2018/07/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミナさんが現れました。
ミナ > 「朝はまだ涼しいねー…。逆に昼間は出歩きたくないけど…」

賑わっている屋台の通りを見回しながら歩く少女。遠目から見てもその装備で冒険者、もしくは傭兵だろうということが見て取れる。

「んーと、おばさん!干し肉2つと、リンゴ2つ、それとパン2つください!」

手持ちのリュックサックに、買った食料品を詰めて、上機嫌で通りを歩いていく。
…上機嫌過ぎて、前方不注意になっている様子だったが。

イグナス > 「おう?」

串焼きをもしゃもしゃと食べてたら。――どん、と軽めの衝撃。
ちょっとした何かがぶつかってきたところでよろけたりはしない
もちろん、この少女であっても同様だ。だから不動のまま、ぐるっと視線だけをそっちに向けて。

「おう、おい。大丈夫か。――ちゃあンと、前みてねェと危ないぞォ。」

まぬけー、とばかりに、くつくつと笑い、口元緩める。
改めてそちらのほうに向きなおれば、けがはないか、と一言。

ミナ > 「…わっ!?」

辺りを機嫌よく見回していたら、人混みのあいだから来る人物に気づかず、ぶつかってしまう。相手が背の高い人物なのに、だ。
思わずよろけて、後ろに1歩下がってしまう。だが彼女に怪我は無さそうだ…。

「ご、ごめん!…なさい、えっと、気をつけます…」

慌てて頭を下げて謝罪し、顔を上げて…相手の背の高さに気づき、ぶつかったときとは違う驚いた表情を浮かべる。

イグナス > 誤ってくる彼女をじっと見降ろして、ふむ、と首を傾ける。
どうやら怪我はないみたいだ、それはそれでよしとしよう。
驚いたような表情に、く、と口元を笑みに。

「お前あれか、戦士かなンかか。
 ――こんだけでかいのにぶつかってるようじゃあ、危なっかしいなあ、おい。」

大丈夫かー?なんてにやりと笑って、なんとなく揶揄してるようだった。
もぐ、っと残りの串焼きを食べ終わるならば。

「――まァでも、俺も不注意だった。悪かったな。
 怪我ぁなさそうで、よかったが。」

ぶつかり合うのはなんだかんだとお互い様。
これだけおっきな身体にぶつかったのだ。何もないようで、良かった。そこは少し安心するように。

ミナ > 70センチ差の男性に、上から見下ろされ、思わず気圧されそうになるも、なんとか上を向いて相手の顔を見る。
相手が笑うのを見れば、驚きの顔は、少し不機嫌そうになる。

「私は冒険者!
今のは…ちょ、ちょっと油断しただけだから!」

馬鹿にされたように感じたのか、思わず強い口調で言い返す。ちらりと自分のカバンを確認して…何かがなくなったり壊れたりしてないことを確認する。

イグナス > 思わず、といった様子で帰ってくる強い口調に、くくく、と喉を震わせて笑って。

「おう、なんだ、同業か。
 ほんとかァ?遺跡なんかじゃあ、油断が命取りってやつだぞう。」

揶揄するのをやめずに、もうちょっとだけからかってみる。
尤も、怒らせても仕方がない、それもほどほどに。

「――名前はなンてんだ。…おれはイグナスという。
 お前と同じ冒険者だよ、傭兵したり何でも屋みてェなことしたりもするが。)

ミナ > ぐっ…と、言葉を詰まらせる。心当たりがあるのか、顔を赤くしている。…怒っているのか、はたまた別の理由かはそれだけでは判断できないだろう。

「た…確かにこの間無名遺跡で罠に引っかかったけどさ…うう…」

顔を赤くしたまま、そのまま俯いてしまう。からかいが随分と効いたらしい。

「――ミナ。私はミナ」

イグナス > 「やっぱ危なっかしいンじゃねえか。」

ぼそりと半分、あきれたみたいに口にした。
やれやれといった具合に笑うならば、改めて耳にする名前に、こくりと頷いて。

「ミナ、冒険者のミナ、か。
 それじゃあミナ、次はちゃんと気ぃつけるんだぞ。」

改めて釘を指せば、それじゃ、と手を振って歩き出す。
朝ごはんも食べたことだし、今日の仕事だ――

ミナ > 「あの時は…うぅ…」

その時を思い出しているのだろう、何やら葛藤している様子だったが

「…って、あっ!…はぁ、行っちゃったし…」

顔を上げた時には既に彼の姿はなく。ため息をつくと、リュックサックを背負い直して、再び街の中を歩き出す。

…今度は前をしっかりと見て。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリッカさんが現れました。
リッカ > 「へへっ、チョロいな……」

隅に行き、スッたであろう財布を持ちながらほくほく顔をしている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 平民地区の一角。珍しい着流し姿の男が鼻歌交じりに帰宅中。

な、の、だ、が……。視界の端、人影を見つけた男は「おや?」という表情になり、その人影へと近づいていく。

「おい、そこなちんまいの」

いきなりな声かけ。相手に聞こえるように言いながら距離をつめる男。
まだ距離はある。おおよそ5メルトルほど。だが、男は相手のことを見下しながらゆっくりと歩いていく。

リッカ > 「な、なんだよ。なにかようか?オッサン」
少し驚いた様子で声が聞こえた方向へとにらみつける。

セイン=ディバン > 「……いや、ここじゃまずいな。おいガキ。ちょっと付いて来い」

男は相手に何かを言おうとしたのだが、周囲を見て一度仕切りなおしを考える。
そのまま、相手を手招きしつつ、更に細い路地へと入り……。

もしも相手が素直について来るのなら、そこで相手に。

「お前、スリだろ。シーフギルドにちゃんと登録して活動してるのかよ?」

と尋ねるだろう。
もしも相手がついてこなかったのならば?
男は来た道をもどり、相手がどこにいったか探すことだろう。

リッカ > 警戒しつつ、退路を確認しながら男へとついていく。
その問に面倒なヤツに捕まったというような雰囲気で言葉を紡ぐ。

「スリなんてやってない。変ないいがかりつけないでよ。じゃあそういうことで。」

それだけ言うと男に背を向け、大通りへと踵を返そうとする。

セイン=ディバン > 「待てコラ」

素直についてきた相手が、つっけんどんに言い去ろうとするのを引き止める男。
別段怒っているわけではないのだが、つい口調が荒くなる。

「あのな。俺もシーフ、つまり同業って訳だ。
 はっきり言うけどな。ギルドに所属しないで仕事してるヤツってのは……立場がマズいんだよ」

相手の前に回りこんだ男は、懐からシーフギルドの登録証を見せる。

「分別があるならいいがな。もしもハメを外しすぎればギルドに睨まれる。
 ……もう一回聞くぞ? ギルドには所属してんのか?」

同業者だからこそ、お前のした『仕事』はお見通しだ。言外にそう匂わせつつ、再度確認する男。

リッカ > 「シーフードだかなんだか知らないけどさ、ほっといてくれよ。
 おたくらには迷惑かけないようにするからさ、見逃してくれよ」

目の前に立たれ、逃げるのも骨だと思ったのでしぶしぶと男に返答する。


「それにさ、ギルドに入ってなくても盗みはできるし、なにか不都合でもあるのかよ?」

怒っているような男に対し、精一杯去勢をはりながら問いかける。

セイン=ディバン > 「俺が見逃してもギルドが許さない可能性があるって言ってんだ」

ため息を吐きながら言う男。どうにも。こういった年頃の相手は苦手であった。
激情に任せ怒鳴りつけた所で説得は出来ないと分かっているからだ。

「不都合か。……そうだな。ギルドに所属すると、美味しい仕事の情報が手に入る。
 特にシーフギルドは情報の宝庫だ。後は、盗品の買取を簡単に行ってくれる。
 足が付かずに高値の物を売れるのはでかいぜ。それに、同業同士での技術共有だってある」

相手の言葉に、ギルドに所属するメリットを語る男。どこか楽しそうに話していたものの、その表情がいきなり冷たいものになる。

「ギルドに所属しない不都合ってのはな。身の丈にあっていない仕事をして目立つと、消される羽目になるってこった。
 この街じゃあな。盗みも仕事として、しっかり管理されてるのさ。
 フリーで調子こいたアホが何人葬られてきたことか……」

脅すような口調だが、これは事実だ。ギルドには、過剰な窃盗などを防ぐ抑止力としての機能もあるのだ。

「……無所属だ、ってんなら。ギルドに入ることをオススメするぜ。
 別に上納金とかもねぇしよ」

リッカ > 「んー……。僕はスリとか万引きしかできねぇケチな盗人。
まだあんたがいうようにガキだし、あんたらに見返りの情報とか
 技術もない。抱えるメリットがないだろう。」

だから捨て置けという風に顔をそむける。

「おっさんは善意で言ってるのかもしれないが、メリットがなければ組織は動かないと思うぜ。それにこんな小僧が野垂れ死にした所で世間はどうも思わない世界だ。」

もういいか?というように顔を上げ、男の顔を見る。

セイン=ディバン > 「いや、そうでもない。ギルドにしてみりゃお前さんみたいな若いヤツってのは貴重な人材だ。
 育て上げれば重要な仕事を任せられるだろ? そういう訓練は若ければ若いほど効果が見込める」

逃げ出さず、会話に付き合う相手に満足したのか。男は路地裏の木箱に腰掛ける。

「善意? バカ言うな。このままお前さんが無茶してたら仕事が増えるってんだよ。
 ……野垂れ死に、ね」

背けられた顔が再度自分の方を見た時、男は少しさびしそうな表情を見せた。
そこで再度ため息、男は頭を掻き。

「……昔な。とある寒村で親に、奴隷商人に売られそうになったガキがいた。
 そいつはその場を逃げ出して王都にたどり着いた。冒険者兼盗賊になって、そのガキは必死に生き抜いた。仲間も、友人も作らず一人でな。
 ……そいつは、そんな風にしか生きられないガキを、見捨てられないわけだな。できることなら救いたいと思ってる。
 それがまるで……自分の過去を救ったような気になれると信じて、な」

今度は男が顔を背けながら言う。らしくもない昔語りだ。
だが、そこで男は相手に向かって手を差し伸べた。

「……ギルドに所属するのがイヤなら、俺の弟子にならねぇか?
 お前さんの技術をもっと伸ばしてやれるぜ?」

その表情に嘘の色はなかった。ある意味、善意と呼ぶのは間違いではないのだろう。

リッカ > 「……僕は強盗とかそういう荒っぽいのはできないし、やりたくない。
 でも生きるための最小限度の犯罪ならやる。一番いいのはそんなことしなくても生きていける事だけど、何もないただのガキには難しかった。」

男の過去を聞いてか、自分の思いを喋りだす。


「だからさ、期待されても困るんだ。僕は盗人としても中途半端だ。
 弟子にしてもあんたに迷惑がかかるだけだよ。」

今まで自分の事を話すことも、善意に触れた事がないため、戸惑いながらも男にそう答えた。

セイン=ディバン > 「……奇遇だな。俺も畜生仕事は嫌いだよ。
 できることなら冒険者だけで食っていきたいくらいだ」

相手が訥々と語るのを聞きながら、男は懐から細巻を取り出す、
火をつけ、ぷかり、と煙を吐く姿は実に親父臭いことだろう。

「……じゃあ逆に聞くけどな。もっと腕を磨いて、ビッグになりたくねぇか?
 盗賊技術ってのは、冒険者稼業でも役に立つ。宝箱を解錠したり、罠を回避したり、な。
 中途半端な自分から脱却してぇとは思わねぇか?」

ぷかぷかと煙を吐きつつ、相手を真っ直ぐ見る男。
それは、責めるでも、問い詰めるでもなく。
相手に対して、「中途半端なままでいいのか?」とただ尋ねているようでもあった。

リッカ > 「私にもできるのかな……冒険者。
 私でも誰かの役に立てるようになるのかな。」

ぼつりぼつりと小さい声で独り言のようにこぼす。

「ねえ、おじさん。
 僕に技を教えてよ。おじさんより先に冒険者だけで食べれるようになって、あんたに救われてあげるからさ!」

意を決して男に頼む。
頼み事をするには多少無礼ではあったが、
その眼は覚悟を決めた真剣な眼であった。

セイン=ディバン > 「……ん? 私?」

相手の口から漏れた小さな声に、思わず男が首を傾げるが。
続く言葉に、その疑問が一度消える。

「おじ……あのなぁ、俺ぁまだ30過ぎだぞ!?
 ……ハッ、生意気抜かしやがる。ま、それくらい元気な方が良いがな」

おじさんと言われれば、不服そうにするが。30超えればおじさんであろう。
相手の言葉に笑いつつ、男は相手に握手の形のまま近づき。

「セインだ。セイン=ディバン。よろしくな、ガキ」

にやり、と笑う男。ガキ、というのは馬鹿にしているのではない。
名前くらい教えろ、という意味だ。

リッカ > 「30過ぎぃ?ちょっと老け過ぎだろっ!
 はは、それでも三十路とか僕からみたら十分おじさんだけどね。」

まだ30過ぎという発言に驚き、笑いながらそう答える。

「それに僕もガキじゃない。ユーリだ。よろしくな、セイン。」

相手の意図をわかっても少しムッとした顔したが、笑みを浮かべながら華奢な手で相手の握手に応えた。

セイン=ディバン > 「な、なんだとぉ!? こ、このガキャアッ!
 ……ぐっ……反論できねぇ……!」

年齢差を考えれば、実際オッサンなので仕方ない。
正直、肉体能力から考えると男はピークを過ぎているのだ。

「おう。ユーリだな。あぁ……よろしく。
 ところでユーリよぉ。お前腹減ってねぇか?
 せっかく知り合ったんだ、メシ食いにいこうぜ。奢るからよ」

ぐっ、と握手をしながら言う男。丁度男は空腹であった。
そのまま、男は相手の腹をぽん、と服の上から触るのだが。
……その感触は、何というか。男の子らしくないとでもいうか。

「……?」

その感触に首を傾げる男。おや? なんぞ柔らかくございませんか?
そんな疑問が頭の中をぐ~るぐる。

リッカ > 「ちょっ、気安く触んなよ!
 お、おごりなら飯は行くけどよ……。」

相手の不意な一撃にびっくりして距離をとるものの、
飯の誘惑には勝てずにセインのそばに戻る。

「あ、あんまり他人に触られるの苦手なんだ!
 それ以外特にないからな!」

慌てた顔を隠すようにフードを被った。

セイン=ディバン > 「……あ、あぁ。すまん」

ん~? と首をかしげたまま。しかして、相手の言葉に頭を下げる男。
なるほど確かに。少し気安かったか、と反省。

「うっし。じゃあ近くの飯屋にでも行くか……。
 ……あぁ、その、すまん」

やっぱ何か隠してないか? と思いつつ。
男は、大通りに戻り、馴染みの酒場へと歩いていく。
ん~? ん~? と。珍妙な声を上げたまま。

リッカ > セイン後について歩いていく。
大通りだとフードは怪しまれるので仕方なく下ろす。

「……その、僕もちょっとびっくりしただけで怒ってないから、
 そんなに謝らなくていいよ。
 ところでどんな店に行くんだ?無銭飲食はしたことないからあんまり飲食店には詳しくないんだ。」

セインの横につけ、訝しげに唸る相手の顔を見上げながら聞いた。

セイン=ディバン > 「うん? いや、普通に馴染みの酒場だよ。
 安くて美味くて……給仕の女が可愛いんだ、これが」

見上げながら聞いてくる相手に、男はしれっ、と答える。
物の数分で着いた店に入ると、男は適当に空いている席に座る。

「この店ぁ、肉料理と酒が美味いんだ。
 好きな物ガンガン頼んじゃって構わないぜ。
 ……おぉ、ほらユーリ! 見てみろあの姉ちゃん。
 あの胸エロ過ぎんだろ!」

メニューを相手に渡しながら、男は黒麦酒を注文する。
と、そこで通りすがりのウェイトレスを指差しながら、相手の肩をぐいっ、と抱き寄せ。
ひそひそ声でなんとも下品なことを口走った。なお、男の指差すウェイトレスは確かに巨乳だった。

リッカ > 「……あっ!」

いきなり肩を寄せられ、びっくりしたが、平静を装う。

「ははは……、僕はあんまり興味ないなぁ……。あと、恥ずかしいからはなれてよ。」


本当に興味なさそうという感じで冷めた笑みをこぼし、厚かましく肩を寄せてきたセインを押しのけ、メニューに視線を落とす。

「とりあえず手羽とオレンジジュースかなぁ。いくら旨い店といっても酒はまだ飲めそうにないから遠慮しておくよ。」

まだ大人ではないが、男と比べると華奢で身体つきは柔らかいため、ユーリはいつ自分が「男ではないか」とばれないかと内心ヒヤヒヤしていた。

セイン=ディバン > 「……マジか? マジで言ってる? お前。
 じゃあ何だ腰か尻かそれとも臭いフェチか!?」

胸に興味を持たぬ男、それすなわちおかしい。とばかりに問い詰める男。
大きいのだけでなく、小さいのが好みということだって胸への興味だろう、と思っているが。
相手が注文しようとすれば、距離を取る。

「あいよ。すまん店員さーん! オレンジジュースと手羽を頼む!
 あと吹かした芋!」

店員にハッキリ聞こえる声で注文しつつ、相手の顔を見る。
路地裏は暗くて見えなかったが。相手の目は美しい青、いや蒼だった。
男はぐい、と顔を近づけ。相手の顔をまじまじと観察し。

「ユーリ。お前顔綺麗だなぁ」

なんて、ぽそりと囁くのであった。

リッカ > 「ちょっと、変なことばっか言わないでくれるかな。
 僕はまだ子供なんですし、教育に悪いだろ!?」

出る言葉がどれっも下品な言葉しか出ない相手に呆れ、少し声を荒げる。

注文するのをお冷やを飲みながら静観する。

そして顔寄せてジロジロ見て「綺麗」とつぶやく相手に困惑する。

「ゴホッゴホッ……!それが男に向かって言うことかよ!
 お前ホモかよぉ!」

綺麗と言われ、むせながら顔を赤くし、怒ったようにそう返した。

セイン=ディバン > 「教育に悪いことを俺が口にしていると分かっている時点で」

もう十分理解してんじゃねぇか、と苦笑する男。
だが、確かにまだまだ若い相手に言うには少し下品すぎたな、と思う。

「失礼なこと言うなっつー。俺ぁ女の子大好きだってんだよ。
 まぁ、男を喰ったことがねぇでもねぇがな」

むせる相手に対して憮然としたような表情で言う男。
男も喰えないでもないが、別段同性愛者という訳ではない。
だが、相手が怒っているのを見れば、その頭を撫でながら。

「んだよ、褒めてんだぜぇ? 顔が良いってのはそれだけで武器になりえるんだしな。
 それとも何だ? 照れてんのか?」

笑いながら言い、酒を呷る男。酒を追加注文しつつ、ガハハと笑う姿。
オッサンというよりはクソ中年のそれであった。

リッカ > 「うっ、男同士とか考えたくないなぁ……。」

引きつった顔で、男を喰った事があると豪語する男を見る。

「て、照れるとかじゃなくて、自分の容姿が好きじゃないんだよ。
 もう少し男っぽいほうがやりやすかったのになぁ」

顔を赤くし、拗ねながらも、黙って頭を撫でられている。
髪は細くふわふわであった。

「イケメンなら武器になったかもしれないけど、可愛いじゃなぁ。
 セインだったら可愛いのはどう武器になるっていうのさ。」

オレンジジュースをちびちびと飲みながら豪快に飲むオッサンに尋ねる。

セイン=ディバン > 「まぁ、そりゃあそうだわなぁ」

相手の引きつり顔を見て、けらけら笑う男。
普通なら、確かに同性愛など想像もしたくあるまい。

「なんだそりゃ。いいじゃねぇかよ、顔が良いに越したことはねぇぞ?
 バ~カ。相手の油断を誘うなら可愛いってのもあながち悪くねぇさ」

良い感じに酒が回ってきたか。男は相手の頭をなでなでと撫で続ける。
その髪は実に軽やかであり、本当に男の髪かと疑ってしまうほどだ。

「あん? そうさなぁ。……さっきも言ったように、線が細いと油断した相手に強烈な一撃をお見舞いしたり。
 女装して潜入捜査したり? いろいろ使い道はあるだろうさ」

さらに酒を一気飲みする男。いつしか、相手の頭をなでる手は、首筋へと。

リッカ > 「油断かぁ。今までも子供と油断した相手からすったり、
 してたからその延長かなぁ」


 黙って撫でられたが、首筋へと手が移動した時は流石に拒否反応をしめした。

「ちょっ、どこ触ってんだよ!
 もう酔ったのかよ!」

 相手の手から逃れるように軽くもがくが、非力で上手く剥がせない。
 相手がやめようとしなければ特にこのままねじ伏せられるだろう。

セイン=ディバン > 「そうそう。物は考えようってこった」

相手の言葉に大げさに頷く男。どうにも、陽気になってしまって声も大きい。

「ん……あぁ、悪い悪い。
 酔ってはいねぇが、お前の反応が面白くてな」

すまない、と頭を下げて手を離す男。
この男にしては珍しく、男性相手にスキンシップが多い。
もちろんわざとではないのだが。

リッカ > 「ふぅ……、胸までいかれたらやばかった……。」

小さな声で安堵しながら、撫でられた首筋を自分で撫でる。

「セインは……なんだ、男に対していつもこうなのか?
 ちょっとどうかと思うぞ」

手羽を手に食べながら、ジト目で見やる。
意地悪なことをする男に多少警戒をしている様子だ。