙かかってるっていうか」

続いて出てきたきゅうりの酢の物。
そして続いてなにかしら美味しそうな…
こういう物をぱぱっと作れてしまうのがやはりすごいなと。
目も楽しませてくれる。

「へぇー…精がつく、ね。
たしかに最近バテ気味なんだ。ありがてぇ」

さっぱり目の甘酢の味、歯ごたえとうなぎの風味。
夏にはピッタリと言えるだろうか。
彼女の言うことが本当ならば、なおさらだ。

ソウレン > 「はは、まぁ、一人でいるからねぇ。
自衛するくらいの腕は持っているつもりだよ。
だがまぁ、心強い。その時はよろしく頼むよ。」

旅暮らしも長くしてきたからね、と笑う。
あまり見慣れない料理だろうに、少年は憶する事なく食べてくれる。
料理人冥利に尽きるというか、と考えていた。
さて、次は…と考えながら山芋を取り出した。九頭竜で掘り出したものだ。
端から少し皮を向いて、年季の入ったおろし金ですりおろしていく。
瞬く間に白く粘っこい塊が出来上がっていく。
それに、採取し漬け込んでおいた山わさびを細かく刻んで混ぜていく。
…辛味、独特な風味からして程ほどの量かな、と思う。

「いや、王都の料理も手間暇かかっていると思うよ。
まぁ、冒険者の行く酒場の料理というのは濃い味付けと量がメインだろうけれどね。
例えば牛の乳の使い方などは見るべきモノが多くてねぇ。」

会話をしながら、手は進む。
赤身の魚を取り出し、鮮度を確認。…大丈夫だろうが、今日の営業が終われば賄いだな、と考える。
ともあれ、それをサイコロ状にカット。
器に盛りつけ、わさびを混ぜた山芋をかける。それにざっと醤油を回し掛けて…。

「刺身の山掛けだ。
君に教えてもらった九頭竜はなかなか山菜が豊富だな。
わさびは少し辛味があるが…まぁ、食べてみてくれ。酒が進むぞ。」

先ほどの梅酒のロックをもう一杯出してやる。

ブレイド > 「こうやって、珍しくてうまいもん食わせてくれる店だ。
なくなっちまうのはオレも嫌だしな。
次は、芋のスープ…っつーには粘っこすぎるな。
てか、手順が少なすぎるな…こりゃ…なんだろな」

次に出てきた山芋をすりおろしたかたまり。
液状に見えるが、とてももったりとしている。
手間はかかっているが手順は少ないため、自分でも真似できそうとは思うが…。

「ふーん、そういうもんか。
みてる分には珍しいもんが多いせいかな?
そういうイメージ強いんだよな…」

梅酒を飲み干してしまえばおかわりのサイン。
生魚にさっきのものをかけて…

「やまかけ。
山芋の山…か。なんかすげー、舌触り…っつーか、口当たりっつ~か…
見た目のわりには鼻に抜ける刺激が…けほっ…」

美味しいのではあるが、思わずむせてしまった。
あまり食べ慣れない刺激。
だが、酒が進むというのもうなずける。新しく出てきたグラスを傾けて。

ソウレン > 「そう言ってくれる客は大事にしたい所だよ。
何、もうしばらくは営業しているさ。気の向くままだがね。

山芋は酢……あぁ、酸味とその醤油で食べても美味いのだがね。
赤身の魚とは相性がいい。」

あと滋養にもいい。
冷えた料理を所望していたが、この辺りは冷製とはいかない。
ただ、室温は飾った竜鱗のおかげで過ごしやすい温度まで下がってはきている。

少年が食べている間に、湯を沸かしていく。
沸かした湯で鶏の脂身が少ない部分をさっと湯通し…。

「食べる店の違いかもしれないねぇ。
気の利いた店主のいる酒場でも見つかれば一味違う料理も出てくるかもしれないが。」

場末の酒場でも料理自慢の所はあるとは思う。
積極的に探したわけではないのだが。

「おや、大丈夫かい。
王都の人には食べ慣れない食感と味だろうからね…。」

湯呑に水を注いで、酒の横に置いてやる。
水は冷えた井戸水。ひんやりすっきりだ。

湯通しした鶏を冷水で締め、軽く解す。
それを白飯の上に盛りつけていく。その上に海苔、ネギを散らしていく。

ブレイド > 「もう暫くは…か。
そんじゃ、いなくなっちまうまでは足繁く通うとするか。
流石にこの手の料理は自分じゃできないし、同じような店も見つかんねーだろ、多分。
女将も美人だしな」

ケラケラと冗談めかしつつ
料理を口に運ぶ。
刺激にもなれてくれば、なるほど相性がよく思える。
美味い。
食べている間にも視線が厨房の彼女に向けられる。
次から次へと料理が出てくるのでみていて飽きない。

「ま、目の前で料理してくれるっていうのもあるかもな。
だいたい奥に引っ込んで料理してからもってくるって感じのとこが多いしよ。
あと、それってなにげに自分が気の利いた女将だって言ってるよな?
そうだけどさ」

店主と話をするような常連の店…というのもあまりない。
そういう点でも失うには惜しい店なのだ。
くーっと喉を鳴らしつつ、梅酒を飲み干し一息。

「ああ、わり、大丈夫だ。
こういうもんもあるんだな…
『食』ってのは文化の違いがでかいもんだけど…」

酒でほてった身体には、水もちょうどよく。
スッキリ爽快な気分になる。
そして次は鶏肉か。リセットされた口の中にはピッタリなものだ。

ソウレン > 「はは、よろしく頼むよ。私も常連がいると話が弾んで楽しいよ。
同じような店は…そうだねぇ。私の店が噂になって東方から料理人が流れてくればできるかもしれないが…。」

なかなか遠方だからねぇ、と苦笑する。
自分としてはあまり待たせないように料理を出しているつもりなのである。
少年の目線も気にしないし、例えそれが料理人であっても技術を隠したりはしないだろう。
むしろ広まれば面白いのだけどねぇ、と思う。

「それはまぁ、構造の問題だろうね。私の店は手狭で、一人で回せるだけの客数だ。
客数を増やせば自然、調理場も広くとらないといけないからね。
…ん? あぁ、そう言われてみればそうか。だがまぁ、否定する事もないだろう。
客を見たいから少数席にしてあるのだからね。」

自慢する事でもない。自負は確かにあるのだが、それを表で誇る事もなく。
自然に少年に向けて微笑む。

さて、調理の仕上げ。
最後に自家製の梅干しから種を抜いて鶏の上に乗せる。
そこに先ほど砕いた氷片、軽く醤油。そしていい塩梅に冷めた出汁を注ぐ…。

「鶏と梅干の冷やし茶漬けだ。希望の冷たい料理だよ。」

ひんやりさっぱり。梅をつぶして食べてくれ、と笑う。
味付け自体は薄いが、梅の塩味と酸味がそれを補ってくれるだろう。
また、出汁が酸味をいい具合に和らげてくれる。

ブレイド > 「そりゃお互い様だ。
うまいもんが食えて話も楽しけりゃ、通わねぇ理由もねぇし…。
ま、別の店にゃ別の店の良さがあるだろうけど、ここの良さも好きだからな」

自分が見て盗む…を行うにはちょっとばかり使い所がない。
野外料理には適さない手間暇がこめられている。
自分では流石に荷が勝ちすぎる。

「アンタをみて楽しんでると思ってたら
こっちもみられてたか。オレが食うとこなんか見て楽しいか?
ま、話す分にはこっちのが嬉しいけど、見られてるって聞くとなんだ…
かっこよく食ったほうがいいか?」

などと言っていれば出てくる料理。
今日は冷たくさっぱりとした料理多めらしい。

「おーん、どらどら…イタダキマス…っと」

食べてみれば口元が酸っぱさできゅうっっとなる。
だが、うまい。
薄味ではあるものの、あと引く酸っぱさだ。
むしろあっさりとした味わいがちょうどよく感じる。

「今日は刺激が強いのが多いな。うめぇけどさ」

ソウレン > 「そう言ってくれるのは嬉しいな。
そういう場所を提供している、していたい、とは思っているからね。」

茶漬けを食べ始めた少年を見て微笑む。
白いたすきを解き、袖を下ろす。
今日の料理はお終いという感じで、急須でお茶を淹れていく。
ぬるめの湯で、ゆっくりと。

「ん?いや、別に自然に食べてくれて構わないよ。
美味いと言ってくれる顔は好きだしね。
…君は好き嫌いなく食べてくれるからね。料理する者としては嬉しいのだよ。」

見てくれだけで食べる事を厭う貴族もいる。
商人から小耳に挟んだ人が来た事もある、という顔だ。
調理も終わった事だし、と先ほど入れていた梅酒の湯呑を一口。
ほう、と息を吐き出した。

「あぁ…そうだね。最近は実に暑い。
暑いとなれば疲れるし、食事をするのも億劫になる。
…今日は滋養にいいものと、食欲を増すチョイスにしてあるよ。」

うなぎや山芋といった夏向けの栄養があるもの。
酢、梅干しの酸味やわさびの辛味といった食欲を増すもの。
そんなものを選んだという。

「…君は明日も働くのだろう? よく食べて体力をつけて頑張りたまえよ。」

と、店主は笑った。
最後に、お腹を冷やしすぎないように、と温めに出したお茶の湯呑を置いた。

ブレイド > 「喜んでくれるならなおさらだな。
オレもできるだけ長く続けてほしいしよ。
にしても、最後のこれ…いいな。サラーってはいってく感じで
食欲ない日に出されても全部食っちまいそうだ」

気づけば茶碗の中はから。
冷たいコメがこうもうまいとは思わなかったので意外だ。
こういう楽しみが多いのもこの店の良いところの一つと言えよう。

「そっか、んじゃ…ゴチソウサマ…だな。
今日もバッチリ美味かったぜ?」

バテ気味だったがすっかり食べ尽くしてしまった。
おかげさまで少しは元気が出たというもの。
しかし、夜だというのに精のつくものをいっぱい出してくれたものだ。
その気はないが、今日も炊き出しと言うなのあれがあると思うと、少しばかりムラムラしそうで不安だ。

「ああ、おかげさまで元気になったぜ。最後までサービスが効いてんな…
ん、ふー…腹も落ち着いたぜ」

湯呑をからにすれば代金をジャラリと払う。
今日も大変満足したという顔で。

ソウレン > 「はは、それは期待に応えなくてはならないねぇ。
気長に付き合ってくれたまえ、

あぁ、そうだね。夏には食べやすいだろう?
気に入ったのなら、また献立に混ぜてあげよう。」

湯呑を空にしていく姿に微笑む。
美味かった、という言葉にありがとうと笑って返す。
少年の不安は知ってか知らずか。
まぁ、暑い中での作業で失った体力も戻ればいい、くらいには思っているが。

「ふふ。あとは軽く風呂にでも入ってすっきりしてから寝るだけだね。
よく眠って明日も頑張ってくれ。」

代金は黙って受け取る。
ホントは安くあげたいのだが、少年は満足感によって出してくれる。
無下にするのも何なので、次に来た時にまたサービスしよう、と笑った。

ブレイド > 「ああ、おねがいするぜ。
濃い味が好みなんだが…こういうのも悪かねーな」

お礼はこちらが言うべきなのだろうが
女将の笑顔にそれを言うのも野暮だろうと、頷くに留める。
あとはちょっと温めの風呂だか水浴びでもすべきだろう。
火照りをおさめるには必要だ。

「ああ、アンタもな?
にして、店が涼しいと…外に出るのがやになるな…」

立ち上がり、からりと戸を開ければ熱気をかんじる。
うへーっと嫌そうな表情をするも、応援を受ければ片手をひらりと振って

「サービスか。そりゃ楽しみだ」

そう言うと夏の闇に消えていくのであった。
なお、今日もまたあまり寝付けなかったというのは別の話。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ソウレン > 「それはまた疲れが少ない時かな。
次はそれも考慮して料理を出そう。」

今日はどちらかと言えば疲労回復などがメインだったわけで。
からり、引き戸を開ければぬるい風が入り込んでくる。
嫌そうな顔をする少年を見送っていくだろう。

「あぁ、ご期待に添えるように努力しよう。またのお越しを。」

そして、少年の背を見送ればついでに暖簾を下ろし、提灯の火を消す。
ふ、と小さく微笑んでから、店の奥へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソウレンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミゲルさんが現れました。
ミゲル > 日もすっかりと暮れた平民地区の広場。
人の影もほとんどないだけに大き目のベンチを一人占拠して。

「ん…‥‥眠い……」

実はまだ仕事中ではあるがこうしていても一応は仕事をしている事になるので完全にまったり。
時折に周囲に目を向けては何もなければ首をひねったり肩を動かしたりと固まらないようにして。

見回りという仕事を半ば放棄して眠気の海に誘われて揺れる。

ミゲル > 「……ん……」

頭が船をこくように動き、意識が覚醒しては眠りと繰り返し。
時々に大きく頭が動けば、っは、と目覚めて慌てて周囲を見回し。

「…気のせいだった……。ふぅ…」

自分の動きに誰かに何かをされたと勘違いをし、結局誰もいないと判れば力を抜き。
完全に熟睡すれば平民地区とは言え安全ではなく、目を覚ましておこうと首を左右に振って。